神様の言う通り   作:ジム・クゥエル

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これはあくまでフィクションです。

現実の宗教や、ゲーム「女神転生」の設定とは、多分かなり違います。



本気にしないでね!


神様問答

突然だが、『悪魔』あるいは『神様』とは何だろう?

 

 

恐らくは、人によってイメージは異なる。

 

それは厳つい虫歯お化けかもしれないし、ドラゴンかも知れない。

 

死神のようにローブを纏った骸骨かも知れないし、山羊頭の司祭かも。

 

翼の生えた鳥人を想像するかも知れないし、光輝く太陽を想い浮かべるかも知れない。

 

 

その何れもが正しいし、恐らくそれほど間違ってはいない。

 

 

まず、狭義の意味における悪魔だが、日本語、つまり漢字で言う悪魔とは仏教用語だ。

 

「魔」と言う漢字は、「麻」に「鬼」と書く。

 

麻とは大麻、詰まりはドラッグのことで、鬼とは独り歩きする死者の魂であり、この世ならざる者だ。

 

転じて、「魔」とは「人心を惑わせる人外」のことであり、「悪魔」とは、より悪意的に人間を堕落せしむる魔性の存在を指す。

 

つまり、悪魔とは徳を積むことで浄土へ向かおうとする人間たちにとって、「敵」と言うことになる。

 

 

より狭義の意味における悪魔もまた存在する。

 

「デーモン(デモン)」、そして「デビル」だ。

 

 

デーモンとデビル、これらは共に「悪魔」を意味する単語だが、実はそのニュアンスは微妙に異なる。

 

「デーモン」とは邪精霊であり、自分本位で身勝手、欲望に忠実だが、正当な対価と神の名において命じれば、ある程度のレベルの魔法使いなら使役することが可能な存在。

 

日本語に訳すると、悪魔、鬼、魂、霊、妖精、妖怪、もっとざっくりと言うと、「お化け」と言った意味になる。

 

 

「デビル」は、より直接的で、宗教的な意味での「悪魔」である。

 

陰惨で酷薄。憎悪と神への怒りをたぎらせる。心を腐らせる、退廃の僕。

 

人を苛み、苦しめ、堕落せしむることに無上の愉悦を感じる悪霊。神と聖職の人々への敵対者。

 

恐らく、多くの人々がイメージする悪魔像に、もっとも近いのが、此方であろう。

 

 

デーモンの語源がラテン語の「霊魂」であるのに対し、デビルの語源は、一説には古代バラモン・ヒンドゥーの神の一族、『デーヴァ』であると言う。

 

これはデーヴァ神族が、神と似て非なる者『アスラ』と敵対するが故に、アスラを神として信仰する東欧、ゾロアスター教などにおいては『ダエーワ』と呼ばれる悪魔として暫し扱われるが為である。

 

つまり「デビル」とはキリスト・ユダヤ教の外から来る、「多神教の神々」であり、転じて、一神教の正統性を揺るがし、人々の信仰を惑わす外敵。

 

「悪魔」そのものなのである。

 

 

狭義の意味での悪魔が、詰まる所の広義の意味でのパブリックイメージに最も近い、と言うのも、如何にも面白い現象である。

 

貶められた側にとっては微塵も面白くないだろうが。

 

まあ、ここまでの話はあくまで「一般的な悪魔」のイメージであって、ゲーム「女神転生」における「悪魔」は、若干概念が異なる。

 

 

女神転生における悪魔とは、ぶっちゃけデジモンである。

 

 

此処からの説明は私なりの解釈で、余人には伝わり難いかもしれない。

 

 

この世界の「悪魔」とは、一種の「電子生命体」であり、その本質は意思を有するコンピュータプログラムである。

 

彼等の多くは現世には存在しない。

 

この世界が存在する宇宙とは異なるアマラ。

 

そのクラウドサーバ、仮に『フォルナクス・サーバ』に保存されているメインフォルダから、数列と数式を以て、株分け、コピー&ペーストした情報を現世にアップロードし、始めて召喚される。

 

そこから実体化、現実に物理的干渉を行えるようにする為に、知的生命体、つまりは人間の精神に由来する「マガツヒ」、半霊性磁気物質「生体マグネタイト」を必要とする。

 

悪魔は、主に人間、または他の悪魔を「捕食」することで、マグネタイトを補給する。

 

基本的に強力な悪魔ほどメインフォルダの情報量が大きく、召喚に必要なマグネタイトの量も多い。

 

マグネタイトが不足した悪魔は徐々に衰弱し、やがては肉体的な死を迎え、サーバに還元される。

 

サーバに還元された情報はメインフォルダにフィードバックされ、それが元の情報と大きく異なる、つまり「本質」が変異してしまうほどの差異が発生した場合、別悪魔として新しくフォルダが作成される(例:堕天使オセと熾天使オセ・ハレル)

 

彼等はより高位の悪魔になる為、自己を改造、情報量を増やす為に、積極的に他の知性体を喰らう。

 

召喚者『デビルサマナー』たちも、自身の手持ちの悪魔「仲魔」を強化する為に、積極的に戦闘を行い、マグネタイトを集める。

 

時には殺人も厭わぬ闇のサマナーも居るが、それはまた別の話だ。

 

 

そう、悪魔を語る上で欠かせない設定が、仲間の悪魔、『仲魔』の存在がある。

 

女神転生シリーズでは、何らかの手段で悪魔と意思疏通し、交渉を行うことで、悪魔を味方にできる、「仲魔システム」が伝統的に実装されている。

 

更に、仲魔同士を合体させ、一体のより強力な仲魔を作り出す、「悪魔合体システム」など。

 

 

リアルなら、文字通り神をも恐れぬ邪法に外法のオンパレード。

 

………まあ、それがリアルなのがこの世界なんだが。

 

 

総括すると、この世界の「悪魔/神様の定義」とは。

 

よりフレキシブルに人間にコミットし、外的刺激で容易く変異、実体化する、極めて離散的な性質のウイルスバグ。

 

 

『デジタル・デビル』

 

 

それこそが、人々が恐れ、崇め、時に命懸けで闘う、「悪魔」あるいは「神様」の正体なのである。




何が書きたかったか分からなかった回。


自分の頭の中で理解してることを、他人に分かりやすく伝えるのって難しい。

それができる人が、本当に頭良い人なんだろうね。
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