ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
評価登録、いつもありがとうございます
EDF要素を忘れずに、そして改変を入れて苦労をなくしたり死ぬキャラを生かしたくもあり
日本に来た際、原作的には栗林とかが同伴しているのですが、人数が増えると大変なのでカットしています
大めし屋→EDF6街中にある牛丼屋


18.元嫁/梨沙

伊丹の元嫁、BL作家の梨沙。

中学時代からの後輩。 大学時代の金欠時、居酒屋で伊丹に奢られた時、一応公務員という肩書きと収入が眩しくて、酔った勢いで結婚してあげますから養ってくれと最低な告白。

だが男伊丹、暫く彼女を見つめた後に承諾する。

 

しかし銀座事件を機に離婚。

特地に行くとなった際、自分が死んでも保険金出るからへーきだって安心しろよと語る伊丹に、ああ、私の好意はきっと届いていない、このまま彼に寄生する訳にはいかない……そう思って別れたのだった。

 

なんとも勝手な女。 自覚はある。

けれど人として、このまま一緒は駄目。 衣食住の保証を手放してでも、そう決断したのだ。

 

だが、奇妙にも関係は続いた。

なんなら友人として前より上手くいっている。

 

男と女。 先輩と後輩。

魔法少女好きと美男子の(掛算限定)数学者。

趣味趣向の畑が違えども、オタクという大きな枠組の内側として分かり合える"同志"な訳だ。

 

そんな同志であり元旦那の伊丹に救援要請。

我、金無し飯なし。 ガス水道停止。

同人誌を書く為に電気とネットは死守。

空腹に耐えながら、明日には入稿せねばならぬBL漫画を描き続ける事暫し。

 

ガチャリ。

 

突如、玄関が開く音。

ビクッとし、恐る恐る振り返れば───。

 

 

「梨沙、起きてたのか。 寒いぞこの部屋」

 

 

救世主!

元旦那、伊丹様だった!

 

梨沙は眼鏡に涙を浮かべ、ボサボサの髪のまま小柄な体を引き摺り這い寄った。

なんか後ろに友人達と思われる人影がいるけれど、先ずは先頭の元旦那への挨拶だ。

 

久しぶり。

助けにきてくれたんだ。

信じてました。

 

様々に掛けるべき言葉はあるが……。

 

 

「ご、ごはん……」

 

 

出た言葉は何とも情け無いものであった。

 

 

 

 

 

「紹介する。 同人作家の梨沙、俺の元嫁さんだ」

 

「「結婚してたの!?」」

 

 

驚くロウリィとテュカ、ピニャにボーゼスも。

感情に乏しいレレイも僅かに目を見開いた。

 

ストーム1は知っているので驚きは無い。

が、周囲に散らばるBL本の所為で、梨沙の部屋は地雷原扱い。 慎重に足を運ぶ。

ロウリィは梨沙の趣味であるドールが飾られている事や、彼女の雰囲気から、苦手なハーディを連想して震え上がる。

テュカとレレイは特にこれといった反応はないが、周囲に散らばる薄い本の表紙から、なんとなーく距離を置く。

 

当の本人はどもども、と頭を下げながらチェーン店の牛丼屋、大めし屋の牛丼並280円という今のご時世では破格の飯を喰らっている。

といってもタダ飯だし、客の前で恥も偏見も無くひたすらに銀シャリと蒸し肉、アクセントに紅生姜を口に掻き込み、ハムスターの頬袋状態で涙を流し幸福を得る。

 

嗚呼、私は今生きている!

命あっての物種だもんね仕方ないね!

 

その意味では元旦那が異世界人を連れて来たのがナニよ、狭苦しいけど寝る場所を貸す事で明日に未来に繋がるなら安い物よ!

 

だがストーム1はこの手に詳しくない。

理解はしても共感は難しい。 差別するつもりは皆無だが、予期せぬ事態に伊丹に小言を吐く。

 

 

「伊丹君、ここまで地雷原とは聞いていない。 指向性地雷インパルスの田植えより凶悪ではないか?」

 

「また変な言い回しを……大丈夫、慣れですよ慣れ。 開かなきゃ良いんです」

 

 

とはいうが、言っている側からピニャとボーゼスはその辺の本を読み漁る。

そのゲイ術の数々に頬を染め、1つの本を仲良く共に見て感想を言い合っていた。

 

 

「ここに来るまでに食べたギュウドンというのは、肉が柔らかくて美味しく素晴らしかった。 その手軽さから戦場でも糧食として食えれば皆の士気も上がるだろうと考えていたが……ここにある芸術もまた、我が薔薇騎士団の者達の士気を上げるのに役立つであろう。 惜しむらくは、書かれているニホン語が読めぬ事だな」

 

「ピニャ殿下。 是非語学研修にわたくしを」

 

「あっ、ずるいぞ……おお、これも中々」

 

 

駄目だ、ここは不快(腐海)だ!

ストーム1は戦時の魚人、スキュラの毒ガスと吐瀉物攻撃を幻視した!

 

救いなのはロウリィとテュカ、レレイの3人娘はそうした芸術に関心を寄せない、というか避けている事だ。

彼女達まで腐ったら、此方の精神がみるみる溶けていくだろう。 強酸のアシッドガンや、戦時特例下で使用された化学弾、バイナリー弾にやられるように。

 

 

「……皆で1つ屋根の下、無事朝日を拝められるだろうか。 エイリアンツリーが生えるほど荒廃した地上が見えるようだ」

 

「ちょっとナニ言ってるか分かりませんが、そこまでじゃないでしょう。 俺が生き証人じゃ駄目ですか?」

 

「そうか、そうであったな伊丹君。 やはり君は英雄だ、俺の希望だ」

 

「そこまでですかい!?」

 

 

そんな男2人のやり取りを、ふひひ腐腐腐と妖しい鳴き声を上げながら観察する眼鏡の梨沙。

気付いた伊丹は寒気の中で釘を刺す。

 

 

「ナマモノは止めなさいよ。 リスクもある」

 

「わ、分かってるから。 大丈夫だって。 やるにしても、今やってるのが終わってからよ」

 

「おいおい……」

 

 

専門用語的なのは分からない他面々。

知らぬが仏である。

 

ストーム1は何とか解釈を反芻し、飲み込んでいく。 嗚咽感も早々に消えていた。

 

 

「……まぁ、愛や友情は人それぞれか。 しかし離婚した後も上手くやれるものか?」

 

「俺は気にしてませんが。 梨沙は?」

 

「私も。 世間一般の夫婦はどうなのか知らないけどね。 友達としてなら、別れた後の方が上手くいってるよ」

 

「そういうものか。 俺も結婚を考えるべきか、いやしかしな……」

 

「おっ、相手がいるので?」

 

「戦時の専属オペレーターだ。 告白されたんだが、なあなあで話が流れた。 今も連絡をし合える仲ではあるが」

 

 

いつの間にか女子面々が耳を傾ける。

惚れた腫れたの話に皆がニヤニヤしている。

 

 

「ほぅ。 あまり乗る気でないので?」

 

「……献身的で良い子だとは思う。 だが時々ポンコツなのと精神的に不安定になるのがな。 それに戦いばかりだった俺なんかが個人を幸せに出来るだろうかと。 戦場での経験が日常生活に支障を与える事もある。 俺は普通では無いからな……」

 

 

あ、自覚あったんだ。

皆は思わず口に出しそうになったが堪えた。

 

 

「そんな事は……俺だって戦場帰りなのは知っているでしょう。 それに専属の子って事は、ストームさんの事を知っているという事でもあって……」

 

 

ここで梨沙がバッ、とがっついてきた!

ストーム。 何処かで聞いたなぁ……あっと。

 

 

「す、ストーム!? 人類を救った!?」

 

「なんだよ急に。 言ってなかったか?」

 

「聞いてない! えと、因みにポジションは?」

 

「ストーム"ワン"だ」

 

 

梨沙、フリーズ!

顔面に読み込みのぐるぐるが表示されてそう!

 

ストーム1。

伝説の遊撃班ストームの実質的リーダー。

 

世間にも広く周知された人類を救いし英雄。

 

それが今、私の部屋に!?

それも国会にいた異世界人と!?

 

ナニこの夢のコラボ。 同人誌展開ktkrか?

私、今日にも死ぬの?

 

いや駄目。 入稿してから死のう。

 

 

「おーい梨沙、しっかりしろー。 まだ入稿済んでないんだろぉ? 進捗どうですかぁ?」

 

「ハッ!? そうだ、早く終わらせないと。 もう少しだから……でもあなた、後でちゃんと聞かせてよね!」

 

「あー、はいはい。 落ち着いたらね」

 

「次作のネタにするから。 掛算が捗るわぁ!」

 

「……駄目だコイツ早く何とかしないと」

 

 

そうして夜が明けていく。

他の面々が毛布を借りて眠る中、ストーム1は荒廃世界での寝ずの番のように緊張が解けず目がギンギン。

部屋にあった物干し竿を銃に見立て抱きしめ続けたのであった……。




後書き
高評価登録宜しくお願いします
原作過ぎず、上手くオリジナリティが出ていれば良いのですが
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