TS愛され悪役トリックスターになって背後から胸を貫いてみんなを驚かせるやつやりつつ鬱原作をハピエンにしたい! 作:覚絵テネ
プロローグ 主人公を何故か助けて謎めいたセリフを残していくタイプの悪役
「やったか!?」
夜の市街地。
二人組の魔法少女__チェリーブロッサムとスカーレットは肩で息をしながら、アスファルトに倒れ伏した魔人を眺めていた。
二人の手にはそれぞれ光を帯びた魔法の武器が握られている。チェリーは桜のモチーフがあしらわれた弓、スカーレットは赤熱した刀。
魔人...『ポータル』から現われて人々を襲う脅威。彼らに対抗するために魔法少女はいる。
「や、やっと倒した...!いきなり魔人が現われた時はどうなるかと......スーちゃんのおかげだよぉ...。」
童顔で桜色のふわっとした装束に身を包むチェリーが、安堵の笑みを浮かべる。
彼女の穏やかな笑顔は、老若男女に愛される魅力に溢れていた。
「いや、気にしなくていい。君に受けた恩はまだまだこんなものではないからね。」
切れ長の瞳に赤と黒の装束をまとうスカーレットが軽く笑い返す。
刀を携えた凛々しい姿は、思春期の少年少女から絶大な人気を誇っていた。
二人は互いの健闘を讃え合い、ほんの一瞬、戦いの緊張が解けた。
だが、次の瞬間――倒れた魔人の体が不気味に膨らみ始めた。周囲の空気が熱を帯び、異様な気配が漂う。
「危ない!」
スカーレットは咄嗟にチェリーを地面に押し倒し、庇うように覆い被さった。直後、轟音と共に魔人が爆発。アスファルトが砕け、ビルの窓が一斉に割れる。爆風に混じるガラスの破片がスカーレットを襲い、彼女は腕で顔を庇った。
「ぐう...っ!チェリー、無事か?」
チェリーが傷一つなく起き上がるのを見て、スカーレットは安堵の笑みを浮かべた。
しかし、チェリーは爆風に乗じて現われたものを見て、驚愕に目を見開く。
「スーちゃん、危ない!」
スカーレットが反応するより先に、爆風に紛れて現われた魔人がその巨碗を振り下ろした。
「...っ」
「スーちゃん、腕が...。」
スカーレットの右腕が、ほっそりとした二の腕から先がちぎれた。出血はなく、代わりにモコモコとした綿のようなものが溢れ出ている。
魔法少女が流した血は白い綿に置き換わる。戦いの悲惨さを隠すための仕組みだが、苦痛が軽減されるわけではない。
プラチナのような輝く肌の魔人はその様子を見て嗤う。
「がはは、念の為部下を特攻させてみたが......その必要もなかったようだな。」
「ち、近づかないでっ!」
チェリーが叫びと共に矢を放つ。
桜色の光が魔人の肩を貫くが、魔人は意にも介さず、ゆっくりと近づいてくる。
「チェリー。逃げるんだ!あいつ、手配書で見覚えがある!魔人四天王のガンゴーグだ!先輩の魔法少女が何人も殺されてる!」
スカーレットが叫び、片腕で刀を握り直す。
「えっ!?」
「すまないが、この腕じゃ君を守れない。足止めはする。早く!」
「で.....でも!」
「逃げても無駄じゃ。二人とも殺す。」
周到さと残虐性で知られたガンゴーグは笑う。
チェリーが何度も矢を放つが、止まる気配を見せない。
「無駄じゃ無駄じゃ。いかにも、ワシは魔人四天王のガンゴーグ。このオリハルコンの肌は何者じゃろうと貫通できん。」
ガンゴーグが軽く腕を振り下ろすと、アスファルトに地割れが生じた。
瓦礫が周囲に飛び散るが、輝く肌には傷ひとつない。
「チェリー...!やっぱり、こいつ今の私たちで勝てる相手じゃない!」
「で、でもスーちゃんを置いていくなんて...!」
「チェリー......。」
スカーレットがチェリーの手に口付けをした。
「!?スーちゃん!?」
「大丈夫、私は生きて帰るから。先に逃げて。」
そんな様子を見て、ガンゴーグは嗜虐心たっぷりに顔を歪めた。
「安心せい、二人ともたっぷりワシが汚してから地獄に...っ?」
その直然、ガンゴーグの胸に突然、腕が生えた。どす黒い鮮血が吹き出す。
「な.....何のマネじゃ...?」
ガンゴーグは信じられないようなものを見るような顔で、ゆっくりと振り向いた。
「あはっ、邪魔なんだよね。君。」
チェリーは一瞬、味方の救援かと思った。
いや、違う。腰まで届く銀色の髪、人を不安にさせる紅の瞳。オーバーサイズの黒い外套とシルクハット。
あの顔もまた、手配書で見覚えがある。
「また、魔人四天王......確か、フェイカー......?」
「ああ、自己紹介はいらない?ソレはよかった。」
フェイカーはガンゴーグの胸から手を引き抜き、血に塗れた手で微笑んだ。風穴の空いた体は無力に倒れ、紫色のチリになって消えた。
「なぜだ?味方を手にかけるなんて感心しないな。」
スカーレットが気丈に睨みつける。フェイカーは肩をすくめて答えた。
「Il n'y a Léonard de Vinci.Mamma Mia.」
「なんだ、何を言ってる?」
「勉強は大事だよ、魔法少女スカーレットに、チェリーブロッサム。さもなければ悪い大人たちに騙されてしまう。」
「悪い?ソレはお前のことか?」
「片腕が取れてるのに元気だね。」
「...っ!?」
スカーレットが瞬きした間に、フェイカーはその背後に移動した。血に塗れた手で、ねっとりとチェリーの頬を撫でる。
(見えなかった...!?)
「魔人の立場からしたら、ここで殺してもいいんだけど。ま、ボクに感謝してよね。」
「うるさい!チェリーから離れろ!」
フェイカーはスカーレットの剣を軽くかわすと、近くのビルに飛び移った。
チェリーは血で汚されたが、傷ひとつない。
「何なんだ...?お前は、敵じゃないのか!?」
「敵でもあり、味方でもある。世の中ってそういうことじゃない?」
フェイカーはスカーレットの激情を嘲笑うように、煙に巻くようなセリフと共に視界から消えた。
「ま、待ってスーちゃん。私たち、あの人には絶対に勝てないよ。」
チェリーがスカーレットに抱きついて止める。
「.....しかし......。」
「それに、助けられたのは事実だし。今は追いかけるよりも、早くその腕を治してもらお?」
「.......そう、だね。」
スカーレットはチェリーに肩を借り、歩き出す。遠くから魔法少女組織の車が駆けつける音が聞こえる。
「フェイカー.....。何者なのかな。」
失った片腕分、親友の体は軽い。
チェリーは自らの力のなさに歯噛みするのであった。
一方、その頃。
(うわああああ、主人公とめちゃくちゃ話せた!しかも目の前で思わせぶり悪役ムーブいっぱいできたぜ!え、てかテンションが変になってて触っちゃった...やば、嫌われたかな?お近づきになりてえ......いやでも、立場が立場だからなあ。守れただけでもOKとするか。)
フェイカーの中身である、原作知識保有悪役願望持ちアラサー男性は心の中で叫んでいた。
こんな感じで書いていきます!
それでも良いと言う方だけ.......。
あ、ガンゴーグはメタルク◯ラが太眉になった感じです
もしTSしたら(めちゃくちゃ美少女美少年、特殊能力とかはついてこない)
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戻りたい
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戻りたくない
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もうTSしている