スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント 作:dwwyakata@2024
死者0の完全勝利。久々の結果だ。
それに上層部は、「我々の指示が的確だったからだ」などとほざいている。広瀬大将はいい加減クーデターの誘いに乗ろうかとさえ思ったが、黙ってアホな寝言をほざいている連中を、白眼視するだけに留めた。
畑中准将はまた入院だ。
広瀬大将も、まだ戦力の再編制を進めている状態である。
種子島が解放され。
更に九州周辺の島もそれぞれ解放する段取りが決まった。殆どの島には中型はいない。狙撃大隊だけで対処できる……と思いたいが。
シャドウは恐らく、そういうのは読んでいるとみていい。
今回の戦闘でも、明らかに超世王の性能と、進歩の速度、兵器のパターンを読んでいる節があった。
それは畑中博士、ナジャルータ博士双方から報告書が上がっていたし。
広瀬大将が見ていて、そう感じもした。
無言で「次の作戦」に向けての会議を見やる。
今、スカウトが巡視艇で調べてくれているが。沖縄は万単位のグレイローカストが駐屯している。
これは種子島に向かっていた本体が引き返したもので、攻略は無理だ。300ですら師団規模の戦力が本来相手にするもので。超世王でも、これ以上の数は勝てるかはかなり怪しい。
その上今回交戦した300は、明らかに超世王に対して様子見をしていた。
もしあれが本気で殺すつもりだったら。
恐らく畑中准将は戦死していた可能性が高いと見て良いだろう。
溜息が出る。
沖縄に進むのは不可能だと、先に報告書を上げる事にする。
沖縄にも中型複数……恐らく十体以上がいる。
ましてや揚陸艇を使っての敵背後の強襲とかは、とても不可能だ。イエローサーペントとブライトイーグルがコンビを組んで哨戒を続けている。
日本近海のごく一部からイエローサーペントが姿を消しただけ。
それも、戻って来られたら、対処が更に厳しくなる。
朝鮮半島への上陸も厳しい。
彼方にも多数の小型と中型複数がいる事が分かっている。
どうせ上層部は出来もしないことをキーキー喚くのだろうが。それにつきあわされる兵士達にどう説明していいものか。
嘆息して、デスクでぼんやりする。
ストレスが酷すぎて胃が蒸発しそうだ。しばらく仮眠を取ることにしたが、その矢先に連絡が来る。
嵐山だった。
今、調整して、沖縄への侵攻作戦を止めさせているという。
今回超世王一機で300のグレイローカスト、小型多数を屠ったのだから、連携すれば行けるはずだ等というとんでもない楽観論が出ているらしいのだが。これを畑中博士、ナジャルータ博士の報告書を元に、不可能だと蹴る方向で進めるそうだ。
広瀬大将はうんざりしつつ。
嵐山が出来る事に感謝して、メールで返信しておく。
不可能なことについては、広瀬大将からも報告書を挙げておく。
それでどうにかアホ共……流石にアホ共は返信には書かなかったが。ともかくアホ共を黙らせておいて欲しいとメールを送る。
それから、後は無心に眠った。
ともかく今は、少しでも眠らないと、心身がどっちももたなかった。
激戦の跡地を視察していたナジャルータ博士は、種子島の植生を調べ。かろうじて残されていた1900年代初頭の論文と見比べていた。
1900年代初頭の植生よりも、更に完璧な再現がされている。
やはりこれは、人間がいる前に環境を戻しているとみていい。
それもだ。
普通、草原というのは放置しておくと、特に日本では荒れてしまう。土地が豊かすぎるのだ。
それが、荒れないようにほぼ完璧に調整されている。
人間が手を入れるよりも更に完璧に、だ。
環境論者がびっくりするような完璧さである。もっとも、環境論者なんてのは、あれらはただ背後に政治団体がいたり巨大な資金源……国家などがいて。国政や世論を混乱させる目的で動いているだけの連中だったのだが。実際そういった連中は、シャドウが来る前に滅茶苦茶に環境を荒らしていた「エコ発電」とやら。特にメガソーラーなどの明らかに環境に悪影響を与えていたものに対して、なんら批判はしていなかった。
国立公園や貴重な自然ののこる原野を、「環境に良い」とかいうメガソーラーが蹂躙する有様になんら口を出さなかったエセ環境論者など、シャドウの足下にも及ばないのだな。それはナジャルータ博士は、シャドウから奪回した土地を視察する度に理解する。
シャドウを動物が攻撃しないのも納得だ。
もしかしたらシャドウは。
いや、それは考えすぎか。
いずれにしても、シャドウとのコミュニケーション手段は、今後も模索していかなければならない。
連絡が来る。
畑中博士だった。
「出来るだけ急いで退避した方が良いかも知れないわー」
「どうしました」
「また大陸からシャドウの増援。 今度は北海道に向かっているみたい」
「!」
こっちからも来る可能性がある。
そういう話だった。
東日本はほぼシャドウに抑え込まれているが、幾つかの離島はまだ監視部隊がいたりする。
その中の一つが、万単位の小型と、十数の中型が渡海しているのを確認したという。更に守りを固めるつもりというわけだ。
それに、シャドウは人間を駆逐してから、確認されている数が十分の一くらいに減っている。
それらが消えたのでは無くただ人間の観測から外れただけなのだとしたら。
いずれにしても、一旦調査は切りあげだ。
問題は山積み。
それでもどうにかしなければならないのが、ナジャルータや。畑中博士のつらいところだった。
(続)
多くの名将が、完勝は為にならないという言葉を残しています。
今回の完勝()は、あまり良い結果を生まないのです。
シャドウは物量でも余力でも圧倒的。なんなら超世王セイバージャッジメントが何機いても殲滅は無理です。
混乱が続く中、暗雲が近付いています。
超ド級の暗雲が。
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