スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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4、打通はまだ遠くとも

どうにか淡路島の基地に帰還すると、すぐに有無を言わさず救急車に詰め込まれて、病院に菜々美は送られた。

 

まあ、それはそうだろうな。

 

医師も絶対反対という顔をしていたし。

 

それで散々手当てを受けて、一週間は絶対安静と言われた。

 

まあ、それで済んだのだから易い話だろう。

 

今回の戦闘では、工兵部隊や第二師団とともに展開していた海兵隊も併せて、四十名ほどの被害が出たようだ。

 

被害は小さいが、それでも無視出来る被害ではない。

 

病室で会見を見るが。

 

会見の場で、広瀬大将は、薄氷の勝利であった事を強調していた。

 

「ストライプタイガーが畑中大佐によって倒されなければ第二師団は確定で全滅していました。 また海路には、容易にイエローサーペントが新入してくる事もまた今回証明されています。 まだ我々は勝ちには程遠い。 イエローサーペントを倒す事が出来たというのも畑中大佐による名人芸に過ぎず、今後超世王セイバージャッジメントの機体を改良し、いずれの再戦に備えなければならないでしょう」

 

全くその通りだ。

 

ちなみにあの後中型種が姿を見せることはなく。

 

橋を復旧して、第二師団は淡路島に撤退。補給と整備を行いながら、スカウトが四国の調査に戻ったようである。

 

しばしゆっくりする。

 

医師に色々言われたが、回復力は年齢相応で、まあ遠くない未来には軍に復帰できるそうだ。

 

ただし、このまま無理をすると長くは生きられないぞと念押しされた。

 

それはそうだろう。

 

これは体内に病巣があるとかそういう話ではなく、あまりにも任務が危険すぎるという意味だ。

 

今回だって、苦し紛れにストライプタイガーが振るった爪がちょっとでもずれていたら、頭が吹っ飛ぶか、体が真っ二つになっていただろう。奴の爪は、姉が改良を続けているヒヒイロカネなんとか装甲ですら問題にさえしていなかった。

 

今後他の中型種と戦闘するとなると。

 

それくらいの事はやってくる相手と、何度も戦闘をしなければならなくなってくる。

 

正直、洒落になっていないと言えた。

 

さて、しばらく休んでいると。

 

今回は結局キャノンレオン対策で、ずっと廉価型の斬魔剣搭載40式で前線にいた呉美中尉からメールが来ていた。

 

話によると、今回の戦闘の成果を見て、斬魔剣には更に改良を加えるらしく。

 

呉美中尉の乗っている40式にも、ロボットアームをつけるそうだ。

 

ただ菜々美の真似はとても出来そうにないと呉美中尉は謙遜もしていた。

 

実の所菜々美も、二度彼奴に、ストライプタイガーに勝てる自信はないのだが。それは黙っておく。

 

今回はストライプタイガーはともかく、イエローサーペント相手には圧勝を決める事ができた。

 

ユニット化したなんとかドリルも、完全破壊はされず、現在工兵が回収を行っているそうである。

 

倒すまでに掛かった時間も、前回の二度の戦闘よりもだいぶ短縮できているらしい。

 

次は琵琶湖にいる個体を潰す作戦を行うだろうということだが。

 

それについても、菜々美はまあ参加しなければならないだろうなとは思う。

 

体を治したら、また訓練だ。

 

訓練はさぼると三倍取り戻すのに時間が掛かると言われている。それは何も武術だけの話ではない。

 

戦闘に関連する大概のことがそうだ。

 

ため息をつく。

 

しばらくは戦闘だけで人生が終わりそうだ。

 

世の中には、ずっと戦闘だけをして人生を送った英雄もいる。十代の頃から戦闘で指揮を取り。その殆どで勝利した上杉謙信などは典型例だ。

 

そういう英雄と菜々美は違う。

 

少なくとも菜々美はそう自分を評している。

 

自分を天才などと考えていたら。

 

今までの戦いでは、絶対勝てなかった。

 

これは客観的な事実だ。

 

だから、そう今後も考えるつもりではあった。

 

黙々と、回復に努める。

 

姉が、嬉しそうに次の改良案を送ってきた。足の次は腕をどうにかするつもりらしい。だが、今回は足が生えたと喜んでいた姉だが。どんなに良く評価しても、極めて不気味な異形ロボットでしかなかったし。スーパーロボット作品の主役ロボなんかでは断じて無く、一話で負ける敵ロボか、下手をすると妖怪ではないかとさえ思える程だった。

 

これがもしも姉が大喜びするような、顔とかついている人型のスーパーロボットになるとしたら。

 

それもシャドウを次々と斃せるような実用性を備えるとしたら。

 

それはずっとずっと先の話になる筈だ。

 

菜々美はその時にはお婆さんかもしれない。

 

そもそもそういったロボがいた所で、シャドウを地球から駆逐出来るとは思えない。陸海空全てを含め、億単位でいるシャドウを、今は軍と連携して少しずつ斃すのが精一杯なのだから。

 

嘆息。

 

SNSでも見る。

 

相変わらず広瀬大将と菜々美は滅茶苦茶熱狂されている。

 

ストライプタイガーを斃した時の映像が一部公開されているが、斬魔剣で巻き込みながら奴を地面に叩き込んだ画像は6億再生されているようだ。

 

こんなもんに熱狂するなら。

 

少しでも勝つための努力に協力して欲しい。

 

軍に入ってくれとはいわない。

 

神戸の治安は決して良いとはいえない。

 

治安の悪化を防ぎ。

 

少しでも軍が無駄に動かなくていい状況を作って欲しいとだけ思う。

 

警察はどうしても今の時代、治安維持ロボットに頼らざるを得ず。どうしても悪事を働く奴は好き勝手をするのだ。

 

こんな時代でも、である。

 

菜々美は嘆息すると、昼寝する事にする。

 

今はストレスをため込むのではなく。

 

少しでも休むのが、菜々美の仕事なのだから。

 

 

 

(続)








毎回ひどいめに会いながらも確実に勝利を重ねていく畑中菜々美さん。階級もちょっとずつ上がっていくことになります。ちょっとずつですが。

四国についに打ち込まれた橋頭堡のくさび。

これから四国奪回作戦が開始されますが。

勿論一筋縄ではいかず、手ぐすね引いて更なる強敵が待ち構えているのです。






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