スーパーロボット活劇、超世王セイバージャッジメント   作:dwwyakata@2024

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4、ネメシス種の咆哮

ノワールによる説明と、それに飛騨中尉の発言で分かった事。それが、ネメシス種の断末魔の性質。

 

それもあって、早速検証をして見ることにした。

 

ナジャルータ博士は、色々な人間のがなり声を分析する。これは専門では無いので、人類学者、音声の分析学者などに依頼する。

 

それらのデータを集めて、それから調べて見ると。

 

今までの中型種シャドウには、人間の音声と一致する断末魔を挙げているものは一体もいなかった。

 

いずれもが自然に存在しない音声ばかりである。

 

これはあのアトミックピルバグでも同じ。

 

盲点だった。

 

確かに、ネメシス種には、いわゆる反社やら、自分が喚けば相手が引いてくれると思ってくれる輩や、或いは活動家などの。わめき散らす声に近いパターンが検出されたのである。

 

いずれの声も違っているが。

 

これに関しては確かに盲点だったと言える。

 

それらを更に分析しながら、専門家の見解を聞く。

 

それで、分かってきた事がある。

 

ある人類学者は、こういう説明をしてきた。

 

「ある民族は、議論という概念がなく、相手にわめき散らすことで威圧して萎縮させる戦術を取っていました。 これを行い、相手が辟易することを勝利と認識していたのですが。 同じような事は、ご指摘通り、反社や、それに類する者達がやってきた事です。 何故にそういうものが成立するかというと、単純に相手がうんざりするから、ですね。 それらの声は相手を恐怖させたり萎縮させるというよりも、相手にするのも面倒くさいと考えさせる意味を持っています。 つまり厳密には、相手に自分がケダモノに近いと思わせる効果があるわけです」

 

「ふむ……」

 

「人間と交渉しようとしている人間にとって、会話が通じないと言う事がわかるのは、あまり好ましい状況ではありません。 相手が交渉を切り上げる事を、勝利と認識してしまう事もあるのでしょうね。 巧妙な反社や犯罪組織などの場合は、それをやる者と、裏で状況をコントロールする者が別れていたりするのですが、今回のケースはそれと同じなのかは分かりません」

 

「ありがとうございます。 とても参考になりました」

 

これは、お手柄だ。

 

飛騨中尉がどうしてそんな事に気付けたのかはよく分からないが。

 

或いは畑中中将よりも、飛騨中尉の方が感覚派なのかも知れない。

 

一時期流行った言葉に、軍人には理論派と感覚派がいるというのがあった。

 

昔、軍指揮官というのはどうしても才能が努力を凌駕する分野だと知られていて。しっかり知識を得た指揮官がどう考えてもおかしい負け方をする事がよくあった。それらは後に天下の愚将として知られたのだが。

 

実際に本当にそうだったのかは、疑問が残るのだ。

 

それらを合理的に説明するために、そのような言葉が出来たのだが。

 

畑中中将が理論派だとすれば。

 

飛騨中尉は感覚派だ。

 

ともかく、この件はとても役に立つ話だと思う。

 

ノワールは相変わらず連絡には応じないが。

 

連絡をしてきたとしても、今の話にこたえてくれるかは分からないが。

 

それでも、知っておくことに大いに意味はあるだろう。

 

伸びをする。

 

かなり夜も更けてしまった。

 

いつネメシス種が現れるか分からないから、休みは取っておかないといけない。この間の戦闘のように、此処が直に狙われることまであるのだ。

 

それにネメシス種が攻防一体で使ってくる熱線砲の火力、射程、ともに核兵器に匹敵するかそれ以上だ。

 

あんなものを連発して来る相手である。

 

今後何が起きても対応できるよう、しっかり休んでおかなければならないのだ。

 

とにかく寝る。

 

そして翌朝、レポートをまとめる。

 

市川代表にも送っておく。

 

昔は政治家などにこういうレポートを出しても無駄な事もあった。

 

だがGDFは組織が昔の国家組織と比べものにならないほど小さい事もあって、普通にこういうのは届く。

 

天津原代表の時は、残念ながらオツムが微妙だったから、書いても読めない可能性が高かったが。

 

普通に市川代表は読めるはずだ。

 

他にも今の時代も活動している学者に論文は電子データで送っておく。

 

少しでも意見が聞きたいからだ。

 

そして、形にして送った以上。

 

これはノワールも見ていると判断して良い。

 

電子化したものは、シャドウが完全に閲覧出来る。

 

ネメシスにも見られるのだろうか。

 

まあ見られたところで、特になんら問題は無いか。

 

レポートを書くのも、今はかなり簡単になっている。前は年単位、下手をすると十数年を費やすものもあったらしいが。今は進歩したAIの支援で、ぱぱっとやれる。

 

AIについては、悪くない進歩をしてくれたが。

 

それもシャドウ戦役後の苦難の時代。

 

少しでもマンパワーを補うため、皆が必死に努力をした結果だ。

 

程なく返事が来る。

 

市川代表からだった。

 

「面白い意見ではあるので、今後更にまとめて、戦況を有利にするべく調査を進めるように」

 

以上。

 

まあ、理想的な意見か。

 

これに感情的に反発したり、ああだこうだ主観で言われるよりはずっとマシ。

 

とりあえず市川代表はこの論文を読んだものとして今後は判断出来る。会議などで、話が進めやすくなるだろう。

 

三池さんがお茶を淹れてくれたので、有り難くいただいてから。

 

戦闘データを見て、今回の件に共通する何かがないかを見ていくが。

 

ネメシス種は中型種と違って可変的で。

 

とにかく元の姿にこだわらない性質があるようだ。

 

だが、そもそも物理にまったく捕らわれない存在である。

 

それもあって、どれだけ無茶苦茶をやってもしかたがない。

 

昔で言うなら非科学的であり得ない存在だが。

 

存在する以上、それは科学に沿っていて。

 

非科学的だという言葉こそ、非科学的であるのだという逆転現象が生じる。

 

学者であれば、存在しているものを、科学的に解き明かしてこそだ。

 

ナジャルータ博士も、それは理解で来ていた。

 

ネメシス種のデータを見ていると、連絡。

 

飛騨中尉が、10日ほどで退院してくると言う。

 

リハビリを頑張っているのと、若いから回復力が高いのが理由だろう。

 

いずれにしても。

 

新米から、頼りになるパイロットに。

 

飛騨中尉は成長しつつある。

 

これからはとても頼りに出来そうだと、ナジャルータ博士は考えていた。

 

 

 

(続)







新米から急速に成長している飛騨咲楽さん。

実際良くやっていると思います。

しかしそれ以上に敵の成長が早すぎる。

もはや手に負えない段階が来ようとしています。








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