巻き感
何故ゲートが銀座に現れたのか、炎龍が目覚めたのかの説明回
原作でも同じ理由だったかな…間違ってたらごめんなさい
場面は街中にある、少し高そうな飲食店。 その大きな円卓のある席にて。
格式ばった内装の中で、ハーディはストーム1という肉体を借りて、いつぶりかの食事を楽しんだ。
フォークとナイフを気品を持って動かし、次々と肉に野菜にと口に運ぶ。
その勢いは衰えず、テーブルの上には空皿が山となって積み重なっていく……。
「食事はいつぶりかしら。 わたくしが宿っても精神が壊れない人間なんて、そういないから」
「……神様が見えたり、こうして会話できたり、最初のような理解できる容姿をしているのは驚きだ……今じゃ人間的な会話、食事を見せつけてくるとはな」
「あまり喋らないでくださる? わたくしが落ち着いて食事できませんわ」
「そうかい、なら代わりに喋ってくれ。 そうだな、俺たちの質問に答えて貰う」
「んー……どうしましょうね?」
「そうかそうか、食事はここまでか」
「うっ! 急に手が動かなく……本当、何十年、何百年"程度"を繰り返したくらいで、ここまで強くなるなんて異常よ。 それならジゼルやわたくしの方が、よっぽど長いもの」
圧倒的上位存在に臆せず、ハッキリモノを言うストーム1。
それに対し、ハーディは仕返しをするでもなく、寧ろそんな彼を気に入って揶揄っているようにも思える。
最も、プロフェッサーやジゼル側から見たら、男が独り言をブツブツ言っているだけに聞こえるし、ストーム1の声で女性的な言葉遣いをされると気が狂いそうになる。
……慣れるしかないと、何とか耐えるが。
「確かに、女王が言う事も分かる。 先の大戦でタイムリープを繰り返したとはいえ、恐らくはこの世界の神様のように、何百年、何千年と長い時間は過ごしていないのではと思う。 記憶している体感範囲だが……」
「それとも、そういう才能を持っていたのか、短時間の間に人の身に余る経験を積み重ね過ぎたのか、両方か。 詳しくねぇけどさ、ストーム1って地球人類の代表として戦ったんだろ、因果が絡み過ぎて現人神みたいになってんじゃね?」
「そうかも知れませんわね。 信仰している人も多そうですし。 だとしても異常としか思えないのだけど」
「褒めてるのか馬鹿にしてるのか」
神様に褒められるなんて光栄……とストーム1がならないのは、不勉強だったり過去の経験だったり、会話内容もだし、体に勝手に乗り込んできたハーディの態度や、他人事のように話を進められているからだ。
「俺の事はいい、それより質問に答えて貰うぞハーディ。 ズバリ聞く、まだ寝ている筈の炎龍が目覚めたり、ゲートで俺たちの世界と繋がったのは、アンタの仕業だな?」
「そうよ」
あっさりと肯定するハーディ。
食器を置き、淡々と説明していく。
「炎龍については、ジゼルから聞いていて?」
「戦いの神エムロイの使徒、ロウリィ・マーキュリーを倒す為に起こし、水龍とツガイにして子供を産ませて戦力拡張云々と」
「もっというと、アルヌスのEDFを排除する目的だったのよ。 結果は散々だったけど」
ジゼルはバツが悪そうに目を逸らす中、ストーム1はハーディに静かな怒りを混ぜる。
「だが連中が堕ちるまで、少なくない犠牲が出た。 エルフの村とかな」
「こうしているように、食事もまた自然の摂理じゃない? わたくしが皿の上に盛って、龍の前に出した訳じゃないのだけど?」
「飲まず食わずで存在し続け、それらをする時は娯楽目的っぽい神様が言うと重みが違うな。
その娯楽の延長線上に炎龍の被害があるのだとしたら、どの口で自然だと宣うのか。
それか神様という存在は、自然以上の超常存在なのだから、アンタのやる事なす事受け入れろというのか。
だとしても自然災害とは認めたくないものだな、これは"神災"だ、こうして会話ができる、明確な意志ある存在による不自然な結果だ」
「そう? でも龍って生き物だし、今起きるか、もう少し経ってから起きるかの違いでしかないじゃない」
「悠久に近い刻の流れに身を置くアンタにとっちゃ、下々の興味の無い魂を導く仕事は流れ作業、そこにある過去と未来、原因と結果、人の死や時間の有無なんて興味無いんだろう、だからそんな事を言える。
あったらあったで、魂をコレクションにしているらしいが、人間の倫理観とはまるで合わない、命は玩具じゃないんだぞ。
今回の件もだ。 今その瞬間を生きる連中にとっちゃ良い迷惑だった。 俺もだ、こうして体の中に入られてるのは普通じゃない。
立派な不自然による弊害、干渉であって、その犯神はアンタだ、様々な自己矛盾に対する弁解や責任は持って欲しい」
「ぷぷー! 必死過ぎて笑えますわ〜!
なんで神様であるわたくしがあなた達下々の営みやらに、そこまで配慮しなきゃいけないの?
あなた達の世界で起きた戦争、その相手って対話に応じた? 何か譲歩した?
たぶんしてないわよね、する必要を感じなかったのでしょうから」
「開き直るなよ……偉いんだろ、世界の理とやらを理解してるんだろ?
叱り、説明し、説得し、その後の成長を見守るのも"おカミ"の役目な気がしたが。 アンタも短絡的な思考のようで残念だよ」
「あなたの妄想よ、それは」
ヒートアップしているようで、中身は子供同士のしょうもない喧嘩のようにも聞こえるソレ。
これにプロフェッサーは眼鏡を光らせ、本題に修正を試みた。
炎龍を起こし、アルヌスのEDFを排除しようと干渉するその理由についてだ。
下々に興味が無いというのに、そうする理由があるのなら、目的はゲートだろうと。
「口論中すまないが、女王。 アルヌスのEDFを排除しようとした、という事は、そこにあるゲートをどうにかしようとした、という事か?」
「話が早くて助かるわ。 そうよ、異世界に通じるゲート、わたくしはソレを閉じようとした。 開いたのはわたくしですから、閉じる役目もわたくし」
「なんだって!?」
平然と重要な事を述べるハーディ。
なんと、ゲートを開けて銀座事件を間接的に起こしたのも、ハーディだったらしい。
「銀座でも多くの犠牲者が出た。 侵攻してきたのは帝国軍だったが、なぜそんな……」
「帝国は戦争によって発展してきたけれど、もうここファルマート大陸では限界だった。
でも停滞して淀んでいくだけなんて詰まらないじゃない?
だからゲートを開けて他の世界と繋ぎ、そして帝国は状況の打破を狙って侵略した。
結果は惨敗だったけど、大切なのは勝敗じゃない。 それによって自分より強大な存在を知った帝国が、どう変わっていくのかが大切なの。
ゲートの役目はそれでお終い。 だから閉じようと動いたのだけどぉ……丘を陣取ったEDFって厄介よね、龍を何匹も一片に倒して、損害も殆ど無いんだもの。
ましてやストーム1、強過ぎじゃない?」
話を聞き、なんて事だと頭を抱えるプロフェッサーとストーム1。
ジゼルは使徒の都合もあって、ずっと口を挟まず気まずそうにしているのみ。
本当なら衝撃の真実。
……"そんな事"の為に、ゲートが開き、多くの犠牲者が出たというのか。
神様という概念的、圧倒的上位存在の仕業。
なんと勝手で、理不尽で、どうする事もできない残酷さか。
「だから責任取って、ゲートを閉じなさい。 わたくしの代わりにね」
「全部お前の所為だろ、結局無責任だな」
「わたくしも現地に同伴致します。 どうせあなた達じゃ閉じ方を知らないでしょ?
話す事は話したつもりですし、こうなったらほぼ直接乗り込んでしまっても誤差でしょうし」
「最初からそうすれば良かったのでは?」
「体もなく、どのように? だからジゼルに頼んだのに、それもあなた達が台無しにしたじゃない」
「対話って手段は無かったのか」
「堂々巡りね、なんで下々と話すの?」
「アレを言えばコレを言う駄目神だ」
「このままゲートを開いていてはいけないのは理解しているでしょう?
やがて世界同士は歪み、取り返しがつかない崩壊を招く……クナップヌイの"影"のようにね」
「世界の終わりが来たら、それもハーディのせいで良いな」
こうして一向、ハーディをストーム1の体に宿したまま、ゲートのある拠点……アルヌスの丘へ帰還する事となるのであった。
一方、帝都を囲むEDFの大部隊。
馬鹿皇帝ゾルザルのゴミみたいなプライドのせいで平和交渉が進まず。
いよいよ攻め滅ぼすしかないな、という段階にまできていたのである……。
後書き
全部ハーディって神様が悪いんだ(思考放棄
原作だとレレイが乗っ取られたり、神様の髪の毛という重要アイテムを貰ったりして、ゲートの流れだったかな(曖昧