スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント 作:dwwyakata@2024
畑中博士は、ブライトイーグルとの戦闘結果を見ていた。
今回の戦いで、戦死者は54名。
いずれも散発的に仕掛けて来た小型種シャドウと、対空攻撃の流れ弾などが着弾した結果である。
それ以上に損害として計上しなければならないのは、温存していたドローンやミサイルの消耗だ。
一会戦で使うだけの在庫を全て吐ききり。
それでいながら、ブライトイーグルにはダメージ一つ与えられなかった。
斬魔剣もそれは同様。
斬魔剣が役に立たないでは無いかとか喚く阿呆が出てくる可能性もあるが。あれはそもそも対空武器ではない。
まあ、説明は広瀬中将にやってもらうしかない。
現場を知らないバカのために苦労するのは、いつの時代も同じだが。
広瀬中将には、色々苦労を掛ける。
菜々美は今、病室だそうだ。
酸欠に近い状態で、必死に超世王を安全圏まで航行させ、冷静にコアブロックを回収した。
やはりあの子以外には新兵器は任せられないだろう。
自慢の妹である。
全てが自分とは正反対だが。
だからこそ、全てを任せられるほどに信頼出来る。そういう事である。
故に死なせる訳にはいかない。
今回の戦いでも綱渡りをさせてしまった。
同じ事はさせないようにしないと。
しかし困ったことに。
シャドウの性能は、いつも此方の予想を遙かに超えてくるのである。
三池が来る。
データをまとめてくれていた。
「ブライトイーグルとの戦闘データをまとめました」
「あらたに分かった事は何かある?」
「いえ。 今までの戦闘データもブライトイーグル相手には豊富にあります。 各国の空軍が撃墜に躍起になっていましたから。 しかし今回も、あらゆる攻撃が通じないことが分かっただけです」
「やっぱりプラズマを押しつけるしかないかな」
バカの一つ覚えだが。
それしかない。
ただ問題は、ブライトイーグルは現在最先端である第五世代の戦闘機を更に超える性能を持つ上。
強力なEMP能力を有していて。
勿論対空、対地の攻撃能力を有していると言う事である。
大阪湾でイエローサーペントと連携していた個体は瀬戸内海に去ったが、それ以外にも琵琶湖近辺に一体が確認されている。
次に戦うなら其奴が相手だろう。
問題は他にもある。
神戸が安全圏になったと聞きつけて、何人かの要人が移ってきたいとか言ってきている。それどころか、領土として寄越せとか抜かしている奴までいるらしい。
GDFの方でそれらは排除してくれるようだが、あの無能で知られる天津原が舐められているのも要因の一つだろう。
畑中博士に出来る事はないが。
とにかく足を引っ張るような真似は控えて欲しい。そういう言葉しか、口には出来なかった。
「イエローサーペントとの戦いも綱渡りでしたが、次はどうするんですか。 どうせブライトイーグルも倒せって言ってきますよ」
「言ってくるでしょうね」
「他人事みたいに。 菜々美中佐は、今治療を受けているようですけれど。 今回はあの程度で済みましたが、もし航空兵器で戦うとなったら、あんな程度で済むかどうか」
「戦わないわよ。 航空兵器なんかで」
一応、すでに案はある。
問題は、それをどうやって実行に移すかだ。
実の所、機動力が限定される陸海のシャドウについては、既に倒せる事が分かっていた。奴らが連続して叩き付けられる高出力のプラズマに耐えきれないことが分かっていた時点で、である。
今でこそまだ無理だが。
その内地上にいるシャドウには、それぞれ対応できる兵器を生産出来るようになるだろう。
問題は最初から対空だ。
ブライトイーグルは航空機殺しとして、ずっと空に居座ってきた。これはサンダーフィッシュも同じだ。
此奴らの中ではどちらかと言えばサンダーフィッシュの方がまだ倒しやすいと判断しているが。
しかしあれはどちらかというと戦闘ヘリのような役割を果たす中型種で、高空を支配するブライトイーグルとは少しばかり違う。
いずれにしても、案は幾つかある。
どうせ今回みたいに三ヶ月で実行しろとか無理を言ってくるだろうが。
それでもどうにかしなければならないのが、兵器開発者の厳しい所だ。これでもう少し人手があればまだマシになるのだが。
残念ながら、そうもいかないのが現在の厳しさである。
さて、どうしたものか。
「いずれにしても、菜々美中佐が退院するのは来週末だそうです。 それまでにある程度の草案は作っておいてください」
「んー、まあそれは仕方が無いかな。 分かってはいるわよー」
「お願いします。 支援するのも大変なんですから」
「……」
さて、此処からだ。
既に畑中博士の脳内では、幾つかの案を組み合わせ始めている。
そして超世王でそれを扱い。ブライトイーグルを撃ち倒す。その作戦についても、広瀬中将と考えなければならない。
それらを並行で考え続けていた。
それが出来るのが、畑中博士。
だからこそ、苦労も絶えなかった。
(続)
苛烈な激闘の末、ついにシャドウが海で無敵だった時代は終わりました。
次は制空権を取り戻す戦いが始まります。
今まであらゆる航空兵器をがらくたに変えてきた人類史上最悪の難敵。
飛翔種との決戦は間近です。
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