スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント 作:dwwyakata@2024
今度は孤島である種子島での戦闘。連れて行ける兵力は限られ、しかも敵には中型がいる上に、今問題になっているグレイローカストの大軍が控えています。
初めて激突する中型を相手にする上、今まで相手にしてきた小型とは危険度がレベル違いの相手まで控えている状態です。
非常に厳しい戦いがまた始まります。
久々に広瀬大将と直に会う。
想定よりも倒せたイエローサーペントは少なかったが、ブライトイーグルをそれで誘導できた事が大きい。
そう広瀬大将は、成果を強調してくれた。
今でもあいつは出来るだけ相手にしたくない中型だ。他の小型とも連携するし、何より一定時間高熱を浴びせないと倒せないと言うシャドウの性質上、倒すのが極めて困難だからである。
ナジャルータ博士の話は、既に共有されていた。
麾下の「軍団」の再編制を進めていると広瀬大将は説明してくれたが。明確に疲れが顔に出ていた。
「次の戦闘では、孤島での限定的な戦闘になります。 しかも、連れて行ける超世王は畑中准将の乗る機体だけになりそうです。 出せる部隊も一個連隊が限度になりそうですね」
「随分と厳しいですね
「ええ、色々とありまして」
広瀬大将の事は信頼している。
まあこの様子だと、無能な上層部との折衝で苦労しているのだろう。それが分かるから、菜々美もそれ以上追求するつもりはなかった。
いずれにしても、小型種を千切っては投げするのはどうにか行ける。
問題は遠距離攻撃型の小型種、つまりシルバースネークだが。こいつは同行する狙撃大隊達に頼むしかない。
そしてレッドフロッグだ。
こいつも攻撃のパターンがまだ分からないが。
少なくとも種子島にいる個体は、体に八つ穴が開いているという。
形状が似ているだけで目も口もないので。
カエルというには色々無理があるし。移動方法も体の横から出ている足で這いずりながら移動するため。
跳躍を主体にするカエルとは随分と違っているようだ。
いずれにしても、小型を捌きつつこいつも相手にしなければならないし。
それに、懸念されている事もある。
「イエローサーペントが削られたことで巡視艇が活動できる範囲が拡がったのですが、それにより分かってきた事があります。 台湾近くまでグレイローカストが移動してきています。 幸い数はそれほど多く無いようですが、これが沖縄、更に種子島にまで来るかも知れません」
「確か万単位で行動するんですよねあの種」
「可能性はあります。 今後の事を考えると対策戦術を確立したいところではあるのですが……」
いや、今の戦力では厳しい。
前回の戦闘では、小型の飽和攻撃に晒された超世王が、大きなダメージを受けて、明確に戦況に悪影響を出した。
呉美大尉が支援してくれなければ、多分小型に超世王は嬲られてやられていたと見て良いだろう。
そう思うと、万単位で、数の暴力で押してくる小型は厄介すぎる。
「撤退の準備はしておきますが、もしもグレイローカストが接近してきているのが確認された場合、退避は間に合わないかと思います。 いずれにしても、レッドフロッグは排除して欲しいという上層部の意向です」
「意向のために連隊規模の兵士の命を危険にさらすというのは、犯罪的な愚かしさですね」
「同意します。 上層部の連中を前線に出して戦わせたいくらいです」
広瀬大将は、要所では必ず戦地に出て来て指揮を取っている。実際片腕もそれで失っている。
これを言う資格はあるだろう。
そして、本来だったら上層部の連中に。此処まで戦っている広瀬大将についてああだこうだいう資格など無い。
それは少しでも考えれば分かるだろうに。
こんな状態でも。
上に立つべきではない人間が上に立ってしまう。
人間の政治制度には、やはりまだまだ改善と改良が必要なのだろう。そう菜々美は思わされてしまう。
ともかくだ。
幾つかの打ち合わせをしてから、敬礼して別れる。
さて、次の戦闘も大変だが。
広瀬大将はバックアップをしてくれる。
ここ最近のイエローサーペント狩りも効果があったと思う。
だから、やれる。
そう自分に言い聞かせる。
工場に戻る。
姉がまた変態兵器を組んでいる。
レッドフロッグについては、交戦を考えていなかったらしく。どうするかを今考え中だそうである。
とにかく死角が無いのが特徴らしく。
三キロ四方、上空も含めて何もかもが木っ端みじんにされている。
超信地旋回と体中に空いている穴がその攻撃を作り出す要因となっているだろう事は分かっているのだが。
それをどう突破するのかが問題になってくる。
レッドフロッグも中型だから熱には弱い。それは分かりきっている。ただし、長時間奴に熱を与えなければならない。
だとすれば、どうすれば良いのか。
ちなみに雨の日を狙って仕掛けるのは無駄だ。
幾例かデータがあるのだが。雨の日でも高速起動するタイプのシャドウが足を鈍らせた例はない。
むしろ人間側が雨の中で動きが鈍くなり、それでシャドウにいつも以上の速度で殲滅されてしまったデータが多数あるくらいで。
レッドフロッグにしても、台風だろうが何だろうが、あの恐ろしい回転を止める術は無いだろうし。
回転したところで地面に潜って動けなくなるとか、そういうこともないだろう。
分かってきた事があると、ナジャルータ博士が言っていたっけ。
シャドウはこの地球そのものを味方にしている可能性が極めて高い。地球そのものも、シャドウを敵としてない。
だからシャドウがいる場所では、環境が回復し。絶滅生物まで復活している。
そういえば。
カエルで思い出したが、ツボカビ病で致命的なダメージを受けていた各地の両生類だが。それらも当然回復しているようである。
人間だけに厳しいのだシャドウは。
まあ、それもちょっと分からない。
実際問題、シャドウが最後まで手を緩めず攻撃して来ていれば、人間なんか25年前にとっくに滅んでいた。
或いは今、人間をシャドウは見守っている段階であって。
それに一方的に人間が反発しているだけなのかも知れなかった。
まあ、それはいい。
ともかくシミュレーションマシンに入る。
まずは小型を大量に捌くところからだ。
グレイローカストも、今回からはシミュレーションの敵に含める。グレイローカストは完全に飛んでいるような飛翔種と違って、基本的には地上にいて、移動時に飛ぶ。そういう意味では、半分飛翔種に近い小型なのかも知れない。
最初は百体から相手にするが、これが厄介だ。
組織戦をしてくるとはいっても、それぞれの行動密度が低いブラックウルフ他、今まで交戦してきた小型と違い、多数が一斉に襲いかかってくる。
斬魔剣が一本では足りないかも知れない。
しかし、二本以上あっても、菜々美のオツムでは扱いきれないのもまた事実である。四苦八苦しつつ、戦闘データを重ねる。
グレイローカストに一瞬で潰される街などの映像を思い出す。
まさに蝗害。
相手にすると、今までの小型で一番厄介かも知れなかった。
勿論まとめて倒すような武器も今の時点ではない。
少し数を減らして見るが、現状の装備では五十を倒すのが精一杯だ。これほど小型に苦戦するとは。
前回の南九州の戦闘では、超世王一機で最終的に311体の小型を倒した。
だがそれも、あくまで攻撃の密度が低かったからだと思い知らされる。もしもグレイローカストの接近を察知できなければ。
中型を倒す前に、小型に倒されていたかも知れなかった。
それもグレイローカストも立派なシャドウである。
こいつらは、単騎で戦車をひっくり返すのだ。
そう考えると、ぞっとしない話である。
シミュレーションマシンから出る。
中型との戦い、特に新しく戦う相手は毎度そうだったが。体への負担が、いつも尋常じゃ無い。
今回のグレイローカストは小型だが。
もしもこいつと超世王で戦う時が来た場合、頭がゆであがりそうだ。
そうとさえ思わされてしまう。
無言で休む。
姉が調整を入れてくれるはずだ。
それに関しては信頼感がある。
しばらく仮眠用のベッドで、休憩に集中。
おきだしてきてから。
三池さんが出してくれた菓子をほおばる。これもいつの間にかスイーツとか言う変な呼び方が流行っていたそうだが。
菓子は菓子だろう。
菜々美としては、それこそどうでもいいことだ。
黙々と食べていると、今度は姉が限界が来たらしく、ふらふらと仮眠室に消える。ちょっと姉の負担もきつそうだ。
「あの姉貴が随分と苦戦しているんですね」
「ここのところ無理難題に加えて、アレキサンドロスⅢの設計を超世王に反映する作業を続けていましたからね。 設計図なんて、彼方此方最初から作り直していたようですよ。 それも40式の車体をベースに、パッケージ化して改良する手段まで考えていたようですから」
「よくそんなこと出来ますね」
「畑中博士にしか出来ません」
そうか。
そういう意味では、あの姉も偉人なんだな。改めて、それは思い知らされる。
まあ、それはいいか。
ともかく、休んだ後はシミュレーションだ。姉はマルチタスクで作業が出来るタイプだが、だったらデータを蓄積しておかなければならない。
かなり動きが良くなっている。
斬魔剣を使いやすくなっているのは、恐らくコアシステムに今までの戦闘データと、実戦から採取したグレイローカストの(ただしグレイローカストの交戦例は25年前のものだが)を採用。
対応できるように、CIWSを利用したシステムを書き換えたのだろう。
この短時間で、である。
流石だと思いつつ、グレイローカストの群れを捌く練習をする。
確かにやれるが、まだ少し厳しいか。
50はやれるようになった。次は100だ。
そして問題は、グレイローカストの群れと、他の中型を同時に相手にする場合である。
それはかなり厳しいと思う。
菜々美としても。現時点でグレイローカストと他の中型……戦い慣れているキャノンレオンなどであっても。
出来れば同時には相手にしたくなかった。
ともかく、データを蓄積する。
今の時点でロボットアームの動きは更に良くなっていて、斬魔剣は文字通り縦横無尽の活躍を見せてくれている。
グレイローカストを上手く行くと一振りで十体以上倒し、更に返す刀でまとめて倒すというような離れ業も出来るが。
それでも限界がある。
ともかく戦闘データを重ねる。
そして気になって来たのが、超世王のエネルギーだ。
今まではほとんど特製のパワーパックもあってか、エネルギー切れは意識したことがなかった。
だが前回の戦いで、それを初めて意識させられた。
実際今後もシャドウが飽和攻撃をして来た場合、どれくらい超世王が踏ん張れるかは分からない。
菜々美としても、超世王が動かなくなったら、小型一体に即座に殺される事は理解している。
それくらい、シャドウとの相手は厳しいのだ。
それでもどうにかしなければならないか。
核融合炉でも積めればいいのだが、流石にそれはムシが良すぎる。
あれはクリーンなエネルギー炉ではあるのだが。残念ながら膨大な放射線が出る欠点を現状では改善できていない。
分厚い鉛で覆うくらいしか改善策はないが。
少なくとも超世王に積み込めるサイズではなくなる。
核分裂炉は論外として。
いずれにしても、菜々美としては目の前の戦いを、どう乗り切るかを考えて行かなければならない立場だ。
しばらく訓練を続け。
アラームが鳴ったので、シミュレーションマシンを出る。
今日はここまでだ。
外に出ると、また姉が鬼気迫る勢いでキーボードを叩き続けていた。
相変わらず凄まじい集中力で、明確に周囲が見えていない。
まだ整備工のおっさん達は来ていないが。まだ呼ぶ段階にはないと姉は判断しているのだろう。
ただ、三池さんが事務作業をしている。
これも相当な速度で神業じみているが。
いずれにしても、今日はもう、菜々美が手伝えることはないのだった。
宿舎から出て、工場に。
シミュレーションマシンでデータを蓄積して。そしてまた宿舎に。
それを一週間ほど繰り返すと、工場にシミュレーションマシンが増えていた。呉美大尉が来ていて、驚いた。
敬礼をかわす。
「今日から支援型超世王セイバージャッジメントの訓練を同じ工場でさせていただくことになりました。 お願いいたします」
「こちらこそ。 前回の会戦では助かりました」
「いえ。 あれだけの数を削ってくれたから、私の支援が間に合いました。 もっと早く限界が来ていたら、グリーンモアを倒す事は不可能だったでしょう」
そう言ってくれると嬉しいが。
実際、前回の戦いで限界が見えたのは事実だ。
戦闘では毎回死ぬ思いをしているが、それはシャドウの能力が毎度想定の上を越えてくるからである。
姉ですら想定の上を越えてくるシャドウの、その「上」を予想できない。はっきり言って極めて厄介な話だ。
今回のレッドフロッグだって、三㎞四方を破壊し尽くす例の攻撃だって、まだ本気ではない可能性が高い。
それを考えると、色々とこれから交戦するのが気が重い。
とりあえず、雑談をしていても無駄だ。
すぐにシミュレーションマシンに入る。
確か呉美大尉は今回は種子島攻略戦に参戦しないそうだが、その代わり陽動か何かで出るのかも知れない。
まだだいぶ作戦までは時間がある。
超世王の新兵器については、姉はもう考えたようだが。それを作る時間も掛かる。
何よりグレイローカストの対策も、もっとしっかりやっておかなければならないのだから。
訓練を続ける。
またロボットアームの動きが良くなっている。
これはパワーパックが代わったと見て良い。
恐らくだが、アレキサンドロスⅢに乗せられていたパワーパックの仕組みを、遺棄された機体だけで把握したのだろう。
これは姉が今の時代の人間で良かった。
過去だったらスパイ辺りに殺されていても不思議では無かったはずだ。
無言で作業を続ける。
百体までなら、確定で斃せるようになった。
三百体まで相手に出来るようになったら、同時に中型を相手にする訓練を開始する。最初はキャノンレオンから。
それから、他の奴も順番に試すことにする。
性能がどんどん上がる。
一度超世王の現在のシミュレーション上での姿を見るが、ロボットアームは異形そのものと化している。
これがいずれスーパーロボットアニメに出てくるかっこいい人型ロボットの腕と同じ形状になるのだろうか。
今では筋繊維剥き出しのクリーチャーか何かの腕にしか見えない。
だが、これで多数の小型を相手に出来るのも事実だ。
ただし現時点では、これを量産するのは止めた方が良いと、姉は提言しているらしい。
なんでも姉が言うには、まだこれは未完成兵器であって。
とてもではないが、量産して対シャドウ戦の切り札にするには力不足だというのが要因だそうだ。
確かにデチューンモデルがそれぞれ特化した中型を倒すのがやっとだと言う事を考えると、この言葉には説得力がある。
それに、菜々美も思うのだ。
超世王はまだまだ進歩出来ると。
超世王はまだ伸びしろがある。
それに対して、菜々美は訓練で習熟する以外にやれることがない。やがて超世王に置いていかれるのだろうか。
いや、コアユニットによる支援プログラムで、それをどうにかするしかないか。
舌なめずり。
気分を変えて、混成部隊の小型を相手にしてみる。
シルバースネークは狙撃大隊に任せる設定にして、それ以外の小型をあらかた引き受けるつもりで戦って見る。
小型だけなら、700体オーバーを撃破してもまだ余裕がある。斬魔剣がそれだけ、最初にキャノンレオンを倒してから進歩しているということだ。
ただしこれらは、それぞれに対する特化兵装の組み合わせであって、防御という観点ではまったく頼りない事に代わりは無い。
一応データは挙げておく。
種子島でもシルバースネークは確認されているから、それは狙撃大隊に任せてしまうとして。
問題は他の小型をまとめて相手しながら、レッドフロッグをどう倒すか。
それに、もしもグレイローカストが飛来した場合。
対応をどうするか。
コレに尽きるだろう。
順番に作業をしていく。
とにかくデータを蓄積し。
それを姉がコアシステムと、支援プログラム。超世王の設計の改良に生かして行く。
呉美大尉が同じ工場で訓練を開始してから四週間。
やっと整備工のおっさん達が来始めた。
ただ、いつも以上に訳が分からない部品を作らされて、それで困惑しているようだ。休憩中に愚痴が聞こえる。
「毎回化け物を倒してくれている実績があるから言う事は聞くけどよ、少しは理解出来るものを作らせてほしいんだがなあ」
「俺たちも軍事工場で働いて来たからな。 こんな訳が分からない兵器を作って、それで何か起きたらと思うと気が気じゃねえんだわ」
「あの人が天才なのは分かってるつもりだが、少しはこう……説明をしてくれると嬉しいんだがよ」
「そうだな……」
菜々美が休憩に行くのを見たからか、整備工達が黙る。
彼等の懸念ももっともだ。
いつ、超世王はかっこいい人型ロボットになるのだろう。このまま狂気の機械の塊みたいなまま、最終形態まで行くのだろうか。
なんだかそれを思うと。
どっと疲れてしまう自分がいる。
仮眠を取る。
呉美大尉は、仮眠を取るほど苛烈なシミュレーションはしていないようだ。一日に一セットか二セット訓練をした後は、基地に戻って体を鍛えているらしい。
菜々美が切り開いた道を歩いているだけ。
そう以前自嘲気味に言われたことがあるが。
逆に言えば、後続がその程度の訓練で済む程度に地ならしを出来ていると思えば、それはとても誇らしい事だ。
仮眠を取った後、現在種子島にいる小型種全部と、レッドフロッグを、狙撃大隊の支援を受けながら倒す訓練に移行する。
姉が考えた新兵器は、良くもまたこんなものを思いついたなと感心してしまう代物ではあるのだが。
ただ、全方位攻撃という事は、確かに一点突破には明確に弱いと言う事でもある。
だがレッドフロッグは完全な固定砲台ではなく、小型種並みの速度で移動する危険な相手でもあるので。
訓練では姉の作った新兵器も交えて、確実に倒せるところまでは確定でやる。
そして、その後グレイローカストが現れて、それを捌きながらどうにか生還するところまではやりたい。
流石に万単位の数で一気に種子島に襲いかかってくるほど無茶では無い、と思いたいところではあるのだが。
シャドウに人間の常識とか思考は通用しない。
その最悪の事態も想定しなければならないのが厳しい所だ。
訓練をしながら、広瀬大将と連絡を取る。
今回派遣してくれる連隊のメンバーは、シルバースネーク戦で戦果を上げている狙撃兵を選抜してくれるらしい。
広瀬大将は、少し離れた海上の強襲揚陸艦……艦隊規模の指揮を取る艦だが。そこから指揮を取るらしいが。
狭い種子島に連隊の指揮を取るために乗り込めば動きが取れなくなるし。
何よりも、グレイローカストが大挙して渡って来たらひとたまりもない位置であることに代わりは無い。
イエローサーペントを沈めてそれでどうにか安全になった海域ではあるのだが。
最悪の場合、地上部隊を早急に収容して、撤退するための布陣でもある。
それらについて説明を受けた後、訓練に戻る。
今回も広瀬大将はしっかり体を張って指揮をしてくれる。そういう意味では、キーキー喚くだけの無能な上層部の連中とは偉い違いだ。
だから背中を預けられる。
だから戦場に赴ける。
ともかく、訓練を続ける。
小型五百体だけなら、苦にならなくなってきた。とはいっても、それも攻撃を受けないことが前提だ。
油断すれば、一瞬で殺される事に代わりはまったくない。
後は、レッドフロッグ相手の戦術を、徹底的に吟味する。相手の能力を、だいぶ上に見積もるのもいつもと同じだ。
そうすることで、少しでも勝率を上げる。
菜々美が勝つためではない。
同じく戦場に立つ人間が、少しでも生きて帰れるように、である。