早くやりたいです!!
side mayu
現在、私は訓練真っ最中である。
クロガネ系統のロングブレード、アサルト、シールドで私の神機は統一されている。
まず、アサルトでしっかり標準を合わせてダミーアラガミに当てる。ひるんだところをアサルトからロングブレードに変形。捕食機能(プレデターモード)にして、喰らう。そして、バースト状態になることで攻撃力がさらに上昇し、さらに追撃をし、ダミーアラガミに反撃を許さずに倒した。
「訓練終了だ。驚いた。全ての訓練をSSS+の成果をあげるとは…これならすぐに実践に移っても良さそうだ…」
「ありがとうございます」
ジュリウス隊長の言葉に含まれていた“すぐに実践に移れる”という部分に私は嬉しくなった。
(戦場なら、居住区管轄外なら任務のついでにお姉ちゃんを探すことができる)
そう思いながら、私は訓練場を後にした。
ロビーに行くと、もしゃもしゃと何かを食べている少女が座っていた。
「あ、お疲れ様~」
黒い髪に三カ所のつむじを象徴するかのようにとめられた黄色のヘアピン。
そして頭からは獣耳が生えているような髪型の不思議な少女だった。
見たところ私と同年代あたりだろう。すると、その少女が話しかけてきた。
「君もブラッドの新入生…じゃなくて、新入りの人だよね?」
「うん、そうだよ」
私は二つ返事で答える。
「私は香月ナナ。ブラッドの新入りです!よろしくね~」
「うん、よろしく、私は神奈 真結」
「真結ちゃんかぁ…あ!!そうだ!!お近づきのしるしに…」
ナナはそう言って近くの袋から何かを引っ張り出した。
「はい、どうぞ!!」
「…えっ…」
ナナから渡されたものはパンに、大根、こんにゃく、ゆで卵などを串で刺して挟んだ食べ物だった。
「えっ…と、これなに?」
「おでんパンだよ」
「おでんパン?」
(たしか極東地域の郷土料理に…おでん…なんてものがあったような…)
すると、ナナは自分用に袋からもう一つおでんパンなるものを取り出し、食べはじめる。もしゃもしゃという音に混じってバキバキと串を折るような音が聞こえてきた。
…そう、バキバキと…
「えっ…と、もしかして、これって串も食べるの?」
「えっ?なに、当たり前のこといっているの?」
「当たり前…なのか」
そうつぶやきながら食べるとおでんパン自体はかなりおいしかった。問題の串は少し硬かったがコンソメのような味付けがされ、絶妙な味のハーモニーを醸し出していた。
「…おいしい…」
「そうでしょ!!」
ナナが嬉しそうにその場で飛び跳ねていた。すると、その時…
「ふっふ~♪」
金髪で帽子や服に数個の缶バッチをつけている少年が鼻歌を歌いながらこちらに向かってきた。
「…あれ?…見ない顔だね、君ら」
「「こんにちは」」
私とナナは少年に挨拶した。
「あっ、ちょっとして、噂の新人さん!?」
少年は私とナナを嬉しそうな顔をしながら、指差した。どうやら、今の彼の口振りからすると、私とナナの先輩に当たる人物のようだ。
「はい、これからお世話になります、先輩!」
ナナにつられながら、私もお辞儀をした。
「先輩…いいね!…なんか、いい響き…!」
先輩というワードにかなり過剰に反応するロミオ先輩。
「よし、俺はロミオっていうんだ!…先輩が何でも教えてやるから、何でも聞いてくれ!…あ、その前言っておく!ブラッドは甘くないぞ、覚悟しておけよ!」
と、ロミオ先輩は注意を促す。私はそのお言葉に甘えさせて、適合試験前から思っていた疑問をぶつけることにした。
「ブラッドって何ですか?」
私は質問をロミオ先輩に投げかける。
「お、おぉ…い、いい質問だね!」
ロミオ先輩は決まりが悪そうに答え始めた。
「…う~ん、そうだなぁ…ブラッドは…えっと、血の力を秘めていて…そう!血の力に目覚めると…必殺技が使えるんだ!…うちの隊長なんてすごいんだぜ?どんなアラガミだって、ズバーン、ドバーンって、倒しちまうんだからな!」
(必殺技?なんだそれ?)
私がそんなことを思っていると、今度はナナが目をキラキラさせてロミオ先輩に質問した。
「すごーい!じゃあ、ロミオ先輩の必殺技ってどんな感じなんですか?」
すると、ロミオ先輩は…
「ば、バッカ、お前、ほら…必殺技ってのはさ、そんな、すぐに手に入るもんじゃないんだよ…あ、そうだ!…今みたいな質問は、ブラッドを設立したラケル博士に、どんどん聞けばイイと思うな!」
すると、ロミオ先輩が立ち上がる。
「じゃ、またな!」
頭に両手を組みながら、早歩きでその場を立ち去っていった。
「あれ、質問タイム、もう終わり?…なんか、マズイこと聞いちゃったかなぁ~?」
ナナはそう呟くと、ジュリウス隊長がこちらに向かってきた。
「真結、ナナ、これから実地訓練に移ろうと思う。戦闘をする準備が出来次第、指定された場所に来てくれ」
「「了解」」
「ては、俺は先に現地に向かうぞ」
そう言って、ジュリウス隊長はロビーから去っていった。
現地に着くと、ジュリウス隊長は端末に向かって謝罪の言葉を述べていた。
「…分かった…次はそうする…では、切るぞ…きたか…」
私とナナはジュリウス隊長に向かい、敬礼する。
「フェンリル極致化技術開発局ブラッド所属第二期候補生2名到着しましたぁ!」
ジュリウス隊長がこちらを振り向く。
「それでは今より実地訓練を始める」
そして、崖下にいる標的を指差した。
「…見ろ…あれが俺達人類の敵である“アラガミ”だ、手段は問わない…完膚なきまで倒せ」
…少し静寂が場を支配した後…
「え、えっと……あの、隊長?」
ナナが驚きながら、質問する。
「何だ?」
「実地訓練って……実戦ですか?」
控えめなナナの声が、場に響く。
「お前達が実力を発揮できさえすれば、問題になるような相手じゃない、いいな」
すると、オウガテイルが崖をよじ登り、口を大きく開き、ある一点に突っ込む。その方向にナナがいることに気づき、私はナナを庇うために抱きつくように体を覆い被さる。
…くるはずの激痛がないため、後ろを振り向くと、ジュリウス隊長が腕を伸ばし、オウガテイルの牙に臆せずに噛みつかれていた。普通の人間ならば噛み千切られるがゴッドイーターは投与されたアラガミ因子のお陰でかなり肉体を強化されている。
「…ふっ…」
ジュリウス隊長は笑いながら神機をアサルトからロングブレードに変形させる。
「せいやぁっ!!」
その刹那、ロングブレードでオウガテイルを凪払う。オウガテイルは的確に急所を突かれたようで絶命している。
「古来から人間は強大な敵と対峙し…常にそれを退けてきた…共闘し…連携し…助け合う技術と戦術…人という群れを一つにする強い意志の力…意志こそが俺達人間に与えられた最大の武器なんだ…それを忘れるな」
ジュリウス隊長の言葉に私とナナは頷いた。
「時間だ、いくぞ」
…そして私の初陣が始まった…
side out…
side fuu
…ついに…
…完成した…
「…私の玩具(おもちゃ)が…」
…私が玩具(おもちゃ)と呼ぶ代物は刀…
…ただの刀ではない…
…アラガミ素材からできた刀だ…
…つまり、ゴッドイーターが使う神機同様にオラクル細胞を断ち切ることができる…
…しかし、神機と同様のものを、年端のいかない私が作れるハズがない…
…と、思うだろう…
…だが、作れるのだ、ちゃんとした裏づけもある…
…妹と離れてから数十日後経ったある日…
…放浪していた私はある建物にたどり着いた…
…当時は看板の字すら読めなかったが今は読める…
…東京大学図書館…
…アラガミがまだ発見されていなかった頃、最難関とされていた大学の図書館…
…不思議なことにアラガミに侵入された痕跡はあったが、内部は当時の状態を保っていた…
…私はそこにある“全て”の本を読んで覚えた…
…そう…“全て”…
…人ならざる“学習”能力もあったゆえに…
…さて、話がそれたので本題に戻そう…
…この刀についてだ…
まず、スサノオを大量に殺す。その後、スサノオが使っている神機を居住区外にあるまだ電線が生きている研究所みたいな所で構造を調べる。そこからどのような素材を使えば、理想の神機なるものを作れるかを自分なりに考察する。その上で、数々の失敗をしながらも、ついに完成にたどり着いた。モデルは数百年前に考案された刀“忍者刀”というものだ。“日本刀”と呼ばれる物もあったが、小回りの効いた忍者刀の方が動きやすいと思ったので、そちらは作らなかった。ゴッドイーターと違う点は偏食因子を制御する腕輪の有無ぐらいだろう。
「…さて、玩具(おもちゃ)を早速試しに行くとするか…」
そして、私は忍者刀を鞘に収めて、背中に背負った。しかし、私の格好は黒いコートを着ているためか、全然忍者っぽくない。
「…後で、それっぽい服も作るか…」
…そんなことをぼやきながら、私は索敵を始めるのだった…
side out…
ナナ、ロミオを初登場!!
原作ブレイクがあるとすると、多分次回からでしょう…
感想、誤字脱字の報告、お待ちしております。
それでは、次回お会いしましょう