ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
評価感想、ありがとうございます
低評価の連投で評価色の低下を受けつつ……
どこまで書けるか。EDFメインに考えつつ。
炎龍は初遭遇戦で倒したので、ダークエルフの話をする時は変えねば。
スラム街な悪所の話もしたいですね。平和気取ってギャングを殲滅して治安回復、極端な事をして現地の人々や伊丹の反感を買う展開とかも良いかも
取り敢えず今を進めないと……キャラが多いと大変。ストーム1もいますからね……なのでネームドの登場は控えて、1つの話にキャラが出過ぎないようにしています


15.解決の為に。

伊丹の説得、ミュイ令嬢含むメイド長達の謝罪、裏に知っていながらスルーしていたピニャ殿下の登場もあり、ストーム1はやっと許された。

顔面アンパ◯マンと化すも、それぞれの恐怖から解放された爽快感を享受するばかりである。

 

黒川がミュイ令嬢を慰め、栗林が膨れっ面になり、倉田がストーム1に謝罪のち、ペルシアに純潔を守るように懇願する中、伊丹とピニャ達の状況確認が続く。

 

 

「つまり、11歳のミュイ令嬢と同衾すればEDFとコネができて、交渉に有利になると思ったのね、貴族的なヤり方で」

 

「そ、そうだ……今回の一件は妾に責任がある。 フォルマル家は話にのっただけなのだ。 だから罰するなら妾だけに……」

 

「本当にそーなの? 黒ちゃん?」

 

「はい。 いいえ、少し異なります。 聞いた感じですと、ピニャさんとは都合が合っただけです。 ミュイちゃんは本当にストームさんの事が好きだと。 ここで離れたら2度会えないかも知れない、ずっと一緒に居て欲しいと、自ら望んだそうです」

 

「へぇ。 ストームさん、モテる男は辛いね?」

 

「茶化さないでくれ。 顔面が崩壊した」

 

「倉田3等軍曹、謝罪はしたのか?」

 

「はい……その、マジ済みませんでした。 ペルシアさんとイチャイチャしてるのを見て、心ここにあらずで、ついカッとなってしまいました」

 

「キモオタ犯罪者の言い分じゃない」

 

「偏見ッスよ! あと栗林2等軍曹に言われたくないっス!?」

 

「にゃにおう!」

 

「あー、はいはいそこまで。 もう血が流れるところは見たくないから。 それも戦闘終わってから隊員同士でとか普通に始末書と謝罪だから。 俺の懲戒フォルダを辞書みたいに分厚くしないでくれないかな頼むから」

 

 

伊丹が猛獣共をどうどうと躾。

ただでさえ上官の少佐や嫌味な蛇共に睨まれているのに、これ以上攻撃の口実を作られては堪らない。

……国会答弁のドンパチで苦労する上の苦労が、少し分かった気がした。

 

 

「それで? ヤられそうになったストームさん的にはこの屋敷の人達と皇女様をどうしたいんです? 協定違反が起きたと上に報告します?」

 

「ま、待ってくれ! 慈悲をくれないか!?」

 

 

ピニャは慌てた。

協定違反を口実に他国を攻め入るのは、帝国の常套手段だ。 今、その逆をやられているのでは思った故に必死にもなる。

EDFの戦力は半端ではない。 帝国どころか大陸全土が1夜にして焦土と化すと言っても過言では無い。 帝都にいる未だ主戦派の老人共に現実を、悪夢を見せてやりたいくらいだ。

 

その悪夢の筆頭、ストーム1は口を開く。

嗚呼、何を言うのか。 恐ろしい。 兎にも角にも。

 

足が笑う。 倒れそうになる。

慈悲を。 どうか慈悲を。

 

 

「別に構わない」

 

 

へ?

今、なんと?

 

 

「ピニャは地球側と講和を進める上での重要な架け橋だ。 俺1人の為に犠牲になっては講和派が瓦解、好戦派が幅を利かせて戦火が拡大してしまう。 フォルマル家についても同様だ。 お咎めは無しとしたい。 というか無かったことにする。 さもないと、終戦が遠のく。 これが世界の為だと信じるならば、俺の事、今回の事は気にするな。 幸い死人は出ていないのだから」

 

 

おお、おお……!

死神にも慈悲が! 慈悲深さがあった!

 

 

「それと、ミュイ」

 

 

びくっ、となるミュイ。

手が伸びてくる。 怒られる。 ぶたれる。

そう目を瞑るも、返ってきた感触は頭をよしよしと撫でる温かな手。

 

 

「俺は地球側、異世界の人間で、あくまでも1人の兵士に過ぎない。 ミュイのように守るべき人達がいる。 だから帰らないといけない。 だけど、もしミュイが大きくなっても気持ちが変わらなかったら、その時はまた会おう」

 

 

一筋の希望を見せ、手を離す。

ある意味で残酷で、優しい別れ方だった。

 

でもこれで良いのだと、幼心ながらに納得する。

もう会えない。 そう思うより、また会えると思って日々を過ごす方が健全なのだから。

そして気持ちが変わらず本当に会えたなら、その時は改めて───。

 

 

「まぁストームさんがそれで良いのなら」

 

 

伊丹は纏めに入った!

 

 

「俺たちはナニも見てなかったし、ナニも無かった。 ストーム1を連れてアルヌスに帰還し、状況を終了する。 異論ある奴は?」

 

「皆様がそれで良いのでしたら」

 

「私らがストームさんに反対できる?」

 

「無い……って、言わないと顰蹙ッスよね」

 

「問題無いなヨシ! ではピニャ殿下にミュイ令嬢、俺たちは次の任務地があるのでこれにて失礼します。 また後日、生活組合などの方でご厄介になるかと思いますが、その時にまた宜しくお願いします───全員搭乗! アルヌスに帰還する!」

 

 

そうして男は嵐の様に来て嵐の様に去った。

また会えるだろうか。 その時までに、この気持ちがあるだろうか。

 

ミュイが胸を切なく締め付ける想いに浸っている中……。

 

 

「ああ! EDFとの交渉どうしよう!? 強さを見せつけられ弱味を握られるばかりではないか! 何とか主戦派を宥め、講和派を纏めて会議を開催させねば帝国に明日は訪れないぞぉ!?」

 

 

ピニャ殿下は頭を抱え、天を仰ぐ。

皆色々な経験をして、前に行くんだな。

幼心ながらに、ミュイは漠然と思うのだった。

 

 

 

 

 

銀座と帝国アルヌス。

異世界を繋ぐ神殿風の門……ゲートは、今や厳重に守られ、掩蔽壕のようなドームの中に収まり、厳重なセキュリティで管理され、外からでは見る事は叶わない。

 

だが、その先にあるフロンティアに多くの人が夢想し、小競り合いが世界中で起きているのは確かだ。

 

その多くは手付かずの資源や土地を巡ったものだが、一方でゲートそのものの原理について研究をしている者もいた。

 

その研究機関、先進技術研究所。

戦時中は既存の技術を利用、高めた装備品や武器を開発するのを主とし、エイリアン軍に有効な武器を開発していた。

対となるようにエイリアン技術を研究する先進科学研究所というのがあったが、戦時中に統合され、飛躍した兵器や装備類が次々と作られていく頻度が加速。 また、敵の正体についての解明や研究も行われ、人類の勝利に貢献した。

 

その代表者がプロフェッサー(教授)である。

技研主任であり、ストーム1の相棒でもある。

眼鏡を光らせ、お気に入りの青い服とネクタイをつけ、顎に手を置き思案顔の男。

結婚していて妻がいる、チーズバーガーが好物の天才科学者だ。

 

ストーム1と共にタイムリープを繰り返し、沢山の兵器装備を開発しながら、敵への対抗策を考え、挫折と絶望を味わいながらも、遂に勝利に導く事ができた、影の功労者だ。

 

そんなプロフェッサーは今、ゲートに注力。

 

銀座駐屯地に入れてもらい、実物を調べていた。

 

 

「興味深いな。 異世界と繋がるゲートとは」

 

 

見て触り、中を見て感嘆の声を漏らす。

それも今日だけではないのだ。 流石に周囲を警備する兵士もまたかよ、という呆れ顔だが、本人は真面目のままだ。

 

 

「プライマーの兵器にはテレポーションの技術が使われていた。 輸送船にアンカー……転送装置のそれら。 だがこれはどうだ。 似て非なるものか。 同じタイムライン、宇宙ではなく、世界そのものが違う……本当にそうなのだろうか。 それも定かでは無い。 もしかしたら、この広い宇宙のどこかにある星と繋がっているのかも知れない。 1日の長さが微妙に違うようだしな……こちらとは大体同じだが、季節や時間の流れの誤差はある、か。 この転送装置は、その誤差をどう解釈して繋いでいるのだろうか……」

 

 

ブツブツと呟き、うろうろと右往左往。

側を戦車や輸送車が喧しく往来する様は、戦時中、タイムマシンのリングに入っていった輸送船団のようだ。

 

 

「御伽話に出てくる生物と合致する種族が特地にいるのも気になるな。 何故、そこまで空想通りの生物が実在するのか。 過去に地球と繋がりがあったのか。 昔の人々は、それらを神話として書き残したのか。 丁度、文明を授けにきたプライマーを称えたように……」

 

 

往来に、工芸品や嗜好品といった物を運ぶ車両も目立ち始めた。

特地と商会規模で貿易が始まり、地球では未知の物質らしきものや、逆にこちらからは現代科学で作られた日用品等が送られていく。

向こうの駐屯地周辺ではEDFの庇護下の下、金回りが良くなり街が急速に出来上がっているという。

プライマーとの戦時中も似た事があった。 参謀が世界中の政財界の有権者を集め、結果、世界を動かしてみせた。

戦時下でありながら発展、大きなビルが建ち並び大都市が築かれ、給料に惹かれた者が入隊、戦力も充実した。

……今回は少し事情が異なるが、似た様な事が起きているといえる。 特需というべきか。 それを素直に喜んで良いのかは分からないが、外貨が手に入った事で、EDFも土地や人の買収、情報購入、事務所の設置がやり易くなったのは確かだ。

 

だがそれらはプロフェッサーの仕事では無い。

彼は彼の戦場がある。 考えるのをやめない。

 

 

「だが1番の問題はこのゲートにある。 プライマーの技術研究、解明はまだまだ途上にあるが、それでも分かってきた情報と、このゲート周辺で発生している空気の澱みなどあらゆる変動を観測したものと比較すると、一部は似ている部分があった。 プライマーの転送装置が起動した時にのみ発生した歪みが、このゲートでは常時発生しているんだ。 そのエネルギーは何処から来ている? 無尽蔵なのか? いや恐らく違う。 何かを代償にしている可能性がある。 それは双方の世界に亀裂を生むものだ。 だとすれば───」

 

 

タイムリープで考える時間が人より多かったプロフェッサーは、やがて1つの仮説を出した。

 

 

「ゲートの"常時解放"は危険。 封鎖するべきだ」

 

 

それは世界中の欲望を断ち切る、否定するようなものであった……。




後書き
高評価お気に入り登録、宜しくお願いします
ちょっと強引でモヤつくかもですが……
進める時に進めねば。あまり足踏みするとね
無双すると今以上に雑になりそうで怖くもあり
でもそれくらいしないと、という思いも……
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