アーマーマン 作:アーマーマン
鎧は、戦闘の際に装着者の身体を矢や剣などの武器による攻撃から防護する衣類・武具のこと。重要な臓器のある胴や胸の部分を守るのが主な目的である。(W〇kipedia参照)
そうインターネットに書かれている様に鎧とは絶対の防御を誇っている。
近代兵器も含めたあらゆる武具は鎧の絶対の防御を突破する事は出来ないと民明書房にも書いてある。
悪魔だのテロだの最近は物騒だが鎧さえ着ていれば怖い事は無い
現に私はここ一ヶ月間、鎧を着て夜のスラム街や繁華街等治安の悪い地域を練り歩いたが悪魔どころかチンピラの一人も私に絡んで来なかった。
悪魔もチンピラも鎧の絶対防御の威光の前では分を弁えて居るのだ
そして鎧の真価は
攻撃こそ最大の防御と言われる様に鎧はその絶対防御を攻撃に転じる事でありとあらゆる障害を粉砕する。
鎧とは人類が初めて作り出したパワードスーツなのだ。
鎧を纏えば心の迷いは消え何をすべきかが分かる
鎧の冷たい鋼鉄の肌は我々の脆い心を包み護る
冷たい筈の鋼鉄の肌は何故か温かい
子を護る親の様に、いや…親が鎧なのだ
外部から子を護る、どれだけ傷付こうとも
そして親という名の鎧に護られた者が誰かの鎧になる。
人はそうして命を繋いで来たのだ。
「……やはり鎧とは素晴らしい」
西洋から極東までの様々な年代の鎧が飾られた部屋の中、古臭い中世頃の鎧を着込んだ男が感嘆の言葉を漏らす
「然し何故世の人々は鎧の素晴らしさに気付けぬのであろうか…?」
彼は鎧の素晴らしさを理解しない世の中に純粋な疑問を胸に抱く
「いや…その素晴らしさを伝えるのが
鎧に包まれた事で知能指数が上がった脳で己の使命を天命を悟り鉄兜の下で目を閉じこの世の全ての鎧へと祈りを捧げ祝詞を口にする
「鎧よ…願わくば、我に七難八苦を与えたまえ…『鎧に何を願う?』…!?」
突然聞こえた声に男は飛び上がり警戒する
「だ、誰だ!?」
『そう警戒するな害を加えるつもりは無い、もう一度聞くお前は鎧に何を願う?』
「鎧に…だと…!?」
部屋の何処からか聞こえる声の正体を探りながら男は謎の声へ返答する。
『そうだお前は鎧へ何を願っている?』
「………」
言葉に詰まる男に畳み掛ける様に謎の声は言葉を重ねる
『お前は鎧を取り巻く現状に遺憾を覚えているのでは無いか?』
そうだ男は昨今の人々が鎧への畏怖の念が無いと憤慨していた
「……っ!」
図星を突かれ男は一瞬の隙を晒してしまう、それを謎の声の主は見逃がさなかった
『鎧を再び恐れられ偉大なモノにしたいのだろう?』
男の心をまるで全て見通しているように
『鎧の全てを知りたいのだろう?』
男を修羅の道へ誘う悪魔の囁きをする
「わ、私は…『契約をしないか?』
謎の声、悪魔は男の言葉を遮る
『この鎧の悪魔と』
男の前に黒ずんた西洋甲冑が姿を現し兜を外し男へ差し出す、男は震える手で差し出された煤で汚れた兜を受け取った。