ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
民間人もいる帝都ですので、カッパー砲やテンペストのような高火力、範囲攻撃をするのは軽率感はありつつ


44.進撃のバルガ/帝都陥落

 

 

「うわあああ!? なんだアレは!?」

「巨人だ!! オークが小人に見える!」

「あんなのが地球にいて、それをEDFは使役しているというのか!?」

 

 

その日、帝都を包囲していたEDFは攻勢に出た。

全高47mの人型クレーン『ギガンティックアンローダー・バルガ』を強化発展、武装を施した『アーマメントバルガ』が帝都の城壁手前まで歩かせれば、巨大な影が街を覆い、空を隠す。

その圧倒的存在感に、兵も民も関係なくビビり散らし、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

 

同じサイズの人間が銃を振り回すより、コンバットフレームというオークのような、常識的な大きさより、目に見えて巨大な存在は生物の本能から警笛を鳴らし、結果、脳筋な奴にも有効な手段となった。

 

バルガを中心に、EDFは宣言する。

最早警告ではない、それは散々にしたからだ。

 

 

「全帝国兵及び全市民へ! 玉座を皇帝より簒奪した皇太子ゾルザルは、プライドと特権的階級に居座るべく平和条約締結を拒否し続ける為、本日を持って分からせる事にした!

EDFは帝都への攻撃を開始、悪虐非道の限りを尽くすゾルザルを討伐して、ここ帝国のみならず、ファルマート大陸に秩序を取り戻す!

抵抗する者には容赦しない! 逃げる者は今のうちに逃げろ、以上だ!」

 

 

そう言うや、バルガは進撃開始。

城塞をひと蹴りで破壊し軽々領内に侵入、中央の城まで一直線に歩き始める。

ドシン、ドシンと大地を踏む度に地鳴りが起きて街道が潰れ、道中の建物は粉々になるばかり。

 

 

「ひいいい!?」

「勝てるはずが無い、逃げるんだぁ……!」

 

 

一部の兵士が恐怖のまま、錯乱しながらも、その堅牢なボディに弓矢や投げ槍、投石を当てるが、そんな原子的な攻撃は通用する筈もなかった。

 

バルガは小物を無視。

ゾルザルのいる城へとひた進む。

 

当然、中にいるゾルザルや取り巻きは大パニック。 玉座から転げ落ち、悲鳴を上げ、動ける兵士に自分を守れと怒鳴り散らしながら意味なく逃げ惑う。

 

 

「ひぃ、ひいいい! なんだあの馬鹿デカい巨人は!? 兵士共、俺を守れええ!!」

「もはや時間の問題です。 帝都は包囲され、蹂躙されています。 仮にあの巨人を倒せても、包囲するEDFの兵士にやられましょう。 せめて帝国の皇帝としての誇示を見せる、最期の覚悟が必要かと」

「ふざけるなあああ!! お、俺は皇帝なんだぞ、偉大な! 帝国の!! 偉いんだぞ!! 馬鹿なのか、なのに俺に死ねと言うか貴様らはあああ!!?」

 

 

死ぬ、殺される。 その恐怖から逃げ惑い、当たり散らし、錯乱して行く宛もなく暗く狭い地下へと降りていく。

 

 

「はぁはぁ、はぁ……! 俺は皇帝だ、偉いんだ、なぜそれが分からん、馬鹿共め、役立たず共め、どうして俺がこんな目に、くそっ、くそっ、くそおおお!!」

 

 

それが不幸中の幸いだった。

城へ照射されるレーザー光。 刹那。

 

 

「ファイヤ♪」

 

 

城に降り注ぐ、光の槍。

EDFの機密衛星兵器「スプライトフォール」の臨界出力で撃ちまくるデストロイモード。

歴史ある立派な城が、一瞬で上面からガラガラと音を立てて崩壊していく。

それはゾルザルの虚構があまりに脆く、弱々しい事を表しているかのようだった。

 

 

「ああっ!! あああああ!!!」

 

 

ゾルザルは地下室で体を丸め、ガタガタと震え上がるばかり。

だが攻撃は止まらない。 照射が終わると同時、今度は白煙を上げながら、巨大な塔が城の残骸へ突き刺さる。

刹那、巨大な火球と爆炎が空気を震わした。

超巨大ミサイル、テンペストだ。 数ある切り札的存在の威力は桁外れで、帝国はどうする事もできない。

城は跡形もなく吹き飛び、瓦礫の山と化した。

それでも奇跡的に地下室はギリ無事であり、ゾルザルは落ちてきた瓦礫に半ば埋まりながらも生きていた。

 

 

「がはっ、ごほっ……」

 

 

血と埃で汚れ、顔を腫らしながらも、穴という穴から汁を垂れ流すゾルザル。

こうなるまでなっても、こうなったのは自分のせいではない、生き延びたら必ず復讐してやる、こんなになるまで敵を入れさせた馬鹿な部下は粛清だと他責思考は止まらない。

 

だが、そんなゴミ計画は叶わない。

更にビビらすEDFの攻撃は終わらない。

 

 

「バルガ、目標地点に到達」

 

 

今度はバルガが、城の跡地を思いっきり踏みつけるストンプアタック。

その質量に地下は崩れ、ゾルザルは本格的に埋まり、息も絶え絶えに。

 

 

「ゴホッ、カヒュー……カヒュー……」

 

 

一息に死ねたら、楽だったものを。

死にたくない、生きていたい、そんな生物としての当たり前の欲求を、我が儘に思い、逆にそれしか考えられない、否、思えないようになる。

今更に心中、懺悔すら始めていたが、もう何もかも遅過ぎる。 兵や民草をそのくだらないプライドで食い潰してきた、その責任はあまりにも重い。

 

 

「こちら本部。 城跡地を捜索、ゾルザルらしき者の安否を確認する。 コンバットフレーム及び戦車部隊突入。 歩兵は随伴、邪魔してくる者がいれば容赦するな、射殺を許可する!」

 

 

壊れた城塞の穴から、次々と突入していく人型兵器のエイレンと、バリアス戦車。

空には戦闘ヘリのヘロンがローター音と共に飛行し、完全に帝都を占領下へ置いていく。

 

こうして一部戦力であまりにあっけなく、帝都は陥落の方向へ転がり落ちていった。

戦力も技術格差も酷いからね、残当。 しなかったのはEDFが人道的見地云々で我慢していただけって、ハッキリワカンだね。

 

 

「あとは残党狩りだ。 ストーム1、頼むぞ」

 

 

ゾルザルのように、くだらないプライドやゾルザルへの狂信で抵抗してくる者が少なからずいる。

そいつらを分からせる為、今度はストーム1が、嵐が巻き上がった。

城塞の外側で爆炎が派手に上がり始め、周囲のモブ隊員らの士気が上がり盛り上がりの勝鬨を上げていく。

それをジゼル、ハーディは傍観し、楽しんでは感想を言い合うばかり。

その中にはプロフェッサーも含まれた。

 

 

「凄いだろ、じゃなくて凄いですよね主上様?」

「ええ。 噂以上の男ですわね、ストーム1は」

「地球では、もっと凄かったがな……」

 

 

後方相棒面のプロフェッサーに、嫉妬や尊敬、興味の念を抱く神様方。

その間にも、ゾルザルの帝国は崩壊していくのであった……。




後書き
さっさとゲート封鎖してサヨナラせねば
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