自分でも幼稚な文章だと思います
趣味とはいえ……
日本に現れた門を巡り、世界は大きく揺れた。
CGやAI技術が発展した昨今、クリエーティブで変態国家故の"やらせ"疑惑が浮上し嘲笑する者も少なくなかったが、多くの個人アカウントが様々な角度で当時の情景を撮影、SNSや動画投稿サイト上にアップしている事、実際に銀座には多くの傷跡が残る事、世界規模の軍事組織であるEDFが広域封鎖を開始した事をマスコミが列挙、事件を真実として受け入れざるを得ないと再認識させられた。
この状況、日本だけでは荷が重かろう……そう国連が俊敏に動き始め、先ずは挨拶、社交辞令として銀座事件での犠牲者を悔やむ言葉が心無く並べられ、直ぐにも下心を出して日本に対し図々しくも三下島国、資本主義大国の腰巾着の癖にと舐め腐った圧力がかけられる。
内容は概ね決まっている。
ゲートの向こうでは手付かずの地下資源、石油や鉄といったものが眠っている可能性がある事、肥沃な土地が豊富にある事、魔法や亜人の存在はあれど、軍事、文明レベルは地球の中世時代のようなソレであり脅威にはならない事から、戦争を仕掛けてきた件に対する賠償交渉を進め、拒否するようなら軍事侵攻を強行、敵性勢力を制圧するべきと述べられ、日本の実効支配は独善的で不透明である為に"戦勝国"で『管理』していこうと主張がされていた。
勿論、国家集合体の国連は1枚岩ではない。
資源の輸出で利益や地位を得てきた国や企業からすれば、今後の展開次第で凋落してしまう。 そうした国や組織では秘密裏に戦略ミサイルN6を発射してゲートを銀座ごと消し去ってしまおうという危険思想も漂う。
他にも日本を敵視している国らは歴史的背景に触れ、異世界へ調査を繰り出す日本は、世界大戦時代の侵略国家だと轟々批難。 代わりの派遣は極東の島国、弱小日本支部ではなく、我々大陸支部を派遣するべきと主張した。
いずれも己の利益を優先している事は目に見えている。
そして圧力を掛けられる日本としても、異世界の資源は何とか手に入れたい。
幸か不幸か銀座という日本の首都東京に属する場所にゲートが現れた以上、他国が無理矢理自国の軍隊を送り込む強硬策は出来ない。
だがいつまでもとはならない。
時間がある内に動かねば。
日本は捕虜から、何とか異世界の言葉を学び、情報を抜き出し、攻めてきたのが帝国と呼ばれる超大国であることを知り、密かに有利な立場を築く努力をしていく。
その過程で、牢屋に入れた騎士と亜人の扱いの差が分からず、同じように扱うという珍事もあったが、まぁ批難されはしないだろう。
あと、幹部や士官クラスのお偉方が、秋葉原や池袋のアニメ店や書店に行列を作り、異世界への備えとした異様な光景も散見された。
まだ分裂は回避できている。
水面上、今のところは。
一方EDF日本支部は異世界の向こう、ゲートを中心に駐屯地を設置。 日本特別区(特地)として防衛陣地を築き、更なる侵攻を防ぎ止める。
実際に設営中にも第2陣、第3陣の騎士団が襲撃。 已む無く迎撃していた。
基本的に集団による突撃戦法を繰り返す騎士団は、終始銃火器に圧倒されてしまい、一方的に殺戮されるばかり。
というか、EDFは実弾兵器を通り越して光学兵器をも使用する。 ドラゴンやゴブリン、魔法といったファンタジーは瞬く間に蒸発していき、夢も希望も無い、嫌な現実が丘を赤く染め上げるのだった。
「奴らは長大な光の槍を放ち、空から光の雨を降らせ、悉くの鎧と盾、龍をも貫いた。 更には巨人を使役し、ひとたび大地を踏み鳴らせば、次には丘が盛り上がって精鋭の騎士団が瞬時に土へと返った。 御伽話に出る伝説に触れる面持ちとは、何とも畏れ多いものだ」
生き延びた騎士は、そう述べたという。
かつてEDFがプライマーに抱いた感情に似ているかも知れない。 それが逆転しているのは皮肉な話だ。
因みに長大な光の槍とは原子光線銃ブレイザーの事で、射程の長さと瞬時に着弾する速度、装甲目標を溶かす高威力から恐れられた。
光の雨は砲兵隊による砲撃などだ。
そして巨人とは搭乗式強化外骨格……男の子大好き二足歩行ロボットの事だ。 より具体的にはコンバットフレームや歩く要塞ことBMX10プロテウス等があげられる。
他にも戦車や戦闘ヘリが持ち込まれているものの、長くなるので割愛しよう。
とにかく。
政治的な思惑を背景にしつつ、EDFは地球を守る為、特地に基地を築き、拠点構築に成功したのだった。
ただし、ゲートを守るだけでは終われない。
帝国とやらに接触し、停戦ないし終戦に合意させなければ戦争は終わらない。
多くの損害が出た以上、無謀な突撃はして来なくなるにせよ、暗殺される危険性もあるし、何より銀座事件で攫われて奴隷にされているらしい日本人の行方を追わなければならない。
政治的都合による資源調査だけでなく、そうした人道的見地も踏まえ、砲塔を持つ装甲輸送車……武装装甲車グレイプを沢山用意。
偵察隊を乗せ、各自が様々な方向へ出発していく流れと相なったのである。
その中には原作主人公達、伊丹 耀司(いたみ ようじ)中尉率いる部隊の姿もあった。
(当作では世界中の軍隊がEDFとして統合されて久しく、自衛隊も例外なく組み込まれた都合とし、装備や呼称はEDFに準ずるとする)
彼は銀座事件の時、警察や一般人と協力、攻城戦に備えた地形の江戸城跡地……皇居に立て籠もり、多くの人命を救ったのを評価されて2階級特進を受けている。
本当はコミケを楽しみにしていたところの大惨事だったが、隊員として人として必死に動いたのだろう。 単にコミケが中止になるのが嫌だったというのもあったにせよ。
だが結局はコレだ。
EDFは予備役の一部を含め再招集、ゲート内外の防衛に当たらせた。
伊丹は休暇を貰えず、異世界の第3偵察隊隊長に組み込まれ、結局、日本を満喫とはならなかった。 ツライさんである。
それでもポジティブに考えれば良い事もある。
異世界という未だかつてない土地に踏み入れて、ファンタジーを楽しめるのだから。
丁度オタク友達となる倉田 武雄3等軍曹も部隊にいるし、悪い事ばかりではない。 恵まれているとしよう。
他に近接格闘を得意とする栗林 志乃2等軍曹
伊丹の右腕で比較的常識的な富田 章2等軍曹
元板前の古田 均伍長
おやっさんの桑原 惣一郎曹長
少し軽薄で軽い性格の勝本 航3等軍曹
看護資格持ちの黒川 茉莉2等軍曹らもいる。
そしてこれも原作通りというべきか、特地偵察隊に持たされたのは旧式の銃火器だった。
それに文句を垂れるは仲の良い倉田。
「隊長、なんでブレイザーじゃなくて実弾兵器の、それも旧式アサルトライフルPA-11なんか持たされるんですかね。 基地警備の方はブレイザーとまでいかなくても、コレの次世代型として開発されたストーク系やレイヴン系ライフルなのに」
「在庫処分らしい。 最悪無くしたり壊れても構わないって奴を持たせてるんだ」
「もう少し強いの欲しかったス。 スラッガー系なら破壊力あるし」
「PAの使い勝手も中々だぞ。 片目を瞑ってよぉく狙う、コレだけよ」
「ドラゴン出てきたらどうするんスか!」
「その時はもう片目も瞑るのさ」
「諦めろってコトっスよねソレ!?」
フラグを立てつつ、倉田が運転するグレイプは草原を走り抜けていく。
コダ村という場所に向かう最中、焼けた村を見つけたり、その井戸に入って難を逃れていたハイエルフの少女テュカ・ルナ・マルソーを保護しつつ前進。
コダ村に到着するも、テュカの存在や隊員達の身振り手振りを混ぜた話で炎龍の片鱗を感じた村人達は荷物を纏めて集落を放棄した。
その過程で様々なトラブルが発生。
当てもない逃避行中、日照りや泥濘で体力を消耗し落伍者がでたり、荷車が壊れたりと過酷で残酷な光景が何度も起きた。
「こんな所で止まったら野垂れ死だよ! 誰か助けておくれ!」
「……ッ」「こっちは自分で手一杯なんだよ!」
(ッ、神は在っても助けてくれない……誰か、誰か助けて……!)
そんな中、遂に静観を破り、偵察隊員が動く。
伊丹が指示を出せば馬車を手で押し、動けない者を介抱していった。
伊丹は怪我人や妊婦、子供などを優先的にグレイプに乗せ、荷車が泥濘にハマって動けない時は、桑原のおやっさんを筆頭に皆で押して進ませる。
「日本支部にいるなら災害派遣の経験者もいるだろ、根性見せて見ろ!!」
「応ッ!!」
「……助けてくれる? 見返りもなく?」
「人が良すぎやしないかね」
一方、車輪が完全に壊れて使い物にならなくなった馬車は、家財ごと燃やさせた。 これに意を唱えるは黒川2等軍曹。
「伊丹隊長、なぜ家財を燃やさせたのですか?」
「だって全然動かないんだもん」
「応援を呼べば良いのでは?」
確かにと思えるが、出来ない理由を述べる。
「ここはエネミーゾーンより手前とはいえ敵の勢力圏内。 EDFが大部隊で動いたら敵も動かざるを得ないでしょ。 無計画な戦線拡大、戦力の逐次投入、物資の浪費、犠牲者の増大、そうなればぞっとするってね」
「そう言われたのですね?」
「そんなとこ。 だから
曖昧に答えるも、黒川は納得した様だった。
さても村人も伊丹達も移動が続く。
途中、近隣の村々の生き残りも合流すると、長蛇の列、キャラバンができあがった。
伊丹達は野盗からの用心棒をしつつ、その先に情報を得られるかなと随伴、ノロノロと暫く進んでいたが……。
「ん?」
伊丹、太陽の中心に浮かぶ黒点に気付く。
それはみるみる大きくなり、翼が生え、赤く染まり、首を長くしては獣の咆哮まであげるときた。
ドラゴンだ。
真っ直ぐ向かってくる!
ブワッと溢れ出すアドレナリン。
見開く眼光。 現実を直視し───。
「戦闘用意!!」
伊丹が叫べば空気が変わる。
緊張が走り、銃のセーフティを外す隊員達。
「こんな開けた場所でドラゴンかよ!?」
「
「無い物強請りせずにやるんだよ!」
空からでは行列が目立ったのだろう。
近隣の村から人が消え、餌を求めて来たか。
赤いドラゴンはその巨体をキャラバンの最後尾に降り立たせ、その風圧と質量で列を大きく乱すのを挨拶とした。
体躯の差が凄い。 ちょっとしたビルほどはある。 風圧で吹き飛ばされ、踏まれたり尻尾に当たっただけで死んでしまう質量感だ。
日本に現れたワイバーンな種と違い、その大きさは戦時のサイレンやグラウコスといった怪生物に準ずるかも知れない。
「ドラゴンだ!?」
「逃げろ! 逃げろぉ!?」
パニックになり逃げ惑う村人。
荷物を捨て、蜘蛛の子を散らすように離れていく。 人間は無力だ。 ましてや頂点捕食者、絶対強者のドラゴンとなれば。
「日本で見た奴より大きいっスよ!?」
「
「
「怯むな! コレはただの輸送車じゃない!」
それでも果敢に挑む者がいた。
第3偵察隊伊丹班、EDFだ!
「おやっさん、砲塔頼む!」
「怪獣と戦うのはEDFの伝統だけどよぉ!」
おやっさんの桑原曹長が叫べば、グレイプの砲塔が回頭。 榴弾砲がドラゴンにむけば、ドゴォンドゴォンと奴の鱗表面で爆炎があがり、翼の皮膜が破け、獣の悲鳴があがった。
「効いてるぞ! 撃ち続けるんだ!」
グレイプは兵員輸送が主な用途だが、砲塔に榴弾砲や滑空砲で武装し、戦闘力は侮れない。
対人戦闘を想定、加害範囲を優先して榴弾砲となっているが、その威力は決して低くない。
「中々倒れねぇ、しぶといなおい!?」
「残弾も長くは持たねぇっス!」
「勝本ォ!
「よしきた! とっておきだぁ!」
だが決定打に欠ける。
なので隊員の勝本がグレイプの天板を開け上半身を出すと、逸物を、あいや大型ミサイル発射筒プロミネンスを肩に担ぐように構える。
歩兵が携行使用できるミサイルの中では、特に大きく強力なトップアタック式ミサイルだ。 ドラゴンといえども直撃すれば致命的な筈だ。
「おっと、後方の安全を確認」
「「遅えよ!?」」
反動を相殺する高温ガスが後部から出て危険なので安全確認で振り返る勝本。
それにツッコミを入れる栗林ら隊員達。
安全確認してないでさっさと撃てと思うが、万が一背後に防具も付けてない生身の人間がいた場合、高温ガスでショック死する危険があるので、一応大切な事ではある。
勝本は同僚達の野次に構わず構え、トリガーを引き続けてロックオンを試みるも、ドラゴンは痛みでのたうちまわり、そのせいで上手くロックオンできない。
「ああくそっ、ロックオン時間を短縮できるレーダー支援システムがあれば!」
「文句言うな、何とかするしかないんだ!」
プロミネンスミサイルは乱戦等の時に目標に狙いを定め易くする為かロックオン範囲が極小なのだが、同時にロックオン完了に時間がかかるという問題があった。
榴弾砲のみで生命力を削ぐには時間が掛かり過ぎるし、何より弾が持たない。
ドラゴンも、まさか自分が攻撃を受けて痛痒に感じるなど、生態系の玉座に胡座をかいてきた身分故に経験に無い衝撃に焦りがある。
故に体だけでなくプライドまで傷付き、手負いの獣として凶暴性が増した。
大きな尻尾が払われるとグレイプがサッカーボールのように弾かれ、隊員ごと地面を転がってしまう。
やがて横転した姿勢で停車。 砲身が地面にめり込み、使い物にならなくなってしまう。
「痛ったぁ! ちょっと倉田ハンドル!」
「今の不意打ち、避けられると思います!?」
「良いから出るぞ! 武器持って降車!」
「こんな豆鉄砲で戦うおつもりですか!?」
隊員達の声も攪拌される中、小銃を持ち車外に這い出る面々。
丁度気を失っていたエルフが衝撃で目を覚まし、ドラゴンと隊員を見比べ、そして異世界語と身振り手振りで訴えかける。
言葉は分からないが、その手は己の目を指さしていた。
「なに? 目……?」
ドラゴンの頭、目を見る。
片目に矢が刺さり潰れている。
勇敢な誰かが射抜いたのだろう。
「目だ! 目を狙え!」
鱗に覆われていない生身の柔らかい部分。
隊員も気付き、目を狙い撃ち始める。
だが激しく動かれ、的が小さいのもあり当たらない。
鱗を貫通するでもなく、表面で火花が散る。
隊員が使用している小銃PA-11は、プライマーとの開戦前から使われている旧式だ。 威力のある後継ならば、或いは何とかなったかも知れないが無い物強請りしても仕方がない。
「当たらねぇな畜生!」
「実戦と訓練は違うって!」
「両目閉じて撃ちましょうか!?」
「諦めるな! 撃たなきゃやられるぞ!」
「プロミネンスはまだ撃てんのか!? ガク引きでも構わん!」
「ロックオンもなしに撃てるようにはなってない、動きを止めてくれ!?」
もう駄目だ。
異界の軍隊でもドラゴンには敵わないか。 そんな絶望が村人にも漂い始めた頃。
ヒーローは遅れてやってきた。
突如、ドラゴンの頭が爆ぜた。
ドゴォンと轟音を立て、首なし竜となった火竜が豪快に倒れ込む。
砂埃が立ち込め、何が起きたか分からない。
「なんだ? 何が起きた!?」
「勝本がやったのか!」
「違う、まだ撃ってないぞ!?」
伊丹達が何も分からない中、倉田が叫ぶ。
「隊長! アレ!」
指差す先。
砂煙のカーテンを破り現れる1つの人影。
伊丹達と同じメットにアーマーのレンジャーだった。
最新鋭の装備には光る流線。 そんな未来的な防具に身を包み、佇まいは猛者のオーラ。
手に持つは大型無反動砲のゴリアス。 もう用済みなのか脇にポイっと重そうな発射筒を軽々しく捨て、代わりに背負っていたAKぽいアサルトライフル……スラッガーの発展型、X900オーキッドを握り締め此方にやって来る。
部隊に流れる驚愕、歓喜……だが軍人が単騎で行動する事は基本的にない。
故に伊丹は隊長として警戒を促した。
「待て止まれ! 助けてくれたのはありがたいが、所属と階級を……」
「あ、ああ、ああーッ!?」
ロリ巨乳な体躯の栗林、突然の奇声。
指を向けた先は天気予報図で見る台風のような部隊章。
「ごふっ!?」
駆け出す部下に轢かれる上官、伊丹隊長。
呆気に取られる他面々。
「ストーム! ストーム1ですか!?」
そんな仲間達に構わず目を輝かせ、突然現れた救世主に尋ねる栗林。
尋ねられた男、ストーム1はそうだと頷いた。
「ああ! やっぱり! 伝説の英雄にお会いできて光栄ですぅ〜!」
「……やべぇぞ、クリボーが壊れた!?」
「ストーム1!? プライマーとの大戦で数々の武勲を立てた人外級の英雄!?」
「何故こんなところに?」
三者三様、人それぞれの感想を述べていく。
尚も栗林、サインを強請り握手を求め、2ショットをいずれと頼む。
そのサマは彼女が嫌うオタクの行動に似ており、伊丹と倉田は生暖かい視線を送るのだった……。
それでも楽しんでくれる方がいてくれると思うと嬉しいです