異世界でモンスターになったのでなんとなく生きてみる   作:ふともも辺りに絡みつく触手

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ここは……どこよ……?

世界が光に包まれた

 

何かの衝突音

 

私の体が吹き飛ばされてるという感覚がある

 

そして

 

どこかに叩き付けられたという感覚があった

様々な感覚だけであり痛みが全くなかったのが不思議であった

 

 

様々な感覚が過ぎ去った後、私はやっと目を開ける

 

「ここは……どこよ……?」

 

あたりを見回しても木しか見えない

そんな場所に私は倒れていた

 

私の名は黒葛原 麗華(つづらはられいか)

前世の記憶を持ってる系女の子である

 

スピリチュアルなそれではなく本当に男性で生きた記憶を持って現代日本で結構背景がお黒いお家の黒葛原 麗華という女の子として二度目の人生を歩むことになったのだ

 

そして現在、もうこの体にも慣れお家の仕事にも慣れ二度目の青春にも慣れた時に教室で授業中突然光に包まれたと思ったらこんな山奥で倒れていたのである

 

「誘拐……にしては訳が分からないわね」

 

確実に教室に居たことは覚えているし二度目の人生で友達になった人と次の授業について話してたのも覚えている

そしてその瞬間周りが光に包まれたのも

 

誘拐にしては真昼間にするのもおかしいし()()()()()()()こういうことされるのも可能性としてはあったと思うがそれにしてもこんな場所に誘拐した人間を放っておくのもおかしい

 

そしてなにより

 

「日の上がり方的に考えて昼、月が見えるのもあり得るけど()()()があるのはおかしいでしょう?」

 

真昼間、空に浮かぶ太陽と二つの月を見上げながらここは元居た場所ではないということをひしひしと感じていた

 

 

 

「転生があるんだから異世界転移もあり得るのかしら……」

 

そんなことを呟きながら私は森の中を歩く

普通なら否定するそれも一度目の人生を終え女の子に転生して二度目の人生を歩んできた自分が居るので否定できなくなっている

 

「とりあえず今は遭難してると考えて見知らぬ場所で遭難したなら一番最初にすることはむやみに動かず落ち着いて周りの確認、

周りに見える道がなかったら地図を確認。地図なんて持ってないわ。

そしてそれでも場所が分からない場合開けた場所を探すか山を登るだったわね。開けた場所は上から見つけてもらうためだから今の状況で良いのは山に登るね」

 

頭の中にある遭難時のマニュアルを思い出し山を登って行く

何かあればよかったが何故か財布もスマホもなく学校の制服と体一つでここに居たので他に出来ることが無いのだ

 

そんなこんなで山を登ってるがなんというかとても不思議な感覚がしている

なにせ()()()()()()()()()()()()()()

 

見知らぬ土地、見知らぬ山の中、生きていく為の物が自分の身一つしかない

なのに私は今の所()()()()()()()()()

 

今自分がとても落ち着ていることが分かるのだ

 

そしてそうこうして数時間

散歩をするように山を登っているとふいに開けた場所に出た

 

人の手が入ってるように見えない天然の広場

 

そこの中心に二度目の人生を経験してなおお目にかかったことが無かった角の生えた大きなイノシシが居た

 

そのイノシシはこちらに気付いたのであろうゆっくりとこちらに体を向けそして

 

凄まじい勢いでこちらに突進してきた

 

 

突撃してくる角の生えたイノシシ

このままでは私はあのイノシシに轢き殺されるだろう

 

なのに私は全く恐怖を感じない

それどころか何故か私はそのイノシシを()()()()と感じてしまった

 

感じてしまったからにはその感覚通りに体を動かすだけである

手を前に

角の生えたイノシシをなぞるように指を宙で動かす

 

そうすると

 

「これ、何よ?」

 

そこには真っ二つになった角の生えたイノシシと自分の指の動きの通りに動いた()()()()があり

 

そして

 

翼と角が生えた自分の姿があった

 

 

 

角の生えたイノシシを殺してからしばらくしていろいろ試して私の力がどんなのか大体分かった

 

「確実に人間じゃなくなってるわね」

 

今のこの黒葛原麗華という少女の体のスペックは元々からとても高かった

が、それでも数時間見知らぬ山を休憩を一回も取らず登り続けて一ミリも疲れすらしないのは流石におかしかったので薄々感じてはいた

 

「角と翼が生えて木を飛び越えられて木を素手でへし折れるのは確実に人間じゃないわよねぇ」

 

そう、ジャンプすれば平気で森を上に突き抜けちょっと上空から見渡せるくらい飛べるし岩を完全に粉砕して拳に傷一つ付かなかった

先のイノシシも下手すれば()すら使わず殺せたかもしれない

 

「そしてお腹も減らないし体力も減らない。不思議な生き物ね今の私」

 

もう今の自分の能力が気になってしまい本当にいろいろ試した

全力で駆け回ったら人間では出せないスピードになったのに体には問題がなく、しかも全く疲れなかった

その上で今はもうどっぷりと夜になってるのに全然お腹が減らない上に夜目が効くのか山の暗闇の中でも少し見づらい程度で周りを見通せていた

 

そういうおかしな生き物になって別の世界に来たと確信した一番の理由は

 

「《燃えろ》」

 

私のその言葉で集めた木に火が付く

そう、イノシシを殺した()しかり言葉を発しただけで火が付いたりと《魔法》としか呼べないことを出来たことである

これにより私は現代日本に転生したあと異世界転移したという常人じゃ考えられないことになったのが分かる

 

他にも様々なことが出来るのが分かったがここで別の問題が出てきた

 

「私、何すればいいのかしら?」

 

食事や水分の補給、安全の確保など全くする必要がなく、自身の命の危険は今の所ない

寝床の確保も周りに()を走らせればそれでも問題なくなる

そもそも寝る必要があるのかすら怪しい

 

そうなると次に考えるのは何をするかだ

こういう異世界モノだと神様が現れたり異世界の住人が現れてこっちに呼んだ理由や目的を教えてくれるのが多い

だが私はこの世界に来たときはそんなものはなくただただ森の中で倒れていただけだった

 

元の世界へ帰る方法があるのか分からない

そもそも元は人間の女の子だった私が人間に戻る術はあるのかというのもあるが今の体はかなり便利なのであんまり戻る気はない

 

「とりあえず今夜は魔法のいろんな使い方でも考えながらこれからのことでも考えましょう」

 

明日のことは明日の私が考えるだろう。そう思い異世界転移一日目、私は夜が明けるまで魔法の研究を続けることを決めた




男としての人生を生きて死ぬ→現代にTSして黒葛原麗華になる→異世界転移→今現在
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