スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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4、イレギュラーは再び

各地で軍の再編制が進む中、神戸で最初のホバー船が就航した。

 

これは揚陸艇として最初は進水する予定だったものが、途中から輸送艇として改良されたもので。

 

ホバーとして小規模部隊を揚陸させる予定だったものを。

 

大規模な物資を輸送可能なものとして、改良したものである。

 

バラスト水を一切使わない、かなりの航続距離を誇る画期的なものであり。

 

これから実際無人で動かして見て、シャドウの攻撃を受けないか確認する事になる。

 

進水式を見守っていた広瀬大将のところに、連絡が入る。

 

九州からの報告だった。

 

「此方呉美少佐」

 

「どうしました」

 

「グレイローカストが再び妙な動きをしています。 あの巨大なクリーナーが出現した時と酷似しています」

 

「即座にその場を離れ、長距離望遠での監視に切り替えてください」

 

畑中少将は今動ける状況じゃない。

 

即座に呉美少佐が率いる部隊が撤退。

 

グレイローカストが一斉にその場を離れ。山中に現れたのは、巨大な黒い姿。

 

ブラックウルフの、超巨大版だった。

 

サイズは全長36m。

 

中型種でも特に凄まじいサイズである。

 

進水式の雰囲気が一変する。

 

だが、広瀬大将は、そのまま続けるように指示。此処は神戸。流石に九州から攻撃してくることはない。

 

ただ、広瀬大将はその場を離れる。

 

作戦指揮所に出ると、すぐに現地のスカウトと緊密な連携を取った。

 

「現状はどうなっていますか」

 

「ブラックウルフと思われる巨大シャドウは、ゆっくり南下しようとしていますが……あれはランスタートルです!」

 

「!」

 

「ランスタートル、巨大ブラックウルフに突貫! 爆破しました!」

 

やはり中型が始末に掛かるのか。

 

だが、爆破されても巨大ブラックウルフは即死しなかったようだ。ランスタートルに反撃もしないが。

 

其処にストライプタイガーが二体来て、巨大ブラックウルフを抑え付ける。そしてランスタートルが、再生したランスで、再び巨大ブラックウルフを爆破。

 

更にシャドウが来る。

 

あれはスプリングアナコンダか。

 

以前超世王セイバージャッジメントを苦しめた長距離反物質砲で、巨大ブラックウルフを何度も焼きに掛かる。

 

巨大ブラックウルフは暴れるが、中型を殺そうとはしていないようだ。

 

だが、流石に中型四体による猛攻を受けて、程なく巨大ブラックウルフは断末魔の悲鳴を上げ、消えていった。

 

後にはぐつぐつと煮立つ地面。

 

クリーナーがわんさか群れ始める。

 

環境の復旧をするのだろう。

 

京都での戦闘では、巨大クリーナーによる破壊跡はそのままになっているが。

 

これはノワールの方針かも知れない。

 

「巨大ブラックウルフ沈黙……」

 

「どうやらなにかしらの異変が起きているようですね。 すぐに各地のスカウトに連絡。 小型が巨大化した場合は、即座に距離を可能な限り取るように」

 

「イエッサ!」

 

さて、問題はそこではない。

 

現在、人間が際確保した地域は、まだ植民が進んでいない。強いて言うならば四国だが。それはシャドウが出る地域からかなり距離がある。ブルーカイマンが軍部隊の背後を急襲してきた事があるが。

 

それは作戦行動としての攻撃で、攪乱をするとすぐに引き揚げて行った。

 

シャドウは戦略的に機動するのだ。

 

問題は、シャドウに囲まれているような都市。

 

世界各国にあるような、そういう都市の至近で。

 

あの小型の大型化個体が出た場合だ。

 

中型が始末に掛かるのは、二度の例を見て分かった。何かしらのイレギュラーで、シャドウとしても問題視している存在なのかも知れない。

 

だが、それはそれとして。

 

人間が近くにいたら、襲いかかってくるのは確定。

 

中型が始末するまでに、どれほどの被害が出るかわかったものではない。

 

特に都市などに乱入されたら、短時間で全滅するだろう。

 

昔存在していたようなメトロポリスなんてものは現在存在していない。全てシャドウに消し去られた。

 

強いて言うなら神戸だが。

 

それも昔のような都市では無く、地下に逃げ込んで、シャドウの目から逃れるようにして存在している場所だ。

 

シャドウが小型一匹でも入り込んだら、記録的な被害が出る。

 

それに変わりはない。

 

連絡が来る。

 

市川代表からだった。

 

「広瀬大将。 今回の件について、レポートをお願いします」

 

「分かりました。 今関係各所と連絡を取っています」

 

「流石に仕事がお早いですね。 それでは出来次第お願いします」

 

やりとりはそれだけ。

 

あの陰険糸目が。

 

広瀬大将の部下だった頃から、仕事については見ていた筈。今更そんな嫌みをいう理由がない。

 

嘆息すると、即座に今回のデータを畑中博士。ナジャルータ博士。他にも専門家達に送る。

 

ノワールだが、畑中少将のところに連絡を寄越した様子は無いようだ。

 

だとすると。

 

今回の巨大小型シャドウ(妙な言葉だが)は、シャドウとしても色々と面倒なケースの可能性が高い。

 

いずれにしても問題が起きたのなら対応するだけ。

 

そして畑中少将の体調に問題が出て来ており。

 

後継者の目処が立っていない今。

 

あまり状況は良くないどころか。

 

無差別攻撃を仕掛けてくる可能性があるシャドウの出現というのは、シャドウが最初に出現し、人類の文明をほぼ滅ぼした時以来の危機かも知れなかった。

 

 

 

(続)









更に出現する変異小型種。

駆逐出来るようになっていた矢先、それが中型種以上の脅威にいきなり化けかねないという恐ろしい事実が発覚したと言う事です。

悪い事に、此奴は能力的には中型種と同等かそれ以上。

しかも今までの中型種とは明確に行動パターンが異なっています。

更に更に。

畑中菜々美さんのパイロットとしての限界は、もうすぐ其処にまで迫っているのです。






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