ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

3 / 39
前書き
評価感想ありがとうございます。
励みになります。
ただ、どこまで書けるか。原作も随分昔に読んだっきり。復習するべきところ……
とはいえ自衛隊をEDFに差し替えている当作。
SFな超兵器とか非現実的な武器が数多ある中。
原作通りで良いのかの迷いも。
設定、解釈違いもあるかと思います。
文才も無くツッコミ所満載かと存じます。
今後ともお手柔らかにお願いします。


3.ストーム1/ロゥリィ・マーキュリー

コードネーム、ストーム1。

伝説の遊撃班ストームの実質的リーダー。

兵科は様々な武器を扱えるレンジャーだ。

 

プライマーとの戦争で人類を勝利に導いた英雄。

歩兵の身でありながら数多の戦果を上げた人外であり、どんな過酷な戦場に放り出されようと敵を殲滅して生き残る異能生存体。

 

その名を知らぬ隊員はほぼいないと言って良い。

 

その伝説や噂は幾多に及ぶ。

 

単騎で地平線を埋め尽くす怪物を殲滅。

これまた単騎で空覆う宇宙船団を撃沈。

ある時は神話の怪物達を殺戮し尽くし。

またある時は敵司令船を撃墜して見せた。

 

時に邪神軍団を倒し、どんな絶望にも屈しない。

その勇ましい姿に励まされた兵士は数知れず。

 

彼がいる所、士気が上がり敵は地に落ちる。

彼の戦術が参考にされ、多くが助かった。

 

遂には人類の代表者となり神を滅し。

……1つの文明を消滅させた。

 

これほどの戦果と能力は人間かを疑われるレベルであり、専属オペレーターの女の子も困惑、レポートにどう書くか苦悩する始末。

こうした英雄の噂は、尾ひれがついたものだろうと冗談半分に聞く者も少なくない。

 

戦後も軍の広報に使われるとなればいよいよだったが、それでも現実味を少しでも持たせようと過小申告気味だというから現実は面白い。

 

群を抜いた戦闘力は総司令部も知るところであり、専用のビークルを用意されたり、救援を派遣されたりと、度々個人の兵士には破格の待遇をされている。

 

そうされるだけの地位と力は、どこぞの異世界主人公達のように特典だの上位存在の善意や謝罪で降って湧いた訳ではない。

勿論、才能もあったかも知れないが、それ以上にタイムリープで悲惨な戦いを繰り返し、何十年何百年分といつ終わるかも分からぬ苦しみの中でもがき続け、戦闘技能が研鑽されていったのが大きい。

 

突然タイムリープという1種のSFともファンタジーともとれるジャンルが出て困惑する者もいるだろうが、EDF6はタイムマシンが絡む物語故に……。

 

とにかく。

如何にストーム1がEDFにとって重要かを物語っているかお分かり頂けただろうか。

 

 

 

そんな訳で。

特地入りした彼の装備は他の兵士より豪華であり、それらを使い熟す技量もまた卓越していた。

激しく暴れるドラゴンの頭部に難なく直撃させたのも、経験からくるものだった。

 

そんな激強英雄との邂逅に、ロリ巨乳体躯なクリボーこと栗林は興奮しっぱなしである。

 

 

「こんな所でお会いできるなんて! 落ち着いたら連絡先教えてくださいね!」

 

「良いぞ。 さても今の状況が優先か。 君達は第3偵察隊、隊長は伊丹君、だったね?」

 

「あっハイ」

 

 

突然話を振られ、今さっきの様々な衝撃から立ち直る伊丹隊長。

話を打ち切られムスッと膨れる栗林を背景に、仕事の話へ切り替わる。

オタクな伊丹とてEDF隊員であるからストーム1の事は知っているものの、栗林ほど推しはしないし、趣味では無く仕事の話となれば英雄相手にも抜けた態度だ。

 

 

「会えて光栄だ。 お互い苦労するな。 偵察隊だけでドラゴンと戦闘……大したものだ。 俺も昔似た事をやった。 懐かしいよ」

 

 

差し出された手を素直に握り返して握手。

尊敬と嫉妬の炎が周囲に沸る中、会話は進む。

 

 

「はぁ……助けてくれてありがとうございます。 しかし何用でここに?」

 

「ゲートを襲撃した騎士団の残党の一部が、野盗に成り下がったらしくてな。 異世界旅行がてら遊撃もとい調査、必要なら討伐だ。 その道中ドラゴンが見えてな、こうして来てみたところ、といった流れだ」

 

「おひとりで作戦行動中で?」

 

「いや。 斥候のウィングダイバーと共にいたんだが、戦闘で彼女達は矢を受けてしまってな。 兵科の特性上、アーマーが弱く軽量化の為に露出箇所も多い。 幸い命に別状はない、後方に下がらせて、後は俺1人という訳だ」

 

 

ウィングダイバーとはEDFの兵科の1つだ。

飛行ユニットとなる翼を背中につけた、女性だけの特殊部隊枠。

空を飛び回り、地形をある程度無視できる事、上空から撃ち下ろせる優位性と高機動を備える。

空を飛ぶ都合、軽量化の為に実弾兵器ではなく強力な光学兵器を使用するのが特徴。

ただ述べられたように、軽量化の弊害としてアーマーが弱く、打たれ弱いという弱点があった。

弓矢なんて時代錯誤な攻撃くらい訳無さそうだが、素肌を晒し露出が多いエッな格好故に野郎にヤられてしまったのだった。

 

ストーム1がいなかったら、下手すれば捕まって酷い目に遭っていたかも。

彼女達は飛行士の都合、体重管理云々でモデルのように整っていてエッな見た目だ。

……生命の危機に瀕すると性欲が増すという。

そんな男どもに欲情されるがまま無理矢理ニャンニャン人生絶望エンドの危険性を孕んでいた。

 

そうならず良かったと思う。

ストーム1は今なお特異点なのかも知れない。

 

 

「それは……なんというか、ご苦労様っす」

 

 

そんな事も無関心にへぇへぇ相槌を打つ伊丹。

 

それだったらストーム1も撤退するべきでは?

 

同時に訝しんだが、お陰で伊丹や難民の多くは助かったのだから心に留めておく。

栗林含む他の面々は男女問わず目を輝かせて流石です、孤高で格好良いですと無条件崇拝状態に。

 

これがカリスマの差か……。

伊丹は仮にも隊長、上司として内心嘆く。

 

ストーム1としては、気が付けば仲間が全滅して単騎孤立無支援なんて毎度の事である。

その状況にすっかり慣れてしまい、なんだったら誰も居ない方が無遠慮に暴れ回れるとすら考えているバーサーカー思考と化していた。

ワンマンアーミーとは哀しみと孤独との戦いでもあるのだろう……。

 

 

「ねーえ、ちょっといい?」

 

 

そんなムードに割って入る少女の声。

見れば12歳くらいの黒のゴスロリ少女が。

 

その小さな体躯に似合わない、大きなハルバードを担いだ彼女はストーム1に近づき尋ねてきた。

ヘルメット内蔵の、バージョン数値がまだ若い翻訳機が、異世界語を聞き馴染みのある日本語に即座に翻訳して違和感無く隊員らの鼓膜を震わしていく。

 

伊丹ら偵察隊は、その異様さに警戒していたが、見た目の可愛らしさから少し気を緩めてしまう。

 

だがストーム1は違った。

長年の勘が警笛を鳴らす。

同時に血が沸る。 好敵手の予感だと。

悟られないよう、努めて普通の声色を出す。

 

 

「なんだい? 俺にできることなら」

 

「私は暗黒の神エムロイの使徒、ロゥリィ・マーキュリー。 私を知る人は畏怖と畏敬を込めて聖下と呼ぶわぁ」

 

「暗黒の……使徒? 穏やかでは無いな」

 

「961歳の亜神よ」

 

「……神様なのか。 畏れ多くも会えて光栄だ」

 

 

喉を鳴らすストーム1。

それは緊張と渇望。 背を這う過去のカルマ。

 

そして突然の神様発言に困惑する伊丹達。

見た目的に痛い設定を話しているだけと思いたいが、漂う緊張感は半端ない。

 

伊丹も昨日今日の新兵ではない。

冷や汗が出る中、声に出さずハンドサインで周囲に指示。 退避させる。

ストーム1とロゥリィの世界を中心に置いて。

 

 

「あなたの名前を伺っても良いかしらぁ?」

 

「ストーム1だ」

 

「本名ではないわよね?」

 

「今必要か? ましてや"戦闘中"に」

 

 

即座に互いに当て合って牽制とする。

口元は笑顔だが目は全く笑ってない。

ロゥリィにいたっては血色の良いピンク色の唇が深い紫色に変色している。 それは魔法を使う兆候。 戦闘態勢といえる状態。

 

 

「うふふ、やっぱり貴方、他の兵士と比較にならないほど普通じゃないわねぇ。 死ぬにしても、間違ってハーディのところになんて行かないでねぇ?」

 

「大陸の宗教観念は不勉強でね、申し訳ない」

 

「私が仕えるエムロイが求める魂を捧げる為に、この辺の盗賊を殺戮していたのだけどぉ。 どうも先客がいたのよねぇ」

 

「手間が省けたのでは?」

 

「確かにぃ、魂が私を通っていったから分かるんだけどぉ。 でも欲求不満でぇ、そんな時に特上の魂があったら」

 

 

刹那。

ヒュッ、と何かが風を切った。

ロゥリィのハルバードだった。

 

 

「求めたくならないぃ!?」

 

 

ストーム1、素早くローリング回避。

何が起きたか理解が追いつかない伊丹達。

狂喜乱舞の声を上げ始めるロゥリィ。

 

 

「悪いが、まだ死ねない」

 

 

瞬間、ストーム1は冷静沈着。

起き上がるより先、既にX900の銃口が彼女、あいやハルバードに向いていた。

速射を優先、モディファイドプローンという斜めしゃがみの不安定な姿勢にも関わらず銃口に火を噴かせる。 閃光と轟音を撒き散らして飛び出した弾丸が数発飛翔。 廃莢口と地面との間にはジャムらないように拳ひとつ分の意図的に開けられた空間、そこに空薬莢が発砲分転がるより早く、寸分狂い無く彼女の獲物に弾丸が衝突する。

X900オーキッドは異星文明のアーマーに損傷を与え、やがては破壊する威力を誇るライフルだ。 それを近距離で、ハルバード越しとはいえ被弾したロゥリィは、反動で後方へと吹き飛んでいく。

 

 

「やるじゃないぃ。 痺れるわぁ!」

 

「"神様"とは、もう対峙しないと思ったが」

 

「あら。 私がハジメテじゃないのねぇ」

 

「残念がるな、仮にも人の神では……いや、歴史的な恩恵を考えれば人の神といえるか。 神話や壁画に記され崇められていたらしいからな……」

 

「よく分からないけどぉ……ますます仲を深めたくなるわぁ!」

 

 

なんか伊丹達"人間"を置いて始まる謎の戦闘!

なんでこうなった。 だけど止めねば!

 

伊丹は、ドラゴンが可愛く見えてくる超次元バトルの予感に足が笑いそうになるのを必死に堪え、未来を据えて半泣きのままに間に飛び出し、手の平をそれぞれに向けて止めろぉと静止する!

 

難民見てるし!

上司への報告とかあるし!

誰が戦えと言った!?

誰が哀しみを生めと頼んだ!?

 

 

「ちょ、ちょっと止めて貰って良いっスか!? こっち見て不安な大人や子供達もいるし! ほら神様も英雄も威厳とか体裁とかあるでしょ、周り巻き込まないようにするマナーとか!?」

 

「……そうだな。 伊丹君の言う通りだ」

 

「そうねぇ。 言われてみれば興が乗らないわぁ」

 

 

何とか2体の人外の矛先を収めるのに成功!

ホッと胸を撫で下ろす面々。 しかし。

 

 

「ストーム1、いつか機会があればぁ?」

 

「断る」

 

「もぉ〜焦らさないでよぉ」

 

 

問題の先延ばしになっただけな気がした!




後書き
神殺しの男vs亜神
あーあ、出逢っちまったか(ドンパチ回避
キャラや設定が多いと大変……
ストーム1の階級、どれくらいなのでしょうね
兵科は何にするか喋らせるか迷いました……

続くか未定
失踪、削除したらごめんなさい……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。