透き通った世界にロスサントスの住人をブチ込む話   作:おしゅし

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アビドス編プロローグって感じなのでちょっと短め。許してヒヤシンス

psアルちゃんエミュってくっそムズいね


第6話

 

そうして拠点を決定したあなたですが、そんなことよりも重要なことがあります 。目の前の男です。やたらと黒くてひび割れた顔が、異形であることを主張しています。

 

怪しげな笑みを浮かべる男を前に、こんな感じの全身タイツコスチュームが売ってたな。などと呑気に考え事をしているあなたに、男が話しかけてきました。

 

 

「クックックック、初めまして。イレギュラー」

 

 

イレギュラーとは自分のことだろうか?そんな疑問をあなたが抱いているのを他所に男は話を続けます。

 

 

「おっと、まだ名乗っていませんでしたね。私は黒服と申します。以後お見知りおきを」

 

 

なんだコイツ...

 

めちゃめちゃに怪しい男を前に、当然の感想をあなたは抱きました。とはいえです。あなたが拠点と決めたこの廃ビルの管理者かもしれません。いやそんなことは無いだろ、こんな奴が。などとは言ってはいけません。あなたはかもしれない運転ができる犯罪者です。一応聞いてみることにしました。

 

 

''ここの管理者か?''

 

 

もしYESと帰ってくれば暴力という名の話し合いをするつもりです。

 

 

「いえいえいえ、私はここの管理者ではありませんよ。」

 

 

怪しい男のペースに飲まれてしまっているあなたは、少々嫌な予感を感じています。この男がこの場所の管理者ではないことを残念に思いながら、何の用だと尋ねます。

 

 

「よければ依頼を受けて頂きたいと思いまして。」

 

 

怪しすぎですね。あなたは素性の知れないどころか、怪しさ満点の依頼主から目線を外さないよう考えます。

 

ロスサントスでも素性の知れない相手から仕事を受けることはありました。しかし電話番号などならともかく、正式な手順を踏まず不法に滞在している拠点を見つけ出し、そのうえ自ら乗り込んでくるような相手は初めてです。あとシンプルに偽名、なんだ黒服って。隠す気ゼロの偽名です。

 

正直受けたくありません。何よりこちらが相手の情報をまるで知らないのも問題です。少なくとも相手は、あなたの居場所をこの短時間で見つけ出す情報網を持っています。入手した情報は拠点だけではないでしょう。装備、戦術、キヴォトスでの犯罪歴、拠点、容姿、どれをとってもばら撒かれれば困るものばかりです。むやみに断るのも危険だとあなたは判断しました。

 

ですが、このまま''分かった''と受け入れることはできません。契約はフェアにおこなう物だとあなたは思っています。まあ相手によりますが、自分より弱いものに容赦など必要ありません。それがあの街の常識です。

 

しかし相手は直接乗り込んでくるあたり、銃撃や爆発物は対策済みでしょう。もしかするとヘイローはありませんが生徒並にタフなのかもしれません。そのあたりワカモさんにもっと聞いておくべきだったと反省しながら尋ねます。

 

 

''事情は分かったが、依頼内容は?そもそもなぜ俺なんだ?''

 

 

''何が目的だ?''

 

 

これまで培った経験をフルで使い、スゴみを効かせました。敵意を使い、不信感を抱いている事を伝えるのも、立派な犯罪者流の交渉術です。

 

 

「おやおや、そんなに敵意をむき出しにされると、恐ろしくて何も話せなくなってしまいそうです。」

 

 

クックックックと悪役専用の笑い方をしながらはぐらかされました。一発ぐらいいいんじゃないか、そう思っていると

 

 

「とはいえ、流石に不信感を抱かれすぎましたね。簡潔にお話しましょう。」

 

 

どうやら話す気になったようです。あなたは取り出そうとしていたヘビーリボルバーmk2を収めました。

 

 

「まずは依頼内容、ここからしばらく行ったところにアビドス自治区があります。そこへの襲撃ですね。

そしてあなたを選んだ理由、このキヴォトスの外より訪れたあなたに興味が湧いたから。

そして最後に目的、キヴォトス最高の神秘と外の世界から訪れたイレギュラーの接触、そしてもたらされる結果、その観測です。納得して頂けましたか?」

 

 

急に情報で殴られたあなたは、正直言って何言ってんだコイツ状態です。しかし理解はできませんが、納得はしました。とりあえず、この黒服を名乗る男は''あなた''と''キヴォトス最高の神秘''をぶつけて、それを見たいようです。そしてそのための依頼。

 

まあ、もともと受ける予定の依頼でしたが、キヴォトス最高の神秘とかいう明らかな地雷が出てきました。あなたは正直ゲンナリしています。しかし受ける以外の選択肢もありません。嫌々ではありますが答えます。

 

 

''分かった、受けよう''

 

 

「クックックック、ご納得いただけて何よりです。報酬も弾みますのでご心配なく。」

 

 

正直、金は腐るほどあるのでそこは心配していません。どちらかと言うとキヴォトス最高の神秘とやらの方が問題です。

 

 

''で、俺は具体的に何をすればいい?''

 

 

ここが重要です。よほど無理難題を押し付けられない限り仕事はするつもりですが、何事にも限度があります。

 

 

「アビドス高校への襲撃です。」

 

 

具体性に著しく欠ける答えです。というかキヴォトス最高の神秘の持ち主は、十中八九生徒でしょう。アビドス高校への襲撃ということは、その生徒を敵にまわす可能性が高い。自治区内での破壊活動であれば姿を晒さずに行えます。しかしアビドス高校を姿を見られずに直に攻撃するのは至難の業です。リスクが高すぎます。

 

 

''俺とキヴォトス最高の神秘をぶつけるとか言っていたが、随分直接的だな''

 

 

まあ出来ないという訳ではないのですが、嫌味くらいはぶつけても良いでしょう。

 

 

「まどろっこしいのはお嫌いだと思いまして。」

 

 

まあ否定はしません。

 

 

「別に最初から本気でぶつかって頂く必要はありません。今回は様子見ですよ。クックックック...」

 

 

相変わらず掴めない男です。あなたはゲンナリした態度を隠そうともせず了承しました。

 

 

「では、こちらをどうぞ。あなた以外のアビドスを襲撃する者たちの情報です。上手く使ってください。」

 

 

いきなりの新情報に、いい加減撃ってやろうかとも思いましたが踏みとどまりました。あなたは礼儀の分かる犯罪者です。依頼主をぶち殺すワケにはいきません。まあそういった経験がないわけではありませんが。

 

 

「では、私はこれで失礼します。良い報告をお待ちしていますよ。クックックック...」

 

 

なんというか、上手いこと嵌められた気もしますが一旦はこの仕事をこなすことにしました。

あなたは必要になりそうな物を準備しながら、先程黒服に貰った書類を眺めます。

 

 

''便利屋68か......''

 

 

カタカタヘルメット団の後釜として据えられた連中だそうです。戦闘力は未知数ですが、ヘルメット団よりはマシなのでしょう。というかなんだカタカタヘルメット団って。もう少しいい名前はなかったのでしょうか。

 

思考を脱線させていたあなたは、作戦を考えなければと頭を捻りました。しかしアビドス高校そのものや、アビドスの生徒たち、地理や気候、そういったものを確認もせずにぶつかるにはキヴォトス最高の神秘という存在は、いささか大き過ぎる不安材料です。というかそもそも襲撃の目的を聞いていません。校舎の破壊なのか、生徒の殺害か、それとも強盗か、いろいろ考えましたが、詳しく言われていない以上、逆に何しても良い。そう考える事にしました。

ひとまず現地の確認だな。そう考えたあなたは、スパローを呼び出して乗り込みます。

 

 

''とりあえず行ってみないことには始まらないしな''

 

 

浮かび上がった機体は、最速の機体というだけあってどんどんスピードをあげていきます。この調子で行けば、アビドス自治区内まで大した時間はかからないでしょう。

 

 

 

 

 

side陸八魔アル

 

前回の依頼も失敗しちゃったし、今回こそは成功させてみせる。そう意気込んだはいいものの、懐事情はあまり芳しくない。

 

 

「はぁ、何とか傭兵も頭数を揃えられたわね。」

 

 

疲れを隠そうともしない私の発言に、社員達も少し疲れを見せながら言葉をかえす。

 

 

「社長、またお金全部使っちゃったね。」

 

 

カヨコからの説教まじりの指摘に、つい「うっ」

と声が漏れる。

 

 

「あははっ!仕方ないよ、アルちゃんだからね!」

 

 

笑いながらそう言うムツキに、恨みがましい視線を向ける。

 

 

「アルちゃんこわ〜い。」

 

 

相変わらず楽しそうに笑うムツキの後ろで、ハルカがアタフタしている。

 

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!私がもっとしっかりしていれば依頼を失敗することなく報酬が貰えたハズなのに!」

 

 

謝罪を叫ぶハルカをムツキがまあまあと落ち着かせる。

 

 

「でも!これで準備は整ったわ!アビドスに出発よ!」

 

 

私は空気を切り替えるべく、気合いを入れて叫ぶ。そうだ。ここからが正念場なのだ。今回こそアウトローらしく受けた依頼を完璧にこなしてみせる。

 

 

ドドォォォォンッ

 

 

遠くから聞こえる爆発音、それ自体は何も珍しいことではない。しかし、今しがた頭上を掠めていったミサイルは流石に看過できない。

 

 

ドォォォォォンッ!!!!!!!

 

 

少し離れた場所に着弾したミサイルが爆発する。悲鳴があがり、怪我人も出ているようだ。

 

 

「あははっ!いつにも増して荒れてるね!」

 

 

いつも通りの調子でムツキが言う。それを見てカヨコがため息をはく。

 

 

「いや、普通じゃないよ。これ。」

 

 

ミサイルが飛んできた方を振り返ると、

 

ババババババババババ!!!!

 

超低空飛行でヘリが突っ込んで来ていた。

 

 

「危なっ!!!!!」

 

 

あまりの風圧に飛び退き、頭上スレスレを飛びながらヘリが駆けて行く。あんな低空飛行のヘリをブラックマーケット内で見ることになるとは思わなかった。何気にとんでもない技術ではないだろうか。あっという間に小さくなったヘリを見つめていると、カヨコが声をかけてきた。

 

 

「社長」

 

「な、何かしら。」

 

「早く追いかけないと。」

 

「え?」

 

「ハルカ、行っちゃったよ。」

 

「え?」

 

 

よく見れば、ハルカがヘリを追いかけて走って行くのが見えた。

 

 

「死んでください!死んでください!死んでください!」

 

 

どうやら私に危険を及ぼしたあのヘリが許せないようだ。

 

 

「な、なんですってーーー!!!」

 

「あはは!ハルカちゃんおもしろーい!」

 

「ちょ!笑ってる場合じゃないわよ!」

 

 

笑うムツキに声をかけ、走り出す。出だしから躓いた感は拭えないが、今回の依頼は何としても成功させてみせる。そうしてアビドスに向かって私達は駆け出した。

 





スパローで飛んでる時に無意味にミサイル撃つのは俺だけじゃないよね???
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