スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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迫る世界破滅規模の災厄。災厄の権化であるネメシス。

ですが今回は、傾向が分かってきています。

だから、対策をしなければなりません。

相手は放置しておけば、恐竜を滅ぼした隕石並みの災禍を引き起こすことが確定なのです。






1、桁外れの災厄の前に

畑中博士は会議で重苦しい空気の中にいた。

 

ネメシスによる超大規模災害の可能性。

 

それは、この間のブラックウルフ・ネメシスが起こしかけた地球の北半分を滅ぼしかねない台風の事で、既に明らかになっていた。

 

あれをブライトイーグルの大軍が食い止められたのは、ネメシスを超世王セイバージャッジメントが斃したから。

 

そうでなければ、それすら食い止められなかった可能性が高く。

 

神戸どころか、北半球の人間がまとめて滅びていた可能性が高く。南半球でも、想像を絶する被害が確定で出た。

 

その報告が纏まると。

 

GDFの会議では、重い沈黙が訪れていた。

 

ネメシス種は。

 

下手をすると、氷河期だとか大乾期だとか。

 

それどころか、隕石が地球に直撃したような大災害を引き起こす事が可能である。

 

それを思うと、誰もが背筋が凍り付く。

 

今まで威勢が良い事をほざいていた連中さえ黙り込んでいる。

 

実際、神戸からも観測されていた、おぞましい規模の竜巻や膨れあがっていくスーパーセルの巨大な雲は、各国にもリアルタイムで流されていた。

 

神がどうのとわめき散らす連中さえ。

 

あの映像の前には、黙り込んで何も言えないようだった。

 

神なんかいたとしても。

 

ネメシス種の前には無力。

 

それが分かってしまったからかも知れない。

 

人間の信仰は、結局のところ支配の道具と堕す。

 

どれほど高潔な思想によって作られてもそれは同じだ。

 

一神教が代表例だが、他の信仰もそう。

 

日本で神社をなんとなく拝んで、それで何となく助けて貰う。その程度の信仰であったら良いだろう。

 

世界で最も力を持った一神教はそうではなかった。

 

ただひたすら全肯定と全否定の思想をもって、一部の知識人が、それ以外のバカを支配するという邪悪な仕組みを作りあげた。

 

それがどれだけ悪辣であっても。

 

あの見る間に膨れあがっていく凄まじいスーパーセルの映像には、あまりにも無力だった。

 

更には。それをあっと言う間にシャドウは吹き飛ばして、平常の天候に戻してしまった。

 

その凄まじい力を見せつけたブライトイーグルの事もある。

 

核兵器をどれだけ叩き込んでも通じなかった。

 

その理由が、今更ながらに可視化されたのだ。

 

人間が妄想していた全知全能の神なんて、所詮人間の想像の範囲内の存在であって。

 

現実に途方もない力を持つ存在と。

 

それが人間の悪影響を受けて生まれてしまったネメシスが。

 

どれだけの桁外れの力を持っているのかは。

 

あの映像が、これ以上もないほどの説得力を示したのである。

 

誰もが黙り込んでいる中。

 

麟博士が提案したものを、代表して畑中博士が会議で説明する。畑中博士は半笑いだったが。

 

それもそうだろう。

 

猿山で騒いでいたバカ共が。

 

やっと現実を認識できたのだ。

 

妹を廃人にされ。

 

ずっとつくしてくれた呉美大佐もまた廃人になり。

 

そんな状況でやっと得た勝利を過小評価された。

 

それだけで畑中博士は内心穏やかではなかった。

 

此処で騒いでいた連中は、たかが一軍人がどうなろうと知った事では無いとしたり顔でほざいていた。

 

そんな連中が、雁首揃ってしめられる前の鶏同然になっている。

 

これほど痛快なことがあるだろうか。いやない。

 

「ネメシス種が、地震を狙ってくる可能性があります」

 

「地震だと……」

 

「ええ地震です」

 

プレゼンを始める。

 

畑中博士の書いた絵でも、それほど驚かれることは無い。いつもはこれを見て、誰もが青ざめていたのに。

 

とにかく分かりやすく書いた絵で、説明をしていく。

 

日本にはいわゆる大陸プレートが密集している。

 

地球の表面……地上はいわゆるプレート移動をしていることは周知の事実だが。これは要するに、とても高い粘度を持つ地面が、ゆっくり地球の表面を循環しているようなものである。

 

だから地球の内部にも戻っていく。

 

また、地球の内部からも出てくる。

 

それらのプレートの移動で発生するのが地震だ。

 

日本が世界有数の地震大国なのは、このプレートが密集しているのが要因なのである。

 

「ネメシスが人間を一掃する方法として一番手っ取り早いのは、恐らく地球全土を揺るがすレベルの地震です。 日本にあるプレートを全て粉砕し、日本に存在する火山全てを破局的噴火をさせた場合。 人間は確定で滅びます」

 

「な、なんだと……」

 

「勿論シャドウもそれは望まないでしょうが、ネメシスがやってきた事を考えると、その手段はどんどんエスカレートしています。 次はこれくらいのことをやってくると考えるべきでしょう」

 

椅子になついている代表もいる。

 

あれは漏らしたのではないか。

 

いやはや痛快痛快。

 

うちの大事な菜々美ちゃんを無能呼ばわりしたり。

 

あれほど傷ついても戦い続けているのをみても、なんら心が動かされなかったような連中だ。

 

そういう冷酷さを持つ事が指導者として必要だとか。

 

そんな寝言で、自分の脳タリンぶりを正当化していたようなアホの群れ。

 

せいぜい怖れろ。

 

そう思いながら、畑中博士は更に説明をしていく。

 

仮にM10の地震がそれで生じた場合の被害について。

 

日本は今まで記録にもないような地震で神戸もろとも一瞬で壊滅。更に火山の噴火も重なる。

 

日本では阿蘇山などが有名だが、それ以外にも危険な火山は幾つでもある。それらが破局噴火した場合。

 

地震とあわせて多分数時間ももたず、日本は消滅する。

 

それだけじゃない。

 

それで引き起こされるのが津波だが。これは恐らく、今まで人間が経験したこともない規模になるだろう。

 

「津波の高さは、場所によっては最大千mに達するでしょう。 内陸に人間がいない今の時代、どの都市も国も、シェルターだろうと。 全て押し流されて、ひとたまりもなく滅ぶでしょう」

 

「……っ」

 

「神にでも祈りますか? 今まで散々ばかげた行いを繰り返して来た人間なんか助けるとは思いませんけれど」

 

今まで神が神がとわめき散らしていた連中ですら。

 

この凄まじいシミュレーションには声も無いようだった。

 

もっとランクが上の災害だと、巨大隕石……それも恐竜を滅ぼしたような代物よりも更に上の存在が直撃する事により発する地殻津波などがあるが、これが起きた場合はもう地球そのものが完全に死の惑星となる。

 

流石にそれを引き起こすエネルギーは存在し得ない。

 

シャドウの今までの戦闘を分析してきたが、それを作り出すのは不可能だ。現在の人間が起こせるエネルギーなどより遙かに巨大なものをシャドウは操る。だがそれを最大限に解釈しても、いくら何でも地殻津波まで起こすような破壊は起こせない。例えば月などを音速の数十倍の速度で地面に直撃させるとか。そういった規模の超エネルギーが必要になるのだが。

 

それはシャドウにすら手が届かない領域だ。

 

いずれにしても、ネメシスが日本にある大陸プレートを粉砕する行動を思いついて実行しようとした場合。

 

もし止められなかったら、何処に逃げようと無駄だ。

 

宇宙なんて論外である。

 

多分逃げようとした瞬間ブライトイーグルに叩き落とされるし、なんなら魔王の攻撃で、衛星軌道上にたくさんあったが今は一つも無い人工衛星よろしく消し飛ばされる。

 

そもそも人間は、宇宙で長時間生活出来る技術を今だ有していない。

 

シャドウ戦役前に火星に人を送り込んで長期間の生活がどうのこうのと出来もしない計画をほざいていた輩がいたらしいが。

 

そんなものは机上の空論に過ぎなかった。

 

「畑中博士、それでどうすればいいのかね」

 

「超世王セイバージャッジメントとシャドウの連携でネメシスを斃す。 これしかありません」

 

「……」

 

「ネメシスが狙ってくる場所を幾つか見当をつけました」

 

今の時点で、ネメシスは中央アジアか日本にしか出ない。

 

ただ、ネメシスの出現間隔が延びている。

 

これは恐らくだが、凶悪化するに従って、出現のスパンが拡がっているのだと思う。

 

そして畑中博士は仮説を立てている。

 

この間の災害規模。

 

そして今回想定される災害規模。

 

これを達成出来なくなれば、ネメシスはもはややれることがなくなる。そうなれば、恐らくは。

 

逆に言うと。

 

この破壊をネメシスが引き起こせない場合は終わりだ。

 

臨界点とノワールは言っていたが。

 

次にこの臨界点をネメシスを作って来ると見て良い。

 

今までで最強の相手が出てくるだろう。

 

そして、此奴さえ斃せば。

 

ネメシスは恐らく、打ち止めになる。

 

だが、それを口にするつもりはない。此処にいる連中は、ぺしょぺしょになっていた方が良い。

 

政治家の無能さは、シャドウ戦役前にはどこの国でも問題だった。

 

自由の国で民主主義の最先端である筈の北米ですら、裏口入学がすっぱ抜かれていたくらいである。

 

此奴らは悪い意味でのそれらの無能政治家の子孫だ。

 

一度徹底的に思い知ればいいのである。

 

「畑中博士、それでどうすればいい」

 

「私よりも広瀬大将に聞いてください」

 

「……広瀬大将」

 

「ネメシスが出現した後、シャドウに領内に入るのを許可するしかありません。 前回の戦闘でも、ブラックウルフ・ネメシスを斃すのに、シャドウが最大級の協力をしてくれました。 それがなければ、とても倒す事は出来なかったでしょう。 今まで温存していた第一軍団も、地殻破壊を狙ってくるネメシスが出現した場合は、全て投入します。 幸い、弾は揃いました。 効くかどうかは微妙でしょうが」

 

傷がつけば殺せる、か。

 

傷はつくが、鉛玉では傷はつかない。

 

そういう存在だ、ネメシスは。

 

だから、時間を稼ぐための文字通りの特攻になるだろう。

 

それでも、広瀬大将はやってくれると言っている。

 

実際問題、今までを超えるネメシスが出現した場合、出来る事は限られている。

 

今までの対中型戦のノウハウを生かしても、それでも時間を稼げるかどうか。時間を稼ぐことすら出来ないかも知れない。

 

広瀬大将は死ぬ気だな。

 

それは分かった。

 

だが、畑中博士は、それを止めるつもりもなかった。畑中博士も、京都工場から動くつもりはない。

 

どうせ何処に逃げても同じだからだ。

 

黙り込んでいた市川代表も。顔色は死人のそれだった。

 

少し前から様子がおかしいが。

 

これはひょっとすると、あの無能な天津原よりも早く潰れるかも知れない。一応仕事は出来る人間だったのだが。

 

この状況では、それも行かせないか。まあ仕方が無いだろう。

 

「分かった。 ネメシスがもしもそのような行動を目論んでいると判断された場合は、代表の権限で、シャドウとの確保した領域内での戦闘、共闘を許可する」

 

「……」

 

「反対は?」

 

ダンと、鋭い音がした。

 

代表の一人が拳銃を咥えて引き金を引いたのだ。

 

絶望して、自殺したのである。それを見て、誰ももう何も言わなかった。

 

誰もが絶望の中にいる。

 

畑中博士は、今更だと思った。

 

今まで散々バカみたいなことをほざいてきて、広瀬大将や菜々美ちゃんの、飛騨大尉の足を引っ張ってきた。

 

兵士達も散々死なせてきた。

 

此奴らの中には主戦派に化けかねない奴だっていた。そういうのが代表になったら、更に被害が拡大していただろう。

 

今更反省したって遅い。

 

だいたい此奴らの死で、今まで前線で頑張って来た人間達の無駄死にをあがなえるものか。

 

だから自殺したどっかの国の代表に、同情とかは一切湧かなかったし。

 

市川代表も、既にそれを気にもしていないのか、決議を取っていた。

 

殆どの国の代表が棄権した。

 

もう判断したくない。

 

そう顔に書いていた。

 

これが、あらゆる手段を使って権力を得た連中の姿だ。なんとなさけないツラをしていて。

 

挙げ句に必要な時に決断すら出来ない。

 

こんな連中が権力を得るような生物が人間だ。

 

王族だろうと貴族だろうとそれは同じ。

 

だから世界を此処までにしてしまったし。今もネメシスなんて存在を産み出し続けているのだ。

 

ぶっちゃけ畑中博士は、軽蔑こそすれど。

 

彼等に同情はしない。

 

まあ、精々苦しみ続けろ。

 

そうとしか考えられない。

 

此奴らは、恐らく決戦になるだろうネメシスとの戦いで勝ったら。またすぐに調子が良い事をほざきだすのだ。

 

それどころか、飛騨大尉や菜々美ちゃんを暗殺しようとまでするかも知れない。

 

だから、畑中博士は一切此奴らを許すつもりも無い。徹底的に軽蔑し、地獄に落ちれば良いと思っていた。

 

決議が出る。

 

賛成票も幾つかあったが、反対票はなかった。棄権が多数。責任を取りたくなかったと言う事だ。

 

市川代表は、機械的に言う。

 

「では賛成が反対を上回ったので、可決とする。 これからシャドウと連携して、最悪のネメシスを迎え撃つ。 広瀬大将、準備を整えて欲しい」

 

「分かりました。 兵士達には、休暇を与えておきます。 最後になるかも知れませんので」

 

「好きにしてくれ」

 

「では好きにします」

 

会議が終わった。

 

ふっと笑いが漏れて。

 

それから、それが爆笑になった。しばらく真っ暗なテレビ会議の画面に向けて嗤い続ける。

 

三池が、側で青ざめていた。

 

「畑中博士?」

 

「明日は休んでいいわよ。 私も休むから」

 

「は、はあ」

 

「恐らくすぐにネメシスは来ない。 今のうちに、最後の休みで体を整えておいてちょうだい」

 

さて、大笑いして、気も晴れた。

 

クズ共はどうでもいい。これからは、飛騨大尉を死なせないようにしなければならないだろう。

 

それについては、幾つか案があるが。

 

ただ、どうやってもネメシスの超高熱による攻撃は、防ぎようがない。

 

だいたい、地殻を粉砕するつもりならやる事は分かっている。

 

幾つかのプレートの不安定な地点に、超高熱になった自分自身を叩き込む。それだけしかない。

 

ネメシスは死を怖れなくなった。

 

それは先の戦いでも分かった。

 

これは実際には、人間という生物の心理的に。

 

死を怖れるよりも、人間に対する怒りの方が強くなったのだろう。だがそれは、生存本能を放棄するという生物としては致命的な段階に入ったことを意味する。

 

シャドウは集合意識存在だとしても。

 

恐らく全部としての生は優先するはずだ。

 

ネメシス種はそれですらない。

 

強いて言うならばシャドウ戦役前にいたという、宗教原理主義者の自爆テロリストみたいになっている。

 

連中も大喜びで自爆テロを選んだ。

 

それには宗教に起因する怒りもあった。

 

実際には洗脳されていたのが殆どだった。

 

それはそれとして、ネメシスは今や自爆テロを行う連中と同じになっている。

 

ネメシスが人間の最悪の部分を学習した結果がそれなのだとすれば。これから相手にするのは、最悪のテロリストである。

 

それも人間の。

 

ならば、勝機はあるかも知れない。

 

幾つかの対抗手段を考えておく。

 

仮に地盤を撃ち抜いてプレートを粉砕するとしたら、最低でも核兵器を多数爆発させるくらいの火力が必要だ。

 

それはこの間の、北半球を破壊しかけたものよりも更に強大なエネルギーを必要とするだろう。

 

ただし、ネメシスはこの間の戦闘で。

 

死を怖れなかった。

 

それを逆に突ける可能性が高い。

 

広瀬大将とは綿密に連携をしながら、どうやれば良いのかを幾つか打ち合わせをしておく。

 

広瀬大将は流石に専門家の中の専門家である。

 

畑中博士がこうしたいというと、現実的な戦術を即座に考えて提案してくれる。後はそれに沿って、大まかなものを作るだけだ。

 

斬魔剣Ⅲだけでは足りない。

 

今度のネメシスは、恐らくだが。今までのよりも遙かにタフな個体が出現する。それを斃すには、今までとは比較にならない熱量が必要だ。その熱量を悪用してくるだろう。だが、それはさせない。

 

さて、シャドウとの連携だが。

 

麟博士が来た。

 

恐らくネメシスが狙ってくるだろう地点を確定したのだ。なる程ね。これが正しいとなると、今まで頻繁に戦闘が起きていたのは恐らく偶然ではないな。

 

本能的に、一番危険な場所をネメシスが選んでいたのか。

 

それとも人間の知識から割り出したのかまでは分からない。その程度は、シャドウ戦役前から分かっていたことだったのだから。

 

ふむふむと頷きながら、策を考えていく。

 

ネメシスは恐らくだが、その地点にぽっと出現する訳ではないだろう。恐らく其処から相応に距離がある地点に出現するとみていい。

 

前回の飛騨の時と同じだ。

 

中型種の攻撃をわざと受けて、熱を蓄えるためである。中型種にしたって、キャノンレオンでも核攻撃くらいの熱量をコントロール出来る。その熱量を最大限悪用するためには、敢えて目的地から距離を取った方が良いのだ。

 

そしてノワールがネメシスの出現地点を制御出来るとしても。

 

その場所は、多分ネメシスの方がある程度干渉してくるはず。

 

シャドウとしての死を迎えることが、集合的意識から切り離される事だとすると。

 

既にシャドウの中には群体としての意識の中にとてつもなく濃縮されたネメシスの意思みたいなものが存在していて。

 

それは恐らくだが、臨界点と言われる段階にまで達している。

 

この間の戦いで、飛騨大尉は明確に人間の罵声を聞いたという。

 

確かに記録にあるデータにも、そう聞こえるものが多数含まれていた。

 

古くでは、どんな創作でも悪役の方が人気が出た。

 

邪悪で残虐な悪役はとても好かれた。

 

そういう事実があった。

 

人間は抵抗できない相手を痛めつけるのが大好きだし、それをやるとき何を見た時よりも楽しくて笑う。

 

そういう生き物だ。

 

正義感が強い人間はむしろ迫害される。

 

シャドウ戦役の前には、正論を言う事をロジハラなんて言って忌避する傾向があったようだが。

 

それは暴君の理屈だ。

 

世界中に解き放たれたエゴは、シャドウ戦役の前には大量の暴君を呼び集め。誰もがちいさな暴君になっていた。

 

それは資料を見ても明らかだ。

 

それがネメシスになったのは、あらゆるデータが証明している。まさに人間の悪の総決算の時代の遺産。

 

それとこれから戦うのだ。

 

髪を掻き上げると、三池に茶を淹れてくれと頼む。

 

新しく茶の栽培が始まったようだが、どうせまだ美味しいのはでないだろう。

 

それでも、カフェインを脳に入れて、少しはクリアにしておかなければいけないのである。

 

これから考えておく兵器は、文字通り最終決戦で用いる最後の兵器。

 

これが通じなければ、ネメシスを倒す事は出来ないし。何よりも、ネメシスを斃せなければこの世界が終わる。

 

恐竜が滅んだ隕石の激突にも匹敵する地獄絵図が到来する。

 

五度の大量絶滅の一つ、その中でも最大最悪のペルム紀の大絶滅を超えるものが確定で来る。

 

それだけは。

 

それをやりかけた人間共の生き残りとして、絶対にさせてはならないのだ。

 

茶が来たので、飲み干す。

 

多分三池も分かっているのだろう。敢えて温く茶を淹れてくれていた。

 

非常に助かる。

 

何度もお代わりをしながら、キーボードを叩く。ひたすらに、脳も働かせる。設計図を作り出し、次々に改良していく。自分の中の設計図を、どんどん湧いたアイデアでアップデートしていく。

 

これがどうも他人には中々出来ないらしいと気付いたのは、いつ頃だったか。

 

催眠教育でフルスペックを引き出せる今の時代だからこそ、これに気付けた可能性は高いし。

 

これができるまでに脳が鍛え上げられた可能性もまた高いのだが。

 

それは別の話だ。

 

今畑中博士がやるべき事は、バカ共が昔やりかけた事を再現……或いは完遂するために現れるネメシスを。

 

今度こそ完璧に。

 

過去の亡霊もろとも地獄に叩き落とす事。

 

それだけである。







畑中博士は笑っていますが、拳銃自殺した代表がもっともこの状況ではまともかも知れませんね。

権力が欲しくてそれでその座に座って見たら、この地獄絵図です。

今や決断そのものが罰ゲーム状態。

GDFの首脳部は無能揃いですが、既に瓦解しかけているとも言えます。

中国のある時代の皇帝が、最後にこう言い残したそうです。

生まれ変わっても二度と皇帝にはなりたくない。





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