ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
クレティの街周辺では灼風熱という風土病が半年前から流行しています
何故か若い女性のみ感染。
そして肌艶のある綺麗な女ゾンビに(怖
原因は街に吹き付けるシロッコ(風)に含まれる砂か何かとされますが、話が進むとバ◯オハザードな人災である事が示唆される展開があります
治すにはロクデ梨という薬樹の実が必要で、近郊にある旧アルンヌ王国の薬種園跡ファルムの迷宮に自生している可能性があるとのことで向かう流れ
そこに遺棄された死体……ゾンビや感染したコカトリス、奥地のボス、ミノタウロスとドンパチの流れ

ストーム1装備例
武器1.SGN-K12(セミオート式自動散弾銃)
武器2.ヴァラトル・ナパームZD(ナパーム弾)
バックパック.TZ8マウス(小型手榴弾完成型)
備考:ゾンビ相手という事で接近戦を想定
対集団も想定し、即応性と貫通力からセミオートショットガンを主兵装
足止めに歩兵用ナパーム弾射出器をサブに
道を塞ぐ建造物や壁を破壊する用に爆弾も

ジゼル装備例
武器1.マグブラスター(ウィングダイバー)
武器2. ヴィブロ・ハンマー(フェンサー)
バックパック.MG13(重く遠投が困難)
備考:人より力があるという事で重い手榴弾
ただし碌な訓練は受けていないので期待不可


27.クレティ/ゾンビ彷徨う地

空軍や衛星が撮影した写真を元に作られた地図を元に神殿へ向かう途中、ストーム1らはクレティの街に辿り着く。

酷い砂嵐で視界が悪い中、城塞に囲まれた町は門が開けっ放し。 ゴーグルディスプレイの視界右上に小さく映る簡易歩兵用レーダーに生体反応があれども人影は見えず。 廃墟のように全体が静かだ。

 

 

「砂嵐か。 移動基地に近付くのに利用したな。 途中で弱まって撤退する羽目になったが。 今回も同じストーム同士仲良くとはいかんな」

 

「そんな作戦があったか?」

 

「他の世界線の中にはあった記憶がある。 いや、曖昧だな……すまない」

 

「仕方ない。 それだけ繰り返してきたんだ」

 

 

前作EDF5世界線の出来事がフラッシュバックしながらも人を探す中、ジゼルは聞いた。

 

 

「ストームは向こうでも戦争してたのかよ」

 

「そうだ。 永劫かに思える戦いだった。 戦争には勝てたが、沢山の人を喪った」

 

「……ふーん」

 

 

人間の戦争に興味無くも声色に想う。

人の身の癖して何十年、何百年も常人を逸した重暗さに哀愁と儚さ。 なのに瞳は綺麗に澄み、壊れ物のような美しさに息を呑む。

その躰は何十年、何百年と絶望し続け、それでも戦い続けたと思わす傷と動きを鎧の下に隠し通す。

クソ重い責任を背負い続けた男の背は、誰よりも大きく逞しい。 長命種にも眩く見え、それは亜神である己にも───。

 

 

(バッ、ナニ考えてんだよオレ……!)

 

 

ジゼルは顔が熱くなるのを感じて、慌てて顔を逸らす。 人間の男なんかに、他種族なんかに、異界の戦士に見惚れるなんて。

冥府の王より、ロゥリィお姉様たち……戦いの神エムロイに謁見するのがお似合いじゃないだろうか。

ここまで研鑽されていると、死後も躰の灰ひとつとて零さず壺に封じて祀り、魂は眷属として、お気に入りのモノとして死後も神域に置かれそうだ。

 

……姉や他の神のモノになる?

 

そう思うと、憎悪に似た感情が湧き───。

 

 

「……誰にも渡すもんか」

 

 

心の声が言葉になった。

小さくて重い、けれど砂嵐に流された嫉妬の炎。 幸いにもストーム1やプロフェッサーを焦がす事は無かった。

 

ストーム1は機微に疎いまま話を続けている。

 

 

「それも終わったと思えば、今度は帝国の侵攻ときたものだ……どうしたジゼル?」

 

「……いや、それは災難だったな」

 

 

相槌を打つジゼル。

人の歴史や生き死になんて、亜神含めた上位存在からすれば興味は無い。

世界を支え、魂を管理する使徒や神故に皆無ではないものの、政治や感情論の先にある戦争なんて勝手にやっていろという話だ。

 

だがストーム1はどうするんだろう。

オレの事、どう思っているんだろう。

 

人は神を崇める。

だがコイツはどうも違う。

オレの事、平然と下すし。

何なら神殿にカチコミかけようとしてるし。

それとも地球人っては、そういうものか?

 

 

「異世界同士の長い干渉は良くないらしい。 だから帝国を倒してさっさとゲートを閉じたい。 だが閉じ方が分からん、何処かでヒントを貰えれば良いが」

 

 

やはりというか、このままでは帰ってしまう。

それがお互いの為なのは分かる。 だが本当にそれで良いのだろうか。

 

 

「オレ、さ───」

 

 

何かを言い掛けた瞬間、突風が言葉を遮った。

偶然か。 はたまた主上の心遣いか。

 

 

「あの家に人がいそうだ。 状況を聞こう」

 

 

ストーム1とプロフェッサーは建物に入っていく。 一応敵だった筈のジゼルに背を向けて。

それは信頼か、襲われても問題ないとした自信の現れか、それか両方か。

 

今はそう、ただついて行く。

捨てられたくない子犬のように。

 

 

 

 

 

「正体不明の病気が流行中らしい」

 

 

中にいた男共に事情を聞くと、やはりか、この町は穏やかな状況ではなかった。

曰く、若い女性だけに発症する伝染病が流行。

感染率50%致死率70%の激ヤバの病気らしい。

 

ストーム1とプロフェッサーはジゼルを見た。

 

 

「若い女性限定か」

 

「ここにもいるが、種族が違うからな……」

 

「なんだよ。 皆してジロジロ見やがって」

 

 

ジゼル(龍人族/亜神)

見た目は二十代、実年齢四百歳以上。

 

 

「問題ないな、ヨシ」

 

「たぶんな」

 

「今スッゲー失礼な事考えただろ!?」

 

 

憤慨するジゼル。

まぁ苦しむ羽目になるより良いだろう。

 

さても住民の話は続く。

驚くべき事に死亡後、何故か死体が動き回り、生者を襲うようになるというから怖い。

危険な為、町から離れた場所に遺棄しているという。

 

 

「ゾンビ化は厄介だな」

 

「プロフェッサーが言うと意外だ」

 

「自然界、学者の話にもそういった言い回しはある。 虫やキノコに寄生された宿主の生物などがそうだ」

 

「その人版って訳か」

 

「寄生体か、ウィルスによる動きか……詳細が知りたい。 私は医者では無いから判断できないが……解熱剤や鎮痛剤といった常用のものはあるが、調査専用の医療キットはない。 ここの町医者と話をさせてくれ」

 

 

この手をプロフェッサーに任せる間、ストーム1は武器を整えていく。

人を撃つのに今更躊躇いは無い。 戦時中も似た事があったのだし。

プライマーの軍勢にカエルなエイリアン歩兵、コロニストがいたのだが、EDF隊員には人間そっくりに見えたらしい。

当初こそ撃ちたくないと動揺があったが、やがて戦争の非情さに流され、殺人への抵抗感も薄れた。

ストーム1は銀座事件後も、この世界で散々デストロイしている。 盗賊狩然り、イタリカ防衛戦然り。

やらなきゃやられる。 話し合いの余地は無い。

 

 

「ジゼル、何をボサっとしている」

 

「は? なんだよ、オレにも戦えってか」

 

「その為にウィングダイバーやフェンサーの装備を持ってきたんだ。 無駄にはさせんよ」

 

「なんの義理があんだよ……」

 

「さもなくばゾンビの餌だ」

 

「分かったわかった、やりゃ良いんだろ!」

 

 

文句垂れつつ、異界の武器を持たされる。

何をどう使えば良いのか分からんから選んで貰いつつ、手に持ったり、翼の邪魔にならないようスリングで横向きの肩掛けにして携行。

 

 

「やはり力があるな」

 

「オレにはオレの武器があるんだが? てか、使い方なんて簡単にしか教わってねぇぞ」

 

「敵に構える。 引金を引く。 簡単だ」

 

「お前らと一緒にするな!」

 

 

文句があれどやって貰う。

使えなくても荷物持ちだ。

 

この世界にはボウガン、弩弓があり、引金となる部品があるから、感覚的には伝わらん事もない。

だが未来的な武器の使用感は分からんのだ。

それでも使い続けて慣れるのみ。

 

ストーム1も民間人時代、ベース228で当時軍曹だった男に銃の使い方を教わったものだ。

ベース251に移動した際も曹長(人がいない荒廃世界では繰り上げ的に大尉だった)に改めて学んだが、やらなきゃならない事もある。

ジゼルの場合はまぁ、色々違うが同行者だから。

 

 

「話を聞いてきた」

 

 

プロフェッサーが戻り、アレコレと説明。

 

 

「町医者の話だと、半年前から始まった風土病で、この砂嵐に含まれている何かしらが原因と見ている。 実際、この町だけでなく風の影響下にある周辺の村も悲惨な状況らしい。 灼風熱と名付けられたこの病に罹患した患者の様子を見てきた。 発熱、高熱が続くが呼吸器などに炎症が見られない。 このことから、この症状は懐抱熱の亜種……薬剤アレルギー反応のようなものか……血中検査が出来れば良かったが……済まない、詳細不明。 不明熱だ。 薬樹として近郊に生えているロクデ梨の実か葉を使えば治る可能性があるそうだが」

 

「なら決まりだ。 リゼル、行くぞ」

 

「なんでそうなる!?」

 

 

この男、判断が早い!

戦った時も思ったが、やっぱ普通じゃない。

 

 

「ほっとけば良いだろ。 知らない町、知らない人間、助ける義理があるか?」

 

「ゾンビと戦うついでだ。 あと、コカトリスとかミノタウロスがいるらしい」

 

「ますます行く意味!?」

 

「ナニ言ってる、あるぞ。 奴らと戦える」

 

「戦闘狂かよ! やっぱアンタ……」

 

 

戦いの神の方が向いている。

喉元まで出掛かって、口を噤んだ。

それを言ったら、彼がそっちに行ってしまいそうだから。 このままウチに殴り込みさせるのもどうかと思うが……。

 

そこに助け舟を出すプロフェッサー。

 

 

「ジゼル、これは君にも意味がある」

 

「どんな?」

 

「冥府の王に仕えているのだろう。 ゾンビというものに思うところはないか?」

 

「心当たりってこと? オレはねぇよ。 魂は主上様が縛ってるから、死者の復活ってのはあり得ねぇ。 それでも肉体が動くってのは、どこかの馬鹿な魔導士が禁術を使ったとかか。 まぁ……完全に管理外とはいえねぇか。 世の理に反しているのを、使徒の1人としては見逃しちゃ駄目だし……分かったよ、行きゃ良いんだろ行きゃ」

 

「そうしてくれ。 ストーム1、頼むぞ」

 

「どうも、任されて」

 

 

そうして2人は死者動く地へ向かうのだった。




ジゼルの女の子?な描写、いる?(不安
初期からのgdgdもあって評価色もその内に低下してしまいそうだな、という事に戦々恐々しつつ
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