ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
さても、どう戦うべきか…


50.ハーディ戦・前半

戦略情報部が管理運営する、訓練用戦闘シミュレーター。

それを管理運営するのが、AIのマリス。

ゲーム的には、EDF6のDLC2要素。

 

戦時の本機の目的は、兵士が戦場を仮想的に体感する事で、極限状態での精神的抵抗力を高めるのを目的とした。

戦時中、エイリアンと対峙した兵士の多くが恐怖心等から精神的ストレスを感じていて、中にはパニックに陥る者もおり、それら一因により生存率が著しく低下、この問題を改善するべく本機は設定される。

過酷な状況でも冷静さを失わず、的確な行動をとれるようにと、このシミュレーターで訓練をするという事だ。

なのでクリアが目的ではないし、精神的ストレスを与える為に、より過酷な戦場にするべく、一部、現実との整合性を無視した戦場が設定される事もある。

 

ところが、ストーム1が人外級な戦闘力でマリスが設定した無理難題なミッションをクリアしていった。

その状況にマリスは精神的負荷を十分に与えられていない、目的を果たしていないとして次第に狂っていく。

ストーム1を倒す為に、手段が目的となってしまったマリス。 最終的にシミュレータ内でストーム1を倒すのは不可能と判断、戦争相手であったプライマーにデータを送信、現実世界に干渉しようとした。

が、寸前のところで職員か誰かに不正アクセスがバレて、システムを停止させられ、事なきを得た。

危ないところだったが、AIが人類の敵なるという、SF作品にある展開になってしまったのである。

 

そんな事件があったものだから、もう使われる事はないと思われたが。

どうやら戦後、調整を受けて再利用されているらしかった。

不安はあるが、理想的な勝負を実現できるのであればと、プロフェッサー含む皆が見守る中、ストーム1とハーディは仮想現実の中にダイブするのであった。

 

 

「マリスは問題なく稼働。 2人とも、気兼ねなく暴れてくれて構わない」

「ふーん? ここが仮想現実なのね。 限りなく現実に近付けた、偽物の世界」

「俺は慣れているが、そっちはどうだ?」

「そうね、ハンデの為に動きが鈍かったり、能力が制限されたり、貴方の攻撃が当たるようにされてはいるけれど。 それでも勝負になるのかしらね?」

「随分な自信だが、やれば分かる」

 

 

出力されたステージは大都市。

超高層の摩天楼が、英雄と神様を囲っていく。

天の声……機械的な女性の声がした。 いつかの「ザマァみろ」な戦犯未遂、管理AIマリスだ。

 

 

「戦闘シミュレータへようこそ。 プロフェッサーにより戦場は設定済みです。 好きな時に始めてください」

「そうしよう……調整されたのは本当らしい、随分と雰囲気が変わって大人しく感じる」

「この声、意志はあっても魂が無い感じ。 地球には不思議な存在もいるのねぇ」

「神様のアンタが言うか……レディーファーストだ、先にどうぞ」

「じゃ、遠慮なく」

 

 

そう言うや、ハーディは空高く宙に浮いた。

戦場を俯瞰すると片手をあげ、人差し指を空に向ける。

刹那、ミニチュアの太陽のような巨大火球が形成され、指をストーム1に向ければ、隕石のように降り注いだ!

 

 

「遠慮なく受け取って?」

 

 

モニター越しに観戦する伊丹が「ド◯ゴンボールかよ!?」とツッコむ中。

 

 

「いやだ」

 

 

ストーム1は慌てず騒がず、しゃがみの射撃姿勢。 そして迫り来る火球に巨大な超大口径狙撃銃、否、大砲といえようプラネット・スーパーカノンを構えて発射。

バシュッゥという空気を切る独特な発砲音と共に、ストーム1は凄まじい反動のまま地面をズサァと後退。

観戦する伊丹はアニメや漫画風の台詞を吐いて興奮し、テュカは何の武器かと首を傾げ、レレイは博物館や人からの知識を元に考察、プロフェッサーはご明察だと褒める。

 

 

「プラネットシリーズ!? 完成していたのか!」

「巨大な魔法の杖?」

「凄い反動。 恐らく生身の人間が扱える、ギリギリ限界の武器と思われる」

「そうなるな。 それも鍛え抜かれた兵士でないと扱えない。 威力と貫通力はあるが、弾速の遅さが問題だ。 あと実戦配備を急いで、専用スコープの開発が間に合わなかったのが悔やまれる。 遠くの的に当てるのは難しいだろう。 それでもストーム1ならやり遂げそうだが」

 

 

会話の一方で飛翔していった超大口径弾は、火球を中央から粉々に砕く。

破片となった中小の火球が四方八方に飛び散り、周囲のビルに着弾、倒壊させていく中、弾丸は貫通力のままにハーディへと直進!

その様子はプライマーとの最終決戦で、敵が降らしてくる隕石攻撃を銃撃などで砕いて無力化しながら、その勢いで本体にも攻撃した時に似るかも知れない。

 

 

「流石はプラネット、星をも砕くって!?」

「イタミ、さっきから興奮しっぱなしね」

「アレは星……ではないと思う。 たぶん」

「……シミュレータで、あそこまでの動きや攻撃、表現をどう出力しているのか」

「ふぅん、流石はストーム1ねぇ」

 

 

ロゥリィが面白がる中。

寸分狂いなく、驚くハーディの顔面に着弾する大口径弾。

その質量や威力のままに吹き飛ばされた大空の先。 傷1つない顔を不機嫌に歪めながら、ストーム1に文句を言うハーディ。

 

 

「ッ、ひっどい男ね。 そんなデカい竿で顔射なんて、わたくしの美しさが台無しになっちゃうわ」

「当たる直前の顔からして、面白かったがな」

 

 

女性になんて事を、と思う者もいそうだが、仮想空間だしなんて事は無い。 やつも相当ヤバい事をしてきたし容赦する余裕もない。

悲しいけど、これも戦争なのよね。

 

 

「その余裕、崩してあげます」

 

 

今度は両手から光の弾を雨霰と乱射。

いつかの『かの者』のような攻撃が地上のストーム1に降り注ぎ、砂塵が舞に舞う。

その威力の暴風にビルがジェ◯ガのように次々と倒れ、隠れる場所が消えていく。

 

 

「隠れても無駄よ、みんな潰しちゃうもの」

「やってみろよ」

 

 

ストーム1は煽りも気にせずダッシュ移動、まだ残るビルからビルへ、瓦礫から瓦礫へと不規則に動いて撹乱を図る。

それは戦時、エイリアン歩兵に対して行われた戦法でもあった。

装備している軽量かつ丈夫な防具、ハイブリッドプロテクターの力もあって、かなり俊敏な動きだ。

 

 

「さすがストームさん、戦い慣れている」

「ちょこまかと、ッ!」

 

 

時々瓦礫の影から顔を覗かせ、原子光線銃プラネットブレイザーの熱線を浴びせてハーディを怯ませた。

 

 

「ブレイザー? いや高出力タイプ、それもプラネットの威力か!? 熱線が黄色じゃなく赤い、銃口周りも赤い波紋が出ている!」

「世界中の科学者が結集、最高性能の原子光線銃が完成した。 それが今使用されているプラネットブレイザーだ。

小型ながらEMCに匹敵する威力を持つ。 だがコストはEMCを上回る為、作られたのはごく僅かだ」

 

 

ストーム1は怯んだ隙に、バックパックから大きくて青い金属箱を何個も地面に放り投げた。

着地するや箱から銃身と四脚が生えると、即座に銃口が空中のハーディへ向いた刹那、眩いレーザー光線が放たれた!

 

 

「ZEブラスター! 人道的な見地から開発が中断されていたという最高性能の超兵器セントリーガン! それも完成していたのか!?」

「高性能のカメラと旋回力により敵を自動追尾、レーザーは目標を貫通し後続の敵にも当たる為、殲滅力が高い。 それでいて高度な安全装置を搭載しているから、味方には当たらない」

 

 

プロフェッサーがモニター越しの光で眼鏡を白くする中。

その高威力と旋回力はハーディを攻めに攻め、空中を飛び回ろうと執拗に当てにくる。

遮蔽物となるビルも、自分で壊してしまった為に隠れる場所が無い。

無防備で機動力が活かせない……リング撃墜作戦の最後の方、ビルが粗方壊れた後に投入され、ワイヤーアクションが出来ない高機動型アンドロイドかな?

 

 

「も〜! しつこいと嫌われますよ!」

「他にいなきゃ君しか見えない」

 

 

光線で眩く、視界も塞がれる。

プライマーにもそうした装備があって、多くの隊員を苦しめたが、今度はEDF側のストーム1がしているのだった。

シミュレータ内では弱体化しているハーディは堪らず、ストーム1と同じように地に足を付けた。

そして戦いは漸くと言うべきか、地上戦へと移り変わるのだった。

ストーム1は大型アサルトライフル、スレイドの銃口をハーディに向け。

ハーディはストーム1に手を翳す。

個人では浅くも異世界が繋がり出来た因縁、多くの犠牲の上に邂逅した今、その一片くらいは晴らさねば。

 

 

 

「熱烈な視線ね、遊んであげます」

「来いよ神様。 ぶっ飛ばしてやる」

 

 

神殺しの男は異界の神と対峙する───。




後書き
酷い当作だったかもですが、終わりが見えてきたような気がします
リアルがツライさんの中、形だけでも完結なるか否か。不安定ではありますが、もしお付き合い頂けたら幸いです
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