スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

7 / 115




はいというわけで中型シャドウランスタートルを攻略するための兵器が開発されます。

今度のはまんまロケットパンチですね。

ただこのロケットパンチ、相手の特性もあって、遠くから放ってそれで相手をブチ抜いておしまいとはいかないのが厳しい所なのです。





1、第二の武器

シミュレーターが出来たので、早速入る。

 

今回も極めて癖が強い武器だ。姉が仕上げているが、整備工は困惑しながら、言われた通りに動いている。

 

図面からして意味不明の代物なので、仕方がない。

 

それだけではない。

 

そもそも今度はなんとか王にも重点的な強化が入る。その内容が色々と面白……いや笑いが引きつるような代物である。

 

そろそろ40式戦車の原型がなくなってくるが。

 

まあそれはいいか。

 

ともかくだ。

 

シミュレーションで、操作をしていくことになる。

 

今回の武器は、キャノンレオンを倒した斬魔剣と運用方法がかなり違う。ランスタートルの戦闘スタイルが違うからだ。

 

キャノンレオンは基本的に高速で走りながら、用途が異なるプラズマ砲で殺戮の限りを尽くすタイプだった。

 

ランスタートルはそれとは違っている。

 

名前のように亀ににてはいるのだが、装甲を纏っている……いや装甲ではあるのか。その装甲を攻防共に利用する上に、そのやり方が極めて乱暴なのである。それでも耐えられるのが、シャドウという訳の分からない存在であるが故だろう。

 

いずれにしても近代軍でもどうにもできない相手なのは事実。

 

他にも何種類かいる中型種は、核での撃破例すら怪しい状態で、明確に倒せたと判断して良いのは前回の戦闘でのキャノンレオン二体のみ。

 

そしてシャドウは学習能力が高く。

 

しかもシャドウ同士で学習内容を共有している節がある。

 

次はなんとか王を重点的に狙って来る可能性が高い。

 

いずれにしても、対抗できるようにしなければ、人類に未来はないだろう。

 

アラームが鳴ったので、シミュレーターから出る。

 

三池さんがドリンクをくれたので、ありがたくいただく。しばらく休憩していると、姉がうろうろしながら、設計図を直しているのが見えた。

 

「今回は苦戦しているようですね」

 

「そもそも初撃をどうにかするのが必須ですので、それもあるんでしょうね」

 

「……」

 

ランスタートルは、文字通りランスを用いてくる。

 

背中に巨大な構造体を背負っていて、それが強力な武器になっているのだが。これを投擲してくるのではない。

 

文字通りランスとして使ってくるのだ。

 

ランスタートルは大きさこそキャノンレオンより若干小型だが、プラズマを推力に使って、空中を突進してくるのである。

 

その速度はマッハ12とも言われており、加速も凄まじい。

 

そして、背中の使い捨ての槍を用いて、目標を文字通り粉砕するのだ。

 

この破壊力は文字通り致命的であるのだが。

 

問題はそれでランスタートルが無事だと言う事。

 

破壊的な突撃をした後は、何食わぬ顔で悠々とその場を離れ。時間を掛けてランスを再生成して。

 

それが終わり次第、また突撃してくる。

 

このランスが何かしらの化学物質である事は分かっているのだが、正体はまだよく分かっていない。

 

これは直衛に多数の小型を連れているからで。

 

ランスタートルは小型と連携し。

 

その破壊的な突撃をして、戻る際。

 

小型に自身を護衛させるのだ。

 

これもあって、ランスタートルが行う爆発の正体はよく分かっておらず。現在でもその破壊力がおかしすぎる事しか分かっていない。

 

つまりこのままでは勝ち目なんぞないということだけだ。

 

小型シャドウにしても、紀伊半島では千体くらいが確認されている筈。

 

第一師団がかなりの損害を受けた今、第二師団と支援部隊だけでどうにかなるのか本当に不安になるのだが。

 

なんとかなると思いたい。

 

第二師団の師団長は広瀬中将だ。

 

何回か作戦行動はともにしたが、安心して背中を預けられる。

 

ならば、一緒にやるしかない。

 

いずれにしても、神戸の周辺だけでも安全圏にしないと、いつでも最悪の事態が起こりうるのだから。

 

休憩を入れてから、シミュレーターにまた入る。

 

すぐにアップデートが来た。

 

これを単独でやっているのだから、姉のすごさがよく分かる。

 

ともかく、今回の武器に関しても、非常に微細な調整をしなければならないので。それが菜々美に求められる。

 

他の兵士では無理。

 

姉はそういう。

 

菜々美も一応、姉の変態武器を使いこなせはする。

 

だが他の兵器については、せいぜい並みよりは上という程度。

 

色々嫌な話だが。

 

姉とはなんだかんだで相性が良いのかも知れなかった。

 

「!」

 

シミュレーターは衝撃も再現している。

 

ランスタートルとの戦いでは、衝撃が非常に懸念されている。地盤ごと消し飛ばされる可能性だって高い。

 

そもそもランスタートルが小型と連携している事。ランスタートル自身だって、キャノンレオンと同等かそれ以上のタフネスを持っている事もある。今までに撃破記録は存在しない。

 

それもあって、斬魔剣のノウハウが此処で追加されるかも知れないが。

 

それは菜々美がどうにかできる事では無い。

 

無言で練習を続ける。

 

次にアラームが鳴ったときには、流石に疲労困憊になっていた。

 

シミュレーターを出る。

 

姉は先に上がったようである。整備工は交代しながら作業を続けているようだが。もう形が出来はじめている。

 

流石と言うか。

 

姉が無茶振りをいつもしていて。

 

それに答えられるだけの能力はあるということだ。

 

三池さんが車を出してくれるので、それに甘える事にする。自宅に送って貰う。姉は寝ていたが、とんでもない寝相で寝ていた。美人が台無しというか、これは結婚した後夫が耐えられるかどうか。

 

ともかく寝かせ直すと、寝言でなんか嬉しそうに笑っていたのでげんなりする。

 

見かけは100点、中身は0点。

 

それは寝ている時も変わらない。

 

「いや、すみません。 醜態を見せまして」

 

「プレゼンに参加するときに比べればらくなので」

 

「……本当にすみません」

 

「いいんですよ」

 

三池さんがそのまま料理を作ってくれるので、食べさせて貰う。料理の材料に関してもちゃんとある。

 

神戸は別に兵糧攻めにあってもいないし、物資だって足りている。

 

これ以上人が増えたら話は別になるだろうが。

 

今の人類は、どうしてか殆ど増えようとしない。

 

恋愛結婚なんて殆ど例がないらしく。

 

人口はまったく増える気配がない。

 

クローン技術で子供を作っているのは、これ以上人間が減らないようにするためだ。それもかなりの急務になっている。

 

実際GDFでも結婚を推奨しているのだが。

 

それに従い、子供を産み育てる人なんて今は殆どいない。

 

これだけは、シャドウ出現前と同じであるらしい。

 

よく分からない話ではあるのだが。

 

「今度の兵器は、一月もあれば出来る感じですか」

 

「いや、流石に。 もう少しはかかります。 セイバージャッジメントも調整しなければなりませんので」

 

「そうですか。 そうなると、毎日工場には出られませんね」

 

「大丈夫。 ただ、ランスタートルも斃せるとなった場合、GDFが一転攻勢を主張しないか不安ではあります」

 

それは、確かにそうだ。

 

キャノンレオンとの戦闘を思い出すと、今でも冷や汗が出る。

 

それくらい危険な相手だった。

 

あの戦闘を分析して、量産した斬魔剣を用いても、簡単にキャノンレオンを倒す事は出来ないだろうし。

 

ランスタートルほど極端ではないにしても、中型種は直衛として小型種を従えているのが普通だ。

 

また、今までは戦闘に直に出てくることはなかったが。

 

人間とその文明を溶かして回る存在……クリーナーだって、今後は姿を見せる可能性がある。

 

あれらは今までは掃除屋に徹していたが。

 

もしも攻撃に回ってくる場合、どのように動いてくるか分からない。

 

とにかく人類は一方的にシャドウにやられ続けたという事もあって。

 

本当にシャドウのことが分かっていないのだ。

 

三池さんが帰った後、菜々美も自室で寝る。

 

おきだした後、姉がもう工場に出た事を確認。基地に出て、訓練をする。しばらく体の調整をしていると、連絡が入った。

 

連絡を入れてきたのは、広瀬中将だ。

 

「小型種出現。 小競り合いが行われています」

 

「相手の種類はなんですか」

 

「クリーナーです。 数は20。 現在海兵隊が相手をしていますが、念の為に支援で急行して貰えますか」

 

「分かりました」

 

すぐに螺旋穿孔砲を手にして、ジープに飛び乗る。

 

なんで菜々美が指名されたのか。

 

それは海兵隊が面倒な連中だからだ。

 

昔は最強の部隊だった。

 

そのプライドは今も生きていて、神戸近辺の師団を雑魚呼ばわりしていることは菜々美も知っている。

 

確かに屈強な兵士達が多く所属していて。

 

多分喧嘩をさせればとても強いだろう。

 

だが、どれだけ対人戦で強かろうと。

 

シャドウの前では無力なことには代わりは無い。

 

各地で滅茶苦茶にやられたのは海兵隊も同じ。それらの生き残りの寄せ集めが、今神戸近辺で腐っている海兵隊の実態だ。

 

昔のように北米が強い力を持っている訳でもない。

 

だから昔のように強いから好き勝手が出来る訳でもない。

 

それもあって、何処でも持て余している部隊であり。

 

更には故郷に戻りたい兵士も多いので。

 

色々と周囲と問題を起こしがちな集団だった。

 

だから支援に、英雄に出てほしいと言うわけだ。

 

菜々美としても、貸しを作っておくのは別に問題ないだろうと思ったので出向く事にする。

 

戦闘は、既に始まっていた。

 

紀伊半島に威力偵察に出ていた部隊が、自分からクリーナーに仕掛けたらしい。M44ガーディアンで猛射を浴びせながら交代しているが、クリーナーは倒れる様子もない。

 

姉が新兵器を色々作る前に、菜々美が二体倒した小型シャドウだが。それも、兵士一人が小型シャドウを倒した例はほとんどなく、それが故に英雄だともてはやされたという事実がある。

 

そのままジープを止めると、狙撃。

 

螺旋穿孔砲は猛烈な衝撃が来るが、ジープの扉を上手に使って反動を殺す。

 

そして普通の銃だったら並み程度にしか扱えない菜々美だが。

 

この螺旋穿孔砲は姉が開発して、それに協力したこともある。

 

今では、手足のように扱える。

 

クリーナーは軟体生物のような姿をしている小型シャドウで、ウミウシや蛞蝓に似ている。

 

交戦の報告は殆どないが、それでも逃げ遅れた一般人が情け容赦なく溶かされてしまう状況が確認されており、他のシャドウ同様に百㎞以上の速度で動き回る。

 

それが海兵隊のジープに飛びかかろうとした瞬間を、横から狙撃。

 

打ち抜き、粉々に打ち砕いていた。

 

まず一体。

 

そのまま、次弾の装填に移る。

 

放熱も行う。

 

これは放熱と装填に時間が掛かるのが弱点で、熟練者でも一分に一発程度しか撃てない。

 

だが、一分間複数のM44から猛射を浴びせるよりも、シャドウにこれでダメージを与えられるので。

 

今では何処の部隊でも配備されているのだ。

 

海兵隊がさがる。

 

悪態を英語でつきながら、必死に後退している。数体のクリーナーが此方に来る。菜々美も冷静に次弾を装填すると、クリーナーを撃ち抜く。二体目のクリーナーが消し飛んでいた。

 

後は後退。

 

海兵隊の部隊も、必死に逃げている。

 

もう少しで、第二師団の狙撃大隊が待っている地点まで逃げられる。クリーナーは音も立てずに追ってくる。

 

蛞蝓などの中には、驚くほど機敏に動く種類もいるが。

 

それらとも比較にならない速さだ。

 

ジープが岩を踏んで、激しく揺れる。

 

冷静にハンドルを切って、擱座を避ける。

 

この辺りは舗装道路が完全に剥がれてしまっているが、まあそれも仕方がないだろう。すぐ後ろまでクリーナーが来ている。

 

だが、貰った。

 

ぐっとハンドルを切る。

 

同時に、狙撃大隊が一斉射撃を開始。クリーナーを撃ち抜き始める。分が悪いと判断したのか、数体が倒された時点で、クリーナーは逃げ始める。その背中を、菜々美は撃ち抜く。

 

これで三体か。

 

海兵隊の偵察チームは、なんとか被害を出さずに逃げ切ったようだ。任せようかと思ったが、連絡を入れてくる。

 

いきなり恫喝的だった。

 

「余計な事をしやがってヒーロー気取りが! 俺たちだけで切り抜けられたんだ!」

 

「そうですか。 では失礼します」

 

「英雄だかなんだか知らないが、あの変な武器があれば俺たちだって中型なんか敵じゃねえんだよ!」

 

わめき散らしているが、無線を切る。

 

相手にするつもりはない。

 

本当にプライドが高いんだなと思って辟易する。ただそれだけだ。

 

一時期所属していたから知っている。あそこがどれだけ閉鎖的かは。

 

未だにマッチョイズムなんてばかげた思想に染まっていて。男の世界、なんてアホらしい思想を大まじめに信じている。そんな集団だ。強いからそれも許されていたが、今のを見る限りそれも過去の話になりつつある。

 

無言で第二師団と合流。

 

螺旋穿孔砲については、第二師団も練習を続けているようで、さっきの斉射で実際に数体を仕留めていた。

 

あれだけやれれば充分だろう。

 

戦果についても報告しておく。

 

広瀬中将は、菜々美に対して腰が低い。

 

色々と好感が持てる。

 

「小型種をまた仕留められたんですね。 流石英雄です」

 

「まあ、相手の注意が他にあったからですね。 それはそうと、海兵隊はあれは大丈夫ですか。 連携して戦闘は可能でしょうか」

 

「現在海兵隊の司令官であるファーマー大佐と連絡を取っていますが、難航している状態です。 新兵器を寄越せば、自分達だけで勝ってみせると鼻息も荒く」

 

「……」

 

今の海兵隊の規模では無理だ。

 

確かに体格が優れた米国人主体の精鋭部隊かも知れないが、シャドウは筋肉が通じる相手ではないのだ。

 

確かに海兵隊の練度は高く、人間の同規模の部隊が相手であったら圧勝できる可能性も高いが。

 

それでも限度があるのだ。

 

「今、北米の「大統領」に説得を頼んでいます。 いずれにしても、実戦では苦労する事になりそうです」

 

「心中お察しします」

 

「いえ。 クリーナーに対する戦闘データも取れました。 後は帰還してください」

 

「了解」

 

基地に戻る。

 

海兵隊はかなり荒れているようで、基地では騒ぎを起こしているようだった。他の部隊からも嫌われているようだが、これは仕方がないだろう。

 

このままだと勝手に行動を開始した挙げ句、山賊みたいな連中になり果ててしまうかも知れない。

 

いずれにしても、かなり面倒な事態だと言える。

 

戦闘力は高いのだが。

 

手綱を引ける人間がいないと、むしろ足手まといになるだろう。

 

戦闘力が高い部隊が、必ずしも戦場で大きな戦果を出せるわけではない。

 

古くはある映画に出てくる超人兵士の名を、スタンドプレイをする悪癖のある兵士の蔑称として戦場で使っていたらしいが。

 

そういう兵士は、個人では強くとも負けを誘発したりしてしまう。

 

ましてや相手はシャドウだ。

 

個人でどれだけ強かろうと、通用などしないのだから。

 

それなのに、肥大化したプライドだけが彼等を突き動かしている。軍としてはとても問題があると言える。

 

これを扱う広瀬中将も大変だな。

 

そう思いながら、基地でレポートを書く。案の場、海兵隊は人命こそ無事だったが備品などに被害を出しているし。それでしきりに怒声を放っているらしいと聞こえてくる。

 

自室で聞いているのではなく。

 

菜々美は作業をしながら、気分転換にGDF内でのSNSを見るのだが。

 

それで兵士達が話しているのがどうしても目に入るのだ。

 

「足手まといのせいで備品に大きな被害を出したとか、海兵隊が喚いているらしいぜ」

 

「なんだか随分話が違うな。 勝手に突っ込んだ挙げ句に、救助されたって聞いているんだが」

 

「英雄が気に喰わんのだろ」

 

「ああ。 前も確か菜々美中佐の事を、運だけで敵を倒した雑魚とか抜かしていたらしいからな」

 

溜息が出る。

 

だからといって、助けないというのは選択肢にはいらない。

 

訓練を受けた兵士というだけで、今はどれだけ貴重なのか分からない程なのである。それを失う訳にはいかないのだ。

 

ともかく、レポートを仕上げたので、出しておく。

 

貴重なクリーナーの撃破報告だ。

 

クリーナーも充分に危険な相手だと分かったし。何より螺旋穿孔砲……大げさな名前だが、シャドウを斃せるのだから姉のつけた名前が採用されるのもまあ仕方がないだろう。ともかくそれが通じる事がはっきりしたことだけで充分だ。

 

あれに溶かされて死んだ兵士も、民間人もたくさんいる。

 

そう思うと、色々複雑である。

 

そして、むしろあれのおかげで、人間が汚染した環境が回復しているのだろうという事実も考えると、なおさらだ。

 

メールが来る。

 

姉からだ。

 

今日の戦闘結果をまわしてほしいというので、そういうのは正規のルートでやるべきで、直に言うなと釘を刺しておく。そうしたら、用意がいい姉らしく、既に許可は得ていると即座にメールが返ってきた。メールが返ってくるまで八秒である。流石と言うか何というか。

 

レポートを姉にも回しておく。

 

姉の立場からして、今更何かしらの情報制限とかはかかってはいないだろう。組織内でも切り札扱いなので、ルールを破る意味もないのだ。

 

しばしして、姉から連絡が来る。

 

「ランスタートルとの戦いは、小型種を如何にして捌くか、ランスタートルをどう誘引するかにかかっているの。 なんとかしないと大きな被害が出そうなのよねえ」

 

「ああ。 それもあるんだが、今回の件でクリーナーが危険だと言うことがはっきりした。 作戦に盛り込まないと危ないと思う」

 

「そうねえ。 広瀬中将には負担を掛けてしまうけど」

 

「そういう仕事だ。 頑張って貰うしかない」

 

海兵隊の手綱を引くこと。

 

クリーナーも含めると、倍以上に膨れあがる可能性すらあるシャドウの対処。どっちも生半可な苦労ではないだろう。

 

幸い第二師団は、広瀬中将を若いから侮るというようなことはないだろうし。

 

今回は第二師団以外にも、支援で幾つかの部隊が出てくるという話である。

 

確かに神戸にとって、そのまま直進されると直撃されかねない紀伊半島にいるシャドウの群れは脅威だ。

 

今までは奴らは直進してくることはなかったが、それは今まではそうだった、というだけの事。

 

そもシャドウが最初に現れた時も兆候はなく。

 

わずか数時間で北米の首脳部が全滅した事を考えると、色々と備えなければならないのは急務なのだ。

 

「それより今回の新兵器、色々と無茶がないかなあ。 前回のより使いこなすのが難しそうに感じるんだけど」

 

「大丈夫。 菜々美ちゃんならやれるわ」

 

「はあ、無茶を言ってくれる」

 

「それにそもそも、スーパーロボットは相手の攻撃を受けて、それでも立ち上がってくるものなのよ!」

 

姉は嬉しそうだが。

 

相手に発見されないというのは、21世紀くらいからの戦闘での基本だ。

 

現在ではそうもいかなくなってきてはいるが。

 

相手の攻撃を受け止めて、それから反撃に出るというのは、現在の兵士は訓練で受けていない。

 

それを考慮に入れた上で、菜々美には無理が割り振られていると言う事だ。

 

嘆息しながらやりとりを切りあげ。

 

そして、軽く横になって休む。

 

明日からは、また訓練をしなければならない。今度だって、二体目のランスタートルが現れてもおかしくない。

 

ドローンも偵察機も、相手の領空には一切入れない時代だ。

 

キャノンレオンがまったく予想外の出現をしたのも、或いはただ隠れていたのを発見できなかった可能性もあるし。

 

そもそも最初にシャドウが出現した時のように、どこからともなく姿を現せるからかも知れない。

 

いずれにしても、菜々美の負担は大きい。

 

一体目を倒す事ですら大変だろうに。

 

二体目以降を倒すのは、どれだけの負担になるか。今回も、まるで分からないのだから。

 

しばし休息して、それから工場に出向く。

 

海兵隊の件は、まだ揉めているようだ。

 

いっそ作戦から外してしまうべきなのではないか。

 

菜々美はそうとさえ思ったが。

 

GDF首脳部としても、北米とどうにか連携を取りたいのだろう。その面子を潰すわけにもいかなかった。








この世界の最後の人類組織とも言えるGDFですが、当然一枚岩などではなく、色々な軋轢の中戦っています。

元は世界最強を誇った海兵隊も軋轢の要因の一つ。

この部隊は各地でのシャドウとの戦いで消耗し尽くした結果、今ではすっかり閉鎖的な組織となってしまっている状態です。

対人戦闘力は今でも最強ですが、相手は残念ながらあらゆる既存兵器が通じないシャドウなのです。






感想評価などよろしくお願いします。励みになります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。