メトロイドトータス〜鳥人族の後継者〜   作:ウエストモール

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真の神の使徒、終了のお知らせ


最強の破壊兵器

 

「ナグモ殿!ご無事か!?」

「南雲くん!」

 

 質量兵器と化したオメガメトロイドが突っ込んだ神山の中枢にはクレーターが出来ており、建物が吹き飛んで瓦礫が散乱している。そこへティオと愛子が駆けつけてきた。ちなみに、使徒フィーアトは撃破済みである。

 

 やがて、クレーターの中に立ち上がる紫色の人影があった。それは南雲ハジメであり、絶命したオメガメトロイドの上にいた。地面に激突する直前、グラビティ機能を発動して衝撃を殺したのだ。

 

「どうやら、生きておったようじゃな」

「あぁ、生きている。まさか、メトロイドの最終進化形が現れるのは想定外だった」

「あの、南雲くん……怪我はありませんか?」

「先生、俺は大丈夫です」

 

 やがて、ハジメは瓦礫と化したとある建物に視線を向け、愛子もそれに追従するのだが、見覚えのある場所だった。

 

「ここって、召喚されたときの?」

 

 ハジメは無言で頷く。崩壊した建物の一つは、ハジメ達が召喚されたときに初めて目にした大聖堂だ。強力な結界で守られていたが、上空数十キロから高速で落下してきた物体の直撃には耐えられなかったようだ。

 

「あ、あれは……うっ……」

 

 そこで愛子は目撃した。瓦礫に教会関係者が埋もれており、手足があり得ない方向に折れ曲がって死んでいる姿を。その中にはイシュタルもおり、巻き込まれてしまったのだろう。

 

「これが、狂信者の末路というわけじゃな」

「あぁ……」

「あの、イシュタルさん達を弔ってはいただけないでしょうか?このまま放置するのは可哀想です」

「本当に、そなたは女神じゃ。我ら竜人にとって教会は不倶戴天の敵ではあるが、彼らにも尊厳はある。丁重に弔うとしよう」

 

 そして、ハジメ達は瓦礫の山の中に立ち入る。せめて掘り出してやろうと瓦礫をどかしていくのだが、その前に現れた人物がいた。

 

 それは、白い法衣を着込んだ禿頭の男だった。ホログラムなのか体は半透明で揺らいでおり、ハジメ達を見ている。彼は踵を返すと瓦礫の山の中へと入っていく。

 

「ついて行けばいいのか?」

「そのようじゃ」

 

 瓦礫を更に撤去していくと、大聖堂の地下に続く階段があることが判明し、禿頭の男もそこにいて奥へ歩みを進めていた。

 

「ここは……」

 

 追いかけた先には小部屋があり、中央の床には魔法陣が刻まれている。その脇には古びた本が安置された台座が確認できた。

 

「なるほど、神山自体が大迷宮だったと……」

「教会の連中も予想できなかったであろうな。よもや、大聖堂の地下に解放者の遺産があるとは」

 

 禿頭は魔法陣を指差している。これが神山に隠された神代魔法を獲得するための魔法陣のようだ。

 

「取り敢えず、先生も一緒に」

 

 魔法陣の中に三人で入ると、記憶を精査されるだけではなく、脳内の更に奥深くまで何かが入り込んでくる不快な感覚を覚える。それは一瞬のことだったが、直後に新たな神代魔法が頭に刻まれた。

 

「魂魄魔法……か」

「魂への干渉が可能なようじゃな」

「これが神代魔法なんですね……元の世界に帰れるのも夢ではなさそうです」

 

 さらに、ハジメには適性があまりないようだったが、魂魄魔法に対応してパワードスーツに目覚めた力があった。

 

『ソウルバイザーを獲得しました』

 

『魂魄等の実体を持たない存在を視認・分析する特殊なバイザーです。使用時にはソウルグローブが使用可能。補足した対象への干渉を行います』

 

 それは、新たなバイザーだった。これまでのXレイバイザーやサーモバイザーでは実体のないものまでは視認できなかったのだが、ここで対応範囲が広がった。

 

 そして、ティオは台座の上にある古びた本を手に取って開く。全員でその内容に目を通すと、神山の迷宮を創設したラウス・バーンという人物が書いた手記であることが分かった。

 

 同志である解放者達との交流や、この【神山】で果てるまでのことが色々書かれており、中々に興味深いものだ。ハジメはスキャンすることでデータとして取り込み、今は時間がないので素早く目を通した。

 

 そこには迷宮の攻略条件も書いてあり、最低でも二つ以上の迷宮を攻略してあること。または神への信仰心がなく神の影響に打ち勝つことが条件だった。それを認められた者の前に現れるのが、ラウスの姿をした映像である。

 

 なお、降りてきた階段は迷宮の出口らしく、正規の攻略ルートではないことが判明した。本来なら意思を確かめる試練があったのかもしれないが、神の使徒や教会と戦ったことがそれを省略させたのだろう。愛子についても、信仰心よりも生徒を優先したことから認められたようだ。

 

「あんたがラウス・バーンだったのか」

 

 映像のラウスは頷くと、掌の上に光る球体を出現させる。ハジメに向けて飛ばされたそれは、パワードスーツの中に入っていった。

 

『プラズマビームを獲得しました』

 

『プラズマエネルギーを集束して発射する、高い威力と貫通性能を併せ持つ最強の破壊兵器です。防御力の高い目標をも貫通してダメージを与え、生物であれば大抵の目標を蒸発させます』

 

「これが、プラズマビームか……」

 

 プラズマビームは鳥人族の生み出した最強の破壊兵器である。その危険性から彼らはそれを封印していたのだが、後継者の手に渡るときが来たようだ。

 

「とりあえず、王都に向かおう」

「あっ、そうです! 王都が襲われているんですよね? みんな、無事でいてくれれば……」

 

 解放者の遺産を受け取ったハジメ達は、階段を登って再び地上へと出てくる。しかし、それを待ち構えていた連中がいた。

 

「神の木偶人形共が……お友達なんか連れてきてどうした?」

「ノイントと申します。あなた方を排除しに来ました。抵抗は無駄です」

 

 ハジメ達の上空に現れたのは、何体もの真の神の使徒だった。一体の上級使徒と配下の量産型が多数だ。銀色で頭上が染め上げられており、天気は最悪だ。

 

「俺達に構っていていいのか?このままでは、あんたらを信仰している人間が大勢死に、王国も滅びるぞ?」

「そうなったのなら、それがこの時代の結末という事になるのでしょう」

 

 彼女達が仕えている神を信仰しているのは人間族で、主に王国の人間だ。現に彼らが魔人族の信仰により滅びの危機に瀕しており、それを見捨ててしまうのかと、ハジメは純粋に疑問に思っていた。

 

「結局、全ては暇つぶしのための駒というわけか……天使の皮を被った悪魔め」

 

 ハジメは怒りを顕にする。人間族も魔人族も亜人族も皆、その人生を精一杯生きている。奴らは人々の思いや努力を食い物にし、踏みにじり、娯楽として使い捨ててきたのだ。許せるはずがない。

 

「そこをどけ。押し通る……!」

「先程の戦いであの奇怪な技もかなり消耗したご様子……この物量にどこまで耐えられるでしょうか?」

 

 使徒が言っているのは、エーテルアビリティやハイパーモードのことだろう。現在、発動に必要な五つあるエーテルタンクのうち、四つが空っぽだ。魔力の充填は始まっているが、すぐには終わらない。しかし、ハジメには新たな切り札があった。

 

『プラズマビーム、オンライン』

 

「行きなさい、姉妹達」

 

 量産型使徒が一斉に突撃してくる。ティオはハジメを信じているのか動じることはなく、愛子は恐れからその背後に隠れている。

 

「鳥人族の残した破壊兵器……その威力をとくと味わえ」

 

 アームキャノンから発射されたのは、黄緑色のビームだ。ハジメはプラズマビームを連射し、神の使徒の群れを迎え撃った。

 

「そのようなもの、効くはずがありません」

 

 量産型使徒はビームに素早く反応し、分解による防御を行う。彼らはチャージビームやミサイル以外を警戒しておらず、完全に見くびっているのだが、彼女らはそのツケを払うことになる。

 

「っ!?」

 

 集束したプラズマエネルギーが銀翼による分解防御を容易く貫き、使徒の肉体を貫通すると同時に跡形もなく消し飛ばす。使徒は自身に何が起こったのかを理解する間もなく消滅することになった。

 

 使徒を貫通したビームは背後にいた個体をも次々と貫き、先に消滅した姉妹と同じ目に遭わせる。凶悪な威力を誇るプラズマビームだが、本来は発射に十分なチャージを要する兵器だ。しかし、ハジメはそれを高速で連射することが可能であり、まさにチートだった。

 

 プラズマビームの雨という防御不可の最悪な天気に突っ込むことになり、量産型使徒は瞬く間に消し炭にされていく。リドリーのような規格外の生命力やクレイドのような耐光学シールドに匹敵する防御力がない限り、即死は免れないのだ。

 

「当たらなければどうということはありません……“禁域解放”」

 

 ノイントは某天パのようなセリフを吐きながら、全ステータスを最大まで引き上げると幾多の残像を引き連れて突撃してきた。宣言通りにプラズマビームを回避し、ハジメへと迫る。

 

「やるな、だが……」

 

『スペイザー、オンライン』

『ウェイブビーム、オンライン』

 

 メレーカウンターで大剣を弾き、後方へと勢いよく飛び退く。プラズマビームに二種類のビームを掛け合わせ、再び撃ち放った。

 

「攻撃を変えようが同じことです……っ!?」

 

 三発同時に放たれたビームはそれぞれが独立した軌道を描いて目標をホーミングする。ウェイブビームの情報は持っていなかったのか対処が遅れ、奴は一発を片腕に被弾した。流石に上級使徒である上、強化状態の防御力ともなれば完全に消し飛ばされるようなことはなく、腕の先端から肩までと片翼が蒸発する程度で済んだようだ。

 

 だが、彼女の運命はここまでだ。プラズマビームのダメージで動きが緩慢となり、まだ空中に残留していた残りの二発によって身体を貫かれ、その大半を失うことになった。

 

「イレギュラー……やはり危険……で……」

 

 そう呟いた直後、目から光が失われて彼女の亡骸は大地へと墜ちていく。聖教教会の総本山である神山に天使が墜落したこの光景は、教会の敗北を意味していた。

 

「プラズマビーム……やはり危険な武器だ。彼らが封印した理由も分からなくはないな……」

 

 ハジメは改めて思った。強力な兵器を保有して運用するということは、それ相応の責任が伴うということを。

 

「南雲くん、王都に行きませんか?」

「そうだな、先生。それと、彼らの埋葬は後ほどで大丈夫か?」

「はい。生徒達の方が心配ですから……教会の皆さんには申し訳ありませんが……」

「では、急ぐとしようかの」

 

 ハジメ達は神山から撤退して山をフリーフォールで飛び降り、王都へと向かう。戦火で大混乱に陥っている市街地を抜け、王宮に突入した。




メトロイドシリーズ屈指のチート武装、プラズマビームがINしました。また、ソウルバイザー&グローブのイメージはプライム4のサイキックバイザー&グローブです
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