スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント 作:dwwyakata@2024
どうにかして無理を通して戦果を出さなければならないGDF。
無理な中で唯一勝ち筋があるとすれば九州南部。
ただしそれも大軍を動員できる訳でもなく。
更に出てくる中型は未知数の上に数も不明。
超世王セイバージャッジメントは、中型複数を相手に勝つことを前提とした設計を求められていきます。
工場に出向くと、また超世王がごつくなってる。
四国の港から帰ってきたばかりだ。視察が必要だということで、四国の一角にメガフロートを作り、其処に港を作っているのだ。
呉から必死に少しずつ運んできた物資などを蓄積しているのもある。
今では、呉に代わってそこが海軍の根拠地のようだ。
海軍といっても、今では武装した軍用艦など何の役にも立たないので、ほとんどは揚陸艇だが。
そして人員が足りないので、悪名高い海軍陸戦隊だとか、海軍仕様の戦車とか。そういった悪しき歴史の産物が復活する予定もない。
クローンとして作成されたり。
人工子宮で育てられている子供はかなり数がいるらしいが。
その子らが大人になっても、支えるためのインフラがなければ、悲惨な扱いを受けるだけである。
子供が多ければ豊か。
そういう妄想が蔓延った時代もあったのだが。そういう時代では、人が余っている世代が「代わりは幾らでもいる」なんて理屈で使い潰されたり。孤児院で大量に人身売買が行われていた邪悪な東側の国家が存在したりといった事実は無視されるのが常だった。
シャドウとの戦いが続いている今。
そういった悪しき歴史は、繰り返してはいけないのだ。
それもあって、新しい世代の人間が増えるなら、働ける場所と環境を作らなければならない。
ましてや今は、軍人以外だったら。
仕事出来るように催眠学習で仕上がる年もずっと早くなっているのだから。
いずれにしても新四国メガフロートの出来は見てきて、それは満足出来るものだった。工場に戻ってきて、更にごつくなっている超世王を見て、流石に顔が引きつった。これを扱うのは大変だ。
だが、先行しているスカウトから。
南九州にも複数種の中型がいて。
手ぐすね引いて待ち構えている様子だと言う報告が上がっているし。
その報告をしているのは、あの有能な新人呉美大尉である。
だったら信じて良いだろう。
客観的な情報が出て来ているのなら、それは喜ぶべきなのである。
どれほど絶望的な内容であってもだ。
まず、三池さんに話を聞く。
今回はストライプタイガーなどの近接戦タイプだけではない。この機体だけで、遠距離戦もこなすようにするという。
斬魔剣が二本乗せられているが。
これは対キャノンレオン対策だろう。
ブライトイーグル用にビームも放てるようにしたら話が早そうだが。
今の時点では機構が複雑すぎて難しく。
シャドウとの戦闘では基本的に激しく機体がダメージを受けることを想定しなければならないため。
ちょっとやそっとのダメージで動けなくなるようでは意味が無いし。
なんなら菜々美の生存性を優先しなければならないため。
防御のシステムについても、考え直しをしているそうだ。
それで一旦はごつくなっているが。
これを調整しながら、ある程度シェイプアップするという。
まあ要するに。
減量するということだ。
ただ多機能を保ったまま減量するとなると、それは本当に大変な作業になる。一人や二人の学者で出来る事ではない。
姉はAIを自分なりに改良し、調教して。それを使ってある程度の負荷を減らしてはいるようだが。
結局ものをいうのは有能な科学者だ。
自分がもう三人欲しい。
時々姉はそうぼやいているそうである。
その姉は、巨大に組み合わせたモニタの前で、残像を作りながらキーボードを叩き続けている。
腱鞘炎にならないか心配になるが。
まあ、あの姉に限ってそこまでのへまはしないだろう。
「あの様子だと、三十分ほどで限界を迎えますね。 今茶菓子を入れて来ます。 シミュレータは仕上がっているらしいので、休憩を入れてから使ってください」
「ありがとさんです」
「いいえ」
別に笑顔が素敵なわけでもない三池さん。容姿が地味なので仕方が無いだろう。
黙々と作業に戻る三池さんを見送ると、とりあえず休む。
茶だけ啜っていると、結構良さそうなまんじゅうが出て来たので、いただくことにする。これは中々。
手作りでよく造れるなと感心して。
休憩を入れてから、シミュレーターに入っていた。
射程に入ると同時に、投擲型の斬魔剣をぶちこむ。これの機構もかなり小型化していて、以前はレッカー車のような巨大な随伴車両が必要だったが、今ではそれもなくなってきている。
キャノンレオンに直撃。
後の始末は、片手間にやる。
同時に突っ込んできたストライプタイガーに対応する。
引きつけて、音速で突っ込んできたストライプタイガーが、どう動くか見きる。相手は目なんか使っていないことは既に分かっている。だから煙幕とか目つぶしとかの類は意味が無い。
シャドウとの交戦が始まった頃、フラッシュグレネードなどがまるで役に立たないという報告例が挙がっていたようだが。
小型ですらそれだ。
中型には、めくらましなんて通じないのだ。
操作をして、ストライプタイガーをはさみ込む。そのまま地面に叩き付けて、そして切り刻んで倒す。
残酷なようにも見えるが。
こうしないと殺すのは不可能だ。
だから淡々とやる。
キャノンレオンが消える。即座に投擲型の斬魔剣を戻す。
操作。
なんとかシールドを展開。
スプリングアナコンダからの射撃を防ぎつつ、ストライプタイガーが暴れるのを抑え込む。
複雑な動きをするロボットアームは、ちょっとやそっと壊されたくらいではびくともしないくらい冗長性が確保されている。
そうしないと役に立たない。
なんども苛烈な戦闘をして、姉がそう結論した。
それは間違っていないと菜々美も思う。
なんとかシールドも、前より防御力が上がっている。ストライプタイガー、ロスト。機体ダメージ、許容範囲内。
移動開始。
小型が群がってくるのを、ばったばったと左右になぎ倒す。投擲型の斬魔剣を使ったのは。シルバースネークが毒吐きの態勢に入っていたからだ。
多数は斃せないが、少数なら移動しつつ対応できる。
よし、仕留めた。
螺旋穿孔砲のオートキャノンを装備する案もあるらしいが、あくまで超世王は対中型を意識した決戦兵器だ。
今の時点では、余分な重量と機構を詰め込めない。
スプリングアナコンダへ間を詰める。
反物質砲を連射してきたスプリングアナコンダを、間近まで迫って、二刀の斬魔剣を使って斬り伏せる。
奴は暴れもがき、火も吐いていたが。
それもやがて静かになっていた。
勝利。
シミュレーションを終えて、外に出る。
色々な中型の組み合わせで三連戦まで行けるようになって来た。まだ確実に勝てる訳ではなく、シミュレーションで負ける事も時々あるが、それでも充分にやれるようになってきていると思う。
ともかく今は勝率を上げることだ。
姉がシミュレーションの内容を反映して、更に調整を入れている。
二刀を装備した超世王は、それと同時にいらない機構をどんどんそぎ落としているようでもある。
まあ、これだけの高速改良は姉にしか出来ない。
これから科学者を追加するにしても、引き継ぎなどもある。
最低でも姉くらいの頭脳の精度がないと話にならないだろうし。
そういった子供をいわゆるデザイナーチルドレンとして作ろうともしているようだが。だいたい上手く行っていないようである。
横になって休む。
医師に言われたのだが、汗腺が弱くなっているらしく。熱に弱くなっているそうだ。
前にスプリングアナコンダとやりあった時、全身に低温火傷をしたが。それが原因の一つであるのは確定らしい。
まあ、それもそうだろう。
体の表皮の何割かが火傷すると死に関わる。
そこから生還しているのだ。
後遺症がない筈もない。
黙々と体を調整して、それでシミュレーションを終えたら休む。シミュレーションマシンはバリバリに冷房を調整してくれているらしいのだが。
それでも激しい戦闘をしたあとだと、体の調子がおかしくなる。
リハビリもしてはいるが、追いつかない。
医師はあまり中型とやりあうのに賛成できないと言っている。それも皆、口を揃えて、である。
まあそれもそうだろうと菜々美は思う。
呉美大尉などの有望な後続がいるなら引き継ぎ、後はアグレッサー部隊にでも所属するのが現実的なのだろうが。
状況がそれを許してくれない。
呉美大尉が直に言っていたのだが。
菜々美ほど、姉の変態兵器を使いこなせないそうである。
しばし仮眠室で休んだ後、またシミュレーションマシンに入る。
ブライトイーグルが混じった混成が、相手にしていて一番きつい。しばし訓練をしていたところで。
呼び出しが来ていた。
「こちら畑中准将」
「広瀬です。 実は急いでイエローサーペントを駆除していただきたく」
「了解しました」
懸念されていたのが、豊予海峡を渡るときにイエローサーペントに襲われる事だ。そしてまだまだ九州の南にはイエローサーペントがいる。沖縄の周囲に至っては、確認されているだけで四体いるという話だ。
その内一体が、明確に北上してきている。
それを撃破して欲しい、ということだった。
勿論今度の作戦の事は知っているから、退治しない理由がない。即座に出向く。
海中戦用の超世王も相当に強化されてはいるのだが。
しかし、それもまだ残念ながら途上だと姉は認めている
潜水艦のボディを持つ超世王は、以前よりも更に静音性を増しているが、それでもイエローサーペントとブライトイーグルのタッグには立ち向かいたくない。
事前にブライトイーグルの予想飛行進路に、なんとかビームを装備した超世王のデチューンモデルを二機配備。
装備が換装できるようになっているので、配備は比較的フレキシブルに出来るのだ。
そのまま、新四国港から海中に潜る。
イエローサーペントが向かってきている方面の海底まで潜る。大陸棚から少し外れると、下は真っ暗。
深海は海の砂漠だと聞くが。
砂漠というよりも、生命を拒む魔界にすら思える。
勿論深海にも独自の生態系があって、生物が独自の生態系を構築していることは菜々美も知っているが。
それでも中々にひやりとさせられる。
イエローサーペントが来る。
ブライトイーグルも迎えにきているようだから、撃破を急がなければならないが。泡を大量に纏っていて、それも周囲に射出しながら移動しているようだ。
なる程、周囲の静音性を消しているわけだ。
あの中に突っ込むと、即時でソニックブームが飛んでくるとみていい。勿論喰らえば一貫の終わりである。
ましてや今交戦を想定している地点は、深海の上。
沈んだら助けは来ないだろう。
「ブライトイーグル、移動開始。 超世王デチューンモデルで牽制します」
「あまり時間は稼げません。 急いでください」
「……」
海中では音を立てられない。
泡を発射している法則性は見当たらない。だとすると、適当に泡をばらまきながら移動しているとみていい。
距離を詰めていく。
泡の範囲外なら気付けていないが。奴のデッドラインである五十mの範囲内は、とてもではないが迂闊に近づけない。
これは厄介だな。
ぼやきながらも、距離100mをきる。
機体の側を、泡のジェットが掠める。この距離で捕捉されたら、ソニックブームのエジキだ。
ひやりとする。
だが、五十mを切る。
運が良かったのか。それとも。
イエローサーペントと戦って来た勘が働いたのか。
いずれにしても、なんとかドリルを叩き込む事に成功。たたき込み次第切り離し、即座に潜行開始する。
イエローサーペントが苦し紛れに放ったソニックブームが超世王を掠め、機体を切り裂いた。
致命傷じゃない。だが、船内に水が入り込み始めたようだ。即座に応急処置が始まるが、ひやりとさせられる。
さらに潜行。
一気に1000mまで潜る。
上ではイエローサーペントが滅茶苦茶にソニックブームを放ち、かなり至近を何度もソニックブームが掠めてひやりとさせられた。擦っただけでかなり危険な状態なのだ。だが、やがて。
ドリルにとどめを刺されたイエローサーペントは、沈黙したようだった。
「此方畑中准将。 帰港します」
それだけ呟く。
ドリルも使い捨てになっているが、回収出来るようなら回収して欲しい。そう言われる。幸い破壊はされず、遠隔操作で回収が出来そうなので、やっておく。
溜息が出た。
イエローサーペントは運が良かったから斃せたが、また防御能力を工夫してきている。このままだと、またいずれ斃せなくなるだろう。
他の中型も似たような事をしてくると見て良い。
このままでは厳しい。
もしも戦術を強化するいたちごっこに入ったら、地力が厳しい人間が負けるのは目に見えている。
それは冷静に認めなければいけないことだ。
そもそも今の段階ですら、中型種が全力で人間を潰しに来たらひとたまりもないのが現実である。
菜々美は大きく嘆息していた。
工場に戻ると、ナジャルータ博士が来ていた。
イエローサーペントのデータを確認してくれている。ナジャルータ博士によると、やはり超世王をメタる戦略にシフトしていると見て良いそうである。
キャノンレオンにしてもそうだが。
多数が倒されている中型ほど、新規の技を使ってくる可能性が高いとナジャルータ博士は断言。
まあそうだろなと、菜々美も思うので。
厳しい状況だと考えるしか無かった。
「イエローサーペントには、根本的に対抗戦術を変えなければならないかも知れません。 今回は畑中准将の歴戦の勘がどうにか相手の防御をかいくぐりましたが、超世王セイバージャッジメントももう少しダメージが大きかったら撃沈していたはずです」
「その通りねー。 しかし参ったわ。 残念だけれどハイパースラッシュドリルは、自律稼働させる事は厳しいのよねえ。 人間が近くまで持っていかないとどうしてもEMPを使ってくる飛翔種が一緒にいる場合は無力だし」
「二次大戦の時に使われた自爆魚雷のような非人道的なものを上層部が考え出す前に、対策を練らないといけませんね」
「まったくよ」
とりあえず、菜々美が嘴を突っ込む隙はなさそうだ。それでいい。
本職二人の会話に入りこむ必要性はない。
しばし休んでから、シミュレーターに入る。
以前の戦闘で確認されたグリーンモアとの戦闘が想定されたシミュレーションだ。現状では新しい装備もあるにはあるが。
それを使ってグリーンモアの足を止めるわけではない。
それにあいつは超音速で走り回りながら、それでいて別に動きが直線的ということもない。
人類の科学力では追いつけないところにいる存在だ。
これは他の地上種シャドウにも共通している話ではあるのだが。
「厳しいな……」
今まで避難民にばかり振るわれていたあの嘴だが、もしも狙ってくるとなると、超世王の上から菜々美を串刺しに来るだろう。
例の石で防ぐとしても、奴の速度はウォールボアのあの可変型の壁よりも更に速いとみていい。
機械での対応ですら追いつかないだろう。
勿論CIWSと組み合わせた防御システムを姉は組むだろうが。
それでも限界があるのだから。
しかも、グリーンモアだけが来るとはとても思えない。
グリーンモア以外にも中型が来ると考えるのが自然で、そういう意味では最悪を想定して常に戦わなければならないだろう。
しばし訓練をするが、どうしてもやりづらい。
姉が組んでくれている支援システム……超世王のコアシステムだが。その今まで蓄積した経験と支援のためのプログラムでさえ、グリーンモアの速度に追いつけないのではないのかと言う疑念がある。
それにグリーンモアは、他の中型よりも格上なのかも知れない。
あれが軍でいうスカウトみたいな仕事をしているとすると。
熟練兵がやるスカウトと同じで。
他のシャドウに情報を伝達したり。
或いは、人間の情報を収集して、対策に役立てている可能性だってある。
だが逆に言うと。
そんな存在を斃せれば、かなり勝利に前進することになるだろう。
だから困難であっても、菜々美がやらなければならないのだ。
アラームが鳴る。
まだ明確な勝利は得られていない。
何よりグリーンモアはまだデータが足りないのだ。今組んでいるシミュレーションマシンのデータよりも、更に格上のスペックで襲ってくるかも知れない。
勿論姉はそれを想定して、マッハ5で走るグリーンモアをシミュレーションマシンで再現している。
少なくともこれを安定して斃せなければ。
戦いを開始する事は厳しいだろう。
現実的な問題もある。
既に表面化しているらしいのだが。鹿児島の港にいる人間が、物資不足で困っているということだ。
此処でいう物資というのは、医療品などのことである。
一万五千では、正直医療の安定は厳しい。それも非常に厳しいと言わざるを得ないのが実情だ。
神戸に移りたいという者もいるのだが。
現在淡路島の要塞化と、地下の都市下を進めていて。
此処では医療品の生産工場などを作る予定で、あるいはそれが完成したら。鹿児島から希望者を募って移住してもらったり。
或いは此処で作った薬を、世界中に輸出することになるかもしれない。
だがイエローサーペントの安定撃破に黄色信号がついた今。
それも簡単にはいかないのが現実ではあるのだが。
シミュレーションマシンから出る。
しばしため息をついて、手を見る。
まだ火傷の痕が残っている。少しずつ消えてはいるが、柔らかい女の子の手などとは比べられない。
堅い軍人の手だ。
別に恋だのに興味は無い。
だが、それでも此処まで普通と乖離してしまうと、少し寂しくもなる。いずれ姉と三池さんと、平穏に三人で暮らしたいなあとか考えてもいるのだが。
その時に、このかったい手はあまり+にはならないだろうし。
なんならこれを見る度に、過去のトラウマが蘇るかも知れなかった。
いずれにしても、今は訓練だ。
自分の事も大事だが。
一万五千の牙なき人々の命が掛かっているのもまた事実だ。
それもある。
何より、グリーンモアを討ち取れれば、今の膠着した戦況を一気にひっくり返せる状況が出て来た。
近畿や濃尾でガチガチに守りを固め。
中国地方には縦深陣地を構築して人間の攻撃を誘う。
こういう狡猾な防御戦略は、グリーンモアが現れてからのように思う。
だとすれば、奴を倒せば、少しは敵の連携を崩せる可能性もある。
楽観だが。
今はそれを敢えて希望と言う。
訓練を続ける。
マッハ5の壁は流石にきつい。これを維持したまま好き勝手にジグザグ機動するし、なんならいきなり停止したりもするのだから、摩擦係数や空気抵抗は一体どうなっているのかとぼやきたくなる。
それでも実際にやっているのだ。
人間が知らないルールで動いている。
そう結論するしかない。
これに関しては、反物質長距離砲を使ってきていたスプリングアナコンダの時点で分かりきっていたし。
何より超音速を超えて走るストライプタイガーの時点ではっきりしていたではないか。
シャドウは生物ではない可能性が高い。
それも要因だとすると。
いずれあの不死身ぶりや。
超高熱の長時間暴露でしか斃せない特性についても、解明されるのかも知れない。
訓練を続ける。
グリーンモアの性能を更に上げて貰う
あり得ない、というのは逃げだ。
相手は実際にやっている。だからそれを解明するのが科学の筈。姉はそれについては、たまに酔ったときなどに解説していたっけ。
実際に起きている現象を、非科学的だからあり得ないというような言動が、一番非科学的であると。
科学者であるのなら、実際に起きた現象を科学的に解明するのが正しい。
既存の理論で解明できない場合は、理論が間違っているか、それを解明できる理論を産み出す。
それが科学なのだと。
菜々美もそれは分かる。だから、訓練する。
姉が、グリーンモアを斃せる装備を作ってくれると信じる。
ただ、今やるべき事は、それだけだった。