吾輩は猫である。前世で描いた鬼畜リョナゲームのスピンオフ漫画の世界に転生したので贖罪の為に魔女達を救って行こうと思う。 作:あんみつ炙りカルビ
吾輩は猫である。名前はクロ、おはぎ、クラウン、タンゴ、モブガルド・ニャンディアス3世、キミリア。
吾輩が記載した契約書を受け取り、満足げに頷くと虚空に消えた。もしかして、空間変化系の空属性魔法持ち? アルチナが泣くぞ。
「では、これより我ら一同は貴方の傘下に加わります。御命令を3世様」
「自分が偉くなったみたいに感じて人格歪む〜」
「? 帝国貴族の皆様はこのような事をお聞きすればすぐに敵の排除と性欲処理を頼むのですが………申し訳ございません。お望みならばお相手しますが、その場合は巫女姫様に殺されるのは違いないので」
「既に帝国は人格歪んでたか〜」
後半の文章は務めて無視。吾輩には美人な妻が2人と、恋人が1人いるのでぇ。式を挙げたかったけど、魔導列車でドタバタしててぇ。ティア関連が終わったら挙げようとは思ってる。吾輩、王国に帰ったらロジェと結婚するんだ。
という現実逃避を程々に。さてどうするかな。夜想文庫はユニが結成した秘密結社だ。秘密と言うには割と連邦国民は知ってる公然の秘密って奴だけど。
雪月花に准えた3人の最高幹部。三羽鴉と似たような組織構造のトップに巫女姫のユニがいて、ヨミ殿はそこの月。諜報部隊の最高幹部である。メイド×侍ガール嫌いな人いないよね?で作られたのだが、やってる事は忍びに近い。
「しかし、最高幹部が前線に出てきていいのか? 主は吾輩の薄ら記憶があっていれば、メイド達の情報を収集して分析する立場だろ」
「いえ、自分から立候補しました。貴方様が帝国に行くと巫女姫様から聞かされ、助けになろうと推参しました。かつて、あの島で貴方が被った泥を今こそ拭う為に!」
へえ、吾輩また知らない間に好感度稼いでるんだ〜怖いよ、モルガナ。吾輩は知らないのにいきなり貴方の部下です!みたいな顔して平伏するの怖いって! いよいよ、知らない奴に声かけて久しぶりだな。とか言ったら勘違い系の物語始まらない? 大丈夫?
「早速ですが、3世様が必要な情報はこちらに集めております。ナツメ商会が手を結ぶべき貴族や拾うべき下級貴族の令息や令嬢。学院内の警備の数やその実力なども紙にまとめております。詳細な情報は冊子にしていますので良ければ」
「わあ、仕事が早い………ウルテマより頼りになるんじゃないか?」
『そんな事言うますたぁにはモルガナ様達にある事ない事吹き込むからね〜【実は歳上の義姉に筆下ろしされたい】【イケメン美女にお尻を掘られたい】とか』
ふふふ、やめて。吾輩にそんな趣味はないの。後、魔女の皆さん本気にしちゃうからやめて。わかった、わかった。ちゃんと読むから。え? 紅茶の淹れ方もまたやるの? ウルテマに教わるの楽しいからいいけど。
資料をパラ見する。概ねは設定通りらしいが、吾輩が決めたのは主要キャラだけだから本当に知らない強者がいきなり、やあ。と現れてもおかしくないわけで。とりあえずナツメ商会に1冊渡した方が有効活用できそう。
「とりあえず吾輩用とナツメ商会用に2冊用意して欲しいんだけど。金はこれくらい払うからなるべく早めに頼めるか?」
じゃらじゃらと埃を金貨に変えてヨミ殿に渡す。震えながら、両手を差し出した彼女に溢れんばかりの金貨を渡す。
え? もういらない? いやいや、これだけの情報の製本作業の大変さはよく分かってるからもっとあげても………あ、宝石の方が良かったり? そういうことではない? 頼むからやめて欲しい? いやまあ、たった金貨100枚でいいならいいが。
「さて、と今後ともよろしく頼む。で、俺は何をすればいい? 募集要項には『錬金術が使えるとヨシ』って言われてたんだが………」
「ええ。他の人を断るための文句でしたが、実際に直していただきたいものがありますのでお願いしてもよろしいですか?」
「勿論。吾輩みたいな半端もんでよければいいけどな」
「貴方様が半端ものなら帝国の錬金術師はゴミ以下では?」
「自分独自のものがないからな。俺はいつまでも二流のまんまだよ」
案内された先には積み重なった錬金道具の数々があった。帝国製の清掃や保全道具らしきそれらが経年劣化により、動作不良を起こしているようで。
「直せますよね? 偉大なる貴方様なら」
「期待が大きすぎるな………まあ、見た感じ異界の清掃用具まんまだからな。何とかなるよ」
さて、いい機会だから【錬金術】について説明をしようと思う。
錬金術とは魔力で世界の法則を変化させる………魔法とは違い、魔力を利用した
因みに神聖術は魔力を利用して
ぶっちゃけ、魔法でも道具の構造や性質変化は可能だ。しかし、その系統は皆が大嫌いな空属性魔法に分類されてしまう。つまり、やれる人物が限られてしまうわけで。
その点、錬金術は魔物の素材と魔力。そして完成図をしっかりイメージさえ出来ていれば作る事が可能なのだ。いるかどうかもわからない使い勝手のいい空属性魔法に頼らなくてもレシピと素材さえあれば簡単に必要な道具を作ることができる。
これならば空属性魔法使いでもそれなりの立場の向上が見受けられる為、王国では空属性魔法持ちは錬金術の教育が必須なのである。
そんな風にルドルフ・Y・クロスが定めたんだって。錬金術協会のお偉いさん達が汗だくだくで紹介してた。
ルドルフ・Y・クロスって凄い人だなと吾輩思った(他人事)
では、実践に移ろう。ムサシ殿に頼んでこの数年で必要な魔物を狩って貰ったのでその素材を拝借する。買い取ろうかと言ったけど、俺たちの誠意っす。なんて言われたら受け取らざるを得ないわけで。
それらの素材と経年劣化した道具を並べる。錬金術の理念として、あらゆる道具には五大属性が宿ってるとされ、それに適応する魔物の素材を用意する必要がある。例として掃除機なら風、洗濯機なら水のように。
道具を1から作る場合は魔物の素材の属性を完成図から逆算し、属性の操作や変化を踏まえた上、集めた素材で錬金術を行わなければならない。素材を用意した後は合成。再構築と呼ぶ人もいるが、どちらでもいい。
モルガナの認識はパズルらしく、スタート地点は決まってて、そこから順路に沿って形に合った素材で埋めて、最後に魔力でまとめる考えで鍋に素材を放り込んでは作っているようだ。
そう、鍋が必要なのだ。錬金術においては。手パン錬金術は夢のまた夢である。どちらかと言うと栗をうに!やた〜る、と呼ぶタイプの錬金術である。
「とまあ、錬金術の理念はこんなところだ。でかい鍋があって助かったよ。とりあえず穴とかは塞いだし………主達が使うならそのまま譲渡するが」
「いえ、既に鍋は手に入ってますので良かったらそのままここを3世様のアトリエとして使用してください。そう、ルドルフのアトリエとして」
「吾輩、自宅に戻る手段はあるが………まあ、あると便利か」
毎回道具を作りたくなったからと自宅に戻るのも面倒だしな。となれば、早速だがこのアトリエで初めての道具を作って行こうと思う。
というわけで、今日はこちらの素材で優勝していこう!
素材はこちら!
・錆びた弓
・巨頭龍の顎
・霧白鯨の髭
・極光兵の極宴
・アンオブタニウム
以上の素材を使ってティアの最強武器を作って行こうと思う。
うんまあ、話を聞いて欲しい。まずティアの最強武器とはなんぞや?ではあるが、これは吾輩が知る限り1作目のゲームで作成できる最強武器なのだ。帝国の女帝にモルガナがなってからでないとアンオブタニウムが手に入らないので終盤まで作れないのだが………
作っちゃった! 作れちゃった………いやね? モルガナも吾輩もこの数年で少量のアンオブタニウムを研究してただけなんだよ。吾輩の魔法で石ころからアンオブタニウム作れんじゃねwwとか言ってたら作れちゃったの。
あの時のモルガナの絶句した表情と、ドン引きした目は忘れられない。吾輩をそんな目で見なくてもいいじゃない………魔導列車にそれを使って証拠隠滅したからええじゃない。
変換器にアンオブタニウムが大量に使われてたいた事もあって渡りに船だったが、この事はナツメ商会にも隠してる。バレたら吾輩はもう2度と妻達の元へ帰れなさそう。
とりあえず危険だからと、ヨミ達を追い出して適当な瓦礫をアンオブタニウムに変化させる。そして、魔物の素材を順番に撹拌しながら淹れていく。最後にアンオブタニウムを淹れて逆回転に撹拌すると、回してるデカい器具に何かが当たった。
器具を使ってその物質を取り出して見れば、それは吾輩が想定していた完成図通りの弓が出来ていた。
「レシピがなくて不安だったが、完成図知ってたから何とかなった感じか」
銘は【イノセントティア】彼女の名前を冠する腕につけるタイプの弓だ。クロスボウに近いが、矢を番う必要はない。代わりにハープみたいな弦があり、ティアはそれを奏でる事で光や音を矢として射出するのだ。
「3世様、そろそろ夕食のお時間です。今夜はここで食べて行かれますか?」
「いや、ティアの部屋に戻るよ。彼女の話も聞きたいし」
「それでしたら、こちらを。3世様も異界の住人。であれば、こちらはお好きでしょう?」
「や、焼きおにぎりだと………っ!? そうか、ツーウンユ家では大豆を作っていたから!」
「まあ、そんな所です。では、今後ともよろしくお願いします。3世様」
米である。そう久しぶりのお米である。ツーウンユ家に招待された時に、米や味噌に醤油を作っていると聞いた時は猫の姿で小躍りしたくらいだ。焼きおにぎりとか久しぶりに食べるし、絶対に美味い。
ヨミに挨拶をして、スキップ混じりにティアの部屋へ戻る。1Kと同じくらいの寮の自室。伯爵家以上は個室として与えられた小さな部屋で、ティアはロジェから渡された恋愛小説をモチーフにした漫画を読んでいた。
「あ、タンゴ様! お帰りなさいませ!」
「ただいま、レディ。機嫌いいね。何かいい事でもあったのか?」
「むふふ、私お友達ができましたの! ユニ様の書いた恋愛小説が大好きな友人ですわ!」
焼きおにぎりをつまみながら、彼女の話を聞く。早速だが、友達ができたのはいい事だ。後、焼きおにぎり美味い。醤油と味噌って焦がすと滅茶苦茶香ばしくなるよね。味噌汁か温かい緑茶が欲しくなってきた。
「しかも、その子も帝国が嫌いらしいですの! 私と気が合いそうですわ!」
「良かったな。でもあんまり深刻な感じにはするなよ? あくまで不満があります〜くらいにな。やりすぎると処刑を喰らうから」
「ですわ!」
ティアの現在の立ち位置は反帝国側である。振る舞いとしては、『アルトリウスが婚約者たる自分より異界の姫を可愛がってる事による皇室への不満』みたいな感じで表だってはいないが不満があるような形だ。
セレナ殿も似たような感じで、学院内に派閥を持っているとムサシ殿から聞いた。アルトリウスに擦り寄る現政権とは別で優勝な子爵や男爵家の令嬢や子息に真っ当な結婚相手を紹介してるとか。
彼女は今年卒業の為、ティアが最終的にはその派閥を継ぐ事になる。学院内で味方を増やし、いざという時の仲間集めだ。とはいえ、派閥間の友情は呆気ないものだから、きちんと自分の信が置ける友人が出来たのは好ましい。
「それで、その子と決闘する事になりましたの!!」
「──なんて?」
吾輩は猫である。名前はクロ、おはぎ、クラウン、タンゴ、モブガルド・ニャンディアス3世、キミリア。
どうして、どうしてそうなるの? 貴方はなぜそんなに笑っておられるの? レディ? 一体、貴方は入学早々何をしましたの??
ご報告。カクヨムでマルチ投稿していた自作品が【このライトノベルが凄いWEB小説大賞】の中間選考を突破しました。皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
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