世界チャンピオンのサトシと旅をした期間が一番長い縁で連載を持つことになりました 作:襖バリア
今回でこの連載は終わりです。つまりこれが最終回です。まぁ元々出版社にゴリ押しされて始めたようなものだ。未練はない。
その程度の思い入れの連載だったが、予想以上にこの連載を楽しんでくれた人がいる。大成功といって差し支えないのではないだろうか。
さて今回は何を書こう。サトシとの旅の思い出の全てを書くことはできなかったが、書きたいようなことは大体書いたような気もする。尚且つ最終回なのでちょっとカッコつけて未来を語ろう。丁度いいことに、沢山送られてきたが無視しようかと思っていた質問がある。
どうすれば夢を叶えられますか、といった内容の質問だ。確かに私とサトシも元々はただの無名のトレーナー。それがこうして一人は世界チャンピオン、一人は大勢の目に留まる機会を戴ける程度には有名になった。
サトシは夢があるならがむしゃらに進め!なんて言いそうだし、確かそんなことを言ったこともある様な気がするので私からは別の回答を。まず、夢を叶えた人は凄いという幻想を捨てるべきではないか、と。
世界チャンピオンのサトシだって、近くで見れば完璧超人って訳じゃない。人よりポケモンと交流をしたいし、料理は未だに焦がす。他にも欠点は色々あるが全部述べると怒られるのでこれだけにする。結局バトルが強いからどうにか世間に受け入れられただけで、そうじゃなかったら社会不適合者になってもおかしくない。多分バトルがだめでもポケモンに関わる仕事ならできるけどそれは置いといて。
そして私はできるならもっと安定した道を歩みたかったものだ。半生を振り返ってみると、帰る家が無くなり、 協調性も無かったので施設を飛び出すように旅立って、秘境の写真はお金になると聞いたからカメラを持った。写真家になりたくてなった、というよりもどうにか生きていくには写真家になるしかなかった人生だった。行き当たりばったりが過ぎる。因みに私の座右の銘は『ダメで元々、人生はギャンブル』だ。
こんな風に波乱万丈な人生を歩まずにいられるのは幸運である。なのでまずは寄り添ってくれるポケモンや、友人に優しさを返し。たまに夢を追ってみる程度でも十分だと思う。叶えられなくても趣味が増えたりすれば中々に人生が充実するものだからな。
それに全員が全員、夢を追い始めたら社会が成り立たなくなってしまう。私のようなはみ出し者を許容できる社会を作っていることにもっと誇りを持って欲しい。
最後に祝辞を述べさせて欲しい。まず出版社の皆さん。話を持ち掛けてくれたけれど、毎回締め切りギリギリに原稿を提出していたが、笑って許してくれてありがとう。サトシも監修の為の文章の提出が遅れ気味で申し訳ない。そして私たちの旅を影ながら支えて下さった皆さん、本当にありがとう。
以上で連載を締める。