スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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4、人は変わらない

人事のバランスがどうのこうので、菜々美は昇進を見送られ、その代わり何とか言う勲章を幾つも貰ったが。

 

軍服につけても重いだけなので、引き出しにしまっておいた。以降は取りだすこともないだろう。

 

ベッドに転がって、目をつぶる。

 

たくさん、助けられなかった。

 

姉はなんとか王をスーパーロボットだと言い張っている。だが、誰も助けられないではないか。

 

なんとか王は全力を出しきった。

 

それは菜々美が保証する。

 

菜々美も力が足りなかった。

 

それは分からないが、恐らくあると思う。

 

それにしても、被害が多すぎる。

 

せめてもの救いは、あれだけ跳ねっ返りでやりたい放題だった海兵隊が、司令部から入れ替えになって、改革が入る事が決まったらしい。

 

元最強国家の最強部隊だが。

 

これで、本当の意味での再建が始まるといいのだが。

 

ともかくである。

 

今は、誰にも会いたくなかった。

 

いつの間にか眠ってしまっていた。

 

野性的な見た目もあって、女性兵士にばかりもてる。まあそれは分かっている。ただでさえ恋愛はあまり推奨されていない軍である。誰も彼も色々持て余す。だから同性愛も流行る。

 

菜々美としてはたまったものではないが。

 

黄色い声を浴びながら、菜々美はロボットを進ませる。

 

そう。二足歩行で、かっこいい顔がついている、正真正銘のスーパーロボットである。少しずつ改良が進められて、それでやっとこう言う姿になったのだ。なんとか王が。手には斬魔剣。付属装備にも幾つも装備があって。あのなんとかナックルも使う事が出来るようだった。

 

だが、別にあまり嬉しくは無い。

 

此処までになるまで、どれだけの犠牲が出た事か分からないからだ。

 

しかもシャドウを倒す度、首脳部がバカになる。

 

「戦後」を考えて、対人兵器について考え出したり。

 

利権がどうので揉め始める。

 

あれだけシャドウが出る前に人間が愚かな事を続けて、シャドウが出るまでもなく人間社会は破綻しかけていたのに。

 

スーパーロボットなんとか王が行く。

 

また中型を倒す。

 

黄色い喚声を受ける。

 

そして。

 

今度は、人間同士の戦争に、なんとか王が出向く事になる。

 

それで夢が覚めていた。

 

身を起こすと、大きな溜息が出る。バカじゃねえのとぼやく。夢の内容に、ではない。人間にだ。

 

実際これは、起こりうる未来だ。

 

姉は実際問題、最終的にはなんとか王をあの姿にまで育て上げかねない。それは分かっている。

 

菜々美もそれに沿って戦果を上げるかも知れない。

 

だが、もしもシャドウを駆逐したとしたら。

 

また無分別に拡がった人間が、やりたい放題する未来しか見えないのだ。

 

動物であったら、それもいいだろう。

 

しかし知的生命体を気取るのであったら、それは許しがたい愚かしさである。人間は知的生命体を自称し。独自の法を用いて管理をしている。都合が良いときだけ動物の理屈を適用するのであれば。

 

それはシャドウに駆逐されても文句をいう資格などないだろう。

 

シャドウを駆逐したら。

 

もっと強力なシャドウが現れたりして。

 

そう思って、ふっと溜息が漏れていた。

 

メールが来ている。

 

すぐの返事は必要ないと言う事だろう。内容を確認すると、姉からだった。

 

話にあった、大阪湾にいる中型。

 

イエローサーペントの駆逐が決まった。

 

準備期間は三ヶ月。

 

それまでになんとか王の対水中戦装備を開発するという。

 

対水中戦装備もなにも。

 

今の時点では40式の車体に、不格好に変態兵器をくっつけているだけの代物に過ぎないのだ。

 

それを開発もなにも。

 

それこそ僅かに残っている海軍の潜水艦、来鯨型でも改良するくらいしか思いつかないし。

 

海中での戦闘で、あのシャドウを。しかも中型だけではなく小型も含めて相手に出来るとはとても思えなかった。

 

いずれにしても溜息が出る。

 

それでも動かなければならない。

 

訓練場に出る。しばらくは試作兵器どころではないだろう。だから、黙々と訓練で体を鍛えておく。

 

この間会った新兵が来ていて、射撃をしている。

 

小耳に挟んだところによると、あの玲奈という兵士、この間の会戦で26体の小型を倒したという。

 

ぶっちぎりで単独トップのキルスコアだそうだ。

 

まあ、中型を倒すのに集中していなければ、菜々美もそれくらいは狩れたかも知れないが。

 

そこは張り合っても意味がない。

 

とりあえず、まずはランニングマシーンからだ。

 

しばらくは無心に体を動かす事にする。

 

あの夢。

 

あり得る未来が。

 

ただひたすらに、気分が悪い。

 

あれが普通に起こりうることだと分かっているから。だからこそ、気が重い。それはどうにもできなかった。

 

 

 

(続)








菜々美さんは今回は昇進なし。人事のバランスがどうのこうのと上層部が色々言っているのが原因ですね。

そして菜々美さんの下の世代に優秀な子も育ち始めています。

勿論未来は明るいなどとは言えませんが。

それでも、決して全てが無意味な訳ではないのです。








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