ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
ロゥリィやピニャ達と合流


48.合流/伝達

 

 

「ッ! この気配、ハーディ!?」

「また会えて嬉しいわロゥリィ♡」

 

 

銀座駐屯地、その控え室に入室するストーム1。

伊丹を中心に皆が揃う中、真っ先に反応してきたのは亜神ロゥリィと、彼女を好いている、内なるハーディであった。

が、気配を感じれないレレイやピニャ、テュカ、伊丹から見れば、男声で女口調なものだから引いてしまう。

伊丹は皆を代表し、勇気を持って尋ねた。

 

 

「えっ、いや、ストームさん? 急にオカマ口調になってますけどナニが!?」

「俺の中に戦犯の神様、冥府の王ハーディが憑いているんだ。 外から見たら二重人格みたいになってるが慣れてくれ」

「は、はぁ……」

 

 

なんかオカルトな話をし始めたから、ついに頭がここまでおかしくなったか。

そう失礼に思うも、亜神のロゥリィが嫌悪感を示しているし、アニメに漫画と触れてきたオタクとして、それとなく解釈、咀嚼して、その手への理解を示す。

知識のあるピニャは、目を白黒して尋ねる。

 

 

「冥府の王ハーディが、ストーム殿に降りているというのですか!?」

「いきなりだった、不法占拠だ。 幸い主導権は此方にあるから、完全に操られる事態にはなっていない」

「なんという……精神力といいますか……」

 

 

神様が人の身に降りて、その強過ぎる魂魄に精神を破壊されず正気でいられるばかりか、操られていないとは。

ピニャは神官ではないし、少し聞き齧った知識止まりだが、それでも異世界……帝国の王族として尊奉し、畏怖し平穏を祈るばかり。

それは同じ異世界人のレレイやテュカもそうで、実感はなくても、心中にて敬服や祈祷を行った。

 

 

「何となく把握しました……それでストームさん、俺たち重要な話があると言われて来たんですけど」

「そうだ。 じゃ、簡潔に伝える」

 

 

神妙な表情になるから、皆は真剣に傾聴。

特にストーム1はピニャに視線を向けるから、国絡みの規模かと予想した刹那。

ストーム1の口から、連続して爆弾が出されたのだった。

 

 

「ピニャ、戦争は終わったぞ」

「へ?」

「帝都をEDFが攻略したんだ」

「えぇ!?」

「その時に君の兄、ゾルザルは死んだ」

「……えっ」

「で、君の父、モルト皇帝が復権した」

「えっ!」

「新政権を樹立、君を次期皇帝に据えると」

「えええ!?」

「ピニャ!? 気を確かに〜!?」

 

 

あまりの衝撃的な内容の連続に、ピニャは視界がグニャァ……と歪んで倒れかけ、テュカが慌てて体を支えた。

無表情のレレイも、この時ばかりは少し目を見開き驚き、伊丹は頭を掻いて「流石EDF、ストーム1」と苦笑するしかない。

だが一方、神様サイドは邪険な雰囲気である。

 

 

「それでぇハーディ? こうしているってコトわぁ、ゲート絡みでしょぉ?」

「ご明察、流石わたくしのロゥリィね!」

「気色悪いコト言わないでよ、誰がアンタのモノになるものですか」

 

 

ロゥリィは心底嫌そうな顔を続けているが、ハーディはお構いなく、この場にいる人達の為に説明を始めた。

 

 

「そう、ロゥリィの言う通り。 ゲートを開いてストーム1とイタミの世界とを繋いだのは、このわたくしです」

「なん……だと……」

 

 

伊丹は犯神の自分勝手な自白に憤っていく。

ピニャ、テュカも、その酷さに顔を顰めた。

しかしハーディは気にもせずに話を続けた。

 

 

「帝国は戦争を繰り返して発展してきたけど、それも行き詰まっていてね。 このままじゃ詰まらないなぁって、状況の打破の為に異世界に繋げたの。

そして案の定、帝国はゲートの向こう側に戦争を仕掛けた。 結果は知っての通り、EDFにボッコボコにされて惨敗。

でも良いの、自分達より強い存在を知った帝国が、それでどんな選択をしていくか、それを見たかったのだから」

「そんな事の為に銀座が、多くの犠牲が!?」

 

 

テメェ! 自分勝手だぞ!?

そう言って殴りたくとも、相手の体はストーム1、仲間である。

どうしようもない中、その葛藤にハーディはニチャァ……と口を歪ませて、愉悦に浸るように続けた。

 

 

「それで目的は果たしたから、ゲートを閉じようとしたのだけれどぉ。 EDFがゲートのあるアルヌスの丘を占拠しちゃって、邪魔で出来なくなっちゃったの。

帝国軍は丘を取り返そうとしたけど、圧倒的なチカラの差でどうにもならなそうだったから、使徒のジゼルに頼んで、ドラゴンをけしかける準備をした。

だけど、それもEDFにボコボコにされて計画は頓挫。 足踏みしている間にもゲートは繋がりっぱなし。

本来交わらない世界同士が繋がり続ける事で歪みはどんどん大きくなってね。 クナップヌイで目に見えるほど進んできちゃった。

流石にこのままじゃ困るから、神殿に来てくれたストーム1にゲートの封鎖をお願いして、それにはレレイや皇女様、その周囲にいる皆の協力がいるから今に至るって感じ?」

 

 

長々とベラベラと話された伊丹は、同郷や相手の犠牲を想いながら拳を震わせた。

 

 

「話し合いの余地は無いのかよ……!」

「ぷふー! 貴方も其れを言うのぉ? 此方の世界で起きたプライマーとの戦争で、話し合いとやらが有効だったのかしら?」

「火星人共も本来、交わる筈が無かった地球人類に一方的に干渉した挙句、地球人類と交渉する気はなかったんだろうが、その結果は絶滅、いや、歴史ごと『無かった事』になった。

そっちの世界も、同じようになる可能性は否定できない筈だ。 それを回避する為に話し合いの席を設けるのは有効な手段だった。

少なくとも、こうして神様のアンタ、ハーディさんとも言葉が通じて会話できているんだしな」

 

 

これに同意するは、亜神ロゥリィ。

 

 

「伊丹の言う通りよぉ。 ハーディ、魂はオモチャじゃないし、世界もまたその筈よ。

貴女の使徒、ジゼルも私と同じように世界の安定の為に、異端者の排除や賢者への宿題を出して芽をゆっくり育てているでしょうに、その主上である貴女がそんなんじゃ、ジゼルも報われないし、信徒達も可哀想だわぁ」

「戦いの神エムロイの使徒でありながら、中々言うじゃないロゥリィ。 それとも将来神様になる時、愛の神になりたいからかしら、愛おしいわね」

 

 

口論の果て、取り敢えずの決着を見たストーム1は、本題への軌道修正にかかる。

 

 

「では今からでも話し合いといこう。 世界が壊れる前に、ゲートは閉鎖する。 その予定は変わらない。 それにはハーディのチカラ、そしてレレイの魔法のチカラ、その才能が必要だ」

「……私の?」

「ゲートの開閉に必要な方法だ。 後でハーディが教えてくれる。 これは双方の交流を継続したいという、政治的な事情がある。

本当は完全に撤退するべきだろうが、お偉方は欲を捨てきれなかったんだ。 すまない。

……それに伴い、万が一に備えてEDFは一時地球に撤退する。 伊丹君も例に漏れない、アルヌス駐屯地で荷物を纏めたら、直ぐに日本に戻ってくれ。

他の面々は、本来の土地であるゲートの向こう側、特地へ戻って欲しい。 特に神様方とピニャは重要な仕事があるだろうからな」

「そうねぇ」「ええ」「……そのようだな」

「もし安定してゲートを開閉できるようになったら、また向こうに、特地で勤務する事になるだろう。

その時、また俺や皆に会える。 今は一時のお別れだ」

「了解。 状況に備えます」

「宜しい。 では解散」

 

 

こうして話は終わり、戦後処理は進んでいく。

 

これは変わった世界なのか、そうでないのか。

我々に知る術は無い。 果たして未来は……。




急足、巻きで終わらせようとしている感…
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