しばらくぶりです。
投稿を待っていた方々、更新が遅れてしまってすみません。
それでは、どうぞ( ・∀・)つ
side mayu
私が目覚めた時、視界に移ったのはラケル博士の姿だった。
「…ここ…は…?…」
「私の部屋よ」
「ラケル博士の?…なんで…私…」
「あら、思い出せないのかしら?」
ラケル博士にそう言われ、自分の頭の中を整理する。
(…確か…新種のアラガミが現れて…あれ…それから…どうなったっけ…)
少し混乱している私の様子を見て、微笑しながらラケル博士は話しかける。
「混乱しているようね…コレをご覧なさい」
そう言ってラケル博士は、モニターを指差した。
「これは…!」
そのモニターには私とあの時対峙した新種のアラガミの姿が映し出されていた。
「あなたが遭遇したアラガミ…“マルドゥーク”は暫定的に《感応種》の呼ばれています…」
「…感応種…」
前に歩羽お姉ちゃんが自分で感応種であることを言っていたことを思い出した。
「《感応種》は強い《感応現象》によって他のアラガミを支配しようとすることが分かっています…オラクル細胞を持つ神機も言わばアラガミの一種…エミールさんの神機が動かなくなったのはそのためです」
「感応現象?」
「《感応現象》はオラクル細胞同士が互いに影響を与え合う現象のことです…あなた方、神機使い同士や神機そのもの…そして、アラガミとの間でそれぞれ起こりえます…《血の力》も《感応現象》の一種です…《血の力》が《感応種》に対抗できるというのはまだ仮説だったのですが…フフッ…図らずも貴方がそれを証明してくださったのですね」
それまで同じ口調で話していたラケル博士が急に不適な笑みをし始めた。とりあえず今までの話の中で引っかかる点があったので、私は質問した。
「えっと…あの…もし…もしですよ…ラケル博士の仮説が間違っていて…私の神機が動かなかったら…?」
「…今頃、マルドゥークの腹部の中かしら…」
(結構危険な事、したんだな…私)
「まぁ、それはともかくとして…」
そう言いながら、ラケル博士は私に近づいてきた。
「…あなたは“呼び水”になる存在なのです」
「呼び水?」
ラケル博士の言っている事がいまいち理解できない私は聞き返した。
「あなたの血の力は他者に変化を与える媒体となる力があります」
「他者に…変化?」
「ええ…あなたの血の力が、他の者の潜在能力を呼び起こす…“喚起”能力を持っているようです」
「喚起…」
「フフ……とても素晴らしい能力です、もしかしたら…あなたの力が強まれば、数多くの者が新たな力に目覚める可能性もあるかもしれませんね」
ラケル博士は私に分かりやすく、饒舌に語ってくれた。
「貴方の《血の力》をもってあまねく神機使いを…ひいては救いを待つ人々を導いてあげてくださいね…」
そして、私の手を握り、微笑んだ。
「はい!」
「あっ…それと…これを…」
すると、ラケル博士から手紙を渡された。
「なんですか?…これ?」
「エミールさんからの置き手紙です…貴方が起きたら渡して欲しいと言われましたから…」
「え、エミールからの…どれどれ…」
エミールの手紙には次のように書かれていた。
神奈 真結殿へ
急遽、極東支部に戻らなくてはいけなくなり、このような形で言葉を伝えることになった無礼を許してほしい。
君には大きな借りができた。
まず、礼を言わせてくれ。
そして、なによりあの力…
君こそが世界を包む闇を払う剣なのかもしれない。
…だが…
ライバルとしてすぐに君に追いついてみせよう。
次にあった時、お互いの研鑽の成果を見せ合おうじゃないか。
我が友よ。
エミールより
私は全てを見た後にラケル博士に聞いた。
「…ラケル博士…とりあえず、ゴミ箱はどこですか?」
その後、私がエミールからの手紙がゴミ箱に投げ捨てて、ブラッド制服に着替えるのは言うまでもない。
ラケル博士の部屋から出ると、ブラッド全員がすぐそこに立っていた。どうやら、私のことを待っていたらしい。
「ナナとロミオさんはともかく、ジュリウス隊長とギルもいるのは驚きだね」
「俺は自分の部隊の隊員のことを心配しない隊長ではない」
「驚きって…俺のこと、どう思っているんだが…」
ジュリウス隊長とギルが同時に愚痴をこぼしている様子があまりにもおかしくて私を含む三人は大笑いした。ジュリウス隊長は苦笑しているだけだったが、ギルが私に釘を刺すように苦言してきた。
「真結…結果としてみんな無事だったのはいいが…あまり無理はするなよ?」
「あ、うん」
「それから、ロミオ」
「な、なんだよ…」
ギルはゆっくりロミオさんに近付いて頭を下げた。
「この前はいきなり殴って…すまなかった…」
その様子にロミオさんだけではなくナナやジュリウス隊長も驚いている様子だった。ロミオさんが言葉を返す間もなくして、ギルは立ち去っていった。
「えっ、なになに?仲直り?」
ナナはどことなく嬉しそうに私に話しかけ、ジュリウス隊長も微笑ながら庭園に向かっていった。ロミオさんは未だにギルの言葉を素直に受け入れられずに混乱して立ち尽くしていた。
side out…
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それでは、次回お会いしましょう