人造人間ハカイダー ダークヒーローの破壊旅   作:アルファるふぁ/保利滝良

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第二話 薬の街
薬の街 前編


「おい」

「なんだよ」

「変な奴が来たぜ?」

「黒いバイクに乗ってるな」

「あいつ、街に入るぞ」

「よし、待ち伏せして有り金全部・・・」

「お、おい!」

「あん?」

「後ろに・・・!」

「あ?・・・・・・ぎぃやあああっ!?」

 

 

ここは、ジーザスタウンに次ぐ先進的な街

街の中心にある巨大工場が、24時間薬品を作り続ける

そしてその薬をほかの街に売って、この街は更に発展してきた

その恩恵が富裕層のみが味わっているものでなければ、この街はこの世でもっとも素晴らしい街だったかも知れない

その街に、リョウ(ハカイダー)は立ち寄っていた

その辺りには、野良猫や生ゴミや汚水やらがてんでばらばらに散らばっている

道行く人の目は狼のように光っている その姿は総じてみすぼらしい

トタンでできた、やはりみすぼらしい家が、ところせましと並んでいる

そう、彼が訪れたのは貧民層の巣窟だった 

そしていつの間にかリョウは取り囲まれた

数え切れないほどの住人達が、謎の来訪者に敵意を向けている

何人かがナイフを取り出した 闘う気なのは明確だろう

リョウの真後ろにいた一人が、下から突き上げるようにナイフを振るう

リョウは一瞬で振り向き、その手を掴んだ

まるで万力のようなパワーが、ナイフ使いの手を襲う

「うあああ!?」

血気盛んに飛び出した結果、返り討ちにあったその男は、悲鳴をあげながらドラム缶の山に投げ込まれた

脂汗を流しながら、他の男達がリョウにジリジリと近付いていく

「お待ち!」

それを野太い声が止めた

「あんた達じゃ話にならないわ、あちきに任せて下がりなさい」

「じょ、ジョリー・・・」

「お、おう、任せたぜ」

「頼んだぜ御釜!」

ジョリーと呼ばれた厚化粧の中年男性は、妙な構えをとった

そして手を虎爪の型にし、リョウに飛びかかっていった

「行けーッ御釜~!」

「がんばれぇ!」

「覚悟!ホゥアタァ!!!!」

 

 

この街の貧民層の者達は、主に富裕層から依頼される報酬に見会わない安給料の仕事で食いつないでいる

そんな彼らの癒しは、必然的に限られる

酒だ

アルコールによる焼け付くような酔いは、日々のストレスを一時的にだが忘れさせてくれる

リョウは、襲ってきた暴漢を粗方張り倒すと、この街の情報を得るため酒場に来ていた

無論、金は持ってきた 街に入る前に通りすがりの盗賊から絞ってある

「悪かったわね、ウチの常連が・・・」

店長らしき女性がリョウに視線を向け、謝罪した

その左手にはキセルを持ち、右手は色っぽくグラスに添えている

「あいつら臆病だから、許しておくれよ」

それに答えず、人間からみれば様になる顔のリョウはグラスを傾けた 機械なのに飲み食いが可能かと言われると、あまり問題はない

リョウ(ハカイダー)にはある機能がある

食べたものを核融合させ、エネルギー源としているのだ

飲み物も、例外ではない

すでにリョウが酒場に来てから6時間弱はたった

昼過ぎに来たのに、外は夕陽で赤く燃えているはずだ

「あれはね、今日と同じ様に夕陽がキレ~、な日のことなんだ」

基本、酒場の主人は客の話を聞く仕事と言ってもいい

酒が入れば肴が欲しくなる

このときの肴、それは話題だ

客の話を聞き、幸せな時間を提供し、常連に仕立てる

これは酒場の基本戦術だ

ならば、客との雰囲気のために酒を呑む必要も出る

しかし客と同じペースで呑むと、後の客が来たとき体が持たない

なので主人はチビチビ呑むのだ

しかしリョウはまだ飲んでいる

四分の一日付き合った主人はもうベロベロだ それも、自ら自分の素性を晒すほどに喋り上戸になるほど

「気のいい男が来たんだ 高い酒をくれって言われてさ」

何故にリョウが酔わないのか

機械だからである

多少卑怯だが、先程の酒場の常連生成術を熟考した結果の策である

酔わせた方が警戒心の心配はない

そんなリョウの打算は露知らず、主人は喋り続けた

「それから関係は始まった 素敵な奴だった 向こうから口説いてきてさ、一年間アタックされ続けたんだ」

のろけ話に頬を緩ませ、主人は続けた

「だけどね、最初に抱かれた日、それから彼は私の前からフッと消えた」

瞳を潤ませ、主人は続けた

「彼は、富裕層の人間だったんだ・・・」




第2話、薬の街です
く、薬・・・?
展開の関係上仕方ないですが、薬関係ないですね(笑)
まさかのラブストーリー(リョウおいてけぼり)開幕
次回もお楽しみに!
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