リアルで心身荒れていて、穏やかではない中
「EDF!」
地上に降りた神……ハーディに、ストーム1は怒りのフルオート吶喊。
至近距離で弾幕が浴びせていく。
異星文明の兵器の装甲を貫通する威力は、人相手なら過剰であるが───。
「熱烈歓迎ね」
ハーディは慌てない。
持ち得る超能力を行使。 目の前で空間が蜃気楼のように揺らいだと思えば、弾丸がその歪みに遮られて、ハーディの目前でへしゃげ落ちた。
「ルミナスシールド!?」
ウィングダイバーの独立装備の1つ、ルミナスシールドを想起させ、ストーム1はボヤく。
空間を壁状に歪曲させ、一時的に物理、光学兵器問わずに攻撃を防ぐ超技術。 それを敵が使っているとなると厄介である。
EDFはそんな物を開戦初期に実用化、運用していたが、プライマーはシールドベアラー等、常に展開出来る装備を使用、上をいっていた。
ハーディもだ。 かつての「かの者」のような原理不明の超能力者であり、空間歪曲もEDFの装備より長時間展開できている。
「そのままじっとしてるんだな」
しかし動揺の暇は無い。
ストーム1は歴戦の猛者故に対処法を瞬時に模索、即座に装備変更、ロケランのグラントMTZを構えてハーディの側面、地面に発射。
瞬時に弾頭が地面に接触、信管が作動して起爆すれば、熱風がハーディの横顔を吹き飛ばす。
隙間を狙ったかのような戦法は、シールド持ちのクルールやクラーケン相手のようでもあり。
「ッ! 全く、泥臭いわね!」
「だからどうした。 それが仕事だ」
吹き飛び、地面を転がるハーディに、ストーム1はスレイドを構えてフルオート追撃。
弾幕の勢いに押されて、更に奥へと転がされる無様を晒す。 空中被弾して吹き飛んでいく高機動型アンドロイドのよう。
「なんでここまで死なずに戦えるのかしら、不死身だとでも言うの?」
「不死身なんかじゃない、死ねない理由があるだけだ」
「ふーん? どんな理由?」
「地球人類を代表し、お前に1発喰らわせる」
刹那、有言実行とばかりにストーム1、単発の大型無反動砲ゴリアスZDMYを構えて発射。
その腕前のまま、小さな標的にも偏差射撃を行い、弾頭をハーディの腹部にめり込ませる。
「かはっ!?」
その刹那。
ドゴォンッッ!!
ハーディを中心に大爆発、炎上。
衝撃波が周囲の瓦礫を吹き飛ばす。 これが人間だったら木っ端微塵の即死級。
ゴリアスの強化型は伊達ではない。
だがしかし───。
「けほっ、けほ……ここまでなんてね」
爆炎の中、揺らめく声と人影。
純白のドレスは焼き爛れ、美しい顔立ちも血と泥に塗れている。
「バーチャル空間とはいえ、まだ無事とはな。 いい加減に死んでおけ」
ストーム1は攻撃の手を緩めない。
今度は連式ロケランの再設計型、デッド・ボルケーノを構えて20発全弾バースト発射。
バースト中、砲口を小刻みに変えて扇状に弾幕を張り、回避するスペースを無くして攻撃効果を高める。
「貴方こそ……でもね、人が神を裁こうなんて烏滸がましいと思わない? わたくしがいなくなれば、誰が死後の世界を、冥府を、人々の魂を管理するのかしらね?」
ハーディ、爆炎の海に沈みながらも、疑問をストーム1に投げ続けた。
ストーム1はスレイドで弾幕を張り、爆炎を切り裂きながら言った。
「神だとしても君達の所の神だ。 ましてや冥府を管理し、死者の安寧を担う者としながらも間接的に戦争を起こし、別世界である俺たちの地球と君らの世界、特地に被害を出した戦犯者だ。 地球人類には必要無い。 地球を生きた者を、人類を代表し、貴様を倒す!」
バババババッ!!
咆哮を上げながら、撃って撃って撃ち続ける!
「ストーム1……!」
その声は観戦者達だったのか、ハーディなのか。
きっと本人以外の全員だろう。
「うおおおおお!!」
英雄は、伝説は。
「ふふっ、わたくしの……」
今此処に健在だ。
「EDFッッ!!」
カチッ。
弾切れの音と共に、晴れる爆炎。
「完敗ですわ……」
そこには瓦礫の山の上に寝転がる、蜂の巣になった、けれど何処か憑き物が取れたように晴れやかな顔をした、ハーディがいるのだった。
MISSION COMPLETE!
「ザマァみろ」「死ね。 クソが」
マリスがいつかの暴言を祝福として送る。
アプデしても、根は「悪意」らしかった……。
・・・
「勝った……勝ったんだな、相棒」
「流石ストームさん。 溜飲がおりました」
プロフェッサーと伊丹が安堵する中、他の女性陣は驚愕と歓喜に包まれた。
「凄い戦いぶりだったわぁ! ハーディのヤツをあぁんなにボコボコにしてくれるなんてぇ痛烈爽快よぉ!」
「ストームさんって、本当に凄い人なのね」
「凄い……凄く、凄い……」
「イタリカの時は、本気では無かったのか?」
それぞれは戦いを見届け終わる。
個人的な決着はつけた。 後はそれぞれの場所に帰るだけである。
寂しさもあるが、一旦は幕を閉じねば。
しかし、ここまで影響を与え合った両世界。
完全に無かった事には出来ないだろうし、元の形に戻る事はないだろう。
だが、必ずしもそれが悪い事とは限らない。
もし悪い事が起きたとしても、きっと大丈夫。
その時は彼がいる。 EDFがいるのだから。
後書き
色々兵器を出したい気持ちはありましたが、この文章力で長引くのも良くないと思い。