グレアはノノノにネイルをしてもらった! 後日、ネイルを見たメンバーから「付き合ってるの?」と尋ねられ、否定したが、メンバーは釈然としない様子だった!
ノノノはグレアの部屋を訪れ、お酒に誘った! さらに、ノノノは「五分だけ寝てるフリしてあげるから、好きに触っていいよ」といって横になった!
そして、グレアは遂にノノノのおっぱいに触れて、大歓喜した!
**1
いつも通りの、ある日の夜。ギルドで夕食を取っていた私は、突然、珍しい人から声を掛けられた。
「こんばんは、グレア」
「えっ、ヴァンくん……? こんばんは……」
錬金術師・ヴァンくんだ。ギルドに五人しかいない男子の一人である。
彼と話すのは、パンツ盗難事件以来だ。*2というか、それ以外の接点はない。
「突然すまないが、グレアに頼みたいことがあるんだ」
「え、なに?」
「錬金術の研究に付き合ってほしい。A級相当の魔法使いの協力が必要なんだ。もちろん報酬は支払う」
「なるほど、うん、協力するわ」
珍しいな~。ノノノ以外の男子から話し掛けられるの、なんか新鮮かも。
「では、一緒に男子寮へ来てくれ」
「えっ、男子寮……?」
「ああ」
「ギルドの規則で、女子は男子寮に入れないんだけど……し、知ってるわよね?」
「ああ、バレなければ問題ない」
「嘘でしょ」
――嘘じゃなかった。
ヴァンくんに先導される形で男子寮へ入った。
緊張で、心臓が跳ねる。嫌な冷や汗が流れる。
「心配せずとも、誰にもバレないよ。僕以外の四人全員がクエストで不在だ」
「あ、そうなのね」
「それに、バレたところで誰もギルド長に報告などしない。よくイオ*3が女性を連れ込んでいるが、皆黙認しているしね」
なんかすごいことを聞いてしまった。そ、そうなんだ……。
そして、そのまま彼の部屋へと案内された。
「ようこそ、僕の研究室へ」
工房のような部屋だった。部屋の壁を埋め尽くすように棚が設置されていて、素材や魔道具や書物が所狭しと並んでいる。座る所がベッドくらいしかなく、そのベッドすら半分書物に占有されている。
「うわ、すっご……」
ヴァンくんはいわゆる
「では、早速実験に移ろう」
*
実験は翌朝まで続いた。私とヴァンくんは部屋を出る。廊下には、眩しい朝日が射し込んでいる。
「ありがとう、グレア。本当に助かったよ」
「どういたしまして」
「すまなかったね、こんな時間まで付き合わせて。思いの外、盛り上がってしまって」
「大丈夫よ」
「ベッドも狭くてすまなかった」
「全然平気よ。こういうの新鮮で、私も楽しかったわ」
その時――男子寮の入口から、ガタン!と何かの落ちる音が聞こえた。そちらを振り向くと、愕然とした表情でこちらを見ているノノノがいた。
**4
僕は男子寮に帰ってきた。瞬間――衝撃の光景を目の当たりにした。
グレアとヴァンくんが、彼の部屋から二人で出てきた。
本来女子は入ることが禁止されている男子寮。しかも、こんな早朝に、二人で出てくる理由。――信じられなかった。グレアは、僕のことが好きなはずなのに。
いや、きっと、何かの間違いだ。
うん、そうに違いな――。
「すまなかったね、こんな時間まで付き合わせて。思いの外、盛り上がってしまって」
「大丈夫よ」
「ベッドも狭くてすまなかった」
「全然平気よ。こういうの新鮮で、私も楽しかったわ」
ハンマーで頭を殴りつけられたような衝撃に襲われた。
――盛り上がってしまって。
――ベッドも狭くて。
――新鮮で、私も楽しかった。
二人がどんな風に夜を過ごしたか、嫌でも想像してしまう。
僕は手に持っていた斧を落とした。ガタン!と音が鳴る。瞬間、グレアとヴァンくんもこっちを見た。
グレアと目が合う。驚いている。
「あっ、ノノノ、これは――」
僕は廊下を駆け抜け、勢いのままグレアをビンタした。
「痛ったあッ!!!!!」
グレアはその場に倒れ込む。僕は彼女を、軽蔑を込めて見下ろす。
「最っ低ッ!!!!!」
「ちょ、待ってノノノ、これは違うのっ!」
「他の男に手出しちゃダメって言ったじゃん!」
「誤解! 誤解だから!」
「最低っ! 僕のおっぱい触ったくせに!」
僕はグレアの胸ぐらを掴んで持ち上げ、反対の頬をビンタした。
「痛だあッ!!!!!」
グレアが再び床に倒れ、頬を抑えながら、のたうち回る。
僕はグレアへ馬乗りになり、更に拳を振り下ろそうとしたところ――ヴァンくんに肩を掴まれた。
「待ってくれノノノ。グレアには錬金術の研究を手伝ってもらっただけだ。どうしてもA級魔法使いの魔力が必要で」
「えっ……でも、盛り上がったとか、ベッドが狭かったとか、新鮮で楽しかったとか言ってたじゃん」
「盛り上がったのは僕の研究だ。つい熱が入ってしまってね。あと、座る所がベッドしかない上に、書物が邪魔で狭かったんだ。新鮮なのは、錬金術の手伝いが、だね」
「……そうなの?」
「そ、そうよ……錬金術の研究を手伝っただけなの……。アンタが考えてるようなことはないわよ……」
グレアは真っ赤に腫れた両頬を摩りながら、そう答えた。
「報酬も受け取ったし……」
グレアは布袋を取り出す。普段グレアの持っている財布ではない。その布袋を開けると、A級クエストに相当する金貨が入っていた。
ヴァンくんが正座し、僕に頭を下げる。
「すまなかった。君とグレアが付き合っていると知っていれば、君に一言断ってからグレアを呼んだんだが……そうとは知らず。申し訳なかった」
「ああ、うん……」
ちらりとグレアの方を見る。微妙な顔をしていた。
付き合ってるわけじゃないけど……まあいいか。
僕はグレアの上から下りて、彼女を解放してあげる。まだ頬が痛むのか、涙目だった。
そっか……。
そうなんだ。誤解だったんだ。
うわ、思いっきりビンタしちゃった……。
「ごめんね、グレア。勘違いでビンタしちゃって」
「ノノノ、私の方こそ、ごめんなさい、勘違いされるようなことして。軽率だったわ。本当にごめんなさい」
グレアが頭を下げた。ツインテールが、だらんと垂れ下がる。
「ううん、いいよ」
グレアが頭を上げる。申し訳なさそうな顔をしていた。
僕はホッとして、胸を撫で下ろす。
「はぁ……よかったあ、斧落としちゃってて……。斧持ったままだったら危なかったよ」
「ひっ……! 怖いこと言うんじゃないわよっ!」
「そのツインテごと首いっちゃうところだったよ」
「なんで具体的に言うのよっ!!!」
グレアの顔は青ざめていた。想像してしまったのか、首の辺りを手で庇っている。
その時――男子寮の玄関扉が開いた。魔法使い・イオくんが帰ってきたのだ。
「あれ、グレアちゃんじゃん。てか顔ヤバっ、ぶん殴られたの? なになに? もしかして修羅場?」
――事の顛末を聞いたイオくんは爆笑し、お腹を抱えて転げ回った。
*
それから数日後――イオくんに呼び出され、男子全員が男子寮の空き部屋に集まった。
「みんな、ナイトプール行かない?」
「ナイトプール? 中央区の?」
「そうそう。ボクの親戚がナイトプールの管理人なんだけど、チケット十枚くれたんだ~」
ナイトプールかあ。行ったことないなあ……どんな感じなんだろう。
「うん、行ってみたい」
「僕も行きたいな」
「興味あるな、俺も一回行ってみたい」
「なら、僕も行こう」
全員が賛成した。イオくんはチケットを取り出し、それぞれに二枚ずつ配る。
「それでさ、それぞれが気になってる女の子誘わない?」
「「「「!!!!!」」」」
一気に空気が変わる。それぞれ顔を赤くしたり、チケットをじっと見つめたりしていた。
みんな、誰のことを想像してるんだろう。
「じゃあ、来週末に行こうね。みんなが誰誘うか、楽しみにしてるね~♡」
といって、イオくんは笑いながら去っていった。
こうして、僕は思いがけず二枚のナイトプールチケットを手に入れた。
*
夜、僕がギルドの酒場で夕食を取っていると、ちょうどよくグレアが酒場にやってきた。僕は手を振り、彼女を呼んだ。
「最近よく会うわね」
「ね~」
グレアも適当に注文して、一緒に食べ始める。
「実はさ、今度男子全員でナイトプール行くんだ」
「ないとぷーる?」
「うん、ナイトプール」
「ナイトプールって、夜にプール行って泳がずに、飲んだり話したりチルしたりして遊ぶ、人生勝ち組の遊興よね?」
「ず、随分偏った見方だけど、そのナイトプールだよ。中央区にあるやつ」
「そう、話には聞いたことあるけど、私には遠い世界の話ね……」
グレアはそういって宙を見る。遠い所に想いを馳せるような目をしていた。
「イオくんの親戚がナイトプールの管理者なんだけど、チケットを十枚融通してくれたの。で、男子それぞれに二枚ずつくれたんだ」
僕はチケット二枚を取り出す。
「へえ、すごいわね。二回行くの?」
「ううん、一回だよ。それぞれの男子が、ひとりずつ女子を誘おうって話になったの」
僕はチケットを一枚グレアに差し出す。彼女はポカンとしていた。
「えっ?」
「一緒に行こうよ」
「……。…………。は!? え!? はあっ!?」
グレアはバカデカい声を上げながら狼狽する。酒場の喧騒にも負けない大音声だった。
「わ、私!? 私がナイトプール行くの!?」
「うん、グレアと一緒に行きたい」
「わ、私でいいの?」
「うん、グレアがいい」
グレアは震える手でチケットを受け取ってくれた。彼女は歓喜の表情で、じっとチケットを見つめている。
「わ、わぁっ……! わあっ……!!! すごっ……!」
「嬉しそ~(笑)♡」
「う、嬉しいに決まってるじゃないっ……! ありがとうっ、ノノノ!」
「うん、どういたしまして」
その後、グレアは食事の手を止めて、しばらく幸せそうにチケットを見つめていた。
「自分で言うのもなんだけど、処女の私がこんな勝ち組のイベントに参加できるなんて思ってなかったわ……。私が行ったら、たぶん他の男子たちビックリするわよね」
「しないんじゃない? イオくんとヴァンくんは特に」
「え、そうなの?」
「二人とも僕とグレアが付き合ってるって勘違いしたままだし、他の人もそう思ってるだろうし」
「ああ~、そういえば、そうだったかも……」
カップル限定スタンプラリーイベントに参加した時、僕たちが付き合っているとイオくんに勘違いされたが、未だにその誤解を解いていない。*5
ヴァンくんも、グレアが男子寮に入った例の事件の時に、僕たちが付き合っていると勘違いしていて、そちらの誤解も解いていない。
「それはともかく、ナイトプールに行くのは来週末だから、予定空けておいてね」
「分かったわ、楽しみにしてる」
*
そして、当日。僕たちは男女十人で、ナイトプールを訪れた。
男女に分かれて更衣室に入る。
僕は用意してきた水着に着替える。フリル付きの黒ビキニだ。こういうのは僕に似合わないかもと思うけど、勇気を出して冒険してみた。
グレア、喜んでくれるといいな。
すると、隣のイオくんが――。
「ノノノくん、
「イオくんも綺麗だね」
「いや~ボクも水着姿には自信あったんだけどな~。ノノノくんと比べると雲泥の差だな~」
振り返ると、シャルくん*6が自分の体を見下ろしながら、悲しそうな顔をしていた。
「ほら~ノノノくんがおっぱい大きいせいでシャルくんも落ち込んでるじゃん」
「ふぇっ!? き、気にしてないよっ! だいじょうぶだからねノノノくんっ!」
「えっと、その、ごめんね……」
「謝らないでよっ! 余計悲しくなるじゃんっ!」
そして、全員が着替え終わり、更衣室を出る。出口の所で、女子五人が待っていた。
「「「「「!!!!!」」」」」
グレアたち五人は、感動でいっぱいの表情を浮かべていた。
「すっげ……!!!!!」
「眼福すぎ……!!!」
「え、これ無料で見れていいの?」
「ありがとう!!!」
と、各々素直に喜びを表現している。グレアは歓喜に震えて何も言えなくなっていた。
ヴァンくんは、自分の誘った女冒険者に対し「ノノノのおっぱいばかり見てるんじゃないアホ」と言いながら目潰しをしていた。
え、見られてたのかな。女子の視線、全然分かんないな。
僕はグレアへと近づき、話しかける。
「どうかな?」
「最高すぎるわ。もう、鼻血出そう」
「よかった、嬉しい。グレアも似合ってるよ」
「あ、ありがとう……」
グレアは話しながら、僕の胸元と顔を交互に見ている。どうしても視線が行ってしまうらしい。これくらい分かりやすく胸を見ていると、流石に分かる。
「グレアって、おっぱい好きだね(笑)♡」
「うっ、そのっ、ごめん、つい……」
「せっかくの水着だし、今日は好きなだけおっぱい見ていいよ?」
「ありがたく見させてもらうわ」
グレアはついに僕のおっぱいをガン見する。ずっとそうしたかったのだろう。だらしなく顔が弛んでいて、とても嬉しそうだった。
「じゃ、移動しよっか」
僕たちは移動する。
夜のプールは、妖しくも華やかな雰囲気があった。プールサイドを囲む、ヤシの木。ムードのある紫色の光を放つ、石柱のオブジェ。
プールサイドには、いくつものイスとテーブル、ビーチベッドがある。さらに、バーも併設されている。
広い楕円形のプールには、真珠を模したオブジェが白い光を放ちながら浮いている。さらに、中央には浮島があり、そこから何秒かに一回の間隔で、細い噴水が連なって飛び出している。
「うわ、すご……!」
非現実的な光景に圧倒される。グレアも、キラキラと瞳を輝かせていた。
「なんか、夢みたい……。私が、男子たちと一緒にナイトプール来れるなんて……」
グレアは感慨深そうに、しみじみとそう呟いた。
みんな、楽しそうだった。やがて、それぞれのペアごとに、なんとなく離れていく。僕とグレアも二人きりになる。
僕とグレアはプールサイドに座り、膝から下だけ水につけた状態でプールを眺める。
「みんな、きっと本命の女子を選んだのよね」
対岸の方で遊んでいるイオくんたちのペアを見ながら、グレアがそういった。
「うん、そうだね。みんな、好きな人を選んだよ」
「私、ナイトプールに来れたのも嬉しいけど、ノノノに選んでもらえたことが、一番嬉しい」
「……うん」
「ありがとう、ノノノ」
「どういたしまして。僕も、グレアと一緒に来れて、嬉しいよ」
グレアの赤い瞳が、白や紫の光を反射して輝いている。
僕はグレアに近付き、腕を組んだ。お互いの素肌が密着する。グレアの温度が、直に伝わってくる。
「……」
「……」
「どうしようグレア、これ意外と緊張する」
「え、おっぱい触らせた時平気そうだったのに?」
「うん、なんでだろうね」
「なんでかしらね」
再び、噴水が飛び出した。
オブジェから放たれる紫色の光に照らされ、噴水が華々しく煌めく。まるで、地上に咲く水の花火のようだった。
「……私、いま、すごい幸せ」
「僕も、幸せだよ」
時間がゆっくりと進む。目映い光に包まれて、僕たちは互いの温度を感じながら過ごした。
**7
ナイトプールで幸せな時間を過ごした、あの夢のような日から数日後。
日常に戻ってきた私は、いつも通りパーティーメンバーとクエストに行く――はずだった。
「グレア、お前をパーティーから追放する」
「えっ」
突然、仲間からそう宣告された。
「これはもう三人で話し合って決めたことだから。グレアにはこのパーティーを抜けてもらう」
「ちょっ、いきなりなによっ!? 私たち、幼なじみ四人で頑張ってきたじゃない! なんでいきなり私だけ追放されるのよ!」
「理由なんてひとつしかない。グレア、お前が重大な罪を犯したからだ」
「はあ!? 私が何をしたっていうのよ!」
「グレア、お前は――」
仲間は激怒しながら、私を睨み付ける。
「男子たちとナイトプール行っただろうが!」
「一人だけ男子たちと仲良くなりやがって!」
「この薄汚い裏切り者め!!!」
「ちょっ、はあっ!?」
え、なんで知ってるの……?
いや、十人も行けば、誰かしらは他の人に話すか。特に隠すことでもないんだから、そりゃ広まるわよね……。
「絶対許さない。マジで絶対許さない。本当に許さないから」
「男子たちとナイトプールって、なんだよそれっ!」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すッ!」
仲間たちは血涙を流しながら、憎しみの籠もった眼差しで私を見ている。凄まじい怨念だった。
「なあ、みんなどう思う? ひとりだけ男子とナイトプールに行ってきたグレアのことをさあ!」
「有罪」
「死刑」
「よし、ボコボコにしよう!!!」
「ちょっ、待ちなさいよっ! 悪かったからっ! ごめんってば!」
『ノノノ』
男性。A級冒険者。黒髪黒目。怪力すぎてゴリラ扱いされている。
『グレア』
女性。A級冒険者。赤髪赤目ツインテ。魔が差してノノノのパンツでオ○ニーしてしまった。