世界チャンピオンのサトシと旅をした期間が一番長い縁で連載を持つことになりました   作:襖バリア

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連載一一回目.私の写真の評価

 旅をしている時、寝る前のルーティンといったらその日に撮影した写真の整理だ。簡単に終わらないとはいえバトルの為の特訓と比べればどうしても早く終わる。前回掲載分でサラリと触れた夜にしていることだ。触れたついでに私の写真とサトシについて記そうか。

 まず私は主にどんな写真を撮っていたか、チラリと記したような気もするがより詳しく説明する。誰も行かないような秘境、危険が伴う奥地、そういった場所の自然をカメラに収めてその希少性を唯一無二の価値として独自性を出していた。簡単にいえば冒険家兼写真家ってところだ。

 

 カントー地方を旅している時もそういった写真を撮ることを目的としていて、自画自賛というのもなんだが中々に良いものを撮ったものだ。ただサトシは現像したものを見て、感嘆の声を漏らすことはあれど感動といえるまでは心が動かされていなかったような気がする。写真で見るより直接目で見る方が乙だ、なんてことも言われたものだ。これに関しては私もそう思うが、風景をより良いものにする技術が足りなかっただけと自らを奮い立たせる言葉としていた。

 そんなこんなだったのでサトシが私の写真を心の底から褒めた時のことはよく覚えている。サトシが暴れている野生のポケモンを鎮めるためにバトル、その圧倒的な暴力に巻き込まれない様に後ろに下がっている時。ふと運命としか表現できないような衝動に駆られてカメラを構え、その戦いの様子を記録した。

 

 戦いで巻き上げられて帯状になった砂粒、止まっているのに今にも動き出しそうな強大さと野生の恐ろしさを伝えるポケモン。それに立ち向かって行くサトシとポケモンたちの、小さいけれど雄大な背中。と、ここまで語ったは良いが実際はそうと知らずに見ると、手振れと合っていないピントのせいで何が写っているかもハッキリとしない、駄作と評されるに相応しいものだ。

 しかしサトシはこれに酷く喜んだ。バトルに関係、ポケモンを主体、被写体が自分の写真なので琴線に触れただけかも知れないが。この写真のお陰か、以降からはポケモンの写っていない写真にも楽しみを見出そうとするようになった。

 一応この写真に対するスタンスを示すが、私はこれを広く公開する気はないし、以降の人生で変わることもない。ネームバリューがあるとはいえ、技術的に拙いからだ。この世界に存在しているこの写真はネガフィルム、そしてサトシが欲しがって現像した一枚のみである。この一枚、暫くは懐へ入れてふとした拍子に眺めていたが、今はサトシの部屋に写真立てで保管してある。恥ずかしくてサトシの部屋に行きたくない理由の一つだ。

 

 警告として以下の文章を残す。これを撮影して以降、趣味でバトル写真*1を撮影するようになった。が、これは完全なる趣味なので仕事として大会などにカメラマンとして私に仕事を依頼しないように。必ず断ります。私の名義でバトル写真はあくまで友人へのプレゼントであることを念頭に置いてください。

*1
バトルを撮影した写真のこと。

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