すみません。
今回、文字数が多いですw
いつも不安定な文字数で申し訳ないと思っています。
謝罪はこの辺で…
それでは、どうぞ(○´∀`○)
side fuu
…クチャ…クチャ…クチャ…
私は汚らしく、音を立てながら殺したアラガミの肉を喰らっていた。そして、食事が終わったときに、遙か遠くでウロヴォロスがまるで、体のゴミを振り払うように荒ぶっている姿が見えた。どうでもいいことだが、私はウロヴォロスを喰べたことはない。いや、喰べたくないという気持ちが強い。ウロヴォロスの体は苔がついているので、人間の先入観というものが働いたのか、食欲が失せるのである。しかし、ウロヴォロスにしては珍しい動きをしているので、私は近づいてみることにした。
「あれは…ゴッドイーターか?…なっ!!」
ウロヴォロスはどうやら、この四人のゴッドイーターを振り払うためにあのような動きをしていたようだ。だが、その四人中三人は見たことのある顔だった。
「…真結…猫耳ちゃんに…缶バッジミーハー君…んっ?…紫の槍使いは初見だな…」
その男があの中では、ずば抜けて実践慣れしている様子だった。だが、余裕はあまり無さそうだ。そんな事を思っていた時、真結の体が宙に飛ばされた光景が目に入った。
「真結!!」
私は叫びながら駆けだした。真結は口から血を吐き出し、今すぐ動けそうな様子ではない。そんな状態の真結にトドメと言わんばかりにウロヴォロスの触手が襲いかかる。神機を杖代わりにして、立とうとしている真結がよろめきながら、呟いた。
「お姉ちゃんに…」
襲いかかるウロヴォロスの触手を忍者刀で切り裂きながら、私は真結に対して、笑顔で囁いた。
「私に何か用かな…真結?」
真結はまるで、幽霊でも見たような顔をしていた。
「真結を…助けにきた!!」
「…歩羽…お姉ちゃん…」
そして、私はウロヴォロスと対峙する。ウロヴォロスは懲りずに触手で攻撃してきたので、私はその触手を全て、忍者刀で切り落とした。
「遅い」
「すげぇ…」
缶バッジミーハー君の口から間の抜けた声が漏れていた。他のブラッドの隊員も私のことで、呆気をとられている様子だった。だが、私はそちらに気をとめずにウロヴォロスと対面する。私は今、かなり腹の居所が悪い。大好きな妹に怪我を負わせたのだ。いくら殺しても殺し足りない。あのウロヴォロスにどんな惨(むご)い死を与えようか、と考えながら私は忍者刀を向ける。
「…さぁ…私の妹をその醜い触手で殴った罪は重いぞ…サイズが大きいだけのアラガミが…図に乗るな!!」
怒りのこもった私の声をかき消しながら、ウロヴォロスはその巨体で突っ込んできた。
「歩羽お姉ちゃん!!危ない!!」
真結の注意の声に対して、私はそちら不敵に笑った。
「…真結…私のことを心配してくれるのは嬉しいけど…」
私は突っ込んできたウロヴォロスの複眼の前に飛び込む。
「…私は、そんなヤワじゃないよ…」
その一言と同時に、私はウロヴォロスの複眼部分を右手で殴りつける。
(…死ね…)
ウロヴォロスの体の至るところから血飛沫(ちしぶき)が立ちあがる。真結と別れた日に目覚めたこの力の前には、例えウロヴォロスだろうとなんだろうと無力である。ブラッドの連中は呆然としているのか、立ち尽くしている様子だった。
…ある一人を除いては…
「《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》!!」
「!!!」
紫の槍使いが私に対して、矛先を突き出してきた。私はそれを忍者刀で防いだ。
「ギル!!!…っ!!…ごほっ!!」
真結が声を上げるが、ウロヴォロスの攻撃が響いたのか、咳き込んでいた。
「真結!!」
「お前の相手は俺だ!!!ロミオ!!!ナナ!!!ぼっーとするなっ!!!早く真結の治療にあたれ!!!」
「あ…ああ!!」
「う、うん!!」
槍使いの声に我に返った缶バッジミーハー君と猫耳ちゃんは、慌ただしい様子で真結の治療をしている。
「…ねぇ…槍使いさんは…なんで私に攻撃してきたのか…なぁ!!」
「ぐっ!!」
力任せに忍者刀を振るい、槍使いの溝内に蹴りをいれた後、忍者刀の峰で払い飛ばした。
「…俺は…お前を…許さない…」
「はぁ?」
途切れ途切れに聞こえる槍使いの声の意味に、私は理解できずに間抜けな声を漏らす。
「俺は…“彼女”の命を奪った…お前を…お前の事を許さない!!」
“彼女”という単語で目の前にいる槍使いが三年前に知り合いになった男であることを思い出した。
「なっ…そうか…お前…ケイトがいた支部の…」
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
槍使い…いや、ギルバート・マクレインは、迷いのない一突きを私に放つ。だが、私は忍者刀で槍をはたき落とす。その後、彼の後ろに回り込み、忍者刀の柄で強力な衝撃を首に与えた。
「…かはっ…」
意識を失ったギルバートはこの場に倒れた。
「ギル!!」
「…殺してはいない…気絶させただけだ…」
真結を安心させるために、私は彼の安否が確かであることを伝える。
「よかった…ごほっ!!!…ごほっ!!!」
「真結ちゃん!!!…まだ動いちゃ駄目だよ!!!」
無理やり起きあがろうとする真結を、猫耳ちゃんを注意する。
「クソっ!!!…回復錠をいくつ飲ませても治らねぇ!!」
缶バッジミーハー君はアイテムポーチみたいなバックからたくさんの回復錠を真結に飲ませていたが、真結の吐血は全然治まらなかった。
「そこどけ!!!」
私は缶バッジミーハー君と猫耳ちゃんをどかして、真結に駆け寄る。
「…お姉ちゃん…」
「真結は喋らないで!!!…お姉ちゃんが治してあげるから!!!」
私は左手を真結の腹部に当てる。
(あまり、使いたくないけど…やむを得ない…)
私は、“力”を使った。この“力”を使うのは、あのユノという少女の時以来だ。
(情報解析…大腸、小腸その他複数の臓器に異常あり…再構築…)
この“力”は私だから使えるものである。そして、私の左手は赤く光り出す。
「真結…もう大丈夫だよ…」
「…痛く…なくなっている?…すごい…さっきまで喋るだけでも、つらかったのに…」
真結は驚いた顔で自身の腹部をさする。
「…何が…起きたの…」
「…あれほど回復錠を使っても治らなかった怪我を治した…だと…」
猫耳ちゃんと缶バッジミーハー君は絶句しているようだった。
「ねぇ、お姉ちゃん…さっきので…ユノの怪我を治したの…」
「うん、そうだけど…!!…そういえば…ユノは!!…生きているの!!」
真結からもしかしたら私が殺してしまったであろう少女の名前を聞き、私は真結に問い詰める。
「ユノは無事だよ」
「…よかった…」
私は真結からその言葉を聞き、安堵した。だが、それと同時に私は墓穴を掘ってしまった。
「けど、なんでユノにあんなことをしたの?」
「…?…あんなことって?」
「なんで、お姉ちゃんは、ユノの首をペロペロと舐めていたの?」
「…はっ?…」
真結の言葉に思考が停止する。
(首をペロペロ…知り合って間もない女の子に?…私が?…えっ?…)
私の混乱している様子を見て、真結はため息をつきながら、あの時の私の状況を丁寧に教えてくれた。
「…お姉ちゃんは…何者なの?…」
「!!…それは…」
真結は私のうろたえる様子にお構いなしにどんどんと問い詰める。
「ちゃんと教えてよ!!…お姉ちゃんのこと…」
「…真結…」
悲しそうな目で見つめる真結に私は自身のことを話す決心をした。
「いいよ…真結…私は、実のところ…自分がどういう存在であるか…把握仕切れていない…分かっていることは二つ…人間にはできないことを可能にする“力”を持っていること…」
「…人間にはできないことを可能にする“力”…」
「ええ、さっきのウロヴォロスをバラバラにしたのは、あいつのアラガミ細胞を『分解』したから…そして、真結やユノの怪我は、原因を『解析』して修復すべき細胞を『再構築』したから…」
「…それってもう…」
「ええ、まさに『魔法』と言っても過言じゃないわ…まぁ…条件があるんだけど…」
「条件?」
(口がすべったな…流石にこれは、言えないな…)
例え妹であろうと、今やゴッドイーターの一員である。これを知られると対策をとられかねない。それは好ましくないと思い、話題を逸らした。
「まぁ、それは置いといて…もう一つは…理性を失ったアラガミとしての私が…私の中にいるの…」
「…アラガミとしてのお姉ちゃん…それって…」
「そう…真結の話に出てきた…ユノの首をペロペロと舐めていた私のことよ…」
(…自分で言っていて恥ずかしいな…)
そう思いながらも、私は説明を続けた。
「その時は、それだけでよかったかもしれないけど…アラガミとしての私は、ただの化け物…意識を取り戻した時は、アラガミ達の血の海が作り、汚らしい血肉を喰らっているのが、大抵よ…」
私の話を聞いていた真結が、申し訳無さそうに暗い顔をしていた。
「お姉ちゃんは、つらい思いをして…いるんだね…」
今にも泣きそうな様子の真結の頭を、私は右手で撫でた。
「私はそんなにつらくないよ…こうして、真結の…最愛の妹の頭を撫でることができたのだから…」
「歩羽…お姉ちゃん!!…うわぁぁぁぁ!!!」
真結は叫びながら、私に抱きついた。私も真結の腰に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめる。
「私は、アラガミとしての私をおさえられていない…もしかしたら、おさえることは無理なのかもしれない…もしかしたら、次、意識を奪われた時には、二度と人としての理性を取り戻さずに、人を殺してしまうかもしれない…その時は…真結…あなたが…」
私はさらに強く抱きしめる。
「…私を殺して…」
「嫌!!」
思っていたより、早くに拒否られた。涙を浮かべながらも、真結は私に宣言する。
「そうなった時は、どんな手を使っても、お姉ちゃんを元に戻す!!…歩羽お姉ちゃんは、私のお姉ちゃんだから!!…ノルンでは、アラガミとして扱われているお姉ちゃんだけど…」
真結は、私を抱きしめた両手を放し、自分の神機を手に取る。
「私は、お姉ちゃんをアラガミとは思わない!!」
「…真結…」
「…お姉ちゃんは…神奈 歩羽は私の…神奈 真結の…お姉ちゃんだから…」
そして、真結は私に神機の銃口を私に向ける。
「…今は実力不足かもしれないけど…いつか、お姉ちゃんの中にいる“アラガミ”の意識を殺して…ノルンにお姉ちゃんが“人間”であることを認めさせる!!」
「ふっ…ふふっ…ははっ!!」
私は真結の言っていることが、あまりに可笑しくて、そして、温かさと優しさが詰まっていたので、大笑いした。
「な、何…私は、本気だからね!!!」
「ふふっ…楽しみに待っているよ…それに、お仲間のイケメンバナナ君も来たみたいだしね…」
「えっ?」
真結は驚いて後ろを振り向く。私達が抱きしめあっていた時に、イケメンバナナ君が到着した。私達が話している間に、意識を失っているギルバートのことや私達の事を、缶バッジミーハー君に事情を聞いていたようだ。
「そういえば、お姉ちゃん…ギルと知り合いなの?」
「ギル?…ああ…ギルバートの事か…まぁ、一応…」
確かに知り合いである。しかし、親しい知り合いではなかった。彼は友達の夫の友達であって、私とあまり顔をあわせたことはなかった。
「ギルと…何があったの?」
私は黙り込んだ。これは、人に話すような内容ではないと思った。それが、妹で会ったとしても。
「それは…ギルバート本人から聞いて頂戴…それじゃ、私はトンズラするね…」
「えっ…待って!!…お姉ちゃ…」
私は言葉を最後までに聞かずに走り去った。
(それにしても…ノルンに私を“人間”と認めさせる…か…)
…妹とは恐ろしいものだ…私がアラガミではないと言うのだから…こんな力を持つ私が人間であるはずがない。この時の私は、そう思っていたのだった。
…この時までは…
side out…
どうでしたか?
伏線まがいなものを結構立てました。
フラグ建築って大変だと思いましたw
これからどうなるんでしょうね。
ほぼ勢いで書いていますからw
次回、あの人が登場!!
…あの人が…
感想、誤字脱字の報告、お待ちしております。
それでは、次回お会いしましょう。