ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
戦闘描写難しい……
EDFらしさってなんだろう(哲学気味
やはりB級に軽く分かりやすいノリかなと
台詞多めにしてみたりとか


23.龍人族/亜神ジゼル

古龍の炎龍は五十年周期で目覚めていたが、本来ならまだ寝ていた筈だった。

それを冥府の王ハーディに仕える龍人族、四百歳を超える亜神ジゼルが叩き起こした為、コダ村含む多くの集落や人々が犠牲になった。

 

何故ジゼルは炎龍を目覚めさせたのか。

それは同性愛の主神ハーディがロウリィを嫁に欲しい、連れて来いと命じた為だ。

ひとりではロウリィに勝てないジゼルは、対抗する為に炎龍を起こして水龍とつがいにさせ、生まれた二匹の新生龍を手懐けて挑もうとしたのだった。

 

そして生物である龍、当然食わなきゃならぬ。

その餌となったのが近隣の森に住んでいたダークエルフだった。

原作的には、伊丹隊によって手負いとなった炎龍による仕業なのだが、今回は新生龍の仕業である。

 

新生龍は親の炎龍より弱いが、生態系の頂点に君臨するドラゴンに変わりない。

エルフ達の弓矢や剣といった原始的な抵抗では歯が立たず、忽ち危急の事態に追い込まれてしまった。

 

EDF6のグラウコス討伐作戦でプロフェッサーが言っていたが、歴史には元の歴史に戻ろうとする修正力があるのかも知れない。

 

そうした事を知らぬダークエルフ達。

皮肉にも原因のハーディに明日を祈った。

 

だが祈るだけではない。 行動を起こした。

ダークエルフは原作通り、異世界の軍隊……当作的にはEDFの助力を求め、ハイレグ褐色美女エルフのヤオを使者として派遣。

不幸体質故にトラブルもありつつ、何とかEDFの上層部に事情を伝達。 エルベ藩王国という帝国とは別の国に標的がいるという事で、地理的、政治的な問題に悩んだが、エルベ藩王と交渉成立、何とか受理され、大規模な討伐隊が組まれる事と相なったのである。

 

そして今……。

 

 

「す、凄い……EDFは噂以上だ!」

 

 

ヤオ、驚愕……!

圧倒的戦力……! 地球の軍隊……!

 

感謝……! どう足掻いても希望!

 

どれもこれもワケ分からんが、強そうだ!

地鳴らしの如く大軍がドドドと大地を駆け!

空には鉄の天馬がバリバリと駆けている!

 

馬も無しに動く荷車達!

頭には弩弓なのか、筒がついていて強そう!

(注:武装装甲車両や戦車といったAFV)

 

空を飛ぶ剣と鉄の天馬!

(注:空軍の戦闘爆撃機や戦闘ヘリ)

 

沢山の攻城兵器らしき装置たち!

(注:レールガンや自走砲の類)

 

ジャイアントオーガに魔法の鎧を付けさせ!

(注:コンバットフレーム)

 

大勢の兵が光の槍や重厚な鎧で行進している!

(注:原子光線銃や強化外骨格)

 

 

道案内にと鉄の荷車に乗らされ、同伴者と共に揺れる中、ヤオは同族がやっと救われると涙ぐむ。

 

 

「こちら戦略情報部です。 空軍より連絡。 目標を発見したようです。 指示を求めています」

 

「こちら本部。 エアレイダーの合図を待て。 砲兵隊、展開を急がせろ」

 

 

準備が進み、いよいよ火力解放となる刹那。

偵察隊のスカウトから連絡が。

 

 

「こちらスカウト! 二匹の新生龍とは別の、人型の龍? を山岳にて発見! ハーディ神殿の著名な亜神、ジゼルと思われます!」

 

「亜神だと? 誰であれ退避させろ!」

 

 

年季のある男性司令官の指示が飛ぶも、異議を唱えるは女性の声、情報部の少佐だ。

 

 

「待ってください! 新生龍との関係が疑われます! 龍を倒す事で宗教的な問題が発生すると、予想される講和交渉に支障が出るかも知れません!」

 

「次から次へと問題が出るな。 それも戦時中と違い、政治的な都合だ……現地人のヤオに確認させろ。 必要なら接触を許可する。 護衛はストーム1だ。 彼ならば万が一にも何とかするだろう」

 

 

ヤオの不幸体質故か面倒は増えるばかりだ。

それでも着実に前へ進む。 特にこの程度のトラブルで、地球を救った嵐が止む事はない。

 

 

 

 

 

「なに? ハーディに仕える亜神だと?」

 

 

ストーム1はスカウトの話をそっくりヤオに聞かせるも、本人は首を傾げた。

 

 

「ああ、ウチの偵察が炎龍の巣跡付近で確認した。 心当たりは無いのか?」

 

「そうは言ってもな……ハーディへの信仰はあっても、仕える亜神とは直接的な面識は無い」

 

「ならば直接聞くまでだ」

 

 

山岳トコトコな男……ストーム1に慌てるヤオ。

この者正気か? という面持ちだ。

 

 

「あいや待たれよ! 亜神と戦いになったら死んでしまう!」

 

「平和的に話をするだけだ。 それに一瞬とはいえ、亜神とは戦った事がある。 任せておけ」

 

「なんだって!? 一体何処の!?」

 

「エムロイに仕えるロウリィ」

 

 

神と戦った!?

それも戦いの神に仕えるロウリィと!?

畏れ多い事を、この男は平然とやって、しかも生きているのか!?

 

 

「嘘でも滅多な事を言うな」

 

「嘘じゃない。 それに挑んできたのは向こうだ。 俺は自衛の為に仕方なくだぞ」

 

「……それで、結果は? 亜神は死なないが、勝負としては決着がついたのか?」

 

「いや、大勢が見ているところだったので仲間に止められてな。 不完全燃焼さ。 今思えば、それで良かったが」

 

「そ、そうか……何にせよ、命拾いしたな」

 

 

慈悲にしても気紛れにしても、この男は怖い者知らずだ。 蛮勇なのか猛者なのか判断に困る。

 

 

「ああ……っと、いたぞ」

 

 

そうこうしている内に来てしまった。

目前には胡座をかく爬虫類系女子、ジゼル。

20代の若い体に人外を思わす青い肌、龍の太くて逞しく鱗に覆われた尻尾がお尻の上あたりからリョロリと生え、コウモリのような翼が大きく生える。

白いゴスロリ神官服はビリビリに破れており、下着が丸見えだが、堂々としていて恥ずかしがる様子は微塵も無い。

得物の大鎌を肩に担いでいるが、その視線の先はEDFの大部隊だ。 品定めをしている死神にも見える。

 

 

「もし、ジゼルといったか?」

 

 

そんな異端に堂々話し掛ける異端。

ヤオは顔面蒼白。 本能的に距離をとる!

 

 

「あん? だったらなんだよオッサン」

 

「オッサン……残念だ(定型文)」

 

 

少女の配慮の無い言葉に傷付くストーム1!

だが怯む事なく進んでいく! 英雄だもの!

 

 

「俺はEDFのストーム1だ。 これから新生龍を倒すんだが、ここにいたら危ない。 一緒に来てくれないか?」

 

 

それを聞いたジゼル、キョトンとした後。

腹を抱えてゲラゲラ笑い始めた。 メスガキだ。

 

 

「おいおい冗談だろ? 誰が何を倒すって? それか新手の軟派って奴か? 私が誰か本当に知って言ってんのか?」

 

「君が見ていた麓にいる軍隊EDFが、人に害為す新生龍を倒そうってのさ。 あと軟派じゃないしオッサンじゃない、ストーム1だ」

 

「そんなの知るかよ。 あーでもやっぱしアレ、噂の異世界からきた軍隊だったのか。 話は聞いてるけどよ、なんでわざわざドラゴン退治なんだよ。 アンタらが戦っているのは帝国だろ?」

 

「ここにいるヤオの仲間達が、ドラゴンに襲われて困っている。 助けを求められたから助けにきた。 勿論、打算があっての事だ」

 

「なんだ、アイツら何処から餌とってくるのかと思ったら、ダークエルフを狩ってたのかよ。 災難だったなぁ?」

 

 

完全に他人事どころか、失笑するジゼル。

それに怒りを覚え声を荒げるヤオ。

 

 

「ジゼル猊下は何を知っているというんですか!? 毎日明日が来る事を願って、ハーディに祈りを捧げてきた! そのハーディに仕える亜神である猊下は何も知らないのですか!?」

 

「ハァ〜……あのなぁ、沢山いる連中のお祈りを1つ1つ聞いてらんねぇよ。 それも金持ちになりたいとか世界平和とか、なんであれ努力せず神頼みの欲まみれの願い事、主上さんが聞くと思ってんの? 寧ろ信仰する神の役に立って死ねるってんなら、信徒として感謝しろよなァ」

 

「どういうことですか!? 我が一族が犠牲なる事が、主上ハーディの御意志なのですか!?」

 

「新生龍はな、オレが炎龍を叩き起こして、水龍とつがわせて産ませて、手塩にかけて育てて飼い慣らしたんだ。 主上ハーディの願い、ロウリィお姉様を連れて来いっていう願いを叶える為に。 お姉様とタイマンしたら、良くて互角……だがオレと龍が二匹となれば、勝てる亜神はいねぇ」

 

「そんな事の為に我が一族は!!」

 

「待てヤオ。 この先は俺にヤらせてくれ」

 

 

怒りと悲しみで涙を流し、飛び掛かりそうなヤオを手で静止するストーム1。

そして重々しく口を開いた。

 

 

「そうかそうか、よく分かった……お前はそういう奴なんだな。 本来、まだ寝ている筈の炎龍が起きて村々を襲い、沢山の人が犠牲になったのはお前の仕業なワケだ。 俺はそうした被害を見てきたんだ」

 

「はっ! だったらどうする? オッサン」

 

「そりゃぁ、お嬢さん……」

 

 

ガチャリ。

ストーム1、銃口を向ける。

得物はアサルトライフルTZストーク。

近未来的なデザインをした、各種性能が極限まで向上したストーク型アサルトライフルの最終型だ。

 

 

「分からせの時間だ」

 

「なんだ、人の身でオレとやろうっての?」

 

「まぁな。 君は、"あの"ロウリィより弱いというが、遠慮はいらんよな。 なんたって難易度"ハーディ"ストらしいじゃないか。 武器レベルも解放し甲斐があるというもの」

 

「何を言って……待て。 ロウリィお姉様を知っているのか?」

 

「一瞬だが戦ったよ。 強いな、彼女」

 

「マジかよありえねぇ……なんで生きてる?」

 

「生きたいからだ」

 

「……ふざけやがって。 どうせ手加減されたか、ホラ吹きだ。 オレが確かめてやんよ!」

 

 

鎌を構えるジゼル。

遮蔽物の無い山の斜面の上で、神殺しの男と亜神の龍娘の死合が始まろうとしていた!

 

空気がビリビリと震え、ヤオも震えた。

 

 

「わ、私はどうすれば……」

 

「一緒に戦うか応援するか逃げるかだな」

 

「いずれも死ぬ気しかしないんだが!? ここまで己の不幸を呪った日は無いぞ!?」

 

「だとしても、今日という日を諦めて良い理由にはなるまい。 取り敢えず麓の部隊のところまで全力で走れ。 良いな」

 

「わ、わかった……武運を祈る」

 

「ありがとう。 この際だ、戦いの神に改宗すれば良いんじゃないか?」

 

「そうだな……そうしようか……」

 

 

ハーフゴッドバトルな展開予想に、ヤオは怒りも忘れ、笑う膝を叱咤し、転げ落ちるように斜面を下って行った。

 

それを見守った後、改めて方々に連絡。

 

 

「本部、ジゼルと交戦するが構わず状況を開始してくれ……コイツは俺が倒す!」

 

「ハッ! やってみろよオッサン!」

 

「オッサンじゃないストーム・ワンだ!!」

 

 

鎌が振られ、銃が火を噴いた。

ドラゴン退治に来た筈が、神殺しの因果か、ヤオの不幸体質か……。

 

勝手に始まった亜神戦。

本部は困惑の色を示しながらも、まぁ彼ならば何とかすると信じ状況開始。

空軍の戦闘爆撃機KM6が地上のエアレイダーの合図を受けて空対空ミサイルを発射。

取り敢えずの様に二匹の新生龍を落とし、火蓋が切って落とされたのだった……。




後書き
はやく派手にドンパチするべきだけども。
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