あべこべ世界なのにゴリラ扱いされててモテない男   作:耳野笑

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 前回のあらすじ!

 ノノノはナイトプールのチケットをもらった! 男子五人と、それぞれが誘った女子五人で行くという話になったので、ノノノはグレアを誘った!

 ふたりは、ギルメンと共にナイトプールで遊び、幸せな時間を過ごした!

 しかし後日、グレアはパーティーメンバーに「お前をパーティーから追放する」と宣言される! メンバーたちは、グレアが男子たちとナイトプールへ行ったことに嫉妬し、怒り心頭だった!


第9話 追放

 僕が男子ロッカー室で着替えていると、イオくんが話しかけてきた。

 

「ねえねえ、ノノノくん聞いた? グレアちゃんのパーティー、酒場で乱闘してたらしいよ」

 

「えっ、なんで?」

 

「なんか『ひとりだけ男子たちとナイトプール行きやがって』とか『絶対ボコボコにしてやる』とか叫んでたって」

 

「なにしてるんだアイツら……アホすぎる……」

 

 先週、僕を含む男子五人と、グレアを含む女子五人の、計十人でナイトプールへ遊びに行った。

 どうやら、それを知ったグレアの仲間たちが、グレアに対して怒ったのだろう。

 

 一応、グレアに話聞いておこうかな。

 

 ロッカー室を出て、酒場に移動すると、ちょうどよくグレアたち四人が食事を取っていた。一見いつも通りの雰囲気に見える。

 

「おはよう、みんな」

 

「「「「おはよう」」」」

 

「みんなが酒場で乱闘したって聞いたんだけど」

 

 すると、グレアが苦笑し、他の三人は真顔になる。

 

「ああ、グレアが私たちを裏切ったからね」

 

「ボコボコにしてやったよ」

 

「グレアは私たち四天王の中でも最弱」

 

「誰が最弱よアホども」

 

 どうやら、深刻な喧嘩ではなさそうだった。

 

 すると、グレアが――。

 

「ところで、話は変わるんだけど、ノノノもこれ行かない?」

 

 そういってグレアが差し出してきたのは、クエストの依頼書だった。

 

 内容は、無人島での宝探し。依頼主の祖先である大富豪が無人島に別荘を建て、さらに島のあちこちに宝箱を隠したので、この財宝を回収してほしいというものだった。

 報酬も悪くない上に、好きな財宝を五種類まで貰える、とのことだった。

 

「すごいね、無人島でのクエストなんて初めて見た。僕も行ってみたい」

 

「じゃあ、この五人で行くってことで決まりね」

 

「海辺で行動するかもしれないし、濡れてもいい装備で行かなきゃね」

 

「そうね」

 

「あ、でも水着は着て行かないよ。残念だったね」

 

 と、僕がみんなに宣言すると、三人は――。

 

「べ、別にゴリラの水着なんか見たくないし!」

 

「誰も期待なんかしてないから!」

 

「ノノノの水着姿を見たい女なんか人間界にはいない!」

 

 と、三人は僕のことをゴリラいじりするが、グレアだけは無言だった。

 

「つい最近、ナイトプールで僕の水着姿を幸せそうにガン見してた人がここにいるけど」

 

「…………」

 

 グレアは気まずそうに赤面し、視線を逸らした。

 

「……なあ皆、やっぱりグレア追放しない?」

 

「「賛成」」

 

「ちょっ、なんでそうなるのよっ!」

 

 **1

 

 その夜、私たち四人は、メンバーのひとりである治癒術士の部屋に集まっていた。突然彼女から「話があるから部屋に来てほしい」と言われたのだ。

 

 その話とは――。

 

「グレアに訊きたいことがあるんだ。グレアってノノノと付き合ってるの?」

 

「付き合ってないわよ」

 

「本当に?」

 

「うん」

 

 私がそう答えると、治癒術士は決然とした面持ちを浮かべた。

 

「私、ノノノに告白する」

 

 突然の宣言に、私を含む三人は衝撃を受けて固まった。

 

「最近、ノノノがグレアと仲いいのは、皆も気づいてると思う。だから、まだ付き合ってないなら、今が最後のチャンスだと思うから。ちゃんと気持ちを伝えたい」

 

 さらに、彼女は続けて――。

 

「みんなも、ノノノのこと好きでしょ?」

 

 沈黙が場を満たした。否定しないことは、肯定と同義だ。

 

 ――分かってた。みんな、ノノノのことを好きだって。

 

 そりゃそうに決まってる。

 

 ノノノは、私たちみたいな処女軍団にも距離感近いし、女のノリも理解してるし、話してて楽しい。

 

 しかも、可愛いし、おっぱいも大きい。

 

 異性と話す機会すらほとんどない処女が、ノノノのことを好きにならない訳がない。

 

 でも、お互いに気付かないフリをしていた。ギルドにはノノノのことをゴリラ扱いするノリがあったので、それも相まって、ノノノを男性としては見ないという空気が生まれた。

 

 ノノノには告白しない。ノノノを好きであることを、お互いに気付かないフリをする。それが、私たちパーティーの、暗黙の了解だった。

 

「ごめん、でも、私は告白する。それをちゃんと伝えたかったんだ」

 

 彼女がそういって、この場は解散となった。私たち三人は廊下に出る。すると、弓兵のメンバーは、苦笑しながら呟いた。

 

「やっぱり、こうなっちゃったか」

 

 **2

 

 数日後、僕たち五人は無人島に来た。

 

 依頼主から受け取った地図には、十ヵ所の目印が描かれている。この十ヵ所を順番に回り、宝箱を回収して別荘へと運ぶ必要がある。

 

 僕たちは島を歩き始める。

 

 そして、一つ目の宝箱を発見した。宝箱は、想像していたより小さかった。魔導書が十冊入るかどうかだ。一応中を開けてみると、財宝は入っていた。

 

 小箱とはいえ、そこそこ重い。

 

 この中で一番力が強いのは自分なので、僕が持とうとすると――。

 

「私、持つよ」

 

「えっ、あ、ありがとう」

 

 珍しく、弓兵のメンバーが宝箱を持ってくれた。普段重い物を運ぶのは僕の役目なので、こんなことは初めてだ。

 

 その様子を、グレアと残りのメンバーは、無言で見ていた。

 

 そして、十ヵ所の隠し場所を周って、十個の宝箱を回収した。全ての宝箱を別荘に運び終えて、依頼主に報告する。

 

「広い島ですから、大変だったでしょう。お疲れ様でした。では約束通り、この中から五つ、お好きな財宝を持っていってください」

 

「やった~!」

 

 僕たちは目を輝かせて、財宝を選ぶ。

 

 七色に光る宝石。ドラゴンの牙から作られたナイフ。風景を閉じ込めてあり、常に動いている絵画。どれも希少な素材や魔道具だった。

 

 メンバーたちは――。

 

「服が透けて見えるメガネとかないかな~」

 

「透明人間になれるマントとかあったらいいのにね」

 

「うわ、夢ある~」

 

 と、女冒険者っぽい会話をしながら財宝を選んでいる。

 

 僕は一通り財宝を見て、気になったものを手に取った。――透明な球形の石。特殊な効果のある魔道具だ。

 

「ねえグレア、これ持ってみて」

 

「なにこれ」

 

「真実の宝石だって。本当のことを言うと青白く光って、嘘を吐くと赤黒く光るらしいよ」

 

「えっ、すごいわね。ウソ発見器ってことじゃない。犯罪捜査とかに使ったら役立ちそうね」

 

 グレアは手の中の宝石をじっと見ている。

 

「じゃあ、グレアに質問ね。グレアは女性?」

 

「ええ、女性よ」

 

 すると、グレアの掌の上で、宝石が青白く発光する。

 

「グレアは後衛職?」

 

「うん、後衛職よ。魔法使いやってるわ」

 

「犬と猫ならどっちが好き?」

 

「猫ね。どっちも可愛いとは思うけど」

 

「コーヒーブラックで飲める?」

 

「あんまり好んでは飲まないけど、ギリ飲めるわよ」

 

 グレアの手中にある宝石は、ずっと青白い光を放ち続けていた。

 

「じゃあ、異性とお付き合いした経験はある?」

 

「ぐっ……うぅっ……な、ないわよっ」

 

 グレアは頬を紅潮させ、屈辱に顔を歪めながら答えた。宝石は青白い光を放ったままだ。

 

「じゃあ次は嘘吐いてみてね。グレアは処女?」

 

「なっ……!? うっ……なんでそんな質問にするのよっ!」

 

「ほらほら、いいえって言ってみてよ」

 

「うっ……い、いいえ……。処女じゃないわよ……」

 

 すると、宝石は赤黒く発光した。

 

 グレアの頬がみるみる赤くなり、恥ずかしさのあまり目にうっすら涙が浮かぶ。

 

「あははっ、もちろんそうだよね~(笑)♡」

 

「ぐうっ……!!! こいつっ……!」

 

「これ面白いね(笑)♡」

 

「私は何も面白くないわよっ!」

 

 グレアが赤面しながら吼えた。ツインテールが勢いよく揺れる。

 

「ねえ、今好きな人いる?」

 

「!!!!!!」

 

 グレアの表情が変わる。メンバー三人も、こっちを見た。

 

「い、いるわよ……」

 

 宝石は青白い光を放つ。僕はグレアの頭を撫でる。

 

「な、なんで頭撫でるのよっ!」

 

「なんでもな~い(笑)♡」

 

「ニヤニヤすんなっ!」

 

 グレアは赤面しながらも、頭を撫でられることを受け入れている。

 

 僕たちの関係は、グレアのオ○ニーバレ事件の時から、随分前進した。

 

 グレアの気持ちは分かっている。グレアも、きっと僕の気持ちを分かっている。

 

 僕はグレアから宝石を返してもらい、依頼主から正式に貰い受けた。

 

「ちょっとお手洗い行ってくるわね」

 

「うん」

 

 グレアがお手洗いに行ったので、なんとなく他の財宝を眺めながら待つ。すると、治癒術士のメンバーが――。

 

「ノノノ、話があるんだ」

 

「うん」

 

「私、ノノノのことが好き」

 

「えっ」

 

「本気なの。私と、恋人になってほしい」

 

 ――言葉を失う。

 

 何を言われたのか、理解できなかった。

 

 さらに、弓兵のメンバーも――。

 

「ごめん! 今までイジってたけど、本当はノノノのことが好きだ! 付き合ってほしい!」

 

「えっ、えっ」

 

 混乱し、思考が追い付かない。

 

 さらに続けて、召喚術士のメンバーも――。

 

「便乗するような形になってごめん。でも、私もノノノのことが好き。恋人になってほしい」

 

「……あっ、ああ、冗談か、なにいきなり、ビックリしたじゃんもう」

 

 僕は息を吐き出す。

 

 こんな冗談、珍しいな。真に受けてびっくりしちゃった。恥ずかしい。僕のことを男として見てる人なんて、グレアしかいないのに。

 

「ノノノ、その宝石貸してもらえるか?」

 

 弓兵にそう言われ、僕は真実の宝石を渡した。すると、彼女はそれを持ったまま――。

 

「冗談なんかじゃない。前に、皆で話し合ったんだ。もう、いつものノリはやめることにしたんだ。私たちは、本気でノノノのことが好きなんだ」

 

 そう話す彼女の手にある宝石は――青白く輝いていた。

 

「ま、マジ……?」

 

「マジだ」

 

「あんなにゴリラ扱いしてたくせに、僕のこと好きだったの!?」

 

「うっ……ごめん……」

 

 三人は呻き、それぞれ恥ずかしそうな表情を浮かべる。

 

 う、うわ~。マジか……。

 

「どう、かな。ノノノの答えを聞かせてほしい」

 

「……ごめん。気持ちは嬉しいけど、三人の誰かとは付き合えない」

 

 三人は、落胆の表情を浮かべたり、長い溜め息を漏らしたりした。けれど――。

 

「いきなりごめんね、ノノノ。変なこと言って」

 

「流石に、無理だよな。悔しいけど仕方ない。聞いてくれてありがとう」

 

「そうだよね、分かってたよ。でも、気持ちを伝えられてよかった」

 

「ううん、だいじょうぶ。なんというか、僕の方こそごめんね……いろいろ……」

 

 まさか自分が男として見られているなんて思ってなかったから、同性のノリで接していた。彼女たちからしてみれば、近すぎる距離感に困惑していたのかもしれない。

 

 それに――グレアとカップル限定イベントに参加したり、ネイルを塗ってあげたり、ナイトプールに誘ったりしたのを、彼女たちはどんな風に見ていたのだろうか。

 

 もしかしたら自分は、このパーティーにとんでもない波風を巻き起こして荒らしてしまったのかもしれない。

 

「とりあえず、これは返すよ」

 

「あ、うん」

 

 弓兵のメンバーから、真実の宝石を返してもらう。

 

「やっぱり、グレアのこと好きなのか?」

 

「っ……! いや、それ、フった後答えにくいんだけど」

 

「大丈夫、私たち、分かってるから。ノノノとグレア、ずっとカップルの距離感にしか見えなかったし」

 

「……うん、好きだよ。僕は、グレアのことが好き」

 

 ――僕の手の中にある宝石は、青白く輝いた。

 

 *

 

 ギルドに帰ってきた僕たちは、酒場で夕食を取った。しかし、グレア以外の三人は、珍しくお酒を飲まず、食べ終えるとすぐに席を立った。

 

「え、飲まないの?」

 

「ちょっと、な。三人で飲んでくるよ」

 

 三人は曖昧に笑って、酒場を出て行った。僕とグレアをふたりきりにしてくれたのかもしれないし、場所を移して三人でヤケ酒するのかもしれない。

 

 酒場は、他のパーティーたちの喧騒で賑わっている。

 

 僕とグレアは、ふたりで飲み始める。

 

「ねえ、ノノノ、これ今日貰ってきたんだけど、どう?」

 

 そういってグレアが差し出したのは、二種類の小瓶だった。片方はピンク色の液体。もう片方は透明な液体だ。

 

「なにこれ?」

 

「絶対に消えないネイルだって。こっちの透明な方は除光液」

 

「えっ」

 

「前に、前衛職だとすぐネイルボロボロになっちゃうから塗らないって言ってたじゃない。これなら使えるかもって思って」

 

「……! お、覚えててくれたんだ!」

 

 確かに、僕は普段ネイルを使わない。でも、これならボロボロになるのを気にせず塗れる。

 

 僕は二種類の小瓶を受け取った。

 

「ありがとう、嬉しいよ」

 

「どういたしまして」

 

 グレアは微笑んだ。僕も、嬉しくて頬が弛む。一生の宝物だ。

 

「そうだ、グレアのネイルもこれにしない?」

 

「え、ああ、そうね」

 

 グレアの爪を見ると、今もピンク色に輝いている。僕が塗ってあげたネイルだ。

 しかし、新しく生えてきた部分の面積が広くなってきている。髪を染めた時と同じで、成長する分、根元部分だけ着色がなく地の色になってしまうのだ。

 

「次塗る時からは、おそろいだね」

 

「そうね、楽しみにしてる」

 

 まるで、カップルのような会話だった。ちょっとドキドキするけど、同時に、心が満たされる。

 

 お酒を飲みながら話す。グレアとふたりきりの時間が、やっぱり一番楽しい。

 

 けれど、今日だけは、どうしても三人のことが頭を過ってしまう。すると――。

 

「三人に告白された?」

 

「!?!?!?!?!?」

 

 グレアは、僕の考えを読んだように、突然そう訊いてきた。

 

「えっ、なっ、なんで知ってるの?」

 

「無人島に行く前、そんな感じの話したのよ。ノノノに告白するって」

 

「えぇっ!?」

 

「で、されたんでしょ?」

 

「あ、うん。されたよ、断ったけどね。正直、自分が男として見られてるって思ってなかったから、びっくりした」

 

「ノノノには行かない、っていう暗黙の了解があったからね。それでも、急にノノノから近付かれたり触られたりするたび、みんな露骨に反応しちゃってたんだけど、アンタほんとに気付いてなかったのね」

 

「うん、全く分かんなかった。でも、グレアは分かりやすくてよかったよ。僕のことオカズにしてくれるし(笑)♡」

 

「う、うっさい……!」

 

「魔が差して僕のパンツでオ○ニーしてくれるくらいだもんね(笑)♡」

 

「もう忘れなさいよそれっ!」

 

 グレアは顔を真っ赤にして叫ぶ。お酒も入っているせいか、いつもより強い赤面だった。

 

「でも、思い返してみれば、それまでグレアに意識されてることすら分かってなかった。ほんと、男として見られてるなんて、夢にも思わなかった」

 

「……そうよね」

 

「あの件からだよね、僕とグレアが仲良くなったの」

 

「そ、そうね」

 

「あの日のおかげで、今の僕たちがあるんだよ。だから、オ○ニーバレてくれてありがとう、グレア」

 

「きっかけが最悪すぎて喜べないわよっ……!」

 

 グレアは顔をしかめ、グラスに入っていた酒を飲み干した。そして、決然とした面持ちを浮かべる。

 

「――私、明日、ちゃんとメンバーと話してくるわ」

 

「どんな話?」

 

「けじめよ。意図したことじゃないけど、結果的に、暗黙の了解を破って抜け駆けしちゃったわけだし。それも含めて、色々話したいの。だから――」

 

 グレアは、僕を真正面から見つめる。赤い双眸は、強い意志を宿していた。

 

「それが終わったら、告白するわ」

 

「……それ、もう告白してるのと一緒じゃない?」

 

「そうかも。そうかもね」

 

「ふふっ、なにそれっ」

 

 僕は堪えきれずに笑ってしまう。グレアも、つられて笑っていた。

 

 **3

 

 翌朝――私は弓兵のメンバーの部屋を訪れた。なんと、三人ともいた。どうやら夜通し飲んでいたらしい。

 

「うわっ、酒くさっ」

 

「あれ、グレア、どうしたんだ?」

 

「三人に話したい事があるの。聞いてくれる?」

 

 三人の表情が変わる。私の真剣な雰囲気を察したのだろう。

 

「ごめんなさい。ノノノには行かないっていう暗黙の了解を破って、抜け駆けしちゃって、悪かったわ」

 

「いや、グレアは謝るようなことしてないよ。約束した訳でもないんだし」

 

「そうだよ、私たちが遅すぎたんだ」

 

「グレアはよくやったよ。気に病むことなんてない。むしろ、誇っていいよ」

 

 三人は私を責めなかった。フラれたばかりで、きっと複雑な感情も抱いているはずなのに。私は、優しい幼なじみに恵まれた。

 

「私、ノノノに告白する」

 

 いよいよ、この時が来たのだ。

 

「もし告白が成功しても、仲間のままでいてくれる?」

 

「無理」

 

「えっ」

 

「パーティーは追放する」

 

「えっ、えっ」

 

「今までありがとう、グレア」

 

「えっ、えっ、えっ」

 

 私はうろたえる。三人の目は本気だった。

 

「だって、グレアが同じパーティーにいるの耐えられないって。嫉妬で狂っちゃうよ、私」

 

「私も、正直キツい」

 

「幸せそうなグレアの姿なんて毎日見せつけられたら、脳味噌壊れちゃうよ」

 

「うっ……」

 

 私は呻く。確かに、その通りだ。立場が逆だったら、とても辛いだろう。仕方ない、か……。

 

「でも、たとえグレアと同じパーティーじゃなくなっても、友達だし幼なじみだ。いつでも飲んだり遊んだりしよう」

 

 弓兵のメンバーがそういった。他の二人も頷いている。

 

「ねえ、アンタら、もしかして、私がこのパーティーを抜けてノノノと組めるように、わざと私のこと追い出そうとしてる?」

 

「「「……」」」

 

 三人は、困ったように互いの顔を見合わせている。

 

 やっぱり、そうなんだ。私が後腐れなくパーティーを抜けられるように、こう言ってくれてるんだ。

 

「野暮なのは分かってるけど、でも言わせて。ありがとう、私、アンタたちと幼なじみでよかったわ」

 

「……うん、私たちも、グレアと幼なじみでよかった」

 

「元気でな」

 

「いってらっしゃい、グレア」

 

 そして、私は三人と握手をした。

 

 こうして、私は正式にパーティーを抜けた。

 

「でもこれでノノノにフラれて戻ってきたらウケるな」

 

「待ってそれ爆笑」

 

「いつでも戻っておいで(笑)」

 

「もう戻ってこないから安心しなさいよアホども!」

*1
グレア視点

*2
ノノノ視点

*3
グレア視点




『ノノノ』
 男性。A級冒険者。黒髪黒目。怪力すぎてゴリラ扱いされている。

『グレア』
 女性。A級冒険者。赤髪赤目ツインテ。魔が差してノノノのパンツでオ○ニーしてしまった。
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