TS愛され悪役トリックスターになって背後から胸を貫いてみんなを驚かせるやつやりつつ鬱原作をハピエンにしたい!   作:覚絵テネ

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全話から長くなりがちで嫌ですね
サクッと読めなさそうって言うのと、あと何より書くのに時間かかるので嫌なんですが
描き始めた時はできるだけ毎日投稿するつもりだったのに夢のまた夢ですね

あ、今話からスマホで見やすいよう改行多めに調整してみたんですがどうでしょう?
 


フェイカー
特技:物理と美貌のゴリ押し
名前の由来はFa◯eの色々から。

アスター
特技:切り刻むこと
名前の由来は瞳と同じ色の花。

ルーネ
好きなこと:創作(得意ではないらしい)
名前の由来はルネサンス。


8話 新人研修回

 俺の目の前にワイバーンの大群が飛んでいる。もちろんめちゃくちゃ計画外。

 他の魔人の襲撃をチェリーとスカーレットの担当範囲外から外したのに。

 あー仕事で計画外のことがあると変な汗が出る。

 

 心当たりはある。

 この漫画でドラゴンキャラと言ったら一人だ。

 

 原作12〜19巻以降の章ボス。

 アニメ3期PVで某吸血鬼とかと同じCVだったけど、その後制作スタジオのゴタゴタに紛れて映像化を逃した人。『トーデス』女性人気の半分くらいを担っている暗黒イケメン。

 『堕落の竜王』『不都合な神託』九頭竜。ガンゴーグが死んだ後はコイツが出てくる。

 

 単純な地力なら四天王最強。

 チェリーちゃん一行はコイツとバーストを同時に相手取るハメになる。

 だから先にバーストを始末→九頭竜を始末のチャートで考えてたのに。

 頼むから考えることを増やさないでくれ。こちとら酒で死んだ灰色の脳細胞で必死にトリックスター装ってるんだから。

 

 とりあえず目の前の事態だ。

 このワイバーンたちは俺の部下でもないので、即刻処分しようかな。

 あ、でもアスターと警官が『このワイバーンもしかしてお前の仕業?』みたいなこと言ってきてるのでそこを無視するわけにはいかない。

 『アッイヤめちゃくちゃ計算外なんです……』なんてトリックスターが言えねえよなあ?

 

「ただの撒き餌さ。役割は果たした、ご退場願おう。」

 

 空中へ人差し指をピッと振る。

 その間もう片方の手で空を切り、爪の遠隔斬撃(原理不明)を連打する。

 

 するとあら不思議、飛んでいた無数のワイバーンが指の一振りで粉微塵になったように見える。

 

 警官とルーネが「「人差し指で……?」」と驚愕している。

 うん、その反応が見たくてこっそり練習したんだよね。

 そしてその様子を車の上から見下ろすのは最高に楽しい。

 あ、車の中に少ないながらお金を入れておいたので、持ち主の方はこれで修理をしてください。

 

 それはさておき、二人は驚愕のあまり口を大きく開き、そのまま気絶して……

 

「いや、警官は丁度都合がいいけど。あなたは気絶しちゃダメよルーネ?」

「ハッ!失礼しました!」

「ほら、本題が来たわよ。」

 

 アスターが指さす先。

 二人の魔法少女が空中で四散したワイバーンを呆然と見つめている。

 チェリーとスカーレットだ。こちらを視認するとスーはチェリーを下がらせ、刀を向けて威勢よく吠える。

 

「……またお前たちか!何用だ?」

 

 問答無用で襲いかかってくる感じじゃあないなあ。まあ今さっき圧倒的戦力差を見せつけたところだからそりゃそうか。

 

 というかスカーレットはバリバリ現役で魔法少女してるんだね。生き残っても裏方に回るとかして戦闘からはフェードアウトするかと思ってた。1巻で退場するキャラだから正直ポテンシャル不足な面はあるし。

 少なくとも原作チェリーちゃんの戦いには絶対ついていけない。

 

 うーんどうしようかな?

 まあここに来た目的は最初から決まっている。

 

「魔人と魔法少女だろ?やることは一つさ。」

 

 訓練の時間だ。

 片目を瞑って両の手を合わせる。

 魔法とかじゃないよ、漫画でこのポーズ見てカッコよかったから真似ただけ。

 

「はい。」アスターがスカーレットの背後に移動し、大きく蹴り飛ばす。

「ハイッ!」ルーネが予め周辺を描いていたキャンバスに力を込め、二人を閉じ込める不可知にして不可侵の結界を生成する。

 

 アスターにはスカーレットをボコしてもらう。

 といってもバイオレンスは避ける方針で、自分の実力不足を知らせて裏方に回ってもらおう。 

 前線にさえ出さなければバーストの性格上安全なはずだ。

 

「え…スーちゃん!?」

 

 チェリーは困惑した様子で、透明な結界にぺたぺたと手をつけている。隙だらけだ。

 数秒経ってようやくチェリーがこっちに向き直り、貧弱な弓を構える。

 

 うーん、やっぱり戦闘経験が足りてない。未だに()()()()()なのがそれを象徴している。

 

 彼女の固有は『自己再生』だと認識されているはずだ。

 大抵の傷は一瞬で再生し、そのたびに基礎性能が向上する。ハードゴ◯アリスとかア◯ニとかそのへんレベルの再生能力だ。

 スカーレット死亡後、自己犠牲を厭わなくなった彼女は地雷を抱えて突撃し、常に最前線で拳を振るう戦闘マシーンと化す。

 眼光も鋭く、敵味方から恐れられる存在になる。

 

 それがなんだ。いま目の前にいる『ふええ……』とか言い出しそうな天使属性は。

 いや、望んだ事だけどさあ!不幸になる女の子たちを助けて回るのが俺の目標だからね。

 でもチェリーちゃんには最終的に世界を救ってもらわないとダメなんだから。

 

 ...もちもちなほっぺをつねりたい。

 

 じゃない、やってしまえ、ルーネちゃん!

 

「ウフフ……このワタシと銃がお相手します!」

 

 そう言いながらルーネちゃんは銃を構える。

 あ、これはルーネちゃんの戦闘スタイル模索も兼ねている。

 

「ふふふ、一回撃ってみたかったんですよ。このAK47から逃れられますかぁ…?」

「え、ちがうよ!?」

「...ん?何が違うんです?」

「それ、AK15!」

「え、え、えへっ、あ、いや、あ、そうなんですね。」

「確かにAK47とちょっとは似てるけど...半世紀も発売年が違うよ?」

「あ、ああ、はい。」

「あんまり洋画とか観ないのかな?最近は結構凝ってて...」

「へ、ええ。」

 

 いいから早く戦おう。魔人と魔法少女なんだから。

……と思うんだけど、二人は見合ったままなんかまごまごしている。

 

 あ、ルーネちゃんが銃を撃とうとした。

 けど、弾が出ない。

 

「あ、それ多分ジャムってる……」

「え?ジャム?リンゴとかです?」

「あ、いや……貸してね。」

 

 チェリーはルーネに歩み寄る。すわ騙し討ちでも仕掛けるのか、と思ったものの。

 薬室がどうとか弾倉がどうとか講義を始める。

 

「な、なるほど。お詳しいんですね。」

「ふふ、一家言あってね!」

「ちなみに、そのネイルかわいいですね。お星様の模様……?」

「あ、うん。最近『ソラの囁き』っていう映画を見てね。えーと、『モネ』?の『夜のテラス』?みたいな作品を題材にした作品なんだけど、そこのヒロインの女の子が可愛くって。彼女をイメージしてみたんだ。」

「いや、チガイマス...。」

「え?」

「『ゴッホ』の『夜のカフェテラス(Cafe Terrace at Night)』ですそれ。多分。」

「あ、ああ、絵画の名前?」

「すみません、一家言ありまして...そんなの興味ない、ですよね。」

「いやいや、勉強になるなー!」

「ありがとうございます。ワタシ、美大に行きたかったものですから」

 

 おーい、ネイルトークしない。

 プライベートな話にまで違和感なく繋げて人間関係の好調な切り出しを始めない。

 あでもチェリーちゃんがどこのネイルサロンに通ってるのかは興味ある。

 

 いや困ったなあ。これじゃ戦闘訓練になんないよー。

 あんまり鍛えてないままだと推定ラスボスで詰む。

 先代魔王はそもそも復活させないけど、その先にいる元凶がね。

 よくBレートまで上がってこれたなあ。依存先がゼノビアからスカーレットになった感じ?

 

 うーん、と首をひねっていると、遠巻きに結界越しにスーが吹っ飛ばされてるのが見えた。

 俺の視力じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

 体は傷だらけだが、魔法少女って出血が綿に変わるので見た目は多少服が破けた程度だ。少女が傷ついたのを覆い隠すという意味でも愚かしいなあこの世界は。

 …ていうかだいぶ深刻なダメージ入ってんな???死ぬことはないだろうけど、一瞬それがちらつくくらい。アスターには基本手を出さない方向でって言ったんだけど。

 リ◯ロでユ◯ウスがス◯ルをボコしたシーン……レベルではないけど中々だ。あのシーンいいよね。ユ◯ウスが内心ス◯ルをめちゃくちゃ評価してたってのが良いよなあ。最初は痛々しくて見てられなかったけど。

 

 ちなみにアスターとスカーレットには凄まじい戦力差がある。基礎スペックもそうだけど固有能力の差がでかい。

 スカーレットの能力は『紅月閃』。持っている刀を灼熱させ、切れ味や範囲、強度を高める。

 アスターが普段使っているのは『人狼殺しの紅鋼』。防御無視の紅鋼武器を無数に生成できる。

 

 あ、丁度ふたりが刃を交える。

 スカーレットが灼熱の刀を大振りに振るうが、アスターは生成したナイフで軽く受け止める。

 すると刀はバターのようにあっさり切れてしまう。

 

 防御無視ってつまり、無制限の切れ味だからね。『紅月閃』を極めても『人狼殺しの紅鋼』の下位互換にしかなりえない。

 んで『人狼殺しの紅鋼』だってメタ性能はあるが強能力とは言い難い。

 一応刀の強度で差別化できなくはないけど。

 

 チェリーちゃんには世界を救ってもらわないとどもならないんだけど、スカーレットはもうリタイアしてくれて大丈夫だ。あんまり痛ましい女の子は見たくない。

 親友を置いていくのは苦しいだろうけど、戦いにはついてこれないと思う。周囲が概念系能力や即死、戦略兵器級攻撃を使いこなす横で刀1本はきついだろう。

 

 なのに、彼女は一生懸命戦い続ける。

 

「どうしたの?大切な人を守りたいんじゃなかったの?」

「そんなこと……お前に言われなくても!」

「じゃあ立ちなさい。二度とは……失いたくないでしょう!」

 

 あ、でもなんか科学反応を起こしてるっぽい。そういえば二人の過去って似た所がある。2人とも因習家庭出身だしね。刀が折れたスーは瓦礫を掴んで殴りかかる。

 熱血だなあ。………まあ、スカーレットがこの先生き残れそうって判断ならそれでいいや。

 

 さて、もう少しかかりそうだな。

 二人を適度にボコして帰るつもりだったんだけど、一方は楽しそうトークしていてもう一方は熱血修行パート始まってる。

 

 まあ、あと一つタスクが残ってるから、それを片してから考えよう。

 喫茶店トークに花を咲かせているルーネちゃんを呼ぶ。

 

「ルーネちゃん、そろそろ。」

「アッハイ!すみませんチェリーさんちょっと待っててください!」

 

 『世界を侵す絵画』。

 ルーネがスケッチブックを手に取り、塗りたくる。

 描かれた事象は現実に反映され、ほぼすべての物理法則・能力より優先される。

 

 だからこんなふうに『べっとりと黒い、貫通不可能な壁』を書いたなら。

 俺の周囲に一時的に核爆弾でも遮る純黒の壁が出来上がって。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 頭上で轟音が連続するが、俺には傷一つない。

 

「頑張ったね、ルーネ。今の当たったら1回死んでたかもしれない。」

 

 魔人四天王に殺されただけで死ぬ奴はいないが、まあ全く代償が無いとは言えない。

 だからこれは本心から誉めている。

 

「じゃ、用事を済ませてくる。」

 

 

 

 

camera:どっかの屋上

 

 

 

「やりました!?」

 

 白いモッズコートにホットパンツで、まるで()()()()()かのように見える少女。

 白に金が混じった後ろ髪を肩甲骨のあたりまで伸ばし、整った顔は街で目を引くだろう。

 

 緑の瞳でライフルのスコープを覗き込み、自らが生成したミサイルの爆心地を眺めている。

 

 少女の周囲には、無数の銃火器が浮かんでいる。

 固有魔法『焼き払い給え、機構天使』は周囲に武装を生成・操作する。質も量も高く、単身で小国を落とせる火力を持つ。

 近接戦に弱いきらいはあるが、Aレート最上位の実力差。本来なら2巻以降、チェリーの相棒になる少女だ。

 ガンゴーグ編(〜11巻)のヒロインがスカーレットなら(1話で死んでその後「スーちゃんが生きてたらこんな時......」ってなるだけの役回りだけど)、九頭竜編(〜19巻)のヒロインは彼女だ。

 コテコテの武装、休日の趣味はデモ扇動・国防啓発。思想強い系で、聞くだけでヒヤヒヤする発言連発。

 こんなアクの強いキャラを上手く調理して人気投票一位にするから、『トーデス』は10年以上読者の心を掴んだのだ。

 

 まあ人気投票一位だろうが56されチェリーを曇らせる要員になるんですけどね、初見さん。 

 あの頃は炎上気味だったけどとんでもない熱狂だったなあ。掲示板は『すべて考えていますよ。』派と『脚本の人そこまで考えてないと思うよ』派が半々だった。

 

 強くて可愛いだけじゃない。

 九頭竜編のキーマンとして、一人の少女として彼女を救う必要がある。

 

 俺はゼノビアの背後に忍び寄り、背中に爪を突きつける。

 

「流石に四天王といえども...この革命的爆撃ならフェイカーは...」

「死んだかな?」

 

 ゼノビアは肩を跳ねさせ、一瞬動きが止まった。

 決まった。漫画なら白背景にゼノビアの驚愕と俺の酷薄な笑みが強調されるコマになっていると思う。

 

「なっ」

 

 ゼノビアはさすが判断が早い。自分が死なないギリギリの火力で俺もろとも自爆しようと、手榴弾を生成。

 いい判断力だ。

 

「はい、ダメ〜☆」

 

 ゼノビアはAレートだが、俺はSS。ゼノビアが1回行動したらこっちは10回動けるくらい手数に差がある。

 生成した手榴弾をことごとく上空へ投げ/元々展開していた武装を、両手の爪で翼を広げるようにして11に切り裂き/ダンスをするように彼女の手と腰をとって抱える。

 

 うーん、どうやって味方になるよう説得しようかな。

 この子頭いいから変に誘導するより全部喋った方が良さげなんだよな。

 

 

 

side:ゼノビア

 

 うーん、これは一体どういう状況でしょう?

 なんで敵にリードしてもらうブルジョワの令嬢みたいに手を取られているんでしょうか!

 一旦整理しましょう!

 

 いつも通りの魔人退治かと思ったら、SSレートのフェイカーが現場に来たのにはびっくり!

 私の強みは遠距離火力ですからミサイルと発射台を生成して、2キロ先から爆撃したんですよ。

 破壊力を爆薬換算で500キロくらい。20階の鉄筋ビルでも解体できる革命的破壊力です!

 

 「やりました!?」

 

 思わずそう叫んでしまったのも責められる謂れはないと思います。構造化したプロレタリアートへ搾取並に巨大な魔人もこれで仕留めましたから。

 でも晴れていく煙の中にフェイカーの死体はなくて、それどころか後ろから声が聞こえてきたんですよ。

 ビデオにあるフェイカーの声と全く同じ声。

 

 で、咄嗟に自己爆破(批判)したんですけどあっさり止められました!

 

 私は一瞬、手榴弾を生成し損ねたのかと思いました!官憲の陰謀かと。

 勘違いだと気がついたのは、上空で手榴弾が爆発したのを見てからです!

 

 周囲に生成していた武装も破壊されました!

 総括は以上です!

 

 うーん、これはあれですかね、死!

 なんかめっちゃ軽薄な感じでヘラヘラ笑ってますが、多分直後に心臓貫かれて死ぬやつです!

 最近は魔法省を警戒していたので、帝国主義(魔人たち)の犬に普通に負けるとは思いませんでした!

 

 最後にもう一回お姉ちゃんに会いたかったですがしょうがないですね!

 ...とか思っていたら、急に真顔になってこんな命令をしてくるんです。

 

「魔法少女ゼノビア、ボクに協力しろ。いや星願タナバ。ボクに従え。」

 

 ドキッとしましたね!

 恋愛じゃなく、魔性や魅了。死か従うか。資本主義か共産主義かって感じです。

 こちらを覗き込む革命的な紅の瞳は一生忘れられないと思います!

 

 で、直後にこんなことを囁いてくるので従うしかなくなりました!

 

「キミの目的は行方不明の姉、魔法少女セラフィナ――星願タンザを救うこと。

本来なら叶わない願い。バーストがいる限りね。

だがキミは賢い。休日に打倒魔法省のデモを扇動するにしたって、『腐敗・癒着を許すな』という大義で深層に踏み込みすぎないようにする。

ええと...ゴホン、トロツキストのような冒険主義とも一線を引いている。

九頭竜が糸を引く宗教組織に二人揃って人生を奪われそうになり、そこから脱したのに哀れだね。

でももうそんな地道な活動に身を費やす必要はない。ボクと来い。それが叶う。」

 

 二百文字くらいで人生要約されました!

 私が日和見主義者のように中途半端なデモでお姉ちゃんを助けたい気持ちを誤魔化してたことまでお見通し!

 

 なんだろう、頬が熱を持って、心臓がドキドキします!

 お姉ちゃん以外に寄りかかりたいと思ったのは初めてかもしれません!

 心の大事な領域を、この人の前衛的微笑みが埋め尽くしていくのを感じます...!

 

 魔人も魔法少女もどっちを信じていいのかわかりませんが.....この人は同志と呼んで差し支えない人だとわかりました!




ゆゆゆで一番好きなのは東郷◯森さんです
彼女の思い詰めがちなところとかが好きなんですけどそういうキャラは難しそうですね

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