鋼鉄闘域(ゴーレムバトル)〜ホビーアニメ設定の貞操逆転異世界でオタク男子は希少種〜   作:白うに

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第24話「絆と刻印のロマン!ゴレリンピックへの旅立ち」

 

合宿最終日:絆の集大成ゴレリンピック

 

強化合宿の最終日。今日の模擬戦は特に苛烈だった。

 

 宮廷騎士団序列6位、巨漢女騎士が操る重装ゴーレム【アイアンバルク】が、圧倒的な防御力でタクトたちを追い詰める。だが、タクトが「全員、行くぜ!」と指輪を通じて叫ぶと、クローナが【紅月纏】で猛攻を耐え抜き、ニクスが【模倣】で【衝撃波】をコピー、ローニャが破杖砲で防御を貫く。タクトの【収束】熱線がコアを捉え、辛くも勝利を掴んだ。

 

「ふぅ、さすが宮廷騎士…!」

 

 タクトが汗を拭う。クローナが拳を突き上げ、「タクトくん、最高の連携だったよ!」と笑う。

 

 ひとしきりの訓練を終え、夕焼けが訓練場を茜色に染める中、タクトはベンチに一人座り、指輪を弄びながら空を見上げていた。

 

「俺のロマン…ゴレリンピックでどこまで届くかな…」

 

【アブソルトレイル】の【爆風】ブーストは強力だが、魔力燃費の悪さが課題だ。ティナリスの試練を乗り越え、新刻印で改良したとはいえ、根本的な解決には至っていない。

 

 世界の強豪との長期戦を戦い抜くには、まだ足りない。夕焼けの茜色が、タクトの青い魔力刻印を赤く染めていく。

 

 そこに、静かな足音とともに一人の少年が現れる。小柄で色白、薄幸の美少年といった風貌。薄い金髪が夕焼けに揺れ、病弱そうな瞳がタクトを見つめる。頭の付け根には、ルッコやミルコと同じ悪魔族の小さな角が生えている。

 

「タクト君、だね?ルッコとミルコが世話になってるよ。ありがとう」

 

タクトは立ち上がり、丁寧に応じる。

 

「はい、タクトです。あの二人とは、最高のロマンを追求するために一緒に訓練してます!あの、君は…ルッコの親戚?」

 

少年は少し寂しそうに微笑む。

 

「いや、僕はルッコとミルコの…父、アルヴィンだ」

 

「えええええ!?」

タクトが目を丸くする。

 

 ルッコの父、アルヴィン。童顔で低身長、まるで少年のような外見だが、確かにルッコの鋭い目元に似ている。

 

「あの、めっちゃ若いっすね!?エルミラさんの夫って…!」

 

アルヴィンは苦笑いし、ベンチに腰掛ける。

 

「よく言われるよ。身体があまり強くなくてね、普段は家にいるんだ。最近、少し元気になって、散歩がてら合宿を見に来たんだ」

 

タクトは隣に座り、興味津々で尋ねる。

 

「ルッコやミルコ、めっちゃ強いっすけど、アルヴィンさんもゴーレム使いなんですか?」

 

アルヴィンは首を振る。

 

「いや、僕は戦わない。僕の役目は、魔術刻印を究めること。ゴーレムの動脈ともいえる魔力回路を、最高の形にするのが僕の生きがいだ。特に…妻、エルミラに愛を捧げるための刻印をね。」

 

その言葉に、タクトの目が輝く。

 

「愛を捧げるロマン!それ、めっちゃカッコいいっす!」

 

アルヴィンはタクトの【アブソルトレイル】を一瞥し、指輪越しに魔力の流れを読み取る。

 

「君の【アブソルトレイル】、素晴らしい機体だ。だが、根本的な欠陥があるね。【爆風】をブーストに使う戦術は確かにロマンだが、魔力燃費の悪さは、【爆風】そのものの問題じゃない」

 

アルヴィンは白い指先で宙に魔法陣を書き上げる。

 

「タクト君の機体設計は、『推進力のベクトル』と『魔力供給のベクトル』がわずかにズレている。その小さなズレを、君は大量の魔力と複雑な刻印で無理やり調整している。これでは、永遠にこれ以上の魔力燃費は解決しない。」

 

タクトは息を呑む。

 

「それ、俺の悩みのど真ん中…!」

 

アルヴィンは微笑み、続ける。

 

「解決策は簡単だ。【爆風】の反動を【光塵】で制御するのではなく、【光塵】の魔力供給ラインを【爆風】の噴射口に直結させる。二つの魔術を無理に制御するのではなく、一つの魔術に融合させるんだ。愛と同じさ」

 

タクトの頭に電流が走る。

 

「【爆風】のロマンを、【光塵】の魔力ラインで増幅…!これなら、推進力を維持しつつ、魔力消費を劇的に抑えられる!」

 

 アルヴィンの助言は、ゴーレム工学の根幹に触れる本質的な解決策だった。タクトの「超高速ロマン」は、「効率的かつ持続可能な超高速ロマン」へと次元を上げて進化する可能性を見せた。

 

タクトは興奮して立ち上がり、深々と頭を下げる。

 

「ありがとう、アルヴィンさん!これで世界の強豪とも戦えるロマンが見えた!」

 

アルヴィンは心底嬉しそうに笑う。

 

「ルッコにも、君の新しいロマンを全力でぶつけてやってくれ。あの子は、君のロマンに負けたくないようだ。」

 

 二人はゴーレムの話題で盛り上がり、夕焼けの下で楽しそうに語り合う。アルヴィンの薄幸の美少年のような顔には、穏やかな笑みが浮かんでいた。

 

だが、その時、優雅な足音が近づく。

 

「アルヴィン、こんなところで元気そうに何してるのかしら?」

 

 エルミラが現れ、グラマラスな微笑みで夫を見つめる。【シャロンアムル】が背後に浮かび、【愛憎呪縛】の魔力が漂う。彼女の瞳は「騎士の厳しさ」から「妻の執着」へと一瞬で変化する。アルヴィンの顔から血の気が引く。

 

「え、エルミラ、待って、僕まだ…!」

 

「ダメよ。今日は随分元気そうね。こんなに元気なら、今夜は時間をかけて愛の指導ができるわ。」

 

エルミラの声は甘く、だが圧倒的な威圧感を放つ。アルヴィンは幸せと恐怖が入り混じった表情で、「いや、ちょっと、疲れただけだから…!」と慌てるが、エルミラに腕を絡められ、連れ去られる。

 

「ふふ、愛する夫の健康管理も騎士の務めよ。さあ、愛しいロマンを見せてちょうだい」

 

タクトは冷や汗をかきながら呟く。

 

「…アルヴィンさん、たぶん、めっちゃ搾られるな…(何をとは言わない)」

 

 

 

 夜の訓練場で、タクトは仲間たちと最終調整に臨む。アルヴィンの助言を元に、ローニャが【アブソルトレイル】の魔力回路に【光塵】と【爆風】を直結する刻印を施す。ニクスが超高速機動の新たなパターンを解析し、クローナが【ゲイルハルト】の新魔術を使用した耐久テストを行う。そこに、ルッコが【クリムゾンヘイト】を連れて現れる。

 

「タクト、調整してるの?手伝ってあげなくも無いけど!」

 

タクトがニヤリと笑う。

 

「お、ルッコも参戦か?なら、最高の傑作を作ろうぜ!」

 

ローニャの精密な刻印で【アブソルトレイル】の魔力効率が向上。ニクスの【模倣】で安定性を確認し、クローナの【ゲイルハルト】が模擬攻撃を耐え抜く。ルッコの【クリムゾンヘイト】が鉄鎌で攻撃を仕掛ける。

 

 魔力消費は劇的に減少し、出力は15%向上した。

 

「完璧だ!」

タクトが拳を握る。

 

 この瞬間、タクトのロマンは進化した。かつては「個の力」で突き進んだ彼の夢が、仲間との絆で新たな形を成した。

 

 ニクスの観察眼、ローニャの解析力、クローナの元気、ルッコの執念——全てが、タクトの「絆のロマン」を支える力だった。五人チームの連携の土台は、まるで魔力回路のように強固に繋がっていた。

 

 合宿の最終夜、宮廷騎士団がタクトたちを囲む。序列6位の巨漢女騎士が豪快に笑う。

 

「お前らのロマン、ゴルディアス王国の誇りだ。ゴレリンピックで世界に轟かせてこい!」

 

エルミラが微笑みながら語る。

 

「タクト君、君たちの絆なら、世界の強者にも通用するわ。私の愛も、少し背中を押してあげる」

とウィンク。

 

クローナが「絶対優勝するよ!」と拳を突き上げ、ニクスが「ここでの修行、無駄にしない。」と呟き、ローニャが「戦略は完璧です!」と頷く。

 

タクトは指輪を握り、星空を見上げる。

 

「ゴレリンピック…俺たちのロマン、世界に届けるぜ!」

 

 そこに、ルッコが現れる。【クリムゾンヘイト】を背に、鋭い瞳でタクトを睨む。

 

「タクト…いい?あんたのロマンが最強だなんて思わないで。ゴレリンピックの舞台で、私が世界で一番強いロマンをぶつけてやる!覚悟しなさい!」

 

 それは彼女なりの宣戦布告であり、タクトの隣で戦う純粋な決意だった。タクトはニヤリと笑う。

 

「望むところだ、ルッコ。俺たちのロマン、どっちが強いか勝負だ!」

 

ルッコは顔を赤らめ、「バ、バカ!変なこと考えないで!」と叫び、訓練場を後にする。彼女の背中には、タクトを超えるための孤高の決意が宿っていた。

 

 こうして、タクト、クローナ、ニクス、ローニャ、そしてルッコの五人は、絆のロマンを胸に、世界中の強者が集うゴレリンピックの舞台へと旅立つ覚悟を決めた。

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