人造人間ハカイダー ダークヒーローの破壊旅   作:アルファるふぁ/保利滝良

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終の街 後編

 

「な、なんだ!?」

ルシフェルは驚愕した

ハカイダーが落ちた穴から、とてつもない熱が噴き上げた

あの部屋には溶断破砕システムがついている

しかし、溶断破砕システムなどすら越える熱量が、あの部屋から吹き出している

憤怒の火柱

それは怒りの炎

その中から、黒い影が浮かぶ

ルシフェルは最初、それは何か理解できなかった 否、理解するのを拒んだ

 

何故なら、答えは一つだったから

 

火柱が縦に裂ける

そこにいたのは、阿修羅すら腰を抜かしてしまうような、怒りの戦士

「ば、ばかな・・・そんな・・・貴様・・・!?生きているはずなど・・・!」

メタトロンが希望に顔を輝かせ、その名を呼ぶ

「廃品のメカと、ハカイダーが・・・合体だー(ガッタイダー)!!!」

 

ガッタイダー(進化したハカイダー)が目にも止まらぬスピードで拳を振る

それは右手に怒りの炎(ハカイダーフィスト)が、左手に美しい白光(ミカエルに搭載されていた兵器)を放った

二つの拳が同時にルシフェルに襲いかかる

バリアがその拳を受け止める

「・・・! 何ぃッ!?」

受け止めきれない

バリアがあまりの負荷に故障し、その力を失う そこにガッタイダーの手がいとも容易く突き刺さる

ルシフェルの体は、ハカイダーやミカエルとは比べ物にならない程硬い バリアが破られても、ハカイダーのパワーはルシフェルに届かない、はずだった

今、ルシフェルにはガッタイダーの拳が突き刺さっていた

「ぐあああああああっ!?!?」

外道の悲鳴が鳴り響く それは断罪の光と怒りの焔が渦巻く証 愚かな悪意(愉悦)を根絶やしにする力

燃え盛り、後ろへ下がるルシフェル

メタトロンが告げる

「何もできない私が言える台詞じゃないけど・・・ルシフェル、もう終りにしましょ? これ以上誰かを傷つけては駄目!」

燃えながらしかし、ルシフェルはその声を変質させ言う

「まだだ・・・僕はまだ愉悦を覚えたい・・・邪魔だ!貴様らは!」

ルシフェルの体から、布を引き裂くような音が発せられた

怒りの炎に焼かれながらルシフェルは、蝶のように灰色の体を破りながら真の姿を晒す

だが、それは蝶とは似ても似つかぬ異形のモノ

 

ルシフェルは、竜の骨の体に腐食した巨大な羽根を生やし、肥大化した人間のドクロを頭にしていた それを一言で表すなら、まさに異形である

空に汚れた羽を散らしながら、異形と化したルシフェルが空を舞う

「礼を言うよ、ハカイダー!」

喋る器官を故障させ地獄の底から響くような声でルシフェルが、憎きハカイダー(ガッタイダー)の名を呼ぶ

「お前のお陰で、僕は一番簡単な愉悦への道を見つけたよ!」

その声は、最早正気の欠片すら見受けられない

「僕自身が、人間に地獄を見せてやればいいんだ!」

上空数百メートルの高さ、ルシフェルが顎を開く

そこから放たれたのは無数のミサイル 噴煙を上げ地表に降る破滅の雨

一方、ガッタイダーは冷静だった

左手を高速変形させ、突き上げる

ガトリング(ミカエル戦車の武器)が数えるのも馬鹿馬鹿しい弾幕をばら蒔く

地上に飛び込むミサイルの群れに、それに飛び込むガトリング弾幕

空に咲く無数の爆風 空中爆発カーニバル

第2射を撃たんとするルシフェル

しかし、ガッタイダーは見逃さない ミサイルを撃つ瞬間のその隙を

右手に握った(ハカイダーショット)から、連続で弾が飛んで行く

空を飛ぶルシフェルは、ミサイル発射に集中し過ぎた

今までハカイダーを支えた武器が、仇敵の翼を引き裂いた

空を飛ぶ力を失ったルシフェルは、悪魔のような叫びをあげ、地に墜ようとした

だが、彼はただでは転ばない 往生際悪く、その尾に付いたレーザー砲をガッタイダーに向けた

「僕は!僕はこの世界を!永遠に楽しみたいんだ!邪魔するなーッ!!」

ガッタイダーは、その怒りを言葉に乗せ、灰色の異形に叩きつけた

「貴様は混沌だ 悪より下劣な混沌だ」

今まで虐げられた者達のために

「俺は貴様のような混沌を、破壊する」

生きたいと願う者達のために

「あの小娘(メタトロン)の導きではなく、俺の意思で」

その胸の傷痕から、砲門が口を開ける

破壊砲

空に向けた大砲が、チャージを開始する

「貴様は何様だあああああ!!!」

ルシフェルのレーザーが発射された

「俺はハカイダー 破壊する者・・・裁く者だ」

破壊砲が、帰らぬ者達のために、全てを飲み込んで行く

ルシフェルのレーザーを、ルシフェル自身を、空の雲をも巻き込み、消し飛ばす

破壊を司る者が、勝利を納めた

 

 

 

 

 

 

 

(破壊砲の余波)に飲み込まれる終りの街の中、メタトロンは呟いた

「・・・やったね、ダークヒーロー」

 

 

 

 

 

 

 




次回、簡単なエピローグを投稿し、この作品を完結といたします
年明けに間に合うかなあ…
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