神の姉と神喰の妹   作:fruttiano

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どーも、fruttianoです。

今回、キリがいいところがなく、大変長くなってしまいました。

読みにくいと思います。

本当にすみません<m(__)m>

それでも、かまわない方はどーぞ(^0^;)


Episode5

side mayu

 

『オウガテイル一体、ドレッドパイク三体のアラガミ反応を確認…位置情報を送ります…みなさんご武運を…』

 

無線ごしのオペレーターのフランさんの声が私の耳に響く。

 

…初めての実践…

 

しかし、全然緊張感も何も私は感じていなかった。ゴッドイーターとは、“そういう仕事だ”と割りきっていたから。ナナは少しためらっていたが…その間に私が先行してドレッドパイクの背後に回り込む。

 

「はぁぁ!!」

 

そして、完全に死角からロングブレードでドレッドパイクの体を引き裂く。ナナも私の戦いぶりを見て、

 

「…私も…負けてられないや!!」

 

…と、言ってナナは大きく飛び上がると、重力に身を任せてブーストハンマーをドレッドパイクの頭に振り下ろす。

 

「とりゃぁぁ!!」

 

ナナの攻撃は大振りながらも見事にドレッドパイクの頭に当たり、ぺしゃんこに潰れた。そして、ナナがドレッドパイクを倒した時には、私は残りのドレッドパイクとオウガテイル一体を倒した。私とナナの動きを見ていたジュリウス隊長は微少しながら、呟く。

 

「…ふっ、第二期候補生は優秀だな…俺の出番は無さそうだ…」

 

すると、フランさんから再び無線が入った。

 

『新たにアラガミ反応を複数確認…オウガテイルだと思われます』

 

すると、オウガテイルが新たに三体出現する。私とナナはほぼ同時に身構える。ジュリウス隊長はその様子を見ながらまたも微少しながら私とナナに優しく言葉をかけ、警戒を解かせる。

 

「…いい動き…それに反応も早い…訓練以上の出来だ…いい新人が入ってくれたものだ」

 

そして、ジュリウス隊長は私達の前に出てから…

 

「いい機会だ、お前達が目覚めるべき血の力をここで見せておこう…ハァ!!」

 

すると、ジュリウス隊長がロングブレードの特徴であるからこそ出来る動き…ゼロスタンスを行うと、私は体中から力が溢れる感覚に陥った。

 

「力が…みなぎる…!!」

 

ナナが驚きながら呟く。それはナナも私と同じ感覚に味わっているようだ。どうやら、私達は今、バースト状態になっているようだ。

 

「今からブラッドアーツを目標に対して放つ…少し離れていろ」

 

「ブラッドアーツ?」

 

ジュリウス隊長の言葉の中に、初めて聞く単語をあったので、聞こうと思ったがナナが私が聞く前に首を傾げながらその単語を繰り返した。

 

「戦況を覆す大いなる力…闘いの中でどこまでも進化する刻まれた血の為せる業…」

 

じゃり…と、ジュリウス隊長は靴音を立てた後…

 

「うおぉぉぉぉっ!!」

 

一瞬でオウガテイルの間合いに入り、奴らの体を切り刻む。オウガテイルは三体共に一撃でジュリウス隊長のロングブレードで命を断たれる。

 

「…ロングブレードの動きを越えている…」

 

私は思わず、感想を口からこぼす。

 

「これがブラッドアーツだ」

 

「…すごい…」

 

ナナも私同様に感想を述べる。ジュリウス隊長はそれに構わずに説明を続ける。

 

「俺達ブラッドに宿る血の力…そしてブラッドアーツ…これをどう生かしていくかは…すべてお前達の意思次第だ…覚えておいてくれ…いいな?」

 

「「はい!」」

 

私とナナは同時に返事をする。

 

「それでは、帰投する…フラン…帰投準備を…」

 

『待ってください!!』

 

無線越しのフランさんの慌てた声が先程の戦闘とは違う形で耳に響く。

 

「どうした?」

 

ジュリウス隊長はフランさんに聞き返す。

 

『ブラッドの周りに多数のアラガミ反応を確認…これは…コンゴウです!!』

 

「なんだと!?…どのくらいいるんだ!?」

 

『5、6…7体です!!』

 

「くっ…なんてタイミングが悪い…」

 

ジュリウス隊長は、ばつが悪そうに私達を見る。

 

「ジュリウス隊長…私達はどうすればいいですか?」

 

私が聞くと、ジュリウス隊長は少し黙った後、口を開いた。

 

「…真結、ナナ…すでに今回の任務は果たした…これ以上無理に闘う必要はない…囲まれる前にこの場から立ち去るぞ!!」

 

「はい、分かりました」

 

「り、了解!!」

 

私の後にナナも慌てて声をあげる。

 

…しかし一足動くのが遅かった…

 

私達の移動した方向にすでにコンゴウが二体待ち伏せていた。さらに後ろから二体、左から一体、右から二体と囲まれてしまった。

 

「くっ、仕方ない!!…応戦する!!…今の真結とナナにはコンゴウは少し荷が重すぎる…攻撃をとにかく避けることだけを考えろ!!…無理に反撃はするな!!」

 

「「了解!!」」

 

ジュリウス隊長は私達に見せてくれたブラッドアーツを早速使う。しかし、オウガテイルとはやはり、違うらしく一撃では仕留めることができない。一方、私とナナは必死にコンゴウの攻撃を避けている。避けきれない攻撃はシールドを使いながら、ダメージをできるだけ抑える。

 

(だけど、このままじゃ、ジリ貧だ…)

 

「こちらジュリウス、真結、ナナ、大丈夫か!?」

 

ジュリウス隊長が少し戦闘で声を切らしながら呼びかける。

 

「はい!!大きいのは、なんとか、私もナナも、もらっていません」

 

ナナは避けるので無線に応答できそうに無いため、私が答える。

 

『ジュリウス隊長…ロミオさんが任務から戻られましたのでそちらに向かわせます!!』

 

「頼む!!…ハァ!!」

 

ジュリウス隊長のブラッドアーツでコンゴウの背中のパイプを打ち砕いたコンゴウもダウンしている。追い討ちをかけようとしていたジュリウス隊長の横から、違うコンゴウがタックルしてきた。攻撃のモーションに入っていたジュリウス隊長はシールドを展開することが出来ない。

 

「…しまっ…」

 

ジュリウス隊長は言葉を漏らす。ナナは変わらず、避けるので精一杯で全体の状況を把握仕切れていない。私は代わり代わりにくるコンゴウの攻撃を避けながら、神機をロングブレードからアサルトに変形させる。標準はジュリウス隊長を襲いかかるコンゴウ。

 

「お願い!!…当たって!!」

 

私のアサルトから放たれた弾丸は見事にコンゴウの頭にヒットし、結合崩壊する。そのおかげか、コンゴウは頭を抑えて、その場にうずくまる。

 

「はぁ…よかった…」

 

私はため息混じりの声をあげて、ほっとする。

 

「助かった…真結…っ!!…真結!!上だ!」

 

「えっ…」

 

ジュリウス隊長の声に気づき、上を見るとコンゴウが私を押しつぶそうと両手を組んで叩きつけようとしていた。

 

(くっ…スタミナ切れ…動けない…!!)

 

私はその場に立ち尽くした。

 

(私…ここで死んじゃうのか…)

 

走馬灯のように今までの人生が頭の中に流れ込む。しかし、その中でよく浮かぶのは姉の姿。

 

(…歩羽お姉ちゃん…私…最後にお姉ちゃんに会いたかったのに…)

 

込み上げる姉への思い。

 

(…歩羽お姉ちゃん…)

 

私は、これまでだ、と思い、目を閉じる。そして、コンゴウの両手は振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…かのように、思えた…

 

 

 

 

 

 

私はコンゴウの攻撃がなかなかこないのに気づき、目を開ける。すると、コンゴウの両腕が切り落とされていた。私に目の前にはそれと同時に黒いコートを羽織った長い黒髪の女性が立っていた。その女性は短い刀を、自身の腕に直角になるようなおかしな持ち方をしていた。

 

「…お前達は私の怒りを買う行動をした…万死に値する…」

 

そして、女性の声が響く。その女性の声はどこか懐かしさを感じた。

 

「…私の真結に手を出そうとしたことを後悔しろ…」

 

それは、一瞬だった。その場にいた全てのコンゴウは手足を彼女の刀で切断される。コンゴウ達の悲鳴が共鳴する中、彼女は容赦なく、動くことが出来なくなったコンゴウの肉を切り裂き、一体一体からコアを引き千切る。その様子に私同様、ナナもジュリウス隊長も立ち尽くしていた。ジュリウス隊長は我に帰り、その女性に頭を下げる。

 

「危ないところを助けていただき、ありがとうございます」

 

しかし、その女性の口から思いもしない言葉が発せられた。

 

「…誰がお前を助けるためと言った…」

 

「…えっ…」

 

思いもしない言葉にジュリウス隊長は硬直する。

 

「私は愛しの“妹”を助けるために動いただけ…イケメンバナナ君と猫耳ちゃんを助けたつもりはない」

 

「イケメンバナナ君…だと?」

 

「猫耳ちゃん?」

 

二人とも自分の頭を隠すように手で頭を覆う。そんな中、私は考えていた。

 

(その女性は私を見て言った…“妹”と…そして、この女性は似ている…9年前の姉の顔立ちに…)

 

「っ!!…それよりもお前は!!…ナナ、真結!!逃げるぞ!!」

 

私と同じく彼女の正体に気づいたジュリウス隊長は彼女から、大きく距離をとる。

 

…しかし…

 

「遅い」

 

「がはぁっ!!」

 

ジュリウス隊長は足を引っ掛けられて、転倒する。

 

「…もう、いいかしら?…私は妹と話したいの?…」

 

「ぐっ…真結!!…ナナも逃げろ!?…」

 

「耳障りだなぁ…とりあえずイケメンバナナ君は気絶してて…」

 

「…何を…ぐはっ!?」

 

彼女はジュリウス隊長の溝内を一発殴り本当に気絶させた。

 

「ジュリウス隊長!?」

 

ナナが慌てて、ジュリウス隊長の下に駆け寄る。

 

「猫耳ちゃんも、黙らないとイケメンバナナ君みたいな目にあっちゃうから、気をつけてね☆」

 

「ひぃぃぃ!?はい!?分かりました!!」

 

ナナはギラリと光る彼女の眼光に怯えてしゃがみこむ。そして、彼女は私の方へ足を運んでくる。確認のため、私は彼女に質問する。

 

「歩羽…お姉ちゃん…なの?」

 

「ええ…私よ…真結…」

 

「歩羽お姉ちゃん!!」

 

私は歩羽お姉ちゃんの胸に抱きついた。歩羽お姉ちゃんの冷えた体が服越しに私の体に伝わる。

 

「よしよし…いい子いい子…」

 

歩羽お姉ちゃんは私の頭を優しく撫でる。お姉ちゃんの手は…体同様にひどく冷えていた。しかし、それとは違う暖かさを感じていた。

 

「歩羽お姉ちゃんの体…冷えているけど暖かい…」

 

「ごめんね…お風呂には一様入ってはいるんだけど、一日中、外で生活しているから体が冷えているのは仕方ないの」

 

「いいんだよ…そんな、些細なこと、私は気にしてないよ…歩羽お姉ちゃんに会えただけで嬉しい…」

 

「…真結…」

 

「…歩羽お姉ちゃん…」

 

私達は互いに名を呼び合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな!!大丈夫か!?…ってえっと…どうなってんの…これ?」

 

そんな時にロミオ先輩が駆けつけた。しかし、聞かされた状況が大きく異なっているだろう。予想していたのはコンゴウに囲まれる仲間達、しかし、来てみればコンゴウの死体がごろりと転がっており、ジュリウス隊長は気絶し、ナナは何かに怯えているかのようにしゃがみこんでいて、私は見ず知らずの女性に抱きついているようにしか、ロミオ先輩の目には見えないだろう。

 

「こんにちは…缶バッチミーハー君…妹がお世話になっています…」

 

そう言って、歩羽お姉ちゃんはロミオ先輩に頭を下げる。

 

「これはご丁寧に…じゃなくて!?なんで不名誉なあだ名付けられるの!?…最早芸名にしか聞こえねぇよ!?」

 

「うん、そこそこ面白い反応だね…君、もしかしたらツッコミの才能があるかもしれないね!!」

 

歩羽お姉ちゃんはロミオ先輩をからかう。

 

「いやぁ~それほどでも…じゃなくて!?あんた誰だよ!?」

 

「神奈 歩羽です」

 

「えっ?」

 

ロミオ先輩は後ずさりする。

 

「フェンリルから接触禁忌種に指定されている《血まみれの魔女(ブラッディ・ウィッチ)》です」

 

「なんでここに!?」

 

「妹のピンチに駆けつけるのは姉の役目…って言いたいけど残念ながら偶然よ、偶然…妹レイダーみたいなのがほしいなぁ(ボソリ)」

 

なにか物騒なことを歩羽お姉ちゃんが呟いている。

 

「なっ…とりあえずフライヤに連絡を…えっ…無線が使えない!?」

 

「えっ…嘘!?」

 

私も自分の無線を取り出す。しかし、どこを押しても何も反応しない

 

「何で…」

 

「ごめん、真結…それ、私のせい…」

 

歩羽お姉ちゃんは申し訳無さそうに謝る。

 

「えっ…」

 

「私の体から出る感応波が電波を妨害しているの、ちょっと待っててね…今、しまうから…」

 

すると、無線からフランさんの慌てた声が聞こえた。

 

『みなさん!?大丈夫ですか!?ブラッド応答お願いします!?』

 

「フランさん?」

 

『真結さん!?…みなさんは無事ですか!?…位置情報を只今確認しているのですが!?ロミオさんには繋がらなくなったのですがそちらにいますか!?』

 

(相当心配したんだろうな)

 

そう思いながら、私は応答する。

 

「はい、ロミオ先輩もきましたし、ブラッド全員無事です…これから帰投します」

 

『とりあえず無事で良かった…あ…ごほん…後で今回の件の始末書をジュリウス隊長に書いてもらいますのでお伝えください』

 

私達の安否確認をすると、フランさんはいつもの口調に戻った。

 

「分かりました」

 

「真結…帰っちゃうの?」

 

歩羽お姉ちゃんは悲しそうな目をする。

 

「歩羽お姉ちゃんも帰ろう!!」

 

私は手を差し伸べる。だが、お姉ちゃんは私の手を優しく下げさせた。

 

「ごめん…真結…この手は今は受け取れない」

 

「なんで!?」

 

私は歩羽お姉ちゃんに聞き返す。

 

「…真結…私は、アラガミと同じ…真結と一緒にいたいけど、フェンリルには私は関わりたくないの…だから、ごめん…」

 

「…歩羽お姉ちゃん…」

 

「またね…真結…」

 

「お姉ちゃん!?」

 

すると、歩羽お姉ちゃんはすごいスピードで近くの崖を駆け上がりすぐに姿が見えなくなった。

 

「…歩羽お姉ちゃん…」

 

「なぁ…真結」

 

「なんですか…ロミオ先輩」

 

「とりあえず、動けなくなった隊長とナナをフライヤにつれて帰ろうぜ」

 

「あっ、そうですね」

 

その言葉と同時に、私の初陣と共に九年ぶりの姉との再会は終わりを告げた。

 

side out…

 

 

 




ついに再会!!

次回は歩羽サイドで進めようと思います。

感想、誤字脱字の報告、お待ちしております。

それでは、次回お会いしましょう。
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