スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント 作:dwwyakata@2024
戦場で情報を集めるのが偵察班……スカウトの仕事です。
使いっ走りと勘違いしている人もいるかも知れませんが違います。基本的に偵察は冷静な判断力や分析力、客観性をもっていないとつとまりません。
だから若くしてスカウトを指揮している呉美中尉はそれだけ高く評価されている、ということです。
呉美玲奈中尉は、スカウトの部隊を率いて前線に出ていた。前回の戦いでは、ブライトイーグルやキャノンレオンの横やりに備えて、斬魔剣を装備した40式に乗って待機していた事もある。
戦果はなく、階級の上昇も無かった。
それで不満は無い。
まだ二十歳前で中尉である。
これなら充分過ぎる程で、これからの事を考えると恵まれすぎている程だ。だから、それで不満を感じたことはない。
あの畑中大佐でさえ、この年ではたしか尉官だったかも怪しかった筈だ。
それを考えると、玲奈は恵まれすぎているし。
それで不満を持つのは贅沢すぎる。
故に、今は淡々と仕事をするだけだ。
広瀬大将から、他にもスカウトに出ている部隊に向けて、一斉メールが飛んできている。今の所、スプリングアナコンダに対する試験的な攻撃はストップしたようだ。スプリングアナコンダもストライプタイガーも動こうという気は見せていないが。
問題なのは、スプリングアナコンダの攻撃射程に、四国で一つだけ存在していて、未だに救援を送れない集落が存在している、ということである。
つまり救援を断念すれば。
今の時代貴重な三千人が吹き飛ばされると言う事である。
ただこれは、やっと判明した事実なのだろう。
他にも似たような状況になっている集落は幾らでもあるはず。特にニューフィリピンなどは、メガフロートにあるということだし。
もしもシャドウがその気になったら、イエローサーペント一体が来ただけでそれこそメガフロートごと沈められてしまう筈だ。
「此方スカウト9」
「此方呉美中尉。 どうしました」
「はい。 現在何かの影を捕らえています。 ただ、これ以上進むとスプリングアナコンダの射程に入ってしまうため、前進出来ません」
「分かりました。 危険を冒す必要はありません。 他の角度などから、その正体を確認してください」
これで無能な指揮官だったら、根性と気合で前進しろとか。命はどうでもいいから情報収集を最優先しろとかほざいて、兵士の士気をだだ下がりさせただろうが。玲奈はそういう悪い前例を踏襲するつもりはない。
今もスプリングアナコンダ対策で、菜々美大佐が頑張ってくれている筈だ。
それを考えると、勝率を少しでも上げるために頑張らなければならないのである。
スプリングアナコンダは新種ではあるが、これは今まで発見されていなかっただけの話で、今までも後方から支援攻撃はしていたと思われるらしいので。
他にも似たような新種がいてもおかしくはない。
それらを事前に発見する事ができれば。
勝率を更に上げる事が出来るだろう。
不意に、海上に出ていた巡視艇から連絡がある。
巡視艇の勤務は命がけだ。
瀬戸内海側にイエローサーペントがいなくなったし、新しい個体が姿を見せなくなったのは事実だ。
だが、現状人間が使っているあらゆる船舶よりも高速で動き回るブルーカイマンは沿岸部などにいる可能性があり。
他にも海棲の小型種はいる。
飛翔種に小型種はいないが、それもただ今までは確認されていないだけの可能性もある。
基本的にシャドウに襲われた場合は、それが奇襲だった場合は助からない。
特に海上では、襲われて船が破損でもした場合は、助かる確率は0に極めて近いほど悲惨なのである。
だから巡視艇からの偵察任務は、本当に命がけなのである。
「此方ドルフィン4……!」
「ドルフィン4、どうしました」
「中国側に、中型シャドウ確認! 距離がぎりぎりなのでなんとも言えませんが、スプリングアナコンダの可能性あり!」
「!」
最悪だ。
恐らくシャドウが支配していた領地に攻めこんでいるから、分かり始めたという状態なのだろうが。
それにしても。瀬戸内海近くの中国側でスプリングアナコンダがいるとなると。
タンカーなどの輸送船が今まで撃沈されていたのは、イエローサーペントの攻撃だけではなく。
スプリングアナコンダの攻撃によるものだった可能性が出て来た。
しかもスプリングアナコンダの攻撃射程は、現時点で分かっているだけで12㎞といううだけ。
その上視界が届かない距離から狙って来ている可能性が高く、極めて危険な相手である。
火力も異常だから、今まで輸送船が時々沈められていたのも、それによる可能性が出て来ていた。
今までは危険すぎて巡視艇すら派遣できなかったのだが。
それが派遣できるようになったから、こういうことが分かるようになったということだ。
「ドルフィン4、くれぐれも距離を取りながら、出来るだけ情報を集めてください。 決してデッドラインの内側には入らないように」
「は、はい」
「スプリングアナコンダだと特定出来た場合には、各国に連絡して会議を開く必要が生じてきます。 これ以上輸送船の残骸で、瀬戸内海を汚す……いや、シャドウがいる以上、それもありませんか」
シャドウに潰された兵器や人間や家畜の死体は、いずれもがクリーナーによって分解されてしまう。
海中などの汚染物質もことごとく汚染が処理されている事が分かっているのだが。これはどういうシャドウがやっているのか分かっていない。
海中にクリーナーと同様の役割を果たしているシャドウがいる可能性は高いと言われているが。
活動を観測出来るほどの余裕がないのだ。
そもそもシャドウを生け捕りにすること自体が不可能に近いこともあって。現時点では、遠距離からの観察で、情報を得ることしかできないのだった。
さて、面倒な事になった。
シャドウは人間を減らした後、侵攻を止めている。だから、こうして此方が侵攻する余裕が出来ているのだが。
しかしそれもいつまで続く事か。
玲奈中尉は、更にスカウトを展開して、情報を探らせる。
そして、ある程度のところで戻させて。回収した情報を整理させた。
確かにスカウト9が見つけて来た影は、何か映っている。大きさからして、シャドウだったら中型だろう。小型にしては随分と大きい。
だが、シャドウではない可能性もある。
ともかく、後方にデータを送る。
広瀬大将が連絡を寄越してきた。このデータは、ナジャルータ博士が解析してくれるという。
それは有り難い話だ。
無能な上司は今の時代でも幾らでもいる。
その手の奴が成果を出すまでは戻るなとか。お前等の代わりは幾らでもいるのだから死んでも確報をとってこいとか。
そういう事を言い出さないだけで、随分とやりやすい。
皆をまとめて、一度淡路島の基地まで戻る。
淡路島の前線拠点はだいぶ形になって来ていて、第二師団が常駐している。次の作戦では、海兵隊に加えて、再編中の第一師団の連隊が幾つか参加する可能性が高いそうだ。
前回の戦闘で有用性が確認された螺旋穿孔砲のオートキャノンを搭載した歩兵戦闘車が増えている。
今までは歩兵戦闘車は105ミリ滑空砲などを装備していることが多かったのだが。あれは牽制にもならなかった。
今後はオートキャノンを40式戦車にも載せる事になるかも知れないし。
40式そのものが廃止されるかも知れない。
40式の後継型戦車には、順当に行けばレールキャノンが装備される予定だったという話だったらしいが。
シャドウ相手にレールキャノンが通用しないことは今までの戦闘ではっきりしている。
それもあって、恐らく40式でMBTの時代は終わりだ。
人間同士の戦争が始まるならともかく、もうしばらくは戦車よりも、オートキャノンを搭載した小回りがきく小型戦闘車両の時代が来るだろう。
玲奈は宿舎に入ると、兵士達の解散を確認して、風呂に入ってリフレッシュする。作戦はまだ知らされていない。
ただ、四国にある集落も厳しい状態の筈で。
出来るだけ早めに救援を送った方が良いのは事実だ。
無言で休んで、それで起きだす。
兵士の誰よりも早く起きだして、それで仕事をする。
それが中尉なんて地位を貰った人間のやるべきこと。
そう玲奈は考えていた。
風向きが怪しくなってきたと、シミュレーションマシンから出た菜々美は聞かされる。
瀬戸内海を挟んで、中国側にスプリングアナコンダが発見されたというのは四日前に聞いた。
それがナジャルータ博士の解析で、スプリングアナコンダと特定された結果。
スプリングアナコンダが海岸まで出て来た場合の射程距離を計算したところ、瀬戸内海で安全な場所は本当に細い道しか存在しなくなったのである。
しかし四国を太平洋側から回るとなると、それはそれで極めて危険な事になる。
太平洋側はまだまだイエローサーペントが回遊してくるからだ。
2400以上が確認されているイエローサーペントは、縄張りを回遊しながら見つけ次第人間の船などをそのソニックブーム操作能力で攻撃してくる。太平洋側は、まだまだイエローサーペントの回遊海路がよく分かっておらず。
それを考えると、輸送船が通るのはリスキーすぎるのだ。
それに、である。
四国側でもなんだかよく分からない影が確認されているそうだ。
それが具体的になんなのかはよく分からないそうだが。
スプリングアナコンダの射程範囲内にいて。
しかも、ギリギリその射程範囲の外側からだと、正体が特定しづらい位置にいるそうである。
軍事衛星がいれば宇宙から映像を取れるのかも知れないが。
しかし軍事衛星は、シャドウが出現してから二週間ほどで、ことごとく大型による対宙攻撃で消し飛ばされてしまった。
この対宙攻撃は衛星軌道上のスペースデブリを悉く吹き飛ばした事でも知られていて。
大型が暴れていた頃は、空に大量の流星が見えたらしい。
今では天体望遠鏡で確認した結果、衛星軌道上は極めて綺麗な状態であるらしく。
もしもシャドウを倒しきる事が出来れば。
デブリの計算をせずに、人工衛星を打ち上げることが出来るのだとか。
まあ、それはいい。
ともかく、ストライプタイガーに護衛されているスプリングアナコンダだけではない。更に中型が出てくる可能性があるというわけで。
それを聞くだけで、菜々美はげんなりしてしまった。
相手がストライプタイガーだった場合は最悪だ。一体でも手に負えなかったのに、二体が相手だったらどうしたらいいのだか。
キャノンレオンの場合だったら、既に四体を倒している事もある。まだ広瀬大将がどうにかしてくれるかも知れないが。
それ以外の中型の場合には、手に負えないだろう。
ちなみにドローンを送り込んでの探査もしようと試みたらしいが。それもあっさりスプリングアナコンダに撃墜されたらしい。
まあ、簡単にはいかないということだ。
「それで私はこのままシミュレーションやってていいの? スプリングアナコンダの攻撃を捌くのはオートでやってくれるらしいけれど、それでもストライプタイガーを短時間で仕留める訓練だけやっても無駄にならない?」
「ならないようにするから、訓練を続けて。 新しい情報が入ったら、それを設計に反映するから」
「……おっけい」
「分かればよろしい」
半ば呆れ気味に答えているのだが。
姉もそれは分かっている筈だ。
とにかく状況がよろしくない。このままだと、中型三体を同時に相手にするという、最悪の事態になりかねないのだ。
シミュレーションマシンで、ストライプタイガーを倒すべく、練習を重ねる。
「足」は更に改良が重ねられていて。
前は如何に斬魔剣を振るうかの調整のためにあったようなものだが。今回は、かさかさと虫のように素早く移動する事が出来る様になっている。
動きは気色悪いかも知れないが。
頑強さも上がっていて。
ストライプタイガーの斬撃には耐えられないかも知れないが。
より迅速に接近して、奴を倒すのには役立つはずだ。
ロボットアームも更に改良が加えられている。
シミュレーションマシンで戦って見た感じ、今の改良分でも、ストライプタイガー相手だけなら確定で倒せる。
問題は、スプリングアナコンダの攻撃の間隔だ。
今までデコイを使った実験では、攻撃の間隔が二分ほどだった。だが、それもあくまでデコイ相手の話。
スプリングアナコンダが、デコイを相手にしていると分かった上で、敢えて手を抜いている可能性は高い。
シャドウは例外なく知能を持っていて、それで連携して攻撃もしてくる。
それでいて生物かどうか分からないのだから困るが。
いずれにしても、本気を出したスプライトタイガーが、四足歩行であっさり音速を超えてきたことを考えると。
下手すると一分で次の攻撃をしてくる可能性すらあるし。
なんなら連射だってしてきてもおかしくない。
無言で訓練を重ね、アラームが鳴ったので出る。
姉の開発に口を出すつもりはない。
姉はシミュレーションの結果を見て、最善の改善をしてくる。これは今まで、全て実際にあったことで。この技量に関しては、姉を信頼している。見かけは100点中身は0点と言われる姉だが。
科学者としての技量は本物なのだ。
さて、此処からだ。
宿舎に戻り、情報を確認。
広瀬大将は、幾つかのスカウトを貼り付かせて、何者かの正体を暴こうとしているようだが。
それが何者かまだ分かっていないようだ。
シャドウだったら最悪だが。
基本的に最悪を想定して動くのが軍人の鉄則である。
だから、新種のシャドウがまだいるかも知れないと判断して、近々遠距離からの攻撃を試すそうだ。
武器としてはレールキャノンを使う。
これは勿論、通用しないことは分かっている。
人類の技術はシャドウが現れてから、発展を明らかに鈍化させたが。レールキャノンは実用化されている。
しかも現在では、専用のバッテリーを積んだ車両を随伴させれば、連発することも可能な程に敷居が下がっている。
シャドウが現れなければ、実戦で猛威を振るっていただろう。
そんな言説がSNSで見られるが。
いずれにしても、シャドウに通用しないことは分かっている。これでスプリングアナコンダをつついてみて、様子を見るそうだ。
広瀬大将に連絡を入れる。
自分が出た方がいいだろうか。そう軽く話したが。広瀬大将は、問題ないという。
「レールキャノンは遠隔操作を用います。 これに加えて、ストライプタイガーを倒した超世王に似たデコイも出します。 そう迂闊にストライプタイガーは仕掛けては来ない筈です」
「また金が掛かりそうな陽動ですね」
「ええ。 でも人命よりましです」
「そうですね」
広瀬大将がそういう良識的な指揮官で助かる。
ともかく安心したので、休む事にする。
今回はかなり大変な戦いになる。それが分かっているから、疲れをため込むわけにはいかなかった。
翌日。夕方にシミュレーションマシンから出ると、姉がばたばたと走り回っていた。珍しい。
いつもは基本的にPCの前に貼り付いて、猫背気味にキーボードを残像作りながら叩いているのに。
要するに何かろくでもない事があった、と言う事だ。
ナジャルータ博士が来て、姉が足を止めて話し始める。三池さんが、整備工達を帰らせていた。
これは大事だな。
菜々美はとりあえず、邪魔にならないように距離を取って様子を見る。だが、頭が良い二人の会話だ。
姉はバカだが頭は人類でもトップクラスにいい。
ナジャルータ博士も頭の良さで言うと姉と同じだろう。
だから会話はもの凄くスピーディーで、すぐ終わったようだった。
「それではお願いします」
「ええ。 これは面倒な事になったわ……」
「……」
ナジャルータ博士が戻っていく。
咳払いすると、姉がこっちに来て、三池さんと菜々美に説明してくれる。
「今日の作戦で、四国で確認されていた存在の正体が分かったわ」
「一体何?」
「答えはデコイ。 どうもスプリングアナコンダはデコイを自在に作り出せるようでね。 その能力で、中型種が存在するように見せていたようなの」
それは、厄介だ。
そもそもレーダーなどが通じにくい相手である。
光学探知に頼っているのもそれが理由で、現状の観測技術を騙しきるデコイとなると。
当然、デコイ以外の使い方もできる筈だ。
「まさか、シャドウの姿も隠せる?」
「可能性は高いわね。 懸念しているのはそれで、このデコイ作成能力が恐らくスプリングアナコンダによるものであるのは確かだとして……特に止まっている中型を、存在しないように偽装することは容易なはずなの」
「ヤバイなそれ……」
「ええ」
非常にまずい。
現時点で想定している超世王の戦闘力は、ストライプタイガーを倒しながら、スプリングアナコンダに接近して、斬り伏せる事を想定している。
だが、それもそれぞれが一体の場合のみだ。
もしも直衛に中型をスプリングアナコンダが隠していた場合はどうなるのか。
それに、である。
今まで何度も起きて来た不可解な現象。シャドウが突然現れる例の現象を考えると、光学探知を誤魔化す力を持ったシャドウは、スプリングアナコンダ以外にも存在しているのかも知れない。
最初にシャドウが北米に現れたときのように。
神戸にいきなりシャドウが乱入するという最悪の事態を今まで想定してきたが。それはあくまで小型が出現する状況だった。
下手をすると中型が出現する可能性すら、その話を聞く限り出て来たと見て良い。
だとすると、だ。
シャドウに対する優位なんてまったく取り戻せていなかったのかも知れない。
振り出しに戻ったと言うべきなのだろうか。
ちょっとこれは。色々洒落にならないな。
菜々美はそう呟くが。姉は咳払いする。
「シャドウの探知については、今までの交戦と会戦での勝利でデータをナジャルータ博士が集めてくれているから、光学探知だけではなく、もっと様々な方法でいずれ探知出来るようになるはずよ。 今は、ストライプタイガーとスプリングアナコンダを一度に撃破する事だけを考えて、菜々美ちゃん」
「……分かった。 ともかく、今だとまだ性能に不安が残る」
「ええ、大丈夫。 戦闘データを見ながら、改良しておくわ」
「よろしく頼む」
宿舎に戻る。
三池さんが相当に消耗しているようだったが、これはシミュレーションマシンに篭もっている間に色々あったからだろう。
ともかく今は、菜々美に出来る事は、さっさと休んでコンディションをベストにする事だけだ。
それ以外にはない。
ベッドで横になって、広瀬大将からのメールを確認しておく。
作戦で何があったかの連絡が来ていた。
レールキャノンは完璧にスプリングアナコンダを直撃。当然びくともしなかった。立て続けに謎の影もレールキャノンで撃ち抜いたが、それが文字取り霧散してしまったという。
ストライプタイガーもレールキャノンで直撃を入れたものの、ストライプタイガーは尻尾を振りながらひなたぼっこを続けていたらしい。
そんなものは痛くも痒くもない。
そう告げるように。
いずれにしても、次の戦闘ではレールキャノンを複数台投入するという。
デコイを作成しているのが恐らくはスプリングアナコンダである事ははっきりした。それについては間違いないと見て良いだろう。ただ、今までの会戦で、不意に中型が現れるケースがあったことについてはまだ解析途中であるそうだ。小型が寄り集まって、中型の姿を隠したりとか。
或いはシャドウはそもそもとして、姿を隠す能力があるのかも知れないなど、色々な仮設をナジャルータ博士が提唱したが。
それらは今後、全て検証して是か否かを確認していくそうである。大変だろうが、菜々美に出来る事は無い。
対ストライプタイガー戦は、ある程度やれるようになってきた。
前回のデータによって更に改良されている事もある。恐らく次はあれほどギリギリの戦いにはならず、一気にけりをつける事ができるはずだ。
やっとスーパーロボットにちょっと近付いたかと思ったら、また不気味極まりない姿に戻ってしまった超世王だが。
そもそも通常兵器が通用しない相手だ。
どんなゲテモノ兵器でも、斃せればいいのである。
大型と戦う頃には、人型で顔がついていて、羽とか生えていて。それで喋ったりするスーパーロボットになっていて欲しいものだが。
まあそれは望みすぎだろうと、菜々美も思う。
今はともかく、休む。
とにかくコンディションをベストに保つ。
今回も、決戦は厳しい内容になるはずだ。なんとかシールドでえげつない遠距離攻撃を黙らせるとして。
それをやって。
ようやく戦闘のスタートラインに立てるのだから。
それに、ストライプタイガーが一体とは限らない。スプリングアナコンダの能力を見る限り、二体以上いてもおかしくない。
何があっても、勝てるように対策をする。
それには、最低でもシミュレーションでは完勝できなければ、話にもならなかった。
遠距離からの反物質投射攻撃、しかも着弾点でしか爆発しない。これを聞くだけでとんでもなさすぎて泡を噴くような攻撃ですが。実態として、やってくるのを観測した以上、それに対応しなければなりません。
その上敵には前衛として超音速で走り回る殺戮の刃ストライプタイガーもいます。
文字通り最悪の組み合わせ。
これを突破しなければならないのです。