短め。
EDF5/6が新ハードでも…という情報をチラ見しつつ。新たな隊員が増える可能性に期待と不安?
冥府の王、ハーディの降臨。
その姿は白いドレスを纏った絶世の美女。
光を帯びて宙に浮かぶ様は、見る者を魅了する神々しさを纏っている。
周囲の尼僧は深々と祈りの姿勢を取った。
それは魂の安寧や死者の冥福を願うと共に、その管理者である彼女に服従と忠誠を誓っているかのよう。
が、余所者のストーム1は違った。
宗教事情等を知らないのもあるが、戦場の経験から本能気味にデコイを設置、様子見を図る奇行を見せ、場を白けさせてしまうのであった。
これには周囲の神官もジゼルもハーディも、仲良く目を点にしてしまう。
してないのは、付き合いの長いプロフェッサーくらいだ。
「いやナニ主上様の前で晒してるんだよ?」
ジゼルが静寂の後、やっと皆を代表して言葉を絞り出す。
が、当人はどこ吹く風である。
「前にも似た経験があった。 本格的な戦闘が始まる前にデコイを設置して、奴を釘付けにし、少しでも有利な状況にしようと思ってな」
「相変わらずナニ言ってるかわかんネェ!?」
ジゼルが怒り混じりのツッコミを入れる。
彼女もまた、ストーム1の事情を知る筈もない。
今回の行動原理……ハーディの様相が、EDFの知識的に『5』回目のループの銀の巨人……ラスボス『かの者』をどこか彷彿とさせたのもある。
奴もどこか神々しく宙に浮き、超能力と思われるナニかを行使してきたから。
ただプライマーのタイムリープの過程で『無かった事』にされた可能性があり、同時にストーム1から当時の記憶が消えている可能性があるのだが……体が覚えているのか、因果関係か、ストーム1は謎行動を起こしてしまったのだ。
彼に精神異常の疑いがある現在、記憶の有無の真偽は不明なれど、とりまハーディは銀の人では無い。
話を進める為にも、プロフェッサーは促した。
「……彼女が神様、冥府の王ハーディか。 ホログラム、ではないんだろう。 つくづく不思議な世界に来たものだ」
「眼鏡も変な事言うなよ。 いやストームよりマシだけどよ」
「王様、いや女王は何かを喋っているようだが、声が聞こえないな?」
「普通の人間にはな。 ロゥリィお姉様とか、亜神なら聞き取れるさ」
「何と言っているんだ? 通訳を頼む」
プロフェッサーの視線の先。
ハーディは困惑の表情を浮かべながら、口を動かして、ジゼルに何かを訴えていた。
「聞いていた以上に、イカれた人間だとよ」
「他に無いなら本題に入って良いか?」
「いやツレが悪く言われてるんだぞ?」
「私語を長々と語るのも悪い気がしてな」
「その割に不敬過ぎじゃね?」
ドライな対応のプロフェッサーに、詰まらなさを感じるジゼルだったが、彼の言う事も最もだ。
ストーム1とプロフェッサーは、ハーディに質問があって来たのだ。 遊びじゃない。
ドラゴンの被害についてどう思うのか、ゲートをどうすれば良いのかを聞きに来たのだ。
その事を伝えるべく、ジゼルがハーディに向き直ると。
ハーディはジッとストーム1を見つめ、次の瞬間、パッと明るい表情に。
察し、慌てるジゼル。
「ッ!? 主上様、憑依は待って下さい! いくらコイツでも、神の魂魄を人間の体に降ろせば精神が壊れちまう───」
使徒の声であれ、耳を傾けない。
抵抗虚しく、ハーディは彼に飛び込み───。
「ぐあっ!?」
「主上様!?」「ストーム1!」
ハーディがストーム1の体に入ると、γ型に轢かれたように吹き飛んだ。
2人が駆け寄ろうとするも、その前にむくりと起き上がるストーム1。
笑顔を向けてくる彼。 良かった無事か……そんな安堵も束の間、その口調は彼ではなく、ハーディのものであった。
ストーム1が、人類最強の兵士が超常存在に乗っ取られた事実に、絶望感のままに脳が破壊されそうになる2人。
「改めて初めまして。 わたくしは冥府の王、ハーディと申し」
神妙な話の途中、突然無反動砲MTZを構え、砲口を足下にブッ放なすストーム1!
爆音が地下に響き、本人は今度は上へと吹き飛んでは、焦げ付きながら地面に転がっていく。
「えええ!?」
その悲鳴は、いったい誰のものだったのか。
さても状況が呑み込めず、混乱を極める中、ストーム1は再びむくりと立ち上がると、再度口を開いた。
「いたた……まさか体を奪い返されるなんて。 どれだけ強い精神をしてるのかしら」
「わかったら俺の体から出ていけハーディ」
「嫌よ。 こんな上等な体、金輪際現れないかも知れないもの。 男の体ってのが少し気に入らないかもだけどぉ……それにこの方が声を直接届けられるぶん会話し易いし、ね?」
「なら大人しくしていてくれ。 今度また余計な真似をしたら、2度と体を貸さないからな」
「あら怖い。 さすが、地球人類の代表者ね……ねぇ、死んだらその魂、エムロイの所じゃなくてぇ、わたくしのモノになってくださらない?」
「追い出されたいか?」
「いやん、暴力はんた〜い♡」
なんと、ストーム1はハーディに抵抗できる力を持ち、話し合いができていた。
が、外から見ると、1人で会話している二重人格者、変人であり、事情を知らないと不気味に映る。
「ま、マジか……」
「……流石は相棒だな」
ジゼルとプロフェッサー、周囲の神官は状況をなんとか呑み込み……そしてそれがどれだけ凄いのか、想像の域を越えられないまでも、ストーム1なら然もありなん、と納得するしかないのだった……。
後書き
リアル事情が厳しくなってきて、活動が鈍るかも知れません。元よりその節だったかもですが…