穏やかな春の陽気に包まれ、桜並木は満開の花を咲かせている。
風に揺れる桜は、薄いピンクの花びらを儚くも美しく散らせていた。
そんな麗らかな春のある日──桜並木を
爆走する人影がいた。
「転校初日から遅刻だーッ!!」
この転校初日から大ピンチのこの男は
一猛打ジン!この物語の主人公である。
「転校初日に遅刻とか問題児でしかねー!」
───────
「はーい皆んなおはよう!」
軽快な挨拶と共に教室に入ってきたのは、冴えなさそうな見た目の担任である。名を古知シンという。
「今日はみんなに重大発表がある!」
「「おおーっ!?」」古知の一言にクラス全体がざわめく。
「なんとこのクラスに転校生が来ることになった!」
「おおー、転校生?」
「男かな?女かな?」
「女だよ。俺のカンは当たるんだ」
「はーいみんな静かになー」
クラスが騒然とする中、古知は教室の外に向かって声をかける。
「それでは転校生を紹介しまーす」
古知がそう言うと、静かに教室のドアが開く。
「紹介しよう。今日からこのクラスの仲間になる・・・」
「一猛打ジンです!俺はこの学校をサモナー甲子園に連れて行く!!!」
それを聞いた瞬間、教室内がにわかに騒がしくなる。
「聞いたか?サモナー甲子園だとよ」
「何年行ってねえと思ってんだ全く」
しかし、そんな中古知は一人
「・・・おもしれぇじゃん」
と小さく呟いた。
「それでは一猛打くん。窓側の一番後ろの席に座ってね」
「はい!」
そんなこんなで、波乱万丈の転校初日は無事終わった。
放課後、古知は帰ろうと準備をするジンに話しかける。
「ちょっといいかい一猛打君。サモナー甲子園目指してるんだって?実は俺、カードバトル部の顧問なんだよ」
「それはマジですか!?」
「マジだよ。なんで嘘つく必要あんのさ・・・とりあえず付いてきな。部室まで案内するよ」
「わかりました!」
そうしてジンは古知に連れられ、カードバトル部の部室へ向かった。
その頃、二人を追う二つの人影があった。
「アズマ、あの子が・・・」
「だな。ウワサの転校生だ!ミハル、見失うなよな!」
そんなことを言いながら二人はジンを尾行していく。
「ここがカードバトル部の部室だ」
そして二人が辿り着いたのはほとんど使われていない歴史資料室だった。ガラリと扉を開けると・・・
そこには一組の男女がいた。
「あれセンセ。新しい部員さんですか?」
「そうだよ。名前は一猛打ジンくんだ」
「私はここの部長の陰光マヤ。よろしくねジンくん」
「・・・俺はハジメ。寸先ハジメだ」
男の方は机に脚を乗せたまま気怠そうに自己紹介した。
「おう!よろしく!」
ジンは元気良く挨拶する。
「ところでセンセ。今日は活動日じゃないですよね」
「そのはずだ・・・」
「ああ・・・彼を入部させようと思ってね」
そう言って後ろのジンを指すシン。
「そう。彼は転校初日から『サモナー甲子園目指してる』なんて言ってくれた。俺はそういう熱いのが大好きでね」
それを聞いたマヤとハジメは顔を見合わせ・・・
「いいだろう。入部テストだ。そこの後ろにいるやつどっちかに勝てば入部させてやろう」
「げえっ!?バレてた!?」
ジン達の後ろにいた二人の人影。
そのうちの片方が慌てたように飛び出す。
「いや〜やっぱ気付いてたかぁ」
「当たり前だろう。さぁ、残った方は俺とやれ」
「じゃあ私がやる」
「即答ォ!?おいミハルお前ハジメさんとやりたくねぇからって」
「ミハル。俺とやるぞ」
ハジメはミハルと呼ばれた少女を真っ直ぐ指差す。
「えっ」
「じゃあ俺が転校生と戦るってワケだな!」
「えっとぉ・・・アズマ。どうしよ」
「まぁ仕方ないだろ。がんばれ」
「うぅぅ・・・わかったよ。やります!やればいいんでしょ!?」
「うっしゃやろうぜ!俺はアズマ!風馬アズマだ」
「おう。よろしく!」
二人はそう言って向き合う。
「俺が先行を貰う!俺のターン!」
先行を取ったのはアズマだ。
「まずはケンイーンを召喚!」
「足場を整えるか・・・!」
「ターンエンド!」
「俺のターン!ドロー!」
ジンのデッキは破壊をトリガーに展開できるフェニックスデッキ。小型を大量に展開するであろうアズマのデッキとは好相性!
「ヒナフェニックスを召喚!」
「行くぜ!ヒナフェニックスで攻撃!」
「ノーガード!」
アズマ 5→4
「ターンエンド」
「攻めるじゃねえか、嫌いじゃないぜ!そういうバトル!」
「アズマも似たようなもんだしねー」
隣の卓からミハルが茶々を入れる。
「集中しろミハル。オルトロハウンドで攻撃!」
「すいませんっ!ナックルザウルスでブロック!」
どうやら隣も盛り上がっているようだ。
「俺のターン!行くぜ!ケンイーンでコストを軽減しバージョを召喚!」
「ヒナフェニックスに攻撃だ!」
ヒナフェニックスの破壊時効果が発動する!
「ヒナフェニックスの効果発動!ハヤブサフェニックスを場に!」
「倒しても後続が湧いてくるって訳か。
きっと自壊用のカードも用意してるに違いねえ、速攻で決めてやる!」
「俺のターン!ドロー!ケンイーン2体とロジェネスを召喚!」
「ロジェネスの効果!デッキトップ5枚からケンタウロスを持ってくる!そして行くぜ!場のケンタウロスとケンイーンの軽減込みで1コスト!伝説の三馬将メジルギヌス!」
「何!?」
アズマのフィールドに白銀の鎧を纏った葦毛のケンタウロスが降り立つ。
「バトルだ!行けメジルギヌス!」
「ハヤブサフェニックスでブロック!」
「させるかよ!ブリッツだ!馬人走法!」
「ブロックされなくなった・・・!」
「そういうことだ!行けメジルギヌス!」
ハヤブサフェニックスのブロックをひらりと躱し突撃するメジルギヌス。その槍の一突きが、ジンのライフを削る!
ジン 5→3
「へへ、あとは残りで押し切るだけだぜ!ケンイーンでアタック!」
「これはブロック!」
「あらら、でもケンイーンのが弱いぜ!」
「ああ。ハヤブサフェニックスの効果は発動しない。でもな、俺も握ってるんだぜ?」
「てめぇまさか・・・!」
「そうだ。ブリッツ!イモータル・ネクローシス!」
「何ィーッ!?」
「メジルギヌス以外のサーヴァントは全滅!さらにハヤブサフェニックスの効果も発動する!デッキからフレイムフェニックスを召喚!」*9「クソが・・・ターンエンドだ」
「俺のターン!ドロー!」
ジンの手札は4枚、対してアズマは前のターンに手札を使い切り0枚。
「行くぜ!フレイムフェニックスに不死鳥の珠を装備!」
「行け、フレイムフェニックス!」
「ぐあああっ!?」
アズマ 4→3
「さらに!不死鳥の珠によりフレイムフェニックスを破壊!そしてフレイムフェニックスの効果で手札からバーニングフェニックスを召喚!」
「ヒナフェニックスで攻撃!」
「ぐっうぅ・・・!」
アズマ 3→2
「バーニングフェニックスで攻撃!これでトドメだーッ!」
「俺の完敗だーッ!!!」
───────
「いやー負けた負けた!いいバトルだったぜ!」
アズマがジンに握手を求める。
「おう!またやろうな!」
ジンが無防備にも握手に応じる。
「ああ!・・・かかったなアホが!親父直伝の一本背負いを喰らえーッ!」
なんと握手の姿勢からアズマがジンに一本背負いを決める。綺麗な投げであった。きっとアズマの親父は著名な柔道家であったに違いない。
「うおわーっ!?」
床に叩きつけられるジン。
「へへっ、びっくりしたろ?」
「いってて・・・お前最初からこのつもりで・・・」
「俺が負けたのは初見だったからだ!次は負けねぇ!」
「終わったか?こっちは随分早く終わったがな」
二人の元にハジメが近づく。
「あっ、ハジメさん、申し訳ありません・・・」
「別に責めてなどない。敗北を次の糧にすればいい」
「ハジメさん・・・!」
「だが、次は勝て」
「はい!」
「・・・ところで、そこの転校生。よくやった。カードバトル部への入部を認めよう。ようこそカードバトル部へ」
「おう、サンキューな!これからよろしく頼む!」
「ああ。よろしくな。俺は寸先ハジメだ。この部の部長をしている」
「私はミハル!よろしくね転校生くん!」
こうしてジンは無事入部し、新たな仲間と共にサモナー甲子園を目指す事になるのだった。
ケンタウロス
コスト2
自分のケンタウロスのコストを1軽減。
攻撃不可
フェニックス
コスト2
このサーヴァントが破壊された時このサーヴァントよりコストが1大きいフェニックスをノーコストで召喚できる。
ケンタウロス
コスト4
効果なし
コスト3
フェニックス
破壊時デッキからコスト5のフェニックスをノーコスト召喚する。
コスト4
登場時デッキから5枚を見てその中からケンタウロス・サーヴァント1体を手札に加える。残りは消滅させる。
マジック
コスト2
ブリッツ:サーヴァントの攻撃時(このカードはアタックフェイズ中自分のダウンしているエナジーをリブートすることによっても使用可能)
このターン中自分のケンタウロス1体はケンタウロスにしかブロックされない。
マジック コスト3
ブリッツ:自分のフェニックスがブロックした時
自分のフェニックス1体を破壊し、その破壊したサーヴァントの攻撃力以下の相手サーヴァントを全て破壊する!
装備
装備条件:フェニックス
装備サーヴァントの攻撃力を+4000し、攻撃終了時装備サーヴァントを破壊する。
コスト7
フェニックス
このサーヴァントが出た時、トラッシュのフェニックスを全て消滅させ、戻した数以下のコストの相手サーヴァントを1体破壊。このサーヴァントが破壊された時、手札からフェニックス1体をノーコスト召喚。
どうも。TCG小説の書き方なぞわからんのでカード効果はほとんど全て注釈にて説明をする予定にございます。わかんないとこは質問下さい。ルールは後に説明回を挟みますよん