ゲート、地球防衛軍、暫く戦えり   作:ハヤモ

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前書き
感想評価登録ありがとうございます
励みになります
低評価や批難含め己の糧とし、改善して邁進、これ以上の評価色の低下が無いよう、原作リスペクトをし努めたく思います
頑張っていくにもモチベがどこまで持つか。
EDFや原作要素を忘れずに入れていきます。

原作に合わせてイタリカ防衛戦→国会召集
の流れを考えていますが、まだ足踏み状態
遊撃班のストーム1がいますからね。先回りする展開も良いかなとも


7.始まる新生活

レレイは見た。

鎧を纏う者を。

 

EDFにも騎士がいるんだなと思った刹那、その者、家屋ほどはある巨大な箱を持ち上げては運搬し始めた故、レレイは驚愕した。

なんという怪力か。 それも1人や2人ではない。 あちこちにいる。

鎧の重さ故か動きは鈍重であるが、時々背中から青白い火を噴いて、空を飛んだり高速で移動する事もある。

どんな魔法か。 パワーがあり重装甲に高機動の騎士とは、帝国騎士団が霞んで見える。 オークとだって押し負けないに違いない。

 

伊丹は興奮気味に説明した。

 

 

「二刀装甲兵フェンサーだな。 鎧のような強化外骨格、パワードスケルトンの恩恵を受けて1トン以上の腕力がある。 最近のはアクチュエータの改良で更に性能が向上した。 生身の歩兵では持てない重火器を運用できる、歩く戦車といえる兵科だ。 グラビスも良いがアイア◯マンやアーマ◯ーコアみたいに格好良いフェンサーも良いんだよ、なんたって背面ブースターやスラスターで空を飛べるんだからな!」

 

 

レレイは見た。

空を飛ぶお姉さんを。

 

背中に光沢ある翼が生えている。

ハーピィのような種族だろうか。

手にはランスやレイピアに似た武器を持っている。 短時間しか飛翔できない様だが、空を飛べるというのはそれだけで優位性がある。

EDFは正しく理解し、男女問わず兵士として採用しているのだろう。

……なんか体がすれんだぁで肌がきめ細やかで綺麗で、出るところは出ていて、露出が多いえっちな服を着せられているし、背が高く見える"はいひぃる"を履いているけど。

けしからん。 私もいつかああなりたい。

 

倉田は少し鼻の下を伸ばして説明した。

 

 

「降下翼兵ウィングダイバーッス。 防御力は低いけど高威力高機動の装備で空を駆ける女性だけの特殊兵科ッスよ。 地形をある程度無視できて、立体的な戦闘ができるから、敵の不意をついたり偵察にも重宝されるッスね。 個人的には獣耳が生えていればなおヨシで。 あ、因みに栗林2等軍曹は背が足りないのとボインなせいでアレで、黒川2等軍曹は背の高さでグハァ!?」

 

 

レレイは見た。

大きな羽虫を従わせる者を。

 

虫はお腹に小さな杖を抱えていて、次には閃光を焚いた。 なんという事か。 まさかEDFの世界の虫は魔法を使えるというのか。

あいや違う。 兵士と同じ様な銃を使うのだ。 虫に見えるのも複雑なカラクリの1種か。 やはりEDFの技術力は驚愕に値する。

 

桑原は皺を深めて説明した。

 

 

「空爆誘導兵エアレイダーだ。 歩兵部隊に随伴、衛星やミサイル基地、空軍などに座標を伝達し前線を支援するのを仕事とする戦術兵。 彼等がいる事で乱戦時にも効果的な空爆が望める。 それらが整っていない特地では力を存分に発揮できないが、ああやって武装ドローンでカバーしている。 ハイカラな事は年寄りには分からんが、中々侮れないんだ」

 

 

どうやらEDFの兵士は多彩らしい。

離れた所では鋼の体を持つ巨人が動き、土木工事の手伝いをしていて、ある所では馬もナシに動く荷車が行き交う。

それにも様々な種類がいた。 ストーム1が教えてくれた大砲とやらを備えた、変わった車輪で動く乗り物もあった。 攻城用兵器だろうか。

 

レレイは賢者として知らぬ物を知らぬままにしたくなかった。 なにより好奇心が、知りたいと願う欲求が背中を押してくる。

 

ふと良い匂いがして釣られてみれば、かまど付きの車輪が見えた。

側では料理をしている古田がいる。 包丁で白くて丸い野菜の皮を、器用にくるくると回して剥いていた。

 

 

「まさか出店資金稼ぎに入隊したEDFでも包丁を振るう事になろうとはね。 日本料理が、俺の腕が特地に通じれば良いが」

 

 

昨日今日の腕ではないだろう。 古田は兵士でもあり料理人でもあるようだ。 EDFには本当に色んな人がいる。 見ず知らずの私達に皆優しく待遇も良く、それでいて学びが多い。

けれど学ぶ為には……。

 

 

「レレイか。 それは大根」

 

「だぁこん」

 

「だいこん。 根菜だよ。 日本の家庭だと味噌汁の具材にするのが定番かな。 あとはおでんとか、魚の煮付けと一緒にするとか」

 

 

彼等の言葉を、ニホンゴを学ばないと。

 

EDFとはホンニャクという魔法、いやカラクリである程度の意思疎通ができているけれど。

私達はそのカラクリを持たない。 だから語学から入らないと、学べる物も学び難い。

 

でもこれからの生活の問題もある。

多くは女子供に老人だ。 力仕事は難しい。

EDFは一時的に衣食住を与えてくれるけど、そうしてくれる内に自立しないといけない。

 

 

「取り敢えず仮設住宅のテントができたぞ! 倉田、みんなを呼んで……なんで顔がアンパン◯ンに!?」

 

「格闘勲章持ちのWACにタコ殴りっス」

 

「ナニしたんだよ……」

 

 

そういえば、ストーム1は何処だろう。

他の兵士より異彩を放つあの者は、つい先ほどまで伊丹と共にいた筈。

軍人である以上、様々な役割で忙殺される事もあるだろうし邪魔しては悪い。 無理に探すのはやめよう。

 

私達は伊丹と、女性2人……栗林と黒川に案内されるがまま天幕の下へ。

 

新しい人に新しい環境。 新しい生活。

みんなでこれからを相談しないと……。

 

 

「───お世話になりっぱなしね。 せめて生活費は自分達で何とかしたいけど、やっぱり丘の兵士達に身売りするしかないのかな……」

 

「炎龍の鱗、金策に剥いでおけば良かった」

 

「あの時も生きるのに必死だったから……」

 

 

エルフのテュカや周囲の女性は頬を赤らめ、けれど表情は暗く俯いた。

力の無い女子供に老人に怪我人ばかりとなれば、此方が差し出せる物なんてそれくらいしかない。

じゃが、とカトー老師が意見する。

 

 

「丘の周りには翼竜の死骸が転がっとる。 許可を貰って鱗を剥ごう。 鱗は貴重品じゃ、何枚も集めれば暫く生活費になる。 なんとか分けてくれれば……」

 

「良いのかな……」

 

 

自信なく口にするテュカ。

顔を見合わす女子供達。

 

それもそうだ。

翼竜の鱗は高値で売れる。 EDFの兵士達も欲しいはず。 そうでなくても倒したのは彼等だ。 所有権は向こうにある。

それでも勝手に剥ぎに行って、あのパパパーと音が鳴る杖にやられるかも知れないから、ちゃんと聞いてからの方が良い。

 

そして皆で話し合って、集団交渉となった。

身近な偉い人、伊丹を捕まえ掛け合うと。

 

 

「翼竜の鱗? 良いんじゃない、持っていって」

 

「なんと!? 好きにとっていいとな!?」

 

 

あっさり通った!

後で価値を見出されて、没収とかなったら嫌なので、その事も伝えたのだが。

 

 

「まぁ対空機関砲で蜂の巣になった後は、射撃訓練の的にしてるだけだし。 研究用のサンプルも回収済みだから今更でしょ。 自活に役立つなら幾らでも持ってちゃって」

 

 

そんな訳であっさりと許可が降りた。

EDF……どこまでお人好しなの。 恐ろしい人!

 

そうして私達は動ける人を総出して戦場跡地に繰り出し、鱗や爪などを剥ぎ取り、女子供老人で選別していった。

 

 

「この綺麗な鱗1枚でデナリ銀貨30枚から最高70枚になるの?」

 

 

いつの間にか様子を見に来たロゥリィ聖下が質問してきたので、私は答える。

 

 

「そう。 銀貨1枚で5日は暮らせる」

 

「フゥン。 じゃあ私達、大金持ちぃ?」

 

 

ゴクリ、と一同が喉を鳴らす。

でもちゃんとした場所で換金しないといけない。

大金の取引となれば、相応に大きい所じゃないとお互いに困ってしまうし、値下げされたり不正を働かれるかも知れない。

 

 

「鱗200枚、爪3本。 換金するにはちゃんとした大店(おおだな)に任せたい」

 

「まだ鱗は幾らでもあるからのぉ……おおそうじゃ、テッサリア街道の先にあるイタリカに旧い友の店がある。 いーでぃえふの人達に運んで貰おう!」

 

 

イタリカ……領内は大規模な穀倉地帯の、帝国にとって重要な食料供給地だ。

領主の趣味で、帝国領では珍しく亜人の使用人がいると聞く。 EDFの人達のようにお人好しではないにせよ、話は通じるかも知れない。

 

ただ、今帝国は多くの敗残兵を出した。

生き延びた者の一部は盗賊になったという。

 

……皆が未来に希望を持ち始めた中だ。

努めて顔や言葉にしないようにしたが、嫌な予感が拭えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本部からストーム1へ。 送れ』

 

 

とある戦場。

城壁の外、屍の山の上にて鼓膜が震える。

声を掛けられた男、ストーム1は無線を繋いだ。

 

 

「こちらストーム1。 現在盗賊と交戦中」

 

『ある程度で日本に撤退せよ。 勅命である、国会の証人召集に応じるようにとの事』

 

「いつだ?」

 

『時期は───』

 

 

刹那、飛翔してくる矢。

ストーム1、片手で叩き落とす。 蚊を落とす様に軽いノリで。

その様子に叫ぶ盗賊団。 憤慨、恐怖、精一杯の威嚇の咆哮。 "負け犬"の遠吠え。

 

 

「くそが! このバケモノめえええ!!」

 

「悪夢だ! 此奴1人に壊滅状態だと!?」

 

「死ね! 死ねぇ! さっさと死ねぇ!!」

 

『……激戦の様だな。 大丈夫か?』

 

「大丈夫だ問題無い。 国会には出来る限り遅刻しないようにすると首相達に伝えてくれ」

 

『了解……今、新たな連絡。 伊丹班がイタリカに向かう。 通信終わり』

 

 

ブツン。

それは通信が切れる音か、また1つの命が消された音か。 何にせよ続きが始まる。

彼が大筒……最終作戦仕様のロケラン、グラントMTXを構えれば、ドカンドカンと前方に爆発が起き、地面が盛り上がっては人命がブチブチとブチ切れる。

一方的だ。 圧倒的じゃないか我が軍は。 悲鳴を上げる暇も許されない。 ミンチより酷いや。

 

 

「伊丹君にまた助けられそうだな……イタリカ軍の諸君、そしてピニャ殿下、喜べ! 救援が向かっている! 持ち堪えて見せろ!」

 

 

城壁の上からボウガンやバリスタで戦う民兵並びにピニャ殿下率いる薔薇騎士団は、異界の英雄の声を聞く。

 

そして、その勇ましい背中を見て思った。

 

全部アイツ1人で良いんじゃないかな、と。




後書き
状況悪化次第で削除を考えています……
高評価登録感想、宜しくお願いします

古田さん、原作では開店資金を稼ぐ為に入隊したという異色の経歴。
当作的にはEDF6最終世界線におけるベース251での兵士の会話の中に、給料に惹かれて入隊した人がいること、同様の理由からか技師を休業して入隊した人がいること等から、古田さんみたいな人がいてもおかしくないかなとも。
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