ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
評価色が下がるのは残当…
さてもゲート封鎖に向けて


45.引導の嵐

帝国兵は恐怖した。

ゲートを通った先、異世界の地球。 その世界にある日本国の銀座という街への侵攻が悪夢の始まりだった。

 

そこで対峙したのは、EDFという軍隊だった。

 

兵士達は彼等が所有する未知の超兵器の数々と邂逅し、手も足も出ずに返り討ちに遭って、遭って、遭い続けた。

 

甲冑を貫通する光線。

機械の翼を持つ女有翼種。

巨大な金槌を振る怪力の騎士。

オーク以上の大きさの鉄の巨人たち。

 

そしてゲートがあるアルヌスの丘が占領され、そこを奪還しようと続いた戦争は、理不尽の連続でしかなかった。

 

多くが死に、生き延びた者残党は敗走を続け、一部は野盗に身を落とし品格を落とし続けた。

 

皇帝が病に倒れ、皇太子のゾルザルが玉座にふんぞり帰り、考えなしの無計画さのまま顎で人が動くようになると、いよいよ帝国も末となった。

 

もはや、帝国にまともな兵はいない。

無造作に重なり、屍の山となり、人の血肉と混ざり合っては、大地に還っていく。

 

そして今、遂に帝都が陥落した。

空を覆う巨人が城塞を軽々蹴り飛ばし、天をも貫く光の槍が城を粉々にし、やがては真っ直ぐに踏み壊された。

 

あまりに一瞬だった。

 

小細工も何もない。

ただ巨人が直進しただけで、国は滅んだ。

 

戦いにすら、なっていなかった。

 

チカラの差があり過ぎる。

EDFはいつだって、帝国を滅ぼせたのだと理解した。

 

それをしなかったのは、慈悲でしかない。

それをゾルザルは攻めあぐねていると勘違いをし、増長した。

 

結果はこのザマ。

 

これは神による天罰だ。

 

行き詰まった帝国は、戦争で惰性を打破しようとしたが、猛獣の尾を踏んでしまった。

それだけならまだしも、ゾルザルという歴代一であろう馬鹿の所為で、誇り高き帝国の歴史は幕を閉じようとしている始末。

 

ファルマート大陸の覇権国家としてのプライドは、最早微塵も残されていない。

それでも国の、城の崩壊程度で終わらない。

 

いや、敗北を認められない者達がいる限り。

精神が壊れ、死兵となった者やゾルザルの狂信者が、後に続いたEDFの兵士達に一矢報いようと吶喊していく。

 

そして最初の時のように、挽肉にされていく。

光の槍を放たれ、余りにもあっけなく。

 

そして見た。

 

アルヌスや、イタリカで見た男が、そこにいた。

 

ストーム1。

 

地球側の英雄であり、最強の兵士。

 

嵐のように戦場で暴れ回り、周囲の兵士が肉塊となり、花火のように打ち上がる。

1人で軍団を殲滅できる戦闘力だと言われても納得する、そのチカラ。

やがてバケモノだと畏怖し、苦しまず逝けるようにと祈る他ない。

 

弓矢は矢避けの魔法でもかかっているのかというほど当たらず、当たっても鎧に弾かれて火花が散るのみ。

 

嗚呼。

EDF、その理不尽を体現したかのような存在ではないか。

 

そしてその魅力に取り憑かれたのか。

幻覚か、彼の側に亜神ジゼルと、冥府の王ハーディの姿を隙見した。

 

 

「ヒヒ、ヒャハハッ」

 

 

これほどの災厄相手に、狂って何が悪い?

 

そして僅かな理性が、本能が。

せめて戦いの中で死のうと己を奮い立たせ、彼に、英雄に槍を、剣をと向けていく。

 

そして暗転。 世界から解放されるのだ。

 

一撃だった。

その無慈悲に思えた一撃は、偶然か苦しまずに逝けるものが殆どだった。

 

奴は嵐であり英雄であり、死神であるが。

きっと人の心も持ち合わせた奴だった。

故に戦いの神や、他の神々や者達にも愛される存在だったとしても、嫉妬はしない。

 

 

「EDF……ストーム、ワン……」

 

 

どうか、我々の魂に安らぎが在らん事を。

そして、双方の世界に平穏が在らん事を。

 

 

 

・・・

 

 

 

「ハーディとジゼルは観戦一択か」

 

 

帝都城塞内外にて。

ストーム1は文句を垂れながら、吶喊してくるアサルトライフルX900オーキッドをフルオート。

貫通力のある近距離のままに、1発の弾丸が後続の甲冑を粉々に砕き、血肉を撒き散らす。

プライマーの防護服や兵器の装甲をも破壊したパワーだ、生身の人間相手にはオーバーキルだ。

 

だが戦場に、彼に情け容赦はない。

敵は敵として倒していく、それだけだ。

 

そんなグロい戦場の景色の中でも、長生きしてきたからか、ハーディはストーム1の体越しに軽い口調。

ジゼルは使徒の都合、合わせて動けない。

 

 

「なんで下々の争いに、わたくしがとやかく口出しする必要があるの?」

「その……主上様もこう言ってるんで、オレは見てるだけにします……」

「そうか、間接的に戦争を起こしておいて相変わらずの態度だ。 ジゼルは仕方ないとしても……神様とは会話出来ても、考えは合わないな」

「あら。 ジゼル贔屓なんて酷い〜」

「違うのか? 邪魔だけはしてくれるなよ」

「ええ。 惚れ惚れする戦い振り、一貫したあなたを見せて貰いますわ〜……ますますその魂、エムロイの元じゃなく、わたくしのモノにしたくなりますね」

「その話は終わっただろ、勘弁してくれ」

 

 

会話しながら、無反動砲グラントMTZに切り替えて、トリガーを引き続ける。

連続して発射されたロケット弾が、帝国兵が逃げ込んだ建物に突き刺さり、次々爆発。

瓦礫ごと中身を吹き飛ばし、周囲にいた残党をも巻き込んで砂塵に沈めた。

 

 

「なら〜ジゼルのお婿さんになるのは?」

「なっ!? 主上様!?」

 

 

ハーディが爆発に次ぐ爆弾発言。

大凡戦場での会話ではない。

 

 

「あら良いじゃない、好きなんでしょ?」

「いや、その、嫌いじゃないんスけど……」

「そうだな、俺も嫌いじゃない」

「ッ!」

 

 

ストーム1、戦いながら好意的な反応する。

それにパッと明るくなるジゼルだったが、彼の続けた言葉は悲しい現実だった。

 

 

「だが俺はゲートを封鎖し、地球に帰るつもりだ。 亜神であるジゼルはこの世界での役割があるだろう。

それぞれの役目があるし、俺も地球に大切な人達がいる。 すまない」

「……まぁ、何となく分かっていたさ。 お互い使命があって、種族も住む世界も、何もかも違うんだ」

 

 

フラれた気分の中、ジゼルは仕方ないと諦観の意を示す。

主上様が認めてくれても、本人が拒否するなら、無理矢理というのはしたくない。

こっそり夜這いを仕掛けて忘形見を……とも思ったが、普通に返り討ちに合いそうでもあり。

 

とにかく、今は。

 

 

「もう敵はいないな」

 

 

生存者はいつも通り、ストーム1。

今回も敵を殲滅し、嵐は止んだ。




後書き
原作だとゲート封鎖後も、取り残された人達が生き残ろうと創意工夫感?
色々あって元の地球とゲートを繋ぎ直したり?
後は海自編の話とかありますかね…
当作はもうここまでgdgdなのでね…続ける予定はありませんが…
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