ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
戦闘回。描写難しい……
新生龍が瞬殺されるのは原作通りとして、それだけだと味気ないと思い、亜神ジゼルと戦います。そこは改変点

ストーム1装備例
武器1.TZストーク(アサルトライフル)
武器2.FORK-X20(ミサイルランチャ)
バックパック.YDX対空インパルス(対空只)
備考:空飛ぶ相手を想定した装備
ストークは護身用小銃
ミサイルは1つの目標に小型高速ミサイル20発を同時発射。龍への牽制と飛行妨害。トドメは友軍に任せる
インパルスも同様。護身用も兼ねる
今回、亜神と戦闘という不測の事態であり、納得のいく装備ではない。だがある物で取り敢えずやるしかない。"再出撃"は回避の方向


24.亜神ジゼル戦

ストーム1と亜神ジゼルの戦いが始まった。

山の中腹あたりで派手にドカンドカンと爆炎が上がる様は、さも噴火が起きたのかと錯覚させる。

実際は亜神と神殺しの男によるタイマン勝負の最中だ。 聖地アルヌスでも似た光景は見られたが、1対1の人外対決は常人が割り込めない神域と化していた。

 

 

「っらあ!」

 

 

ジゼルは笑いながら大鎌を振り回し吶喊。

ブンブンとストーム1の首を胴体と別れさせるべく肉薄するも、ストーム1は前転のローリング回避。

大振りな大釜の下を潜り抜けるように紙一重で避け、アーマーに刃が擦り火花が散る。

だが本人に一切の動揺は無い。 その視線は常に得物、いや、ジゼルの視線を見ている。

向いている先は何処か、次は何をするか、その瞳は何を考えているのか───防御に徹するのは、次なる動きや攻略方法を見極めているからだ。

 

 

「人型ではあるし攻撃パターンも違えども、その肌質と翼は有翼エイリアンのタッドポウル、その強化種を思い出すよ」

 

「ワケ分かんねぇ事をペラペラと! 人間の癖して、オレを前にお喋りとは随分と余裕だな!」

 

 

そろそろ良いか……様子見に指向性地雷インパルスをばら撒くストーム1。

間を置いてセンサーが起動、ケースから大型ボールベアリングがやや上方向、扇状に勢い良く放出されると、ジゼルの横腹や翼を抉って怯ませた。

 

 

「チッ!」

 

 

ジゼルは顰めっ面をしながらも、人外の脚力のまま大きくバックステップ。

距離を取り仕切り直し。 その体は白いゴスロリを赤く染め上げるほど血塗れとなったが、亜神の再生力が働くと蒸発するように綺麗になっていく。

傷口周りの血なんて、ボコボコと沸騰したように泡立ち始めると、風穴がみるみる塞がり傷跡1つ残さない。

常人が見れば異様であり、気味悪く映る。

 

 

「亜神が不死身というのは真実か。 心臓を抉られても死ねないか。 まるで呪いだな」

 

 

が、そう言うストーム1に驚きは無い。

エイリアンもその傾向があったからだ。 手足が千切れても、時間が経てば生えていた。

それでも撃ちまくればやがて再生が追いつかず、体は崩壊して屍となった。

だが亜神には再生の限界が無さそうだ。 無力化するには体をバラバラにして別々の場所に封じるしかない。

 

そんな残忍な事を冷静に考えて、勝ち方を考える歴戦の猛者ストーム1をジゼルは知ってか知らずか褒めてやる。

 

 

「やるじゃん! オッサン、本当に人間か?」

 

「そのつもりだが」

 

「へへ、その割には研鑽された動きだぞ」

 

「人類の為だ」

 

「それはそれは、大きくでた、なぁ!」

 

 

体を自動回復後、頃合いを見て再び突っ込むジゼル。 馬鹿正直で直線的な動きに、ストーム1はTZストークをフルオート。 弾幕を張って吹き飛ばす。 対エイリアン兵器は伊達じゃない!

 

 

「ッ!? 飛び道具を使いやがってセコいんだよオッサン! なんだよそれ、魔法の杖か?」

 

「お喋りとは余裕だな、お嬢さん」

 

「言葉を返してんじゃねえ!」

 

 

構わず撃ち続けるストーム1。

レーザーサイトが追いかけ、スコープの中央に彼女の体が入る度、銃口が火を噴き、銃身の横から大量の空薬莢が弾き飛び、金の滝となって地面に流れると同時、ジゼルの体に開いた風穴から鮮血が弾けて流れ出る。

TZストークは戦局を打開する為に開発されたストーク系アサルトライフルの最終型だ。 弱い筈がない。

開発当時は戦局の悪化で量産が難しく、数丁しか製造されなかった伝説級の小銃だが、その1丁は精鋭のストーム1に託されている形だった。

 

 

(こんな事認められるか! オレが、このオレが! 冥府の王、主上ハーディの使徒で亜神のオレが、人間に負けるなんて認められるか!)

 

 

本格的に攻撃を受け始め焦るジゼル。

地上では分が悪いと感じて、その漆黒の翼のままに空高く飛び上がった。

 

 

「はぁはぁ……へ、へへ。 お前が人間ってなら空は飛べない。 その飛び道具だって空を高速で動く相手には当て難いだろ……ん?」

 

 

煽るジゼルだが、ストーム1はさっさと武器を切り替え、鉄の箱を構えた。

その上側の蓋がパカリと開いたと思えば、中から二十発を超える小型高速ミサイルが一斉射。 扇状に広がった白線が空を耕し、全てがジゼルに伸びていく!

 

 

「おいおいマジかよ! なんだよソレ!?」

 

 

得体の知れない小さな棒の群れが、後尾から火を噴き白煙を出しながら突っ込んでくる!

それがナニとは知らなくても、敵から放たれた物だ碌でも無い。

だから必死に飛び回り、逃げながら振り返るも、全ては1つの落伍なく規則正しくついてくる!

 

それは死神が放った使い魔の様で───

 

 

「く、来るな! 嫌だ嫌だ! うわああ!?」

 

 

やがて彼女の足の先に接触、刹那。

 

ドカンドカンドカンドカン───

 

空で小さな爆炎が連続で起き、雲が出来た。

その雲の中心から黒焦げの塊……ジゼルが落ちてきて、ボトリと地面に落着。

 

それでも亜神は死なない。 死ねないのだ。

 

 

「げほっ、ごほっ……嘘だ、こんな……」

 

 

焦げ臭い息に咽せながら、全身火傷の苦しみに悶えながら、彼女は無様に情けなく、惨めに浅ましくも手足に力を入れて立とうとするが、再生が追いつかず上手くいかない。

 

そこにザッザッと土を踏み締める死神の足音。

ジゼルは恐怖に引き攣りながらソレ見ようとするも叶わない。

 

ガチャリ。

 

視線を動かすより先に死神の鎌が、いや、魔法の杖が頭に突きつけられたからだ。

 

 

「ひっ!?」

 

 

悲鳴が上がった。 いつぶりか。

四百年以上生きてきて、多くの苦楽を味わったが、ここまで人間が怖いと思ったのは初めてだ。

いや、そもそもコイツは人間だったのか?

 

 

「亜神は死なず、か。 連れ帰ったらプロフェッサー達技研が喜びそうだ。 色々な実験や研究に使える便利な体だからな」

 

 

恐ろしい案に、ジゼルは震えて涙した。

亜神は死なずとも肉体や精神的な苦痛はある。

体をバラバラにして身動きが取れないまま永劫かに思える時間を強制的に過ごされたり、獣に喰われ続ける責苦を味合わされるなどだ。

 

屈辱……!

姫騎士ならくっ、殺せ! となるのだろうが、それも許されない体質なのは本当に不幸というべきか。

いや死神に、ストーム1に出会ったのが、何よりの不幸であろう。

 

 

「まだだ……」

 

 

だが亜神として、使徒としての誇りがある。

ここで逃げ帰ったらどうなる。 手塩に育てた龍や、それまでの時間が無駄になるばかりか、主上の願いを何1つ叶えられないまま終わってしまうポンコツ敗北ダメダメ龍娘になってしまう!

 

 

「ん?」

 

「まだ終わってなあぁいっ!!」

 

 

まだ痛む腕を気合いで動かし、大鎌を足払いのように振り回す。

ストーム1、ジャンプ回避。 その隙に這うようにして離れると、切札となる力を呼ぶことにする!

 

 

「はぁはぁ……確かにアンタは強い。 亜神のオレを追い詰めるなんて人間とは思えないくらいだ。 だからこそ、簡単には認められるかってんだ!」

 

「それでどうする気だ? 悪意の人間卒業試験(マリスの解釈)は間に合っているが」

 

「育てた二匹の新生龍でお前を倒す! 本当はロウリィお姉様用の切札だったが、なり振り構ってられねぇ! 来い!!」

 

 

ジゼルは「ばっ!」と腕を天に伸ばした!

しかし何も起きなかった!

 

 

「なんで来ねぇんだよ!?」

 

「ああ、新生龍ってアレか?」

 

 

ストーム1が指差す先。

ドカンドカンと爆炎を浴びる新生龍の姿が!

 

 

「機銃掃射、開始ィッ!!」

 

 

エアレイダーの座標指示を受け、戦闘爆撃機がミサイルで堕ちた龍二匹に追い討ちし。

 

 

「ミサイルパーティーだ!!」

 

 

ヘリ部隊、エウロスN9とヘロンがエアレイダーの誘導ビーコンを元にミサイルを撃ちまくり。

ネグリング自走ミサイル砲が、その大きく背負うランチャから収束ミサイルを乱射して地面ごと敵を耕し。

 

 

「カノン砲、撃てェ!!」

 

 

エアレイダーが焚いたレッドスモーク地点に向けて、砲兵隊が大砲撃開始。

そこに急遽、ブレイザーの普及で使われなくなった特科の自走式大型原子光線砲、EMCが到着。 ズビビビビ〜〜〜ッと青白電撃のようなものが龍のいる山に飛んでいけば大爆発、山ごと蒸発。 巨大なクレーターが出来上がる。

 

後には鱗1つ残さない。

綺麗に片付いたものだ。

 

あっけない。 実にあっけない……!

 

 

「丁度消し飛んだところだ。 対決は楽しみだったんだが、そうなったものは仕方ないな」

 

「嘘だああああ!!?」

 

 

ジゼルの悲痛な叫びが山彦となりて木霊した。

 

現実は非情である。

 

あーあ、見てらんないじゃないの。

悲しいけど、これも戦争なのよね。




後書き
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