スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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4、異変

クーデターの鎮圧が上手く行かなかった国家や、GDFを離脱した国家に、小型の揚陸艇を中心として、海兵隊が送り込まれる。それすら命がけだったが。それでも海兵隊は喜んで戦地に向かった。やっと対人戦という本領で力を発揮できるからだろう。

 

ほそぼそとつながっている海路だが。

 

今まで撃沈された船を調べると、バラスト水などをばらまいていたり。

 

或いは何かしらの汚染物質をばらばら落としていたりと。

 

そういった船舶が主体であったらしいことが分かってきた。

 

シャドウはエコテロリストだ。

 

そんな声を上げる者もいたが。

 

それをいうなら、よっぽど人間の方が種族丸ごとエコテロリストなのだろう。菜々美は連日行われる会議で疲弊しながら、海兵隊が鎮圧作業をしていくのを見ているしかなかった。

 

それに、だ。

 

シャドウとの戦いをこれで終えられるのなら。

 

そう思っていたのだが。

 

スコットランドを海兵隊が制圧。

 

現地ではまだシャドウ相手に攻撃すれば勝てるとかほざいているアホ共が上層部を握り、反対するものを武力で押さえつけていたのだが。それらはまとめて海兵隊が鎮圧して黙らせた。

 

その直後に、問題が起きた。

 

近畿、関ヶ原。

 

其処に妙なものが姿を見せたのである。

 

それはシャドウのように見えたが、他のシャドウが一切近寄らなかった。

 

球体のようだったが。可変する事も分かった。

 

それは関ヶ原の一角でじっとしていたが。

 

確認しに行ったスカウト16が、観察を続けていたところ。

 

突如迸った烈光が、スカウト16を文字通り蒸発させた。一個分隊を構成していたスカウト16は歴戦のスカウトだったが。

 

後には何も残らなかった。

 

今までシャドウは、余程接近しない限りは攻撃はしてこなかった。

 

今度の奴は、距離を保って監視していただけで攻撃して来た。

 

これは明らかに違う。

 

菜々美はその報告を聞いたとき、思わずシャドウが……ノワールが言っていた事を思い出した。

 

「敵」がいる事を思い出させないとダメか。

 

もしや、シャドウはある程度人間を痛めつけて、それで団結させるつもりか。

 

今、人類は五千万を割り込もうとしている。

 

各地での強硬派による対シャドウ作戦による死者。

 

クーデターによる混乱がその原因だが。

 

シャドウからしてみれば絶滅しなければ特に問題は感じないようだし。

 

更に言えば、今の人間は人工子宮やクローンで、ある程度個体数を管理する事ができる状態だ。

 

だとすれば、シャドウとしては。

 

間引きにまるで躊躇が必要ない事になる。

 

ただ、こっちとしても間引きなんかに応じるつもりはない。

 

シャドウが現れる前。

 

人間が働いていた企業は、「代わりは幾らでもいる」という珍論をぶち上げて、多数の人的資源を無駄にしていたらしい。

 

従順な奴隷でありながら、どんな仕事もできて、給料を上げなければならないくらいの年になったら勝手に壊れて死んでくれる。

 

そういう都合が良い人間だけ求めていたそうだ。

 

それはまさに間引きと同じである。

 

そんなもの、されてたまるか。

 

関ヶ原に出現した黒い球体は、今の時点で行動を開始していない。ただ、あの攻撃……スカウト16を蒸発させた攻撃だが、幾つかの分析によると、どうやら反物質砲。つまりはスプリングアナコンダと同じものだと見て良さそうだと言う事である。

 

つまり、スプリングアナコンダと違い。

 

仕掛けなくても向こうから来て、反物質砲を遠隔でぶち込んでくる可能性がある。

 

それも無差別に、と言う事だ。

 

会議が行われる。

 

どうにかGDFを離脱した国を全て鎮圧して、再びGDFを形にしたが、不平満々の国も多い。

 

そんな中、今までと明らかに違うシャドウの出現である。

 

今まで仕事がないに等しかった海兵隊などの特務だけは大喜びしていたが、それ以外の皆が疲弊している中。

 

新型シャドウ。勿論新種についての話が行われる事になった。

 

現在、無人機も利用しての監視が行われているが。球体に四㎞まで近付くと、その場で蒸発させられる。

 

容赦の無い攻撃は相手がなんであろうと関係無く、非武装に見える人間を模したデコイを乗せていても、容赦ない攻撃で蒸発させてくる。

 

しかもだ。

 

新種が出たと言う事は、他の地域でも似たようなのが出るかも知れない。

 

もしも、これがノワールの言う敵を用意するというのの答えだとすると。

 

どうやら菜々美は、まだまだ当面休む事は出来ないらしかった。

 

「シャドウは何がしたい。 我々を弄んで、それで飼い慣らすつもりなのか」

 

不愉快そうにいうスコットランドの新代表。

 

今までの好戦的な強硬派はあらかた逮捕されて、今は神戸の監獄にいる。

 

ただ、新代表もそれほどシャドウに対する温和策に好意的な対応を示している訳ではない。

 

近代兵器と有能な指揮官でシャドウを斃せると考えているアホと違って、近代兵器ではシャドウに勝てないと理解しているだけだ。

 

むしろシャドウ……ノワールの発言の議事録を見て、憤慨していたらしい。

 

なお、かなり若い女性である。

 

広瀬大将と同じ世代の俊英であるらしく。

 

まあそういう意味では、老害を綺麗に排除できた結果なのかも知れない。現実を見て、現実的に行動できる人が上に立ったのであれば、今はそれ以上は望めないだろう。

 

「いずれにしても、もはや内輪もめをしている段階ではないということです。 それに、今回出現した新種は明らかに今までのシャドウとは違う。 小型すら周囲に近寄っていないことから考えて、単独行動をする種とみて間違いないでしょう。 近付けばシャドウですら無差別攻撃をするのやも……」

 

「いずれにしても倒さなければなりませんな」

 

北米の大統領がいうと。

 

ナジャルータ博士が、咳払いして、順番に説明をする。

 

敵の攻撃は恐らく反物質砲で、その点はスプリングアナコンダと同じだが。全く同じシャドウをわざわざ新種として出してくる可能性は低い。

 

しかも此奴は動きが読めず。そのまま近畿中枢に乱入してきた場合、各地の工場や基地が危険にさらされる。

 

行動を見極めつつ、能力を分析し、場合によっては倒さなければならない。

 

そう説明すると、とりあえず会議は一致していた。

 

敵がいれば、ある程度まとまる。

 

まとまらない事もあるが、その場合は滅びるだけだ。

 

菜々美はそういう歴史的事実は知っている。

 

だから、シャドウがそれを狙ってリミッターを一つ解除したのであれば。正しい判断なのだろうなとだけ思った。

 

 

 

(続)









かろうじて空中分解を崖っぷちで回避したGDFですが、それを見て色々思うところもあったのか、シャドウが新型を繰り出して来ました。

こいつの性能は文字通り次世代型。

今まで超世王セイバージャッジメントが対応したものとは段違いの代物になります。

次回は此奴との戦闘が主体になります。






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