スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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4、戦いの終わり

あたいは病院で目を覚ました。

 

ネメシスエンドを斃したあと、病院に運ばれて。色々痛い手当てを受けて。お医者さんに怒られて。

 

それで、忙しい中色々検査をされて。

 

やっと眠って。

 

疲れもあったのだろう。いつもより起きるのが遅かった。

 

これから何をすればいいのだろう。

 

そう思う。

 

シャドウとの戦争は論外だ。

 

勝てる勝てないの問題以前に、シャドウと戦う意味が無くなった。シャドウは嘘をつかないし、恐らくどれだけの物資が必要か理解している筈だ。今後犯罪組織なんてものは存在し得なくなる。

 

神戸以外の都市は混乱が続くだろうが、いざシャドウが街に乗り込んで来たら、威勢良い事を喚いていた輩なんて、真っ先に逃げ出すか、効きもしない銃を撃つだけだ。勿論斃せる事などあり得ない。

 

人間同士の争いも起きないだろう。

 

世界中に神戸で使われているシステムが拡散して。

 

子供が最大限のスペックを引き出せるようになれば。

 

数世代の間に宗教……特に全肯定と全否定によって、人間の思考能力を奪う類のものは消えて無くなる。

 

一神教圏内ですら神戸式の催眠学習を採用した地域では、それが起きつつある。

 

人間があまねくフルスペックを発揮できる時代がくれば。

 

少しは世界はマシになる。

 

シャドウは世界を去る。

 

その日は、少なくともあたいがおばあちゃんになるよりずっと先だろう。

 

シャドウに自爆テロの類を仕掛けるアホはしばらく出る。勿論あたいもそのターゲットになりうる。

 

だから不自由にはなるが。

 

それはそれとして、戦いが終わったことは今実感できていた。

 

しばらくぼんやりしていると、北条さんが来る。

 

相変わらず貼り付いたような笑みである。

 

第一軍団が壊滅していく中、広瀬大将を助け出し、自身はほぼ無傷で生還した最強の戦士。

 

だが、彼女のような化け物じみた能力の兵士の話は他に聞かない。

 

非人道的なプロジェクトの産物らしいが。

 

生き残りは彼女だけなのかも知れない。

 

幾つか話をされる。

 

「これから私が貴方を護衛します」

 

「それは光栄です」

 

「正確には、この病院……畑中中将や広瀬大将、呉美准将が入院しているこの病院を、ですけれどね。 あと、貴方は少佐に昇進です。 近いうちに中佐に昇進の人事もあるそうです」

 

「そうですか……」

 

何一つ嬉しくない。

 

実態が何も伴っていないというのもあるが。

 

給料が上がるだけだからだ。

 

あたいはあくまで一パイロット。人の指揮をしながら戦うような真似は出来ない。呉美准将とは違うのだ。

 

「しばらくは混乱が続きますよね」

 

「案の場活動家が騒いでいますね。 この病院への襲撃を呼びかけて逮捕されるものも出ています」

 

「なるほど、それで北条さんが」

 

「何、あんなモヤシども、手も無く捻って見せますよ。 それに、この病院の近くにスプリングアナコンダがいます。 監視の目的のためでしょう。 そういう暴徒がもし近付いたら、恐らくは」

 

ああ、やりそうだなと思う。

 

あたいはそれに対しては、同情は一切出来なかった。

 

そして活動家だけピンポイントで焼き尽くすくらい、シャドウなら簡単にやってのけるだろう。

 

恐ろしい話だが。

 

そんな超絶存在に、創意工夫だけで戦えてこれた。

 

奇蹟があるとしたら、それこそが奇蹟だ。

 

あたいはそう思う。

 

「今回は骨折が多いので、入院は一月半ほどになります。 その後は、京都工場に戻ってください。 復旧も終わっているでしょう」

 

「結構神戸から離れていますが、シャドウは潰しに来なかったんですか」

 

「それどころか復興用の物資まで運んでくれましたよ」

 

「……」

 

超世王セイバージャッジメントに随分斃されたというのに。

 

全く気にしていないのは、人間と全く違うことをよく示している。

 

シャドウは人間が初めて遭遇した、人間とは全く違う、意思疎通が出来る格上の存在である。

 

この機に人間は、もう少し進歩しなければならないのだろう。

 

ありのままの人間が美しいなどとほざいているのはアホの証拠だ。

 

ありのままの人間が何をしてきたか。

 

そんなことは、あたいだって分かっている程度の事なのに。

 

要は醜いエゴと暴力を正当化するための寝言に過ぎないではないか。そうあたいは、シャドウの約束を一切破らない嘘もつかない行動を見ていて、思うのだ。

 

北条さんが行くと、手当てが始まる。

 

しばらくは腕も足もまともに動かせないので、料理などはとても食べるのが大変だが。それもロボットが支援してくれる。

 

昔は昼夜関係なしの看護師業務が大変な重労働だったらしく。

 

看護師さんは心身を病んでしまうケースも多かったとか。

 

今はロボットがそれを代替でやっている。

 

これが世界中に広まれば。

 

もう少し世界はマシになる可能性が高い。

 

そして今こそ。

 

それを通して。

 

世界をマシにするべく、大人が頑張るときだ。

 

あたいも大人になったら、それに加わろうと思う。

 

食事を手伝ってくれたロボットに礼を言う。

 

一秒でも今は早く体を治して。

 

それで、明日のために、動けるようにならなければならなかった。

 

 

 

(続)







スーパーロボットってなんなんでしょうね。

見かけが人型で格好良ければ良いんでしょうか。

自分は意見が違います。

某ロボット達の集まるゲームで、精神コマンドがとても大事なように。気力が何よりも大事なように。

大事なのは姿ではなく乗り手の魂ではないでしょうか。

自分は敢えて戦車とあんまり変わりがない姿をした超世王セイバージャッジメントを、スーパーロボットと考えています。

それはこの機体が最強ではありません。格好良いからでもありません。

パイロットとともに、どれだけ傷ついてもなんででも立ち上がるから、なのです。

あの偉大なるくろがねの城のように。






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