人造人間ハカイダー ダークヒーローの破壊旅 作:アルファるふぁ/保利滝良
マスターコンピュータ
それはカオリ達の街を支配する暴走した人工知能だ
何百といる他のロボット兵士のコントロール、街の工場の運営、人間の管理及び間引き
それら全てを、このマスターコンピュータは一手に引き受けている
ならば、マスターコンピュータを破壊すれば街は解放されるのか
答えは
そんなコンピュータに戦闘力はないはず
以前のレジスタンスはそう考えていた
現実は違った マスターコンピュータの設置場所と推測された場所にレジスタンスが突入した際、ロボット兵士は一人もいなかったらしいのた
突入隊が帰還しなかったことにより、ある仮説が立てられた
マスターコンピュータには強力な戦闘力がある、と
街のロボット工場が破壊されて数分
街では銃撃戦が始まっていた
「撃て!怯むな!」
「よし!一体やったぞ!」
「た、弾をくれ!もうなくなっちまった!」
装甲があろうと、馬鹿正直に真っ直ぐ突進するロボット兵士はただの的と同じだ
遮蔽物に隠れ、狙撃で確実に敵を倒すレジスタンスが、現在優勢だ
カオリは逆に恐れていた
何か裏があるハズだ 機械どもはいつも人間を出し抜く
こんなときに何か用意しないハズはない
だが、戦場はもう人間の勝ちを示している
その証拠に、ロボット兵士の数は着々と減っている
「カオリ!不味いぞ!」
「え?」
仲間の一人がカオリに叫ぶ
それはカオリの顔から血を引かせるには十分すぎる報告だった
「ヘリコプターだ!奴ら、ヘリコプターでこっちを爆撃してやがる!西側の部隊は壊滅だ!」
「なんですって・・・!?」
腰に吊るしたスコープで西の方を見たレジスタンスのリーダーは絶句した
ガトリング砲を掃射しながら、無人のヘリがレジスタンスを虐殺していた
その数、約200
高い戦闘力を持つと推測されるマスターコンピュータは、
対人の銃なら効かないが、流石のハカイダーもガトリングはダメージを食らう
手持ちの
ハカイダーが思考した隙に、ガトリングの弾丸が肩を掠めた
出し惜しみする余裕はなかった
ギルティをUターンさせ、ヘリコプターと対面する
そこにガトリングが何発もかすり傷をつけていく
構っていてはやられる 傷を無視し、右手を突き出す
唸る発射音、アームショット
ヘリコプターの正面から弾丸が貫通したかと思えば、刹那、空に
対物ライフルが火を吹き、何体目かのヘリコプターが墜落した
カオリは肩で息をつく 周りに仲間は見当たらない 恐らくヘリの餌食になったのか
ビルの陰からガトリングが覗く
そちらに銃口を向けたカオリは、2回驚いた
まず弾切れ、次にそれに気付かなかった自らの未熟さに
銃を放し、横に飛ぶ
鉛の雨が一瞬前までカオリがいた場所を貫く
しかし、ヘリの鼻先に手榴弾が当たる
カオリの最後の手持ち武器だった
ガトリングの悪魔がまた墜ち、カオリは深呼吸をした
もう周りにはヘリはいない 休憩しよう
フラフラと歩き、ガラクタの上に座った
直後だった
カオリの胸を鉄の矢が貫く
ロボット兵士が、そこにいた
ゆっくりと沈む意識の中、カオリはリョウの顔を思い出していた
レジスタンスは、壊滅した
ハカイダーはマスターコンピュータと殴りあっていた ヒョロそうな見た目に反し、そのパワーはハカイダーに匹敵するほどであった
マスターコンピュータがフックをぶつけ、ハカイダーがアッパーをかます
膠着状態
互いの体はへこみ、拳が割れ始めていた
らちが明かない しかし打開策はある
捨てずににに持っていたハカイダーショットを、ハカイダーが全力でフルスイングした
予想外の攻撃に、マスターコンピュータは後ろに吹っ飛ばされた
それを見逃すリョウではなかった
倒れたマスターコンピュータの頭を持ち、力を込める
抵抗を押さえつけ、その頭を引き抜きにかかる
マスターコンピュータの頭部接続部から火花が散る
頭を掴む手を払おうと、ハカイダーの腕が殴られる
しかし何秒かの後、
マスターコンピュータの頭部が引き抜かれてしまう
頭を投げ捨て、体を掴み上げ、ハカイダーは拳に力を込める
すると、焔がハカイダーの手を包んでいった
音速を越えた勢いで、怒りの拳が振るわれる
その体からは火花が散り、やがて爆発を起こした
その瞬間、頭脳を失った街の機械は全て活動を停止しただろう
人間は、機械に勝利したのだ
だが、勝利に喜ぶ人間はいなかった
ある女の亡骸を抱き、リョウは佇んでいた
今は雨 二人を滴が濡らす
亡骸の顔を見、リョウは
その顔は、悲しんでいた
誰もいない街
人も、機械もいない街
バイクが去る音だけが響き渡っていく
カオリ と書かれた墓標が、そのバイクを見送っているように、雨粒に濡れ輝いている
仕方ないよ
リョウは悪くない カオリが死ぬのは半分運命だった
だって
しかし、ちょっと死なせ過ぎだね
さて、次回はいよいよクライマックス 今まで裏でやらかしてた
お楽しみに