神の姉と神喰の妹   作:fruttiano

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どうも、fruttianoです。

今回の話を見る前に、言わせていただきます。

「私の事を嫌いになっても…
モンゴルの事を嫌いにならないで下さい!!」

こんな事を言う理由は話読めば分かります。

それでは、どーぞf(^_^)


Episode18

side fuu

 

とりあえず、この近くのフェンリルの地方支部にきた。建物の看板には、フェンリルモンゴル支部と書いてある。地方支部でも建物はかなり大きく、警備も厳重そうである。

 

「へぇ~この辺りはモンゴルなのか、なら、私の故郷と近いな?」

 

「えっ、そうなの?」

 

私が敵意が無いのを、理解したのか、少女はやっと普通に話しかけてくれた。

 

「うん、私、極東の生まれだから…ほら、早くここの局員を呼んだら?」

 

「う、うん」

 

少女は門についていたインターフォンを押す。

 

『もしもし、どちら様ですか?』

 

そして、事務局員の人の声がインターフォンの向こうから聞こえてきた。

 

「…あ、あの、えっと…その…」

 

少女はなかなか言い出せずにいた。

 

『君、子供?何、イタズラなら、切りますけど…』

 

「《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》を捕まえました!!!」

 

追い返される前に要件を伝える。その後にインターフォンから複数の笑い声が聞こえた。

 

『君~いたずらならもっと、マシな嘘をつきなさい』

 

「う、嘘じゃ…ないもん…」

 

(…そろそろ助け舟をだすか…)

 

「もしもし~」

 

『ん?保護者の方ですか?』

 

「いえ、あなた達が総称している《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》です」

 

『あらあら、保護者の方まで悪乗りしちゃったんですかぁ?』

 

(まぁ、普通、《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》がこんなところに来るなんて考えないだろうし、仕方ないか…)

 

「まぁ、インターフォン越しじゃ信じてもらえないので、信じていただけるように今から、面白いモノを見せてあげます」

 

『面白いモノ?』

 

「はい、そのためにこちらにきてもらってもいいですか?」

 

『まぁ、事務仕事は終わってやることがないからいいが…分かった…すぐにそちらに行きましょう』

 

 

しばらくすると、20代ぐらいの中肉中背の男がでてきた。

 

「お待たせしました」

 

インターフォンの声から、先程、会話していた男で間違い無さそうだ。男は私とフェンリル御用達タブレット端末に写っていた私の写真を見比べながら話し続けた

 

「…確かにノルンに載っている顔写真と瓜二つとは思いますけど…こんな所に《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》がいるはずがないし…やっぱりイタズラですよね~」

 

「い、イタズラじゃないもん!!」

 

少女は必死に否定する。せっかく私を捕まえたと思ったのにイタズラ扱いされて、今にも泣きそうである。

 

「ほらほら~泣かないでねぇ~保護者の方を困らせたら駄目じゃないかぁ~あっ、それで、面白いモノとは?」

 

男は私の方に振り向いた。

 

「はっ?」

 

「いや、あなたが面白いモノを見せてくれると言ったから来たんですよ?局員の私をここまでこさせて何もない…なんて事は無いですよね?もし、ないのならば、公務執行妨害で訴えてやる!!」

 

その時、私はハッとなった。

 

(私に人権って、あるのかな…)

 

それはともかく、少女が心配そうに私を見ている。私は少女の頭をそっと撫でながら言った。

 

「大丈夫だよ…心配しなくて…」

 

「…うん…」

 

少女は小さく返事をする。

 

「あっ、それと私がいいって言うまで目を閉じた方がいいよ」

 

「えっ、なんで?」

 

「いいから…悲鳴とか奇声とかが聞こえても絶対に目を開けちゃ駄目だよ」

 

「う、うん…」

 

私は酷く念押しした。それはこれから最低な“魔法”を使うからだ。

そして、私はゆっくりと男に近づいていく。

 

「それでは宣言通りに見せてあげますよ…」

 

最低最悪の魔法。

 

私は男の肩を軽く触れる。そして、その“魔法”の名を明かす。

 

「 洋服崩壊(ドレス・ブレイク)」

 

私はそれを口にした後、指を鳴らす。その刹那、男の着ていた服は木っ端みじんに弾け飛んだ。

 

「…へっ?…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

説明しよう。

洋服崩壊(ドレス・ブレイク)とは、『分解』の概念を布地だけを対象とした魔法である。対象にふれる事が条件であり、指を鳴らす事を合図に相手の衣服のみを『分解』する効果が発動する。相手に精神的ダメージを与えるには持ってこいの最低最悪な魔法である。

 

パンツだけを残したのは私の良心だ。というか、汚らわしいモノを見る気など、私には無い。

 

「信じていただけましたか?」

 

「あ、ああ!!!分かった!!!…だが、よかったよ…」

 

「ん?…よかった?」

 

男の言っている事がよく分からない。

 

(パンツ一丁の姿にされてよかった…なんてことは有り得ないか…)

 

「…本物だった時のために備えていて…」

 

「!!!」

 

物陰からぞろぞろと神機をもったゴッドイーター達が私と少女とその妹の周りを囲みこんだ。ざっと20人くらいいるだろう。

 

「今いるフェンリルモンゴル支部のゴッドイーター達だ!!!流石に《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》といえども、この数囲まれたならば、勝てないだろう」

 

「そうかな?…無理だと思うよ?」

 

私の言葉にゴッドイーター達は、怒りを爆発させて神機を振り回す。剣の太刀筋を見切り、私は腰に収めていた忍者刀に手をかける。

 

「隙だらけ」

 

私の居合いは一線を描いた。その一振りで三人も倒れた。あくまで峰打ちだ。しかし、確実に急所をついたので気絶しているだろう。

 

「まだやるの?」

 

私がそう問いかけた時だった。

私に洋服崩壊(ドレス・ブレイク)された男が物陰からスナイパーの銃口をこちらに向けている姿が目に入った。

 

「なるほど…こっち(ゴッドイーター達)は囮か…」

 

周りのゴッドイーター達を倒している(殺してはいない)間に、私を狙い撃つようだが、神機でもないただのスナイパーなら余裕で見切れる。

 

…ただし、その標的(マト)は私ではなかった…

 

銃声は高らかに鳴り響く。銃弾は私の立ち位置とかけ離れた少女とその妹の腹部を貫いた。

 

「…えっ…」

 

私は、思わず声を漏らし、その光景に目を丸くした。周りのゴッドイーター達を全て蹴散らし、すぐに二人のそばに駆け寄る。どちらも瞳孔が開いたまま、仰向けの状態で重なるように倒れていた。

 

「ど、どうした!!《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》!!怖じ気付いたのか!!!?」

 

「どうして…」

 

「あぁん?」

 

「どうして…あの少女達を殺した!!!」

 

「どうしてって…そりゃぁ…」

 

男は間を少しおきながら言葉を続けた。

 

「だって、あいつら、黒蛛病持ちだろ?そんな後先短い奴に金をやるくらいなら他のことに使った方が人類のためだろ?」

 

「腐ってる…」

 

「まぁ、接触禁忌種扱いされてる魔女をここまで連れてきてくれたのだから、キューピットくらいには思っているよ…それより、自分の心配した方がいいんじゃないか?出てこい!!」

 

男の合図と共に人型のロボットのような物体が三体ほど姿を現した。

 

「なんだ、コイツは…」

 

「こいつは神機兵というものでな…知り合いのクジョウと言う男から送られてきた代物だ。テスト段階ではあるが、無人で動かすことも出来る新たな人類の兵器だ!…《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》を殺すことに成功すれば神機兵は大量生産され、私はその功績を讃えられる。超エリートの道を歩くことができるのだ!!」

 

「…くだらない…」

 

「なんだと?」

 

「くだらない!!…エリートの道とか…神機兵とか…そんなのはどうでもいい…お前みたいなクズ野郎を…私は許さない!!」

 

「言ってくれるな…ヤレ!!!…神機兵ども!!!」

 

神機兵はぴょんぴょん跳びながら、こちらに向かいだした。これが機械だけで出来ているのならば、確かに凄いとは思う。しかし、移動の仕方が人よりも無駄がある。察するに、重い巨体を速く動かすためにはそれしかなかったらしい。

 

「…舐めてんのか…」

 

一言で言えば、相手にならなかった。私は忍者刀で三体の神機兵の体を、上半身と下半身がキレイに半分に切り裂いた。

 

「…そ、そんな…馬鹿な…」

 

私はゆっくりと男のいる方向に歩き出す。

 

「く、来るなぁ!!!こ、来ないでくれ!!!」

 

恐怖ゆえか、男の足はガクガクと震え上がり、歩くことがままならずにいた。

私は黙ったまま、男の右の頬を殴った。

本気では殴ってはいない。本気で殴れば殺してしまう。

 

「殺さないから安心しろ…お前がその口から殺してください、と言わない限り…なぁ!!!」

 

「ごはっ!!!」

 

次にわき腹に蹴りを入れる。男の口から汚らしい胃液が吐き出される。

 

「あぅ…あ、あぁ…こ、こほぉ…しれぇ…くらぁ…さぁい…」

 

「ハッキリ言え!!」

 

激痛のために満足に言葉が話せない男の襟首を掴み、締め上げる。

 

「殺して…ください!!」

 

鼻水、ヨダレ、涙、汗で男の顔はグシャグシャに汚れていた。

 

「そうか…」

 

私は一言呟き、拳を振り上げると、「ひ、ひぃ!!!」と短い悲鳴を男は上げる。

あまりにも情けなさすぎて、私は呆れかえって、襟首を掴んでいた手を離した。

 

「殺す価値もない」

 

私はそう言い捨てた後、少女達の死体に駆け寄る。

 

「…ゴメンね…」

 

少女達の死体に語りかける。

だが、死体に私を慰めることも、責め立てることも出来ない。

 

(…この姉妹はどんな気持ちで生きてきたのか…)

 

私には想像がつかない。

しかし、姉である少女の気持ちだけは分かった。

 

(妹に生きて欲しい…と、そう願ったんだよね?)

 

そして、私は死体に語り出す。

 

「…あのね…私も…お姉ちゃんなんだ…」

 

知らず知らずに私は涙を流し始めていた。

 

「…私も…あなたみたいな…お姉ちゃんに…なれたら…いいな…」

 

妹のために藁にもすがるほどの意志の強さ。

私という相手に怯まずに対話した度胸。

 

(これが…本当の強さ…意志の力…なんだ…私は…私には…あるのかな…この子のような強さ…)

 

私は少女達の死体を土に埋めて、近くの花をそこに添えて立ち去った。

 

side out…

 




どうでしたか?

危なく前書きのモンゴルの下りを書かずに出そうとしてました(汗)

そのまま出したら、心の中にいるナナちゃんに…

「作中に出てきたモンゴル支部のイメージ…全部払拭しないと…このままじゃ、今のモンゴルがまるで悪いみたいになっちゃうじゃん」

「や、やべぇ!!!」

そう思って書きました。

一応、書いて置きます。

この作品はフィクションです。
実際の人物、団体、事件などにいっさい関係ありません。

ここまで書けば大丈夫!!…多分…

モンゴルはいいとして…

…今回の話、かなり重っ(空気が)…

彼女達が最後、どんな事を思って死んだのか…

そんな事は、歩羽も、作者の私も知りません。

当たり前の事ですが…

だって、それは、その彼女達の心の中にあるものですから…

また、後書き、長くなってしまい、すみません(^_^;

感想、誤字脱字の報告、お待ちしております。

それでは、次回お会いしましょう。
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